薄毛や抜け毛の悩みはとても身近ですが、生え際が後退してきたと感じると不安が大きくなる方も多いでしょう。
特に、発毛を促す成分として知られるミノキシジルを使い始めたものの、「生え際が悪化するのではないか」という声も耳にします。実際には、正しい方法で活用すれば生え際の改善に役立つ可能性があります。
この記事では、ミノキシジルの効果や使用法、生え際が気になる方へのアドバイスを詳しくまとめました。
生え際の後退を気にする方へ
抜け毛や薄毛が進行すると、真っ先に気になりやすいのが生え際です。髪型だけでなく、顔全体の印象にも大きく関係してくるため、生え際の後退は精神的な負担を生むことがあります。
適切な知識を身につけ、対策を講じることが大切です。
生え際と心理的な負担
生え際の後退は、見た目の変化を自分や周囲が敏感に感じ取りやすい部分です。朝、鏡を見るたびに「髪が薄くなった気がする」「額が広がったかもしれない」と感じると、不安や落ち込みにつながります。
こうした心理的な負担を放置すると、ストレスが増して抜け毛の要因になる場合もあるでしょう。
さらに、生え際の後退を気にして前髪を下ろしたり帽子を常用したりすると、毛髪や頭皮の蒸れが生じて頭皮環境に悪影響を及ぼす可能性があります。
精神面と外見上のコンプレックスは相互に影響しあうため、早めに対策を検討することが望ましいです。
AGAにおける生え際後退の特徴
男性型脱毛症(AGA)では、頭頂部だけでなく生え際にも特有の進行パターンが見られます。前頭部の左右が後退し始め、やがてM字型に広がっていくケースが多いです。
その背景には、ジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンの働きが絡み、毛母細胞の活性が低下するメカニズムが関係しています。
生え際が目立ってくると年齢より老けた印象を与えがちで、周囲からの視線が気になる人も少なくありません。
生え際後退に関する主なポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 進行パターン | M字型やU字型に後退する場合が多い |
| 原因ホルモン | DHT(ジヒドロテストステロン)が毛母細胞に影響を及ぼす |
| 早期発見の重要性 | 鏡でチェックして変化に気づいた段階で医療機関に相談しやすくなる |
クリニックでよくある相談例
多くの人が生え際の後退を実感すると、さまざまな不安や疑問を抱えてクリニックを訪れます。主に以下のような声が多いです。
- 「髪型で隠すのも限界かもしれない」
- 「父親や祖父も生え際が薄かったから自分も進行するのでは」
- 「市販の育毛剤を試したが、思うような効果を感じられない」
- 「毎朝額が広く見える気がして鏡を見るたび憂うつになる」
これらの相談内容を一人で抱え込まず、気軽に医療機関で専門家の意見を求めることが、生え際の改善に向けた第一段階といえます。
毛髪周期との関連性
髪の毛にはヘアサイクルと呼ばれる生え変わりの周期があります。成長期・退行期・休止期の3つに分かれ、通常であれば数年かけて1本の髪が成長し、次の髪へとバトンタッチします。
AGAや生え際の薄毛では、このヘアサイクルが乱れることで成長期が短縮し、まだ十分に伸びきっていない髪が抜けやすくなります。
逆に休止期や退行期が長引くと、新しい髪が生える準備が整いにくくなり、生え際の後退が進行することになります。
生え際のケアで気をつけたい項目
- 頻繁なヘアスタイルの変更や牽引(けんいん)ダメージ
- 合わない整髪料による頭皮トラブル
- 過度な洗浄力のシャンプーによる皮脂の取りすぎ
- 強い紫外線による頭皮ダメージ
こうした要因を見直すことも、生え際対策において重要だといえます。
ミノキシジルの作用機序と効果
育毛成分として知られるミノキシジルは、多くのクリニックや市販の育毛剤に配合されています。血行を促進し、毛母細胞に栄養が行きわたりやすくなるようサポートする働きが注目されています。
適切に使うと、生え際だけでなく頭頂部の髪にも効果をもたらす可能性があります。
ミノキシジルの歴史と開発経緯
もともとミノキシジルは、高血圧の治療薬として開発されました。内服薬として利用している患者の体毛が濃くなったことがきっかけで、育毛剤としての可能性が検討され始めたのです。
