テストステロンは男性ホルモンの代表格で、心身の健康や男性の特徴を支える重要な存在です。男性型脱毛症とのかかわりも深く、テストステロンの増減に悩む方は多くいます。
生活習慣やホルモンバランスを整えることで、テストステロンの安定を目指すことが可能です。本記事では、テストステロンの働きや増減の仕組み、生活習慣との関係を多角的に解説します。
男性型脱毛症の症状に悩む方や、ホルモンバランスを整えて健康的な日々を送りたい方の参考になれば幸いです。
テストステロンとは何か
日常生活の中で「男性ホルモン」と聞くと、テストステロンを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。男性の特徴を形づくるうえで重要な役割を果たし、身体面や精神面にさまざまな影響を与えます。
男性型脱毛症の観点でも注目が集まるホルモンなので、その基本的な性質を理解しておくことが大切です。
テストステロンの基本的な働き
テストステロンは男性の身体で多く分泌され、男性的な身体づくりや精神状態を支えています。筋肉量を増やしたり、骨を強化したりするだけでなく、性欲や意欲の維持にもかかわります。
女性の体内にも少量存在し、女性の健康管理にも関係すると言われています。大まかに挙げると、以下のような作用が知られています。
- 筋肉や骨格の形成に影響を与える
- 性的欲求や生殖機能をサポートする
- 全身の代謝やエネルギー産生にかかわる
- 思考や気分の安定を助ける
テストステロンの主な役割
| 働き | 詳細 |
|---|---|
| 筋肉・骨格の発達 | 筋肉や骨の成長を促進し、骨密度の維持をサポートする |
| 性機能のサポート | 性欲や勃起機能など、生殖に関する健康を支える |
| 代謝の調整 | エネルギー代謝や脂肪燃焼を促す |
| 精神的な影響 | やる気や集中力、気分の安定を促進する |
テストステロンはこのように多方面から身体を支えるため、生活の質を高めるうえで大切です。
男性型脱毛症とのかかわり
男性型脱毛症は頭髪が部分的に薄くなる症状であり、AGA(Androgenetic Alopecia)とも呼ばれます。
テストステロンそのものが直接の原因ではありませんが、テストステロンが体内で変換されて生成されるジヒドロテストステロン(DHT)が毛根に影響を与え、脱毛を促進するケースが多くみられます。
DHTはテストステロンから5αリダクターゼという酵素の働きで変換されるため、この酵素の活性が男性型脱毛症の大きな要因と考える医師もいます。
テストステロンの増減そのものが頭髪の成長サイクルに影響を与えるわけではありませんが、体内のホルモンバランスが崩れると抜け毛や薄毛が進行しやすくなる恐れがあります。
男性と女性のテストステロンの違い

テストステロンは男性だけのホルモンとイメージされがちですが、女性の体内にも存在します。ただし、男性と女性では分泌量が大きく異なり、その分働き方や影響にも差がみられます。
男性は主に精巣から分泌し、女性は主に卵巣や副腎で分泌します。男性ほど大量には分泌されないため、女性の身体では別の女性ホルモンとのバランスが健康維持の要になります。
男性と女性のテストステロン分泌量の比較
| 性別 | 主な分泌場所 | 平均的な分泌量 (1日あたり) | 影響 |
|---|---|---|---|
| 男性 | 精巣・副腎 | 5~7mg程度 | 筋肉や骨格に大きく影響 |
| 女性 | 卵巣・副腎 | 0.2~0.3mg程度 | 疲労感や気分に影響 |
男性と女性ではホルモンのバランスが異なるため、同じようにストレスを受けても影響の出方が違う場合があります。
男性であれば男性型脱毛症が進行しやすくなる可能性があり、女性であれば生理不順や更年期障害との関連が考えられます。
テストステロンの増減が注目される背景
健康意識が高まるにつれ、テストステロンの増減について関心を寄せる方が増えています。テストステロンの増加を目指して筋トレを行う人や、テストステロンを減らす要因を探して生活習慣を見直す人も多いです。
