薄毛の部位(症状)別のAGA治療 – 生え際・つむじ・分け目

薄毛の部位(症状)別のAGA治療 - 生え際・つむじ・分け目

薄毛の悩みは、現れる部位によってその原因や有効な対策が異なります。「生え際が後退してきた」「頭頂部が薄くなった気がする」「分け目が目立つ」など、症状は人それぞれです。

AGA(男性型脱毛症)は進行性の脱毛症であり、放置すると症状は徐々に悪化していきます。

しかし、薄毛が気になる部位の特徴を正しく理解し、ご自身の症状に合った治療法を選択することで、その進行を食い止め、改善を目指すことが可能です。

この記事では、薄毛の症状が現れる部位別に、それぞれの特徴と推奨される治療アプローチについて詳しく解説します。

目次

生え際(M字)が後退した人向けのAGA治療

生え際(M字)薄毛の特徴と血流低下イメージ

額の生え際、特にこめかみの上あたりから後退していく「M字ハゲ」は、AGAの典型的な症状の一つです。鏡を見るたびに後退していく生え際に、大きな不安を感じる方も少なくありません。

この部位の薄毛は、他の部位と比較して治療が難しいという特徴があります。なぜなら、生え際の薄毛に関わる原因物質が他の部位と異なるため、一般的なAGA治療薬だけでは十分な効果を得にくい場合があるからです。

ここでは、なぜ生え際の改善が難しいのか、そしてどのような治療アプローチが有効なのかを掘り下げていきます。

なぜ生え際の薄毛は改善が難しいのか

生え際、特にM字部分の薄毛治療が難航しやすいのには、明確な理由が存在します。それは、薄毛を引き起こす男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」を生成する酵素の種類が関係しています。

AGAの治療では、このDHTの働きをいかに抑制するかが鍵となりますが、生え際には特に強力な原因が存在するため、的確なアプローチが求められます。

また、生え際は頭皮の毛細血管が比較的少なく、血行不良に陥りやすい部位でもあります。髪の成長に必要な栄養素は血液によって毛根へ運ばれるため、血流が悪いと髪が十分に育たず、細く弱い毛が増えてしまいます。

治療薬の効果を最大限に引き出すためにも、血行の状態を考慮したケアが大切になります。これらの要因が複合的に絡み合うことで、生え際の薄毛は一度進行すると改善が難しくなるといわれています。

5αリダクターゼⅠ型とⅡ型の違い

5αリダクターゼⅠ型・Ⅱ型の分布イメージ|生え際と頭頂部の違い

AGAの根本原因であるDHTは、男性ホルモンの「テストステロン」が「5αリダクターゼ」という還元酵素と結びつくことで生成されます。

この5αリダクターゼには「Ⅰ型」と「Ⅱ型」の2種類が存在し、それぞれ体内で分布する場所が異なります。 Ⅱ型5αリダクターゼは、主に頭頂部や前頭部の毛乳頭細胞に多く存在します。

一般的なAGA治療薬である「フィナステリド」は、このⅡ型の働きを選択的に阻害することで、頭頂部の薄毛に効果を発揮します。

一方、Ⅰ型5αリダクターゼは、側頭部や後頭部を含む全身の皮脂腺に広く分布しています。そして重要なことに、生え際のM字部分には、このⅠ型が多く存在することが分かっています。

フィナステリドはⅠ型の働きをほとんど阻害しないため、生え際の薄毛に対しては効果が限定的になるケースが見られます。

主な還元酵素と治療薬の作用範囲

酵素の種類主な分布部位作用する主な治療薬
5αリダクターゼⅠ型全身の皮脂腺、生え際デュタステリド
5αリダクターゼⅡ型頭頂部、前頭部フィナステリド、デュタステリド
5α還元酵素と治療薬の対応関係|フィナステリドとデュタステリド

デュタステリドが生え際に効果的な理由

生え際の薄毛に対して有効な選択肢となるのが、「デュタステリド」という治療薬です。デュタステリドは、フィナステリドとは異なり、5αリダクターゼのⅠ型とⅡ型の両方の働きを強力に阻害する作用を持ちます。