その後、外用タイプの製品が誕生し、現在では市販薬やクリニック処方として幅広く使用されています。
血流改善による育毛効果
毛根に栄養が行きわたりやすくなるかどうかは、髪の成長に大きな影響を与えます。ミノキシジルには血管拡張作用があり、頭皮の血流をスムーズにして髪の成長を支援すると考えられています。
血流が悪いと十分な栄養や酸素が届きにくいため、抜け毛や薄毛が進みやすい環境になる可能性があります。
ミノキシジル使用時に想定される変化
| 時期 | 見られる可能性のある現象 | ポイント |
|---|---|---|
| 使用開始~数週 | 一時的に抜け毛が増えたように感じる(初期脱毛) | ヘアサイクルが切り替わる段階。慌てず経過を見る |
| 2~3か月後 | 少しずつ髪のハリやコシが増す | 途中経過でも小さな変化が出始める |
| 半年前後 | 明らかに生え際や頭頂部に変化が出ることもある | 持続的な使用が効果を後押しする |
| 1年以上 | 長期的に新生毛が維持・成長しやすくなることが多い | 途中で断念せず根気よく使用を続ける |
タンパク質合成への影響
毛髪の主成分はケラチンと呼ばれるタンパク質です。ミノキシジルは毛包に働きかけ、ケラチン合成を促す上で手助けをするといわれています。
また、毛母細胞内でのタンパク質産生が高まることによって、髪が太くなる期待もあるでしょう。
こうした観点から、ミノキシジルを使用する際は、タンパク質をしっかり摂取する食事やサプリメントの活用も考慮に入れると良いかもしれません。
効果発現までの期間
ミノキシジルの効果は、使用開始から数週間程度で体感できるわけではなく、3か月以上かけて徐々に現れるケースが多いです。
これはヘアサイクルの長さに起因し、新しい髪が成長期に入り、十分なボリュームや太さを実感できる段階に到達するには時間がかかるためです。
焦りは禁物であり、コツコツと継続する意識が重要になります。
ミノキシジル使用で生え際が悪化する不安とその背景
「ミノキシジルを使うと生え際が悪化してしまうのではないか」という声を聞くことがあります。
実際には、急激に抜け毛が増えたように感じる初期脱毛が原因で、「一時的に薄毛が進行した」と見える可能性があるのです。
正しい知識を身につけることで、不安を軽減し効果的に使用することにつなげられます。
ミノキシジルと初期脱毛
育毛剤を使い始めて数週間~1か月ほどの期間に、抜け毛が増加する現象を初期脱毛と呼びます。毛根に刺激が加わり、休止期にあった髪が早めに抜け落ちるために起こります。
これによって「生え際が前よりも後退した気がする」と不安になる方もいますが、多くの場合は正常な反応です。
また、初期脱毛を恐れて使用を中断すると、せっかくヘアサイクルがリセットされて新しい毛が生えてくる機会を逃すことになりかねません。焦らずに継続する判断が求められます。
生え際が悪化するように見える原因
生え際が後退して見える原因として、初期脱毛だけでなく、髪の色や質感の変化によって余計に額が広く見える場合があります。
髪が細く柔らかくなると、地肌が透けて見えやすくなるため、生え際が薄く感じやすいのです。
また、髪型を変更して分け目がズレるだけでも、生え際が高くなったと錯覚しやすいことがあります。
日常生活の中で生え際を注視する機会が増えすぎると、些細な変化でも「悪化してしまった」と結びつけてしまう心理的な要素も無視できません。
ミノキシジル使用時にありがちな勘違い
| 勘違い内容 | 実際の状況 |
|---|---|
| 初期脱毛=薄毛の進行と断定してしまう | ヘアサイクル切り替えの一環で、抜け落ちる髪が一時的に増える |
| 生え際に効果がないと思いこむ | 根気よく使用することで生え際にも発毛を実感できる可能性あり |
| 1か月程度で効果がないと判断してしまう | 3~6か月継続して経過観察が必要になる場合が多い |
| 部分的にしか作用しないと考えてしまう | 毛包のある部位に幅広く働きかけることが期待される |
不安を軽減するための対策
生え際の「悪化」を感じるときは、単に見た目の変化だけでなく、精神的なストレスも大きいです。気持ちが落ち着かない状態を放置すると、血行不良を招くなど間接的に抜け毛を進行させる可能性が高まります。