また、ホルモンバランスが乱れるとストレスや体調不良が増加するという指摘もあるため、テストステロンに限らずホルモンを適切にコントロールしたいと考える人が増えています。
男性型脱毛症の治療でも、このホルモンバランスを整えるアプローチが注目されます。
テストステロンの生成と調節の仕組み
テストステロンは身体の中で複雑なプロセスを経て生成と分泌が行われています。特に脳下垂体からの指令や、酵素の働きなどが大きく関係します。
テストステロンの増加を意図する場合も、テストステロンを抑える治療を行う場合も、この生成と調節の仕組みを理解すると役立ちます。
脳下垂体と精巣の連携
テストステロンの分泌量は、脳下垂体が指令を出すことで調整されます。
脳下垂体は視床下部との連携によってホルモン分泌を管理し、「ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)」や「黄体形成ホルモン(LH)」を分泌して精巣を刺激します。
その結果、精巣のライディッヒ細胞がテストステロンを分泌します。脳と精巣の連携がうまく機能すれば、必要な量のテストステロンが一定のリズムで供給されます。
5αリダクターゼの働き
5αリダクターゼは、テストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変換する酵素です。DHTは毛包を萎縮させ、男性型脱毛症の進行を早める原因になることがあります。
この酵素の活性を抑える薬剤も存在し、男性型脱毛症の治療に利用するケースがあります。ただし、5αリダクターゼの働きを抑えると、必ずしもテストステロンを減らすことにはつながりません。
DHTの産生を抑えながら、テストステロンの増加を目指す治療法も考えられます。
テストステロンとDHTの関係
| 項目 | テストステロン | ジヒドロテストステロン(DHT) |
|---|---|---|
| 合成される場所 | 主に精巣(ライディッヒ細胞) | テストステロンが5αリダクターゼによって変換 |
| 身体への主な影響 | 筋肉量、骨格、性欲など | 毛包に対する強い作用、前立腺肥大など |
| 男性型脱毛症への関与 | 間接的 | 直接毛包を萎縮させる |
DHTが髪の成長を阻害し、脱毛を促すという点は多くの臨床経験でも指摘されています。

テストステロンのフィードバック機構
体内でテストステロンが一定の水準に達すると、視床下部や脳下垂体がその情報を受け取り、LHの分泌量を調整します。これをフィードバック機構と呼びます。
血中テストステロン量が過剰になれば抑制が働き、不足気味になれば刺激が強まるという仕組みです。
身体はホルモンバランスを常に安定させようとするため、急激なテストステロンの増加や減少が起きると、何らかの不調が現れる可能性があります。
年齢による分泌量の変化
テストステロンは加齢により少しずつ減少していきます。男性は思春期から20代にかけて高い水準を保ちますが、30代以降になると緩やかに低下する傾向があります。
中には20代でも日常のストレスや不規則な生活習慣により、テストステロンを減らす要因を増やしてしまう方もいます。年齢だけが原因ではなく、ライフスタイル全般がホルモンバランスに影響を与えます。
年齢別のテストステロン平均値の例
| 年齢層 | テストステロン平均値(ng/dL) | 備考 |
|---|---|---|
| 20代 | 600~700 | 最も安定して高い値を示す傾向がある |
| 30代 | 500~600 | 仕事や育児などストレス増加の影響も考えられる |
| 40代 | 400~500 | 生活習慣が顕著に影響を及ぼし始める |
| 50代 | 300~400 | 加齢による低下が顕著になる場合がある |
年齢を重ねるほどテストステロンの増加を目指す取り組みや、テストステロンを抑える治療のニーズも変化します。