これにより、フィナステリドでは抑制しきれなかった生え際のDHT生成も効果的にブロックすることが可能です。

研究データによれば、デュタステリドはフィナステリドと比較して、血中のDHT濃度をより大幅に低下させることが示されています。

この強力なDHT抑制作用こそが、デュタステリドが生え際の薄毛治療において高い効果を期待できる理由です。

これまでフィナステリドで満足のいく結果が得られなかった方や、特にM字部分の進行が気になる方にとって、デュタステリドは治療の大きな転換点となり得ます。

生え際のDHT抑制イメージ|デュタステリドのI・II型同時阻害

育毛剤の併用で発毛を促進する

デュタステリドで脱毛の原因であるDHTの生成を抑制することは、いわば「守りの治療」です。薄毛の進行を食い止める土台を築いた上で、次に重要になるのが、力強い髪を育てる「攻めの治療」です。

ここで活躍するのが育毛剤です。 多くの育毛剤には、頭皮の血行を促進する成分や、毛母細胞の働きを活性化させる成分が含まれています。

デュタステリドによって脱毛のブレーキをかけつつ、育毛剤で髪の成長のアクセルを踏むことで、治療効果を相乗的に高めることが期待できます。

デュタステリドと育毛剤の併用イメージ|脱毛抑制+発毛促進の両輪

特に、ミノキシジルを配合した外用薬は、血管を拡張させて毛根への血流を増やす作用があり、発毛促進効果が臨床的に認められています。

デュタステリドによる内服治療と、ミノキシジル外用薬などの育毛剤を組み合わせることで、脱毛抑制と発毛促進の両面からアプローチすることが、難治性とされる生え際の薄毛を攻略する鍵となります。

つむじ(頭頂部)が薄くなった人向けのAGA治療

頭のてっぺん、いわゆる「つむじ」や頭頂部から薄毛が進行するO字型の脱毛も、AGAの代表的な症状です。自分では直接見えにくい場所のため、家族や友人からの指摘で初めて気づくケースも少なくありません。

頭頂部は生え際と比較すると、治療薬の効果が現れやすい部位といわれています。そのため、早期に適切な治療を開始することで、改善の見込みは十分にあります。

治療の選択肢も広く、ご自身の症状の進行度やライフスタイルに合わせて、育毛剤によるセルフケアから、専門医による本格的な治療まで選ぶことが可能です。

つむじ(頭頂部)の薄毛の特徴

頭頂部の薄毛は、5αリダクターゼⅡ型の影響を強く受けることが特徴です。この部位にはⅡ型が多く分布しており、テストステロンと結びついてDHTを盛んに生成します。

頭頂部薄毛の特徴と血流の利点|Ⅱ型優位エリアの抽象図

このDHTが毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体と結合することで、髪の成長期が短縮され、毛髪が太く長く成長する前に抜け落ちてしまいます。

このサイクルが繰り返されることで、徐々に地肌が透けて見えるようになります。 一方で、頭頂部は頭皮の中でも比較的血管が多く、血流が豊富なエリアです。

そのため、血行を促進するタイプの育毛剤や治療薬の効果が届きやすく、栄養が毛根に行き渡りやすいという利点もあります。この点が、生え際と比べて治療効果を実感しやすい理由の一つです。

まずは育毛剤から試す

初期は育毛剤から始める選択肢|低リスク・手軽さのイメージ

「最近、少しつむじが薄くなってきた気がする」といった初期段階の薄毛であれば、まずは副作用のリスクがほとんどなく、手軽に始められる育毛剤から試してみるのも一つの有効な手です。

ドラッグストアやオンラインで購入できる医薬部外品の育毛剤は、治療薬ではありませんが、頭皮環境を健やかに保つための成分が豊富に含まれています。

例えば、血行促進成分、抗炎症成分、保湿成分などが配合されており、これらが頭皮のコンディションを整え、髪が育ちやすい土壌を作ります。

特に、AGA治療を始めることにまだ抵抗がある方や、まずは自分でできることから始めたいという方にとっては、最初の選択肢として適しています。

価格も治療薬に比べて安価なものが多く、コストを抑えながらケアを始められる点も魅力です。

育毛剤で効果を感じられなかった場合の治療法

セルフケアから医療へ進む分岐フロー|フィナステリド・ミノキシジル選択

市販の育毛剤を数ヶ月間試してみても、抜け毛が減らなかったり、薄毛の進行が止まらないと感じたりする場合には、より積極的なAGA治療へ移行することを検討するタイミングです。

