AGAによる薄毛や抜け毛は、年齢に関わらず多くの方の悩みの種です。髪を取り戻し、自然な生え方を目指す手段として注目されるのが植毛の方法です。
この記事では、自毛植毛から人工毛植毛までを幅広く取り上げ、それぞれの植毛のやり方と特徴、費用やダウンタイムなどを比較しながらわかりやすく解説します。
医療機関選びのポイントや術後のセルフケアのヒントも示すので、植毛の施術について情報を得たい方はご覧いただければ幸いです。
植毛を考える前に知っておきたい基礎知識
植毛に興味を持ち始めた段階で、まず理解しておきたいポイントがいくつかあります。薄毛・抜け毛の進行状態や植毛の概要を把握すると、より明確な目標やクリニック選びに役立ちます。
植毛の基本的な仕組み
薄毛や抜け毛の発生原因は、遺伝やホルモンの影響だけでなく、生活習慣やストレスなど多岐にわたります。
植毛は、主に後頭部や側頭部など比較的に脱毛が進みにくいエリアの毛根を採取し、薄毛が気になる部位に毛根ごと移植する行為です。
髪として定着すると、採取元と同じ性質で伸び続ける可能性が高いです。
薄毛治療との違い
内服薬や外用薬などで行う薄毛治療では、まだ機能が残る毛根に働きかけ、抜け毛の進行を抑えたり髪の成長を促したりします。
一方で、植毛の施術の場合は既に薄くなった部位に毛根そのものを移植します。これにより、既存の毛根が少なくても、頭皮に新しく髪を定着させられる点が特徴です。
自毛植毛と人工毛植毛
植毛には、自毛を用いる手法と、人工毛を移植する手法が存在します。自毛植毛は自分の毛根を利用するため拒絶反応が少なく、仕上がりが自然であることが多いです。
人工毛植毛は、自毛が不足しているケースで役立つ場合がある一方、感染や拒絶反応リスクに留意が必要です。
クリニック選びの重要性
医療機関によって植毛のやり方の対応範囲や得意分野が異なります。カウンセリングを通して、技術力や費用、通いやすさなどを比較検討すると安心できる治療につながります。
薄毛治療と植毛の違いをまとめた図
| 項目 | 内服薬や外用薬による治療 | 植毛(自毛/人工毛) |
|---|---|---|
| アプローチ | 毛根機能の維持・活性化 | 薄い部分に直接毛根を移植 |
| 目的 | 抜け毛予防・毛髪の維持・増大 | 髪のボリューム回復 |
| メリット | 比較的安価で始めやすい | 進行が進んでいても植毛が可能 |
| デメリット | 効果が出るまで時間がかかることがある | 費用が高額になりやすい |
| 向いている人 | 比較的軽度〜中等度の薄毛 | 高度な薄毛や内服薬で効果が薄い人 |
自毛植毛と人工毛植毛の特徴
自毛と人工毛を使った植毛には、それぞれ長所と短所があります。効果やリスクを理解したうえで、自分の状態にあった選択を検討することが大切です。
自毛植毛のメリットとデメリット
自分の後頭部や側頭部の毛根を移植する方法です。定着率が高く、拒絶反応を起こしにくい特徴があります。髪質や毛量が十分に確保できる場合、自然な仕上がりが望める点で人気です。
- メリット
- 拒絶反応の心配が少ない
- 定着後も生え変わる髪が期待できる
- 自分の髪質で自然な見た目になりやすい
- デメリット
- 採取元に十分な毛髪が必要
- 採取部位に傷跡が残ることがある
- 複数回の手術が必要な場合もある
人工毛植毛のメリットとデメリット
自毛が極端に少ない、または何らかの事情で自毛が採取できない方に向いています。人工毛は品質が向上しており、比較的見た目も自然ですが、拒絶反応や感染などのリスクには注意が必要です。
- メリット
- 自毛が不足している人でも対応できる
- 髪色や太さをある程度選択しやすい
- 短期間でボリュームアップが狙いやすい
- デメリット
- 拒絶反応や感染リスクが高い
- 維持・交換にコストがかかることがある
- クリニックによっては取り扱いが限定的
どちらを選ぶかのポイント
自毛植毛を選ぶ人が多い傾向にありますが、状態や希望によっては人工毛植毛も視野に入ります。担当医と十分に相談しながら、自分に合った植毛の方法を考えてみましょう。