男性型脱毛症の進行具合にも年齢は大きく関わるため、自身の年齢とホルモンバランスを意識することが大切です。
テストステロンの増加と減少に影響する要因

テストステロンはただ加齢によって変動するだけでなく、食事や運動、睡眠、ストレスなどさまざまな要因で上下します。
具体的には栄養の偏りや運動不足がテストステロンを減らす原因になり、適度な運動や十分な睡眠がテストステロンの増加につながる可能性があります。
食事と栄養バランス
日々の食生活がテストステロン分泌に与える影響は大きいです。タンパク質や良質な脂質を適量摂取することが重要で、特に亜鉛やビタミンDなどはホルモン合成を支える栄養素として知られています。
一方で、過剰な糖質や飽和脂肪酸の摂取は肥満や生活習慣病のリスクを高め、テストステロン値を下げる要因になるおそれがあります。
テストステロンによい栄養素と食品の例
| 栄養素 | 役割 | 食品の例 |
|---|---|---|
| 亜鉛 | 性ホルモン合成をサポート | 牡蠣、牛肉、ナッツ類 |
| ビタミンD | 骨や筋肉の健康維持、ホルモン調節を支える | 鮭、サバ、きのこ類 |
| タンパク質 | 筋肉や組織の合成に必須、テストステロン合成にも関与 | 肉、魚、卵、豆腐 |
| 良質な脂質 | 性ホルモン合成の材料 | オリーブオイル、アボカド |
運動と組み合わせて、これらの栄養をバランスよく摂取すると効率的にテストステロンの増加を狙える可能性があります。
運動と身体活動
運動はテストステロンの増加を後押しすると指摘されることが多いです。特に筋力トレーニングは男性ホルモンの合成を促す効果が期待できます。
一方で過度な有酸素運動を長時間続けると、ストレスホルモンが増えてテストステロンを減らす方向に働く可能性があります。適度な筋トレと有酸素運動を組み合わせることが大切です。
- ウエイトトレーニングは筋肉に強い刺激を与え、テストステロンを分泌しやすくする
- インターバルトレーニングは短時間で強度が高く、成長ホルモンやテストステロンにも好影響を与える
- ジョギングなどの長時間の有酸素運動だけに偏ると、体力的な消耗が激しくホルモンバランスが崩れやすい
負荷の調整や休息日を設けながら継続すると、男性型脱毛症の予防や健康維持にもプラスになります。
睡眠とストレス
睡眠不足や高いストレス状態もテストステロンの増減に大きく関わります。人間の身体は睡眠中に成長ホルモンなどを分泌し、細胞の修復やホルモンバランスの調整を行います。
睡眠時間が不足するとテストステロンの分泌が低下しやすくなり、慢性的なストレスによってコルチゾールが増えすぎると男性ホルモンの安定を阻む恐れがあります。
睡眠とストレスの関連性
| 項目 | 具体例 |
|---|---|
| 睡眠不足 | 6時間未満の睡眠が続くとテストステロン値が下がりやすい |
| コルチゾール過多 | ストレス状態が長期化するとコルチゾールが増え、男性ホルモンバランスを乱す |
良質な睡眠を確保し、趣味やリラックス法を活用してストレスケアに努めると、ホルモンバランスが整いやすくなります。
アルコールや喫煙の影響
アルコールの過剰摂取は肝機能の低下や肥満を招き、テストステロンを減らす原因になる可能性があります。適度な飲酒なら大きな影響は出にくいですが、慢性的に多量に飲む習慣がある方は注意が必要です。
また、喫煙も血流を悪化させ、ホルモンバランスを崩す要因になり得ます。脱毛や疲労感など、健康面全般にデメリットが多い行為です。
テストステロンを抑える方法と男性型脱毛症への応用
男性型脱毛症の治療では、テストステロンを抑えるアプローチというより、ジヒドロテストステロン(DHT)の産生や作用を抑える薬剤が注目されます。
ただし、前立腺疾患など他の目的でテストステロンを抑える必要がある方もいるため、いくつかの方法を理解しておきましょう。
抗アンドロゲン薬の利用