AGAは進行性の脱毛症であるため、セルフケアだけでは進行を食い止めるのが難しいケースも多々あります。 この段階で推奨されるのが、医師の診断のもとで行う医療機関での治療です。

具体的には、5αリダクターゼⅡ型の働きを阻害する「フィナステриド」の内服薬や、発毛を促進する「ミノキシジル」の内服薬・外用薬が治療の主軸となります。

これらの医薬品は、育毛剤とは異なり、AGAの根本原因に直接働きかける、あるいは強力な発毛作用を持つため、高い改善効果が期待できます。

AGA治療薬の主な種類と特徴

成分名主な作用期待できる効果
フィナステриドⅡ型5αリダクターゼの阻害脱毛抑制(特に頭頂部)
デュタステリドⅠ型・Ⅱ型5αリダクターゼの阻害脱毛抑制(頭頂部・生え際)
ミノキシジル血行促進、毛母細胞の活性化発毛促進

オンライン診療で始めるAGA治療の利点

「AGA治療を受けたいけれど、クリニックに行くのは時間的にも心理的にもハードルが高い」と感じる方も多いでしょう。そのような方におすすめなのが、オンライン診療(遠隔診療)です。

スマートフォンやパソコンを使い、自宅や好きな場所からビデオ通話で医師の診察を受けることができます。 オンライン診療の最大の利点は、その利便性です。

クリニックへの移動時間が不要で、予約もオンラインで完結するため、忙しい方でも治療を始めやすくなります。また、他の患者と顔を合わせることがないため、プライバシーが守られる点も大きなメリットです。

診察後は、治療薬が自宅に直接配送されるため、薬局へ行く手間も省けます。このように、オンライン診療はAGA治療のハードルを大きく下げ、継続しやすい環境を提供します。

生え際と頭頂部(つむじ)が同時に薄くなった人向けのAGA治療

生え際の後退と頭頂部の薄毛が同時に進行する状態は、AGAの典型的なパターンの一つで、U字型(O字とM字の混合型)と呼ばれます。

これは、AGAがある程度進行した状態を示しており、より広範囲にわたって対策を講じる必要があります。しかし、症状が進行しているからといって、諦める必要は全くありません。

治療法は確立されており、複合的な症状に対しても適切なアプローチを行うことで、改善を目指すことが可能です。ここでは、生え際と頭頂部の両方にアプローチするための治療戦略について解説します。

進行したAGAの複合的な症状

生え際と頭頂部の薄毛が同時に見られる場合、それはⅠ型とⅡ型、両方の5αリダクターゼが活発に働いていることを示唆しています。

生え際ではⅠ型が、頭頂部ではⅡ型がそれぞれDHTを生成し、広範囲で毛髪の成長サイクルを乱している状態です。

このタイプの薄毛は、片方だけが薄い場合に比べて見た目の印象が大きく変わりやすく、ご自身の悩みも深くなる傾向があります。

放置すれば、生え際と頭頂部の薄い部分が繋がり、最終的には側頭部と後頭部の毛髪だけが残る状態に至る可能性もあります。そのため、症状に気づいた段階で、できるだけ早く専門的な治療を開始することが重要です。

治療の優先順位とアプローチ

U字型(前頭部+頭頂部)への総合治療戦略|I・II型対策と外用の併用

広範囲に薄毛が進行している場合、どの治療から始めるべきか迷うかもしれません。基本的な考え方は、頭頂部の薄毛治療と同様です。

まずは、副作用のリスクが少なく、始めやすい育毛剤による頭皮ケアからスタートするのも良いでしょう。頭皮全体の血行を促進し、コンディションを整えることは、どのタイプの薄毛にとっても有益です。

しかし、すでに育毛剤やヘアケア製品を試して効果を実感できなかった方や、より確実な改善を望む方は、初めから医療機関での治療を選択することが賢明です。

特に、生え際と頭頂部の両方に作用する治療法を選ぶことが大切です。具体的には、フィナステриドとミノキシジル外用薬の併用や、より強力にDHTを抑制するデュタステриドの使用が選択肢となります。