自毛植毛と人工毛植毛の主要項目
| 分類 | 自毛植毛 | 人工毛植毛 |
|---|---|---|
| 定着率 | 高い | 個人差が大きく拒絶反応で低下する可能性も |
| 拒絶反応 | ほぼ無い | 起こることがある |
| メンテナンス | 定着後は通常のヘアケアで問題ない | 定期的な交換や検診が必要となることがある |
| 自然さ | 自分の毛根を利用するため自然な仕上がりになりやすい | 人工毛の種類によってはやや不自然な印象になる |
| 費用 | 人工毛植毛より高額になりやすいこともある | クリニックや人工毛によって変動 |
主な自毛植毛の施術技術
自毛植毛には複数のやり方が存在し、代表的なものにFUT法とFUE法があります。さらに近年は切らないタイプの植毛や、より精密な工程を重視する手法も登場しています。
以下では代表的な植毛方法を比較し、特徴やメリットを紹介します。
FUT法(ストリップ法)の特徴
後頭部にある毛髪が生えている頭皮を帯状に切り取り、そこから毛根を取り出す技術です。多くの毛髪を一度に採取できるため、広範囲の移植が必要な方に向いています。
ただし、後頭部に傷跡が残るリスクがあり、髪を短くできない場合がある点には注意が必要です。
FUT法のポイント
- 一度に多量の毛髪を採取できる
- 傷跡は一本線状に残りやすい
- メスを使うため、術後痛や回復までの期間を考慮する必要がある
FUE法の特徴
頭皮をメスで切り取らず、パンチブレードなどの特殊な器具を使って毛根をくり抜くように採取する方法です。線状の傷跡を避けたい方に人気があり、回復が比較的早いと言われています。
ただし、広範囲の毛髪を移植するときは、採取に時間がかかることがあります。
FUE法のポイント
- 1つずつ毛根を抜き取るため、傷跡が点状になりやすい
- 広範囲の場合は施術時間が長めになる
- 髪型の自由度が高い
DHIなどのほかの手法
毛根を採取してから移植に至るまでの工程を簡略化し、より丁寧に移植位置を決める手法も注目を集めています。DHIは専用のインプランターを使って、移植孔を作りながら毛根を挿入することが特徴です。
ただし、医師の技量に左右される面があり、クリニック選びが重要です。
代表的な植毛法の比較表
| 方法 | 採取の仕方 | 傷跡 | 施術時間 | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|
| FUT法 | 帯状に皮膚を切り取って毛根を分離 | 線状 | 比較的短時間で終わる | 広範囲の薄毛をカバー |
| FUE法 | パンチブレードで毛根を1つずつくり抜く | 点状 | 広範囲だと時間が長め | 傷跡が目立つのを避けたい |
| DHIなど | 採取はFUEに近く、専用器具で直接挿入 | 点状または目立ちにくい | 場合によっては長時間 | より自然なデザインを追求 |
術前の準備と当日の流れ
植毛を受けるにあたり、術前のカウンセリングや生活習慣の見直しは大切です。準備をしっかり行い、万全の状態で手術に臨むことで、術後の定着率や回復に良い影響が期待できます。
術前カウンセリング
医師やスタッフと時間をかけて相談し、植毛の施術方針を決めます。頭皮や毛髪の状態を確認し、移植可能な毛髪量や仕上がりイメージを共有します。
ここで費用やダウンタイム、アフターケアなどもしっかり確認しましょう。
生活習慣の整え方
血行不良や栄養不足は髪の成長に影響を与えるため、バランスの良い食生活や適度な運動が重要です。睡眠不足や喫煙などは頭皮環境を悪化させる恐れがあるため、可能な限り改善を目指してください。
当日までの準備を整理した図
| 準備項目 | 内容 |
|---|---|
| カウンセリング参加 | 医師に頭皮・毛髪の状態をチェックしてもらう |
| 生活習慣の調整 | 栄養バランスを意識した食事と適度な運動 |
| 禁煙・節酒 | 血行改善と術後リスク回避を意識する |