男性型脱毛症の治療には、5αリダクターゼの活性を抑える薬や、アンドロゲン受容体をブロックする薬が使われることがあります。副作用のリスクや個人差があるため、医師と相談しながら用いる必要があります。
過剰にテストステロンを減らすと筋力低下や性欲減退などが起こる場合があるので、バランスが重要です。
主な抗アンドロゲン薬の例
| 薬剤名 | 働き | 注意点 |
|---|---|---|
| フィナステリド | 5αリダクターゼII型の活性を抑制し、DHT生成を抑える | 性機能への影響、服用中止で効果消失の可能性 |
| デュタステリド | 5αリダクターゼI・II型どちらにも作用 | フィナステリドより広い働きを示す場合がある |
| スピロノラクトン | アンドロゲン受容体を阻害する | 利尿作用もあり、むくみなどに関連する場合がある |
頭皮への外用薬や内服薬を使い分けることで、男性型脱毛症にアプローチする手法が一般的です。
生活習慣によるテストステロン抑制の工夫
ホルモン治療だけでなく、生活習慣の工夫でテストステロンの増加を抑制したい場合もあります。
たとえば、過度な筋トレを行わないように調整したり、ストレスをコントロールして過剰な男性ホルモンの分泌を落ち着かせたりといった方法です。
ただし男性型脱毛症の場合、テストステロンを抑えるというよりDHTへの変換をブロックする方が効果的とされるため、自己判断だけでテストステロンを減らすような方法を取るのは避けたほうが無難です。
前立腺疾患との関係
前立腺がんや前立腺肥大などの治療過程で、テストステロンを抑える薬が処方されることがあります。前立腺組織はアンドロゲン受容体を多く含み、テストステロンやDHTが細胞の増殖を促すと考える医師もいます。
そのため、前立腺疾患がある方は男性型脱毛症の治療法を選択する際に、テストステロンへの影響を考慮しなければいけないケースがあります。
副作用と注意点
テストステロンを抑える治療やDHTをブロックする治療を行うと、性欲の低下や勃起機能の低下、体脂肪の増加などが見られることがあります。これらは治療のメリットとデメリットを天秤にかけ、慎重に判断しなければいけません。
AGAクリニックなどでは専門医が一人ひとりの症状や体質をチェックしながら治療方針を決めるため、不安な点はカウンセリング時に相談すると安心です。
テストステロンの増加を目指すアプローチ
一方で、加齢やストレスでテストステロンの水準が落ちると、活力の低下や気分の落ち込みなどを感じやすくなることがあります。その場合には、テストステロンの増加を目指す手段が選ばれるケースもあります。
男性型脱毛症の治療目的と両立させたい場合は、医療機関での相談がおすすめです。
ホルモン補充療法
低テストステロン症と診断された場合、テストステロンを外部から補充するホルモン補充療法が選択肢に入ることがあります。具体的には注射や塗り薬などによってテストステロンを補給する方法です。
ただし、男性型脱毛症を持つ方の場合、補充によってDHT生成が増え、脱毛の進行が早まるリスクが指摘されることもあります。
そのため、必ず専門医と相談し、男性型脱毛症の治療薬やライフスタイルとの兼ね合いを考慮する必要があります。
ホルモン補充療法の利点と留意点
| 利点 | 留意点 |
|---|---|
| 倦怠感の軽減、性欲低下の改善が期待できる | DHT増加によりAGAが悪化するリスクがある |
| うつ症状や気分の落ち込みが緩和されやすい | 前立腺への影響や他の副作用を考慮しなければいけない |
| 筋肉量や骨密度が維持しやすくなる | 通院や定期検査が必要 |
男性型脱毛症の治療と両立させるために、どの程度のテストステロンの増加を目指すかを慎重に計画することが大切です。
サプリメントや漢方の利用
サプリメントや漢方を利用することで、ホルモンバランスをサポートする方法も存在します。
亜鉛やビタミンDなどの栄養素を摂取するためのサプリメントのほか、漢方薬では体質改善を目指して処方を受ける人も多いです。