副作用のリスクを考慮した治療計画

AGA治療薬は高い効果が期待できる一方で、医薬品である以上、副作用の可能性もゼロではありません。

例えば、フィナステリドやデュタステリドでは、ごく稀に性機能障害(リビドー減退、勃起機能不全など)や肝機能障害が報告されています。

ミノキシジルでは、内服薬の場合に動悸やむくみ、多毛症、外用薬の場合にかゆみやかぶれといった皮膚症状が現れることがあります。

これらの副作用の発生頻度は決して高くはありませんが、治療を始める前には必ず医師から詳しい説明を受け、リスクを理解しておくことが大切です。

万が一、体調に異変を感じた場合には、自己判断で服用を中止するのではなく、速やかに処方を受けた医師に相談してください。

医師は患者の状態に合わせて、薬の量を調整したり、種類を変更したりするなど、適切な対応をとります。

専門医との相談が重要な理由

生え際と頭頂部の薄毛が同時に進行しているケースでは、自己判断でのケアには限界があります。

どの治療薬を、どのくらいの量で、どのように組み合わせて使用するのが最も効果的かは、個人の症状や体質によって大きく異なるからです。

専門のクリニックでは、医師がマイクロスコープで頭皮の状態を詳細に確認し、問診を通じて生活習慣や既往歴を把握した上で、一人ひとりに合ったオーダーメイドの治療計画を立案します。

治療の経過を定期的に診察し、効果や副作用の有無を確認しながら、必要に応じて治療法を調整していきます。

このように、専門医の客観的な視点と医学的知識に基づいたサポートを受けることが、複雑な症状を改善へと導くための最も確実な道筋となります。

分け目を中心に全体的に薄くなった人向けの薄毛治療

「特定の部位というより、髪の分け目が広がってきた」「髪全体のボリュームが減って、地肌が透けて見えるようになった」といった症状は、びまん性脱毛症の可能性があります。

AGAは主に生え際や頭頂部に症状が集中しますが、びまん性脱毛症は広範囲にわたって均等に毛髪が薄くなるのが特徴です。

この場合、AGA治療薬を用いても期待した効果が得られないことが多く、異なるアプローチからの治療が必要になります。

ここでは、びまん性脱毛症の特徴と、その改善に適した治療法について解説します。

びまん性脱毛症の可能性を考える

びまん性脱毛症は、男性よりも女性に多いとされていますが、男性にも発症します。

AGAのように特定のパターンで脱毛が進行するのではなく、髪の毛一本一本が細くなり、全体の密度が低下することで薄毛が目立つようになります。

分け目がくっきりと目立つようになったり、髪をかき上げた時に地肌が以前より見えると感じたりしたら、このタイプを疑う必要があります。

原因はAGAとは異なり、ホルモンバランスの乱れ、過度なストレス、栄養不足、睡眠不足、間違ったヘアケア、甲状腺機能の異常など、多岐にわたります。

そのため、治療にあたっては、まず原因を特定することが重要です。

AGAとびまん性脱毛症の違い

AGAとびまん性脱毛症の最も大きな違いは、その原因にあります。AGAは、男性ホルモンの一種であるDHTが直接的な原因であり、遺伝的要因も強く関わっています。

一方、びまん性脱毛症は、先述の通り生活習慣や身体的な不調など、後天的な要因が複雑に絡み合って発症することが多いです。 症状の現れ方も異なります。

AGAはヘアラインが後退したり、頭頂部がO字に薄くなったりと、特徴的なパターンを示します。対してびまん性脱毛症は、頭部全体で均一に脱毛が起こるため、初期段階では変化に気づきにくいこともあります。

自分の薄毛がどちらのタイプなのかを正しく見極めることが、適切な治療法を選択するための第一歩となります。

薄毛のタイプ別推奨アプローチ

薄毛のタイプ主な原因推奨されるアプローチ
AGA(男性型脱毛症)DHT(ジヒドロテストステロン)フィナステリド、デュタステриド、ミノキシジルによる治療
びまん性脱毛症生活習慣の乱れ、ストレス、栄養不足など育毛剤による頭皮ケア、生活習慣の改善

なぜAGA治療薬が効きにくいのか

フィナステリドやデュタステリドといったAGA治療薬は、DHTの生成を抑制することで効果を発揮します。したがって、薄毛の原因がDHTではない、びまん性脱毛症に対しては、その効果はほとんど期待できません。