どのように不安を軽減すればよいか、取り入れやすい取り組みがあります。
まずは頭皮や毛髪の状態を定期的に撮影し、客観的に経過を確認する方法です。月に1回程度、同じ角度で写真を撮り続けると、実際に生え際が改善しているのか、維持できているのか、客観的な情報を蓄積できます。
また、専門家のサポートを受けることも心強いです。クリニックで頭皮の状態をチェックしてもらったり、血液検査や遺伝子検査などを行ったりすることで、不安の原因を明らかにしながら対策を検討できます。
予防策と正しい認識
ミノキシジルを使う際には、初期脱毛をいきなり「悪化」と捉えないことが重要です。ヘアサイクルの変化による一時的な抜け毛にあわてず、新しい髪が生え始めるまで継続してみる姿勢が大切だといえます。
同時に、頭皮マッサージや正しいヘアケア、栄養バランスのよい食事などを組み合わせることで、より効果的な生え際ケアが期待できるでしょう。
- 頭皮環境を清潔に保つために、洗浄力が強すぎないシャンプーを活用
- 指の腹を使ったマッサージで血行を促進
- 就寝前のスマートフォン使用などを控えて、睡眠の質を高める
- 生活習慣全般を見直し、ストレス軽減に意識を向ける
効果が期待できる使用法のポイント
ミノキシジルの使用で生え際を含む薄毛改善を目指す場合、基礎的な使い方のコツがあります。単に薬剤を使うだけでなく、頭皮や毛髪の状態を十分に把握して適切にケアすることが効果を高めるカギとなります。
適切な塗布方法とタイミング
外用タイプのミノキシジルは、頭皮を清潔に保った状態で塗布する必要があります。皮脂や汚れが残ったままの頭皮では、有効成分がしっかり浸透しにくいからです。
入浴後や洗髪後にタオルドライしてから使用するのが望ましいとされています。
また、朝晩の1日2回程度の使用が推奨される場合が多いですが、クリニックの指示や製品の使用説明を確認して守ることが重要です。適量を守らず一気に多く塗っても、効果が早まるわけではなく、皮膚刺激のリスクが高まる可能性があります。
頭皮環境を整えるケア
ミノキシジルの効果をより得やすくするためには、頭皮のコンディションが整っていることが大切です。日頃から頭皮マッサージを行い、血行を促しながら皮脂詰まりを防ぐ対策を考えましょう。
シャンプーやコンディショナーなどのヘアケア製品を選ぶ際も、刺激の少ないものを取り入れると安心です。
頭皮ケアに役立つ要素
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| シャンプー | アミノ酸系や低刺激タイプを選び、やさしく洗い流す |
| マッサージ | 指の腹で軽く揉むように行い、血流を促す |
| 保湿 | 頭皮用ローションやオイルで、乾燥を防ぐ |
| 紫外線対策 | 帽子や日傘などを活用して長時間の直射日光を避ける |
使用上の注意点
ミノキシジルを使い始めるときや使っている最中は、副作用や刺激感の有無をこまめに確認することが大切です。頭皮に赤みやかゆみが生じたり、フケが増えたりする場合があります。
異変を感じたら自己判断で使用を中断せず、医師の診察を受けてアドバイスをもらうようにしてください。
- 肌が敏感な方はパッチテストを試す
- 1度に多量使用せず、決められた使用量を厳守
- 頭皮の傷や湿疹がある場合は避けるか医師に相談
- 長期的な使用を見越して定期チェックを行う
クリニックと連携した治療計画
AGA治療の専門クリニックでは、頭皮や毛髪の状態、遺伝的要素、ホルモンバランスを総合的に判断して適切な治療計画を立てることができます。
単純にミノキシジルだけを使うよりも、医師の診察を受けながら内服薬や注入治療、サプリメントなどを組み合わせるほうが総合的な効果が期待できる場合があります。
治療を進めていくうえで不安や疑問があれば、通院の際にその都度相談し、状況に合ったアドバイスを受けることが継続とモチベーションにつながります。
生活習慣の見直しと併用するメリット
薄毛対策にはミノキシジルの使用だけでなく、生活習慣全般の見直しが大切です。
発毛や育毛のためには、頭皮だけでなく体の内側からのサポートが必要となることが多いため、栄養面・睡眠・ストレス管理などを意識して取り組むことが求められます。
