こんばんは。内科総合クリニック人形町 院長の藤田です。
自宅での脱毛は、肌荒れや埋没毛などトラブルに繋がる恐れがある一方で、クリニックやサロンへ脱毛に通うよりも手軽にできる、安くはじめられるといったメリットも多いムダ毛の処理方法です。
このページでは、自宅で自分でできる脱毛方法の種類や、部位別に自己処理の際に気をつけたい点を解説しました。
自宅でおこなう脱毛のメリット・デメリットも掲載していますので、ご自身で毛の自己処理をされる際にぜひ参考にしてください。
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自宅でできる脱毛方法
自宅での脱毛(正確には除毛・減毛)方法の種類を下記にまとめました。
- カミソリ
- 毛抜き
- ワックス脱毛
- 除毛クリーム
- 家庭用脱毛器
- 電気シェーバー
カミソリ、毛抜き、ワックス脱毛に関しては、実は紀元前4~3年前から利用されている歴史ある脱毛方法です。日本の平安人も石や貝殻を使って毛を抜いたり、切ったりしていたそうですよ。
19世紀に入ると科学と医学の進歩により、除毛クリームや電気シェーバー、家庭用脱毛器などが発明され、実用化されるようになりました。1)
カミソリ
カミソリ脱毛では、肌に刃を当てて滑らせて、毛を削ぎ落とすことでむだ毛を処理します。
むだ毛用カミソリには形や刃の枚数によって様々な種類があり、最近では、スムーサー付きのものや可動式のヘッドがついたものなども登場しています。
カミソリのデメリット
カミソリ脱毛では、一度滑らせるだけでは全てのむだ毛を取り去ることは困難です。剃り残しを防ぐために何度も何度も肌にカミソリを滑らせることで、肌へのダメージが大きくなってしまいます。
また、カミソリ脱毛は皮膚の表面に出ている毛を削いでいるだけのため、数日ほどすればまた毛が目立つようになります。
費用や手間に関してはとてもハードルが低いカミソリ脱毛ですが、毛を削ぎ落とす際には角質層まで削りとってしまうため、肌への負担が懸念されます。
カミソリのメリット
カミソリは数百円からと安価に購入できて、誰でも簡単に脱毛できるのが最大のメリットです。
また、T字のカミソリは広い範囲を一気に処理できるため、スピーディーに脱毛できるのも、他の自己処理に比べて優れた点と言えます。
4枚刃、5枚刃カミソリを使用すれば、剃りたてはお肌がつるつるの状態になります。
カミソリの使い方を詳しくみる
毛抜き
毛抜き脱毛はピンセットを使用して毛を根元から抜く方法です。
カミソリと同じく安価で手軽な脱毛方法なため、誰もが一度は経験されたことのある方法かと思います。
毛の抜ける「スポンッ!」という感触がクセになり、ついつい毛抜きをしてしまうという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
毛抜きのデメリット
毛を根元から抜くことで一定の脱毛期間は維持できますが、毛を無理矢理抜いてしまうため、毛穴への負担が懸念されます。
また、毛抜きを利用した脱毛には「痛み」が伴うことがほとんどです。
毛穴が炎症を起こすことで色素沈着を起こしたり、毛が皮膚の表面に埋もれてしまったりする(埋没毛)など様々なトラブルを誘発する可能性もあります。
毛抜きのメリット
毛抜き脱毛では毛を根元から抜いてしまうため、処理後はしばらく毛が生えてきません。脱毛維持期間はカミソリよりも随分と長くなります。
毛抜きのやり方を詳しく見る
除毛クリーム
除毛クリーム脱毛とは、たんぱく質を溶かす成分を配合したクリームを肌に塗り、肌の表面の毛を溶かして取り除く方法です。
肌の表面に出ている毛だけを取り除くといった意味ではカミソリと同様ですが、除毛クリームは毛を溶かすため、除毛後の毛の断面が丸くなる点がカミソリとの違いです。
除毛クリームのデメリット
除毛クリームにはたんぱく質を溶かす成分が配合されているため、少なからずお肌にも負担を与えます。特に敏感肌の方はクリームを塗った際に刺激を感じたり、肌が荒れたりする可能性が高くなります。
また、除毛クリームは表面の毛を除去するだけなので、数日すればまた毛が目立ちはじめます。
色素沈着や肌トラブルの発生を避けるためには、パッチテストをしてから利用しましょう。