原因が異なる疾患に対して、見当違いの薬を使用しても改善は見込めないのです。

ミノキシジルは血行促進作用により、びまん性脱毛症にもある程度の効果を示す可能性はありますが、根本的な原因が解決されない限り、十分な改善は難しいでしょう。

もしAGAだと思って治療を続けていても効果が見られない場合は、びまん性脱毛症の可能性を視野に入れ、治療方針を見直す必要があります。

育毛剤による頭皮環境の改善

びまん性脱毛症の治療では、AGA治療薬に頼るのではなく、頭皮環境を総合的に改善していくアプローチが基本となります。ここで中心的な役割を果たすのが育毛剤です。

血行促進成分や抗炎症成分、保湿成分、髪の成長に必要な栄養素を含む育毛剤を日常的に使用することで、弱った毛根に活力を与え、健康な髪が育つ土台を整えます。

さらに、育毛剤による外側からのケアと同時に、内側からのケア、つまり生活習慣の見直しも極めて重要です。

バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレス管理などを心がけることで、身体全体のコンディションが向上し、それが頭皮環境の改善にも繋がります。

びまん性脱毛症と生活習慣の総合ケア|睡眠・栄養・運動・ストレス管理
  • 十分な睡眠時間の確保
  • タンパク質・ビタミン・ミネラルを意識した食事
  • 定期的な運動習慣
  • ストレス発散方法の見出し

これらの生活習慣の改善と育毛剤によるケアを並行して行うことが、びまん性脱毛症を克服するための最良の方法です。

薄毛治療に関するよくある質問

薄毛治療を始めるにあたり、多くの方がさまざまな疑問や不安を抱えています。

ここでは、AGA治療や薄毛対策に関して、特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。治療を検討する際の参考にしてください。

治療を始めてから効果が出るまでどのくらいかかりますか?

効果を実感できるまでの期間には個人差がありますが、一般的には治療開始から3ヶ月から6ヶ月程度が目安です。

ヘアサイクル(毛周期)の関係上、新しい髪が成長し、目に見える変化として現れるまでには一定の時間が必要です。AGA治療は、すぐに結果が出るものではなく、根気強く継続することが大切です。

多くのクリニックでは、6ヶ月から1年を一区切りとして治療効果を判断します。焦らずに、医師の指示に従って治療を続けてください。

治療薬の副作用が心配です

AGA治療薬には、まれに副作用が起こる可能性があります。

フィナステриドやデュタステриドでは性機能関連の副作用、ミノキシジルでは血圧への影響や皮膚症状などが報告されていますが、いずれも発生頻度は低いとされています。

治療開始前には、必ず医師が副作用のリスクについて詳しく説明します。治療中に何か体調の変化を感じた場合は、すぐに医師に相談することが重要です。

自己判断で服用を中断したりせず、専門家のアドバイスを仰ぎましょう。

治療を途中でやめるとどうなりますか?

AGAは進行性の脱毛症であるため、治療を中断すると、薬によって抑制されていた脱毛作用が再び活発になります。

その結果、治療によって改善した髪の状態は、徐々に治療前の状態に戻ってしまう可能性が高いです。髪の状態を維持するためには、治療を継続することが基本となります。

ただし、医師との相談の上で、薬の量を減らしたり、他の治療法に切り替えたりすることは可能です。自己判断で中断するのではなく、必ず医師と今後の治療方針について話し合ってください。

食生活や生活習慣の改善も必要ですか?

はい、必要です。髪の毛は、私たちが食事から摂取する栄養素を元に作られています。

特に、髪の主成分であるタンパク質(ケラチン)や、その生成を助けるビタミン、ミネラル(特に亜鉛)は重要です。バランスの取れた食事を心がけることは、治療効果を高める上で大きな助けとなります。

また、睡眠不足や過度なストレスは、自律神経やホルモンバランスを乱し、頭皮の血行を悪化させる原因になります。

規則正しい生活を送り、心身ともに健康な状態を保つことが、健やかな髪を育むための土台となります。

複数の治療法を組み合わせても大丈夫ですか?

はい、多くの場合、複数の治療法を組み合わせることで、より高い効果が期待できます。これを「併用療法」や「コンビネーション治療」と呼びます。

例えば、「フィナステリド(脱毛抑制)」と「ミノキシジル(発毛促進)」の組み合わせは、AGA治療の標準的な方法の一つです。

ただし、薬の組み合わせによっては、副作用のリスクが高まる可能性もあります。どのような治療法を組み合わせるかは、医師が患者一人ひとりの症状や健康状態を総合的に判断して決定します。

自己判断で複数の薬を併用することは絶対に避けてください。

Reference

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