| 洗髪と清潔保持 | 手術当日の頭皮環境を良好に保つ |
| 十分な睡眠 | 回復力を高める |
手術当日の流れ
クリニックに到着したら、改めて医師との最終確認を行います。麻酔を使用する手術の場合は、体調面のチェックが重要です。
術中は頭皮麻酔が効いていれば痛みが少ないことが多く、リラックスして受けられるように工夫している施設もあります。
注意点やリスク
メスを使用するFUT法では、縫合部を引っ張ると傷が開くおそれがあるため、術後しばらくは激しい運動を控えるなどの配慮が必要です。また、FUE法であっても頭皮への負担がゼロになるわけではありません。
移植部分だけでなく採取部分も丁寧にケアしてください。
術後のケアと回復のポイント
手術が終わってからの数日〜数週間は定着を促す大切な期間になります。頭皮を清潔に保ち、移植した毛髪にダメージを与えないように注意すると、仕上がりの質が向上しやすいです。
術後数日〜1週間
術後に日数が経過するほど赤みや腫れ、かさぶたなどが落ち着いていきます。この期間は特にデリケートなので、過度な刺激を避けましょう。
洗髪は指で強くこすらず、頭皮にやさしいシャンプーを使って軽く洗い流す方法が望ましいです。
術後1週間〜1か月
かさぶたが剥がれると、移植した毛髪が一時的に抜けることがあります。これはショックロスと呼ばれ、植毛のやり方問わず起こる可能性があります。
新しいサイクルで毛髪が生えてくるため、一時的な抜け毛に過度に不安になる必要はありません。
術後の経過に関する簡単な一覧
| 時期 | 主な変化と注意点 |
|---|---|
| 術後当日 | 麻酔の影響や軽度の痛み |
| 術後2〜3日 | 赤み・かさぶたが目立つ |
| 術後1週間 | かさぶたが剥がれ始める |
| 術後2〜3週間 | 一時的な抜け毛(ショックロス) |
| 術後3か月 | 徐々に新しい髪が伸び始める |
術後の生活習慣
適度な運動や栄養バランスを意識した食事は、頭皮環境の改善に寄与します。
激しい運動は術後早期には避けるほうが望ましいですが、医師の許可が下り次第、軽いウォーキングなどを取り入れると血行が改善しやすいです。
メディカルケアの活用
術後の定期検診や追加のケアメニューを利用すると、移植部の経過を的確に把握しやすくなります。かゆみや炎症など気になる症状が続くときは、自己判断せず医療機関に相談してください。
術後ケアに関する工夫点
- 洗髪はぬるま湯でやさしく流す
- カサつきやかゆみがあれば保湿剤の使用を検討する
- 十分な睡眠とストレス管理に気を配る
- 医師の指示を守りながら適度な運動で血行を促す
費用とクリニック選びのヒント
植毛を受ける上で、費用やクリニックの選び方も大切です。施術の質やアフターサポートを考慮しながら、無理のない範囲で計画を立てましょう。
植毛施術にかかる費用の目安
費用は移植する株数や技術、クリニックによって異なります。たとえば、自毛植毛(FUT法やFUE法)では1株あたり○円〜○円が目安になることが多いです。
一方、人工毛植毛は人工毛の種類や本数で料金が変わります。追加費用や検診費用なども含めて検討してください。
代表的な費用イメージの表
| 項目 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 自毛植毛(FUT) | 1株あたり○円〜○円 | 傷跡ケアや通院費用が追加になる場合あり |
| 自毛植毛(FUE) | 1株あたり○円〜○円 | 広範囲だと総額が上がりやすい |
| 人工毛植毛 | 人工毛1本あたり○円〜○円 | メンテナンス費用が別途必要な場合あり |
| アフターケア | ○円〜○円 | 内服薬や外用薬を併用すると別料金 |
クリニック選びで注目したいポイント
- 医師やスタッフの経験・技術
担当医の執刀数や実績を確認すると、不安なく臨みやすいです。 - カウンセリング内容の充実度
丁寧に頭皮の状態を診断してくれるか、疑問点を解消できるかが重要です。 - アフターサポートの有無