ただし、過剰に摂取したり、自己判断で服用したりすると逆効果になる場合があるため、医師または薬剤師に相談することが望ましいです。
- マカやトンカットアリなどテストステロンの増加を支援すると言われる植物成分
- 漢方薬では八味地黄丸など、加齢による体力低下を補う目的で処方する例がある
- サプリメントは品質や添加物に注意して選ぶほうがよい
体質や抱えている疾患によって効果や相性が異なるため、AGA治療と並行して取り入れる場合は医療機関との連携が不可欠です。
生活習慣の改善で目指す方法
食事・運動・睡眠・ストレス管理などの改善でテストステロンの増加を目指す方法は、副作用が少なく継続しやすい利点があります。
タバコや過度の飲酒を控え、筋力トレーニングを取り入れ、良質な睡眠を確保するだけでも大きな変化を感じる方は多いです。男性型脱毛症の治療中でも、こうした生活習慣の改善はプラス要因になる場合がほとんどです。
テストステロン向上をサポートする生活習慣の例
| 内容 | 効果 |
|---|---|
| 良質な睡眠 | 夜間のホルモン分泌を促し、テストステロン値を安定させる |
| 適度な筋力トレーニング | 筋肉に刺激を与えて男性ホルモンの合成を高めやすくする |
| バランスの良い食事 | 栄養素が不足しにくく、ホルモン合成をサポートする |
| ストレスマネジメント | コルチゾール増加を抑え、テストステロン減少を避けやすくする |
小さな習慣でも継続によって体質が変わる可能性があります。
メンタルヘルスと意欲の関係
テストステロンはメンタルヘルスや意欲とも密接に関わります。やる気や自己肯定感が低下すると運動や食事管理も続かなくなり、結果的にホルモンバランスが崩れやすくなります。
逆に、テストステロンが増えると活気が出て、ポジティブな行動サイクルを生みやすくなるという好循環もあります。医師やカウンセラーに相談しつつ、心のケアにも目を向けることが長期的な健康維持につながります。
AGA(男性型脱毛症)クリニックでの診療フロー

テストステロンの増減を意識しながらAGAを治療する場合、専門のクリニックでどのような診療が行われるのか気になる方も多いでしょう。
初診から治療までの流れを理解し、スムーズに受診できるようにしておくと安心です。
初診・カウンセリング
AGAクリニックでは、まず頭髪の状態や生活習慣、既往症などをヒアリングし、頭皮の検査や血液検査などを行うことがあります。
血液検査によってホルモンバランスをチェックし、男性ホルモンの量が極端に乱れていないかを確認することも多いです。患者の希望や不安をじっくり聞きながら最適な治療方針を提案してくれます。
治療プランの決定
検査結果やカウンセリングを基に、内服薬や外用薬、場合によっては注入療法などを組み合わせた治療プランが立案されます。
治療にはフィナステリドやデュタステリドなどを用い、テストステロンがDHTに変換されるプロセスを抑えるケースが多いです。必要に応じて栄養指導や生活習慣のアドバイスなど、総合的なサポートが行われます。
経過観察とフォローアップ
AGA治療は短期間で劇的な効果を狙うのではなく、数カ月から1年以上のスパンで徐々に改善を図る場合がほとんどです。定期的な通院で頭皮の状態や血液検査の結果をチェックし、副作用やホルモンバランスの変化がないかを見極めます。
テストステロンを増やす生活習慣を同時に取り入れながら治療を続けると、心身の健康も維持しやすくなります。
- 内服薬や外用薬の効果を確認し、副作用が疑われるときは薬剤の変更を検討する
- 頭髪の成長具合や抜け毛の状況を撮影記録などで比較し、治療効果を客観的に判断する
- 生活習慣のアドバイスを守っているか、患者と二人三脚で進める
医師やスタッフとコミュニケーションを取りながら治療を続けることが大切です。
費用や通院頻度
AGA治療の費用は保険が適用されない自由診療になることが多いです。内服薬や外用薬、注入療法などのメニューによって料金に幅があります。