食事と栄養管理
バランスのよい食事は、髪を健やかに保つための基本です。髪の主成分であるタンパク質は、肉・魚・豆類などから積極的に摂取したい栄養素の1つです。
亜鉛や鉄分などのミネラル、ビタミンB群やビタミンCなども代謝に関与するため、野菜や果物、海藻なども食事に取り入れてみてください。
食事で意識したい栄養素
| 栄養素 | 主な食材 | 毛髪への影響 |
|---|---|---|
| タンパク質 | 肉類、魚類、卵、大豆製品など | ケラチン合成の材料となる |
| ビタミンB群 | レバー、豚肉、玄米など | 代謝をサポートし、毛髪の成長を促す |
| 亜鉛 | 牡蠣、牛肉、かぼちゃの種など | 毛母細胞の活性化やホルモンバランスに関与 |
| ビタミンC | 柑橘類、イチゴ、ブロッコリーなど | コラーゲン生成や抗酸化作用に寄与 |
| 鉄分 | レバー、赤身肉、ほうれん草など | 酸素供給を高め、抜け毛予防に一役買う |
運動と睡眠の重要性
適度な運動習慣は、血行促進だけでなくストレス解消にも役立ちます。ウォーキングや軽いジョギングなど、無理なく続けられる運動を週に数回取り入れると、毛根への血流が改善しやすくなる可能性があります。
さらに、睡眠時間と質を十分に確保することも大切です。就寝中に分泌される成長ホルモンは、毛髪の再生を支える要素の1つと考えられています。
寝不足が続くと血行が悪くなり、ホルモンバランスが乱れるリスクが高まるでしょう。
ストレスコントロール
ストレスは男性ホルモンや交感神経の働きを活発化させ、頭皮の血管を収縮させる恐れがあります。結果として髪への栄養供給が不足し、生え際を含む抜け毛の進行に拍車をかけることも考えられます。
ストレス対策としては、趣味の時間を確保したり、マインドフルネスや深呼吸などを取り入れて日常の緊張感を和らげる方法が注目されています。
- 定期的にリラクゼーションや軽い運動を取り入れる
- 仕事や家事を一人で抱え込みすぎない
- 自分の悩みを信頼できる相手に打ち明ける
- 肩こりや首こりの解消を意識して血行を改善
ミノキシジルとサプリメントの併用
食事だけでは補いきれない栄養素を補給する目的で、サプリメントを活用する方法もあります。
育毛関連のサプリメントには亜鉛やビタミン、アミノ酸などが配合されたものがあり、ミノキシジルと併用することで相乗効果を目指す方も少なくありません。
ただし、サプリメントはあくまで補助的な存在なので、過剰摂取や偏った利用は避けることが重要です。医師や栄養士と相談しながら、自分に合った形で取り入れるほうが安心です。
生え際だけでなく頭頂部も含めた総合的なアプローチ
薄毛は生え際だけでなく頭頂部にも起こりやすい症状です。AGAの進行パターンにおいて、生え際が目立ってきたかと思えば、しばらくして頭頂部が薄くなるケースも珍しくありません。
全体的に毛髪を増やす視点が必要だといえます。
頭頂部と生え際の薄毛の違い
生え際がM字型に後退していく場合と、頭頂部から徐々に薄くなる場合では、ホルモンの影響や血行状態など共通する部分がある一方で、個人差も大きいです。
頭頂部はもともと血流がやや滞りやすい部位とされ、生活習慣や頭皮環境が影響しやすい側面が見られます。
一方、生え際は前頭部への血流、そしてDHTの受容体が集中しやすい部位とも言われるため、早めの対策が重要になる場合が多いです。
どちらを先に意識してケアをするかは、それぞれの進行度合いに左右されるものの、総合的に取り組むことが望ましいです。
ミノキシジルの部位別効果の差
ミノキシジルは、頭皮全体に対して血管拡張や毛母細胞への刺激を及ぼす可能性があります。そのため、頭頂部と生え際における効果の差は個人差が大きいというのが実際のところです。
ただ、毛髪の成長に必要な栄養を行き届かせるメカニズムに変わりはないため、継続的な使用と頭皮ケアを併用すれば、部位を問わず効果が期待できる場合があります。
生え際と頭頂部に対するアプローチ
| 項目 | 生え際 | 頭頂部 |
|---|---|---|
| 抜け毛の進行パターン | M字型に後退しやすい | つむじ付近から円形に広がることが多い |
| 血行状態 | 前頭部は日常的に触れる機会が多い | 位置的に血行不良が起きやすい |