除毛クリームのメリット
除毛クリームは刃物を使用せずに脱毛できるため、肌を切ってしまう心配がありません。また、毛の断面が丸く仕上がるので、除毛したてでもチクチクを感じにくいです。
値段が手軽、ドラッグストアでも購入できる、お風呂場ですぐ使えるなど、気軽に利用できる点がメリットです。
除毛クリームを詳しくみる
家庭用脱毛器(家庭用光美容器)
家庭用脱毛器とは、自宅でムダ毛ケアができる電気機器を指します。
フラッシュ式、レーザー式、熱線式、ローラー式、高周波式などさまざまなタイプがあり、脱毛方式や価格、使用感がそれぞれで大きく異なります。
家庭用脱毛機のデメリット
家庭用脱毛器のデメリットは、機器の購入の際に比較的お金がかかるという点です。
特にフラッシュ式やレーザー式となると、数万から数十万円するものもあります。また、使い方や肌の状態によっては、肌に負担をかける可能性も考えられます。
家庭用脱毛器はサロンで使用するものよりも出力が低く設定されているため、サロンやクリニックでする脱毛と同じような効果は望めません。
家庭用脱毛機のメリット
家庭用脱毛器は、毛抜きやカミソリと比べると、スピーディーで美しい仕上がりを期待できる方法です。
サロンに通いたいけれど、金銭的にも時間的にも余裕が無いという方にとって頼れる存在にもなります。
また、自宅で脱毛できれば、脱毛店舗に予約する必要もなく、人に肌を見せる必要もないため、煩わしさを感じずに脱毛ができるという点もメリットです。
家庭用脱毛機を詳しくみる
電動シェーバー
電気シェーバーは、刃を直接肌に当てることなく肌の表面に出ている毛を取り除ける電動機器で、顔用、デリケートゾーン用、ボディ用など部位専用のシェーバーが展開されています。
顔用の電気シェーバーは手のひらに収まるサイズで、ポーチに入れて持ち運ぶこともできます。
電気シェーバーのデメリット
肌に刃が触れないぶん、どうしても剃りが浅くなってしまいます。そのため、脱毛をしても毛が目立ってしまう、すぐにまた毛が生えてきてしまう点がデメリットです。
また、部位によってシェーバーを使い分けることが面倒と感じる方も多いです。(顔用シェーバーで全身脱毛することももちろんできますが、小さいため時間がかかり現実的ではありません)
電気シェーバーのメリット
電気シェーバーの最大のメリットはお肌に優しい点です。刃が直接肌に触れることがないため、安全性が高く、肌を傷つける心配がありません。
同じ電気を使った機器である家庭用脱毛器に比べると随分安価に購入でき安全性も高いため、多くの方が手軽に脱毛できる点もメリットと言えるでしょう。
脱毛サロンやクリニックで脱毛照射をする前の自己処理には、電気シェーバーの使用が推奨されています。
ワックス脱毛
ワックス脱毛は「ブラジリアンワックス」と呼ばれることもあり、粘着性のあるワックスをお肌に塗布して毛を絡ませて、一気に引き剥がし脱毛するという方法です。
海外ではアンダーヘアを脱毛するメジャーな方法として親しまれていますが、日本ではアンダーヘアだけでなく、顔を含めた全身に対応しているサロンが多くあります。
ワックス脱毛のデメリット
毛を毛根から抜くため、カミソリよりも脱毛期間が持続しますが、ワックスを肌から引き剥がす際には強い痛みが生じます。
炎症を起こして真っ赤になってしまう方も少なくありません。
ワックスを毛に絡ませるためには毛を少し伸ばす必要があるため、その間しばらく脱毛処理することができません。
ワックス脱毛のメリット
ワックス脱毛は広範囲の毛を根元から抜くことができます。見えにくい細かな産毛までワックスで絡めて抜くことができるため、脱毛したてのお肌はとてもつるつるしています。
また、ワックス脱毛では毛だけでなくお肌の古い角質層まで剥がしてくれるため、美肌効果も期待できるとされています。
ワックス脱毛を詳しくみる
【部位別】自己処理の際に気をつけたい注意点
自己処理の際に気を付けたい注意点を部位ごとにまとめました。
ワキの自己処理はカミソリや電気シェーバーがおすすめ
ワキは皮膚がデリケートな部分でありながら、比較的濃い毛が生える部分でもありますので、ついつい力を入れて脱毛しがちです。
なるべく優しく剃ることを心がけ、脱毛方法は抜くよりも、カミソリや電気シェーバーがおすすめです。