術後の定期検診や相談体制が整っているクリニックは安心感があります。 - 通院のしやすさ
長期的なメンテナンスを続けるため、自宅や職場から通いやすい場所を検討しましょう。
クリニックを選ぶ際に確認したい項目
| 確認項目 | 理由 |
|---|---|
| 執刀医の経歴 | 安全性や仕上がりに関わる |
| カウンセリングの対応 | 具体的な説明・シミュレーションがあるか |
| 保証制度 | 施術後に抜けてしまった場合などの対応 |
| アクセス | 継続して通う必要性を考慮 |
| 口コミ・評判 | 他の患者の体験談を参考にできる |
自分に合った支払い方法
クリニックによってはローン払いや分割払い、クレジットカード支払いなども用意しています。支払い方法の選択肢が豊富だと、経済的負担を軽減しながら計画的に治療を進めやすいです。
金利や手数料を含めた総額を比較し、無理のない範囲で決定してください。
植毛と併用する治療の可能性
植毛単独でも改善が見込めるケースは多いですが、毛髪サイクルをサポートする治療を組み合わせることで、より満足度が高まることがあります。
内服薬や外用薬によるアプローチ、メソセラピーなどの注入治療を組み合わせるなど、治療範囲が広がります。
内服薬・外用薬との併用
プロペシア(フィナステリド)やミノキシジルなどは、AGAの原因を抑えたり、髪の成長を促進したりする効果が見込まれます。
植毛後もこれらを併用することで、抜け毛の進行を遅らせたり、周囲の髪の成長をサポートしたりしやすくなります。
内服薬と外用薬を組み合わせる利点の表
| 組み合わせの例 | 期待できる効果 |
|---|---|
| フィナステリド+ミノキシジル外用 | DHTの生成抑制と頭皮血行促進 |
| デュタステリド+ミノキシジル外用 | 5αリダクターゼ2種を抑制し、発毛効果を高める |
| ミノキシジル内服+外用 | 相乗的な血行促進や毛包へのアプローチ |
メソセラピーやPRP療法
頭皮に有効成分を直接注入するメソセラピーや、自己血小板を加工して注入するPRP療法などは、毛母細胞の活性化を狙うものです。
植毛後の頭皮環境を良好に保ち、定着率や発毛効果を後押しする可能性があります。
毛髪ケア製品の利用
植毛後は、頭皮に優しいシャンプーやトリートメントの使用で頭皮環境を整えると良い結果につながりやすいです。また、UVケアなどで頭皮を外的刺激から守り、髪と頭皮の健康をサポートする習慣をつけましょう。
植毛に関するよくある質問
最後に、植毛を検討する方から寄せられる質問をまとめます。事前に情報を把握しておくと、不安が和らぎ納得したうえで治療を始めやすくなります。
自毛植毛は何本くらいまで移植できる?
後頭部などから採取できる毛根の量と頭皮の状態に左右されます。一般的には1回の手術で移植できる本数に制限がありますが、複数回に分けることで広範囲のボリュームアップにも対応できます。
大幅な増毛を希望する場合は、医師と相談しながら計画を立てることが多いです。
術後すぐに仕事や運動は可能?
FUT法の場合は縫合部への負担を避けるため、運動はしばらく控えるほうが良い場合があります。
デスクワークや軽作業であれば数日〜1週間程度で復帰している方もいますが、痛みや腫れがある場合は医師の判断を仰いでから再開すると安心です。
植毛を受けても抜けてしまうことはある?
移植した髪は一時的に抜け落ちるショックロスが起きることがありますが、その後のヘアサイクルで再び伸びる可能性が高いです。完全に新たな髪が生え揃うまでには数か月かかります。
医師の指示に従い、内服薬や外用薬などで頭皮環境を維持すると結果が出やすいです。
人工毛植毛は安全?
人工毛の品質は以前より向上していますが、やはり自毛より拒絶反応リスクが高いです。頭皮が炎症を起こしやすい人や皮膚トラブルの既往がある人は特に慎重に検討してください。
定期的なメンテナンスや交換が必要になる場合もあります。
以上
参考文献
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