| ケアのポイント | 生え際専用の塗布技術が必要になる場合 | 頭頂部を見落とさずしっかり塗布 |
| 期待される効果 | 額のラインが下がり、顔の印象が変化 | 全体的なボリュームアップ |
併用療法の可能性
ミノキシジル以外にも、フィナステリドやデュタステリドなど、AGA治療の内服薬が存在します。これらはDHTの生成を抑制することで、抜け毛の進行を抑える作用を持つとされています。
外用薬と内服薬を組み合わせると、生え際にも頭頂部にも複数の角度からアプローチできるため、改善を感じやすくなることがあります。
ただし、内服薬には副作用が生じるリスクもあるため、専門の医師と十分に相談したうえで使用を検討することが勧められます。
総合的なケアのメリット
生え際だけに注力しても、頭頂部が進行すると全体的な印象で薄毛がわかりやすくなる場合があります。逆に、頭頂部だけケアして生え際の対策が遅れると、鏡を見るたびに前頭部の後退が気になるかもしれません。
毛髪の状態は部位ごとに分けて考えられるものの、血行やホルモンバランスなどは全体に影響を及ぼします。生え際も頭頂部も含めた総合的なケアを行うことで、バランスのとれた発毛促進が目指せます。
クリニックでできる追加の治療法
医療機関では、ミノキシジルや内服薬だけでなく、育毛メソセラピーやPRP療法など、複数の施術や治療法を提案するところも増えています。
専門家の診察を通じて、自分の頭皮や毛髪の状態に合う治療を受けることで、高い発毛実感を得られるケースもあります。
代表的な治療薬との併用メリット
ミノキシジルは血管拡張による育毛効果が期待される一方、フィナステリドやデュタステリドは、男性ホルモンの変換を抑えて抜け毛を抑制する目的で使われます。
この2つを併用すると、「抜け毛を防ぎながら髪を育てる」という2方向からのアプローチが可能になります。
ただし、投薬には個人差があり、副作用や効果の強さは人によって異なります。長期的に安全に使用するためにも、定期検査や医師とのコミュニケーションは欠かせません。
育毛メソセラピーなどの施術
最近は、頭皮に成長因子や栄養成分を直接注入する育毛メソセラピーを導入するクリニックが増えています。ミノキシジルなどの外用薬と並行して行うことで、髪の成長を内外からサポートできる可能性があります。
そのほか、PRP療法(多血小板血漿を用いた治療)やLED照射など、頭皮の再生を促すための施術法も考案されています。
これらはミノキシジルと組み合わせることで相乗効果をねらうものですが、費用や施術頻度に個人差があるため、カウンセリングでしっかり検討することが望ましいです。
治療期間と費用の目安
AGA治療は1回の施術や数か月の薬のみで終了することは少なく、基本的には長期的な取り組みを必要とします。短くても半年〜1年、継続することでようやく目に見える変化が感じられることが多いです。
費用は治療内容やクリニックによって大きく異なりますが、月あたり数千円〜数万円程度の範囲内に収まることが一般的です。
治療費用・期間に関する目安
| 治療法 | 期間の目安 | 月あたりの費用の目安 |
|---|---|---|
| ミノキシジル外用 | 半年〜1年以上 | 数千円〜1万円前後 |
| フィナステリド内服 | 半年〜数年単位 | 数千円〜数万円 |
| 育毛メソセラピー | 数回〜数十回の施術 | 1回あたり数万円になる場合も |
| PRP療法 | 数回〜定期的に受けることが多い | 1回あたり数万円になることが多い |
医師と相談する際のポイント
自分に合う治療法を選択するには、医師とのコミュニケーションが重要となります。以下の点を意識すると、スムーズに治療方針を決めやすくなります。
- 自分が気になる部位(生え際、頭頂部など)の症状を具体的に伝える
- 遺伝的な薄毛の家族歴がある場合は詳しく話す
- 治療にかけられる予算や、通院のペースを事前に整理しておく
- 副作用やアレルギー、既往症などがあれば忘れずに報告する
よくある質問
ミノキシジルは薬剤である以上、さまざまな疑問や不安が生じるものです。生え際の改善を目指すうえで、患者さんが気になりやすいポイントについて整理してみます。
- ミノキシジルを使い始めてすぐに生え際が後退した気がします。どうすればよいですか?