脱毛時にはワキをホットタオルなどで温めておくと、肌と毛が柔らかくなって剃毛時の摩擦が小さくなり、肌への負担が低減します。
また、専用のシェービングクリームやジェルを用いれば、肌への摩擦を更に抑えられます。剃毛後にはしっかりと保湿を行いましょう。
デリケートゾーンの自己処理は電気シェーバーが肌に負担をかけない
デリケートゾーンは皮膚が薄いため、色素沈着を起こしやすい部位でもあります。
目に見えにくい場所のため、
- 座った状態で剃毛する
- 脚を上げる際には椅子を使用する
- 安定した体勢で剃毛する
- 見えにくい場所は鏡で映す
といった点を心がけ、あやまって肌を傷つけないようにします。
脱毛時には電気シェーバーを毛の流れに沿って滑らせるのが、お肌に最も負担をかけない方法です。
また、シェーバーを使用する前に長い毛を予めカットしておくと、毛が刃に引っ張られてお肌を傷つける心配もありません。処理後はしっかりと保湿をします。
腕・脚の自己処理は毛の流れにそっておこなう
腕や足は脱毛範囲が広いため、カミソリやワックス脱毛、家庭用脱毛器を使用される方が多いことと思います。自分のお肌や毛質に合わせて好きなものを選択しましょう。
肌に負担をかけないために事前にホットタオルやクリームを用いて肌と毛を柔らかくし、シェーバーやジェルを使用して、できるだけ角質層を削ってしまわないように心がけるとトラブルを防止できます。
カミソリの刃を当てる際には逆剃りしたくなりますが、肌への負担を考慮し、毛の流れに沿って剃毛していきます。処理後はしっかりと保湿を行いましょう。
お腹や背中などのうぶ毛は皮膚をひっぱりながら当てると◎
お腹や背中などの産毛の処理には、細かい産毛も絡めとってくれる脱毛ワックスやシャワーをしながら利用できる除毛クリームがおすすめです。肌への負担が気になるという方は電気シェーバーを使用する方法もあります。
他の部位と同様に、肌や毛を温めて柔らかくしておくのがポイントです。敏感肌の方は電気シェーバーを利用し、除毛クリームを利用する方はパッチテストで相性を確かめてから使用します。
産毛は柔らかく、肌の形に沿って生えているため、皮膚を平行に引っ張りながらシェーバーを当てることで毛を捕まえやすくなりますよ。
※背中の毛は大変剃りにくいため無理に剃らないのが望ましいです。可能であれば人に剃ってもらう方法も選択肢に入れてみてください。
顔の自己処理は肌にやさしいシェーバーがおすすめ
顔は他の部位に比べて特に皮膚が柔らかくデリケートな部位なので、肌に負担をかけないようにするには電気シェーバーが断然おすすめです。
剃毛時には、ホットタオルやスチーマーで顔を温めておき、肌と毛を柔らかくしておきましょう。また、直前にお風呂に浸かっておくのもおすすめです。毛穴が開き産毛が立ち、剃りやすくなります。
剃毛時にはクリームを顔に塗り、クリームをそっと剥がすように刃を入れるのがコツです。1ターンで毛を剃るように心がけ、同じ個所を何度も剃らないようにしましょう。終了後にはしっかりと保湿をします。
自宅で行う脱毛のメリット・デメリットまとめ
今回は自己処理でのいろいろな脱毛方法の良い部分や悪い部分をお伝えしました。その上で、自宅で行う脱毛のメリットとデメリットをおさらいしてみましょう。
自宅で行う脱毛のデメリット
- 頻繁に自己処理しなければいけない
- 肌トラブルの原因となる可能性がある
- 埋没毛や色素沈着など毛穴のトラブルが起きる可能性がある
- 脱毛してもすぐに生えてくる
自宅で行う脱毛のメリット
- 数百円~と安価で始められる
- 手軽でスピーディーなものが多い
- 予約や通う(通院)といった煩わしさが無い
- 人に身体を見られる心配がない
自宅で脱毛を行う方は、ご紹介した部位ごとの注意点やコツを心がけ、デメリットも理解した上でムダ毛の処理をおこなうようにしましょう。
参考文献
- フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B1%E6%AF%9B_(%E7%BE%8E%E5%AE%B9)
- カミソリの構造 | 貝印のカミソリポータルサイト https://www.kai-group.com/products/kamisori/learn/material/