-
多くの場合は初期脱毛と呼ばれる現象が影響している可能性があります。休止期の髪がまとめて抜け落ち、新しい髪が生え変わる準備をしている段階と考えられます。
慌てて使用をやめるよりも、少なくとも数か月は継続して様子をみるほうが効果を感じやすくなることがあります。ただし、頭皮に強いかゆみや炎症が生じた場合は医師に相談してください。
- 女性でも生え際の後退にミノキシジルは効果がありますか?
-
女性にも使用できる濃度のミノキシジル製品があり、生え際や分け目の薄毛対策に活用されることがあります。
男性と同じく、使用初期に一時的に抜け毛が増えることがある点や、長期的な継続が求められる点は共通しています。
女性特有のホルモンバランスや生活習慣との関係もあるため、不安なときは専門の医療機関で相談するとよいでしょう。
ミノキシジル使用時の男女比較
項目 男性 女性 使用できる濃度の一般的傾向 5%前後が多い 1%〜5%程度の幅 初期脱毛の症状 比較的顕著に表れやすい場合がある 個人差があるが軽度に出ることもある 併用される治療法 フィナステリドやデュタステリドなど 抗男性ホルモン薬や女性ホルモン療法など 気をつけたい副作用や注意点 頭皮刺激、体毛増加などが挙げられる 妊娠中・授乳中は使用を避けるケースが多い - 市販のミノキシジルとクリニックで処方されるものに違いはありますか?
-
市販品の場合、濃度や配合成分、販売形態などに制限があることが多いです。
クリニックで処方されるものは、より濃度の高いミノキシジルや、他の有効成分を組み合わせた外用薬が用意されるケースがあります。
自己判断で購入しやすい市販品も便利ですが、自分の症状に合っているかどうか、専門家から意見をもらうことが望ましいと言えます。
- ミノキシジルを使うタイミングや塗布回数を増やせば、早く生え際が回復しますか?
-
決められた使用量や使用回数を守ることが大切です。過剰に使うと頭皮の刺激が強まるおそれがあり、皮膚トラブルを引き起こすリスクが高まります。
早く効果を実感したい気持ちは理解できますが、焦って塗りすぎるよりも、1日2回程度の正しい使い方を継続することが、結果的に生え際の改善につながりやすいです。
以上
参考文献
YORK, Katherine, et al. A review of the treatment of male pattern hair loss. Expert opinion on pharmacotherapy, 2020, 21.5: 603-612.
CRANWELL, William; SINCLAIR, Rodney. Male androgenetic alopecia. 2015.
HILLMANN, Kathrin, et al. A single-centre, randomized, double-blind, placebo-controlled clinical trial to investigate the efficacy and safety of minoxidil topical foam in frontotemporal and vertex androgenetic alopecia in men. Skin pharmacology and physiology, 2015, 28.5: 236-244.
ASFOUR, Leila; CRANWELL, William; SINCLAIR, Rodney. Male androgenetic alopecia. Endotext [Internet], 2023.
OLSEN, Elise A., et al. Evaluation and treatment of male and female pattern hair loss. Journal of the American Academy of Dermatology, 2005, 52.2: 301-311.
SUCHONWANIT, Poonkiat; IAMSUMANG, Wimolsiri; LEERUNYAKUL, Kanchana. Topical finasteride for the treatment of male androgenetic alopecia and female pattern hair loss: a review of the current literature. Journal of Dermatological Treatment, 2022, 33.2: 643-648.
SHEIKH, Saifuddin, et al. A new topical formulation of minoxidil and finasteride improves hair growth in men with androgenetic alopecia. J Clin Exp Dermatol Res, 2015, 6.1: 1000253.
MANABE, Motomu, et al. Guidelines for the diagnosis and treatment of male‐pattern and female‐pattern hair loss, 2017 version. The Journal of Dermatology, 2018, 45.9: 1031-1043.