定期的な通院が必要なので、月々の予算や通院可能なスケジュールを計画的に考えることが求められます。費用を気にして受診を後回しにすると、脱毛が進行して対応が遅れるケースもあるため、早めの相談をおすすめします。
一般的な治療費用の目安
| 治療法 | 料金目安(1カ月あたり) | 特徴 |
|---|---|---|
| 内服薬(フィナステリド等) | 3,000~8,000円程度 | DHT生成を抑える定番の薬剤が多い |
| 外用薬(ミノキシジル等) | 3,000~6,000円程度 | 塗布タイプで使いやすく、血行促進などを狙う |
| 注入療法・メソセラピー | 1回あたり1万円~数万円 | 育毛成分を直接注入し、即効性を期待する |
具体的な費用はクリニックや治療内容によって異なるため、カウンセリング時に見積もりを確認すると良いでしょう。
自宅でできるテストステロンケアのポイント
AGAクリニックでの治療と並行して、自宅でもテストステロンの安定を意識すると脱毛予防や健康維持に役立ちます。誰でもすぐに始められる方法を知っておくと生活に取り入れやすいです。
バランスの良い食事と水分補給
たんぱく質、良質な脂質、ビタミンやミネラルをバランスよく摂取することは、テストステロンの増加に寄与すると言われています。過度なダイエットや偏食は避け、水分補給もしっかり行いましょう。
水分不足は代謝を下げ、ホルモンバランスの乱れにつながりやすくなります。
健康的な食生活モデル
| 食品カテゴリ | 例 | 摂取の目安 |
|---|---|---|
| たんぱく質 | 肉類、魚類、卵、大豆製品 | 毎食1品以上 |
| 良質な脂質 | ナッツ、オリーブオイル、魚の脂 | 毎日適量 |
| 野菜・果物 | 緑黄色野菜、果物全般 | 毎食1~2品以上 |
| 水分 | 水、お茶 | 1日1.5~2リットル程度を目安 |
肥満予防や体重管理にもつながるので、脱毛以外の健康面でもメリットが大きいです。
適度な運動と休養
筋力トレーニングはテストステロン値を向上させると多くの方が実感しています。週に2~3回、全身をバランスよく鍛えるメニューが理想です。
ただし疲れ切るまでトレーニングすると逆にストレスホルモンが増加し、テストステロン減少を招くこともあるため休息日をしっかり確保しましょう。運動直後のタンパク質補給も欠かさないことが大切です。
- 週2~3回程度のウエイトトレーニング
- インターバルトレーニングを短時間で行う
- 十分な休息日を確保し、オーバートレーニングを防ぐ
体力や年齢に合わせて無理なく行い、継続性を重視すると良い結果を得やすくなります。
ストレス管理とメンタルサポート
仕事や生活環境で生じるストレスを完全に避けることは難しいですが、適度に解消する術を持つことでコルチゾールの分泌量を抑え、テストステロンを減らす悪影響を軽減できます。
趣味や運動、マインドフルネスなどの方法でリラックスすると精神的にも安定しやすくなります。必要に応じてカウンセリングを受けることも選択肢です。
ヘアケアと頭皮環境の整備
テストステロンがどのように作用していても、頭皮環境が悪いと抜け毛や薄毛が進行しやすくなります。男性型脱毛症であれば尚更、清潔で血行の良い頭皮環境を維持することが重要です。
適切なシャンプーや育毛剤を使い、過度な皮脂の蓄積や洗い残しを防ぎましょう。マッサージや頭皮の保湿などを取り入れると、より効果が出やすくなります。
頭皮環境を整えるヘアケア方法
| 方法 | ポイント |
|---|---|
| 正しいシャンプー | 指の腹でマッサージしながら洗い、すすぎを十分に行う |
| 頭皮マッサージ | 血行を促進し、毛根への栄養供給を助ける |
| 育毛剤の使用 | 有効成分を頭皮に届けることで健康な髪の成長を補助 |
| ドライヤーの使い方 | 根元から乾かし、湿ったまま放置しない |
こうした習慣を続けるとテストステロンの増減に関係なく頭皮状態を良好に保ちやすくなります。

よくある質問
- テストステロンが高いと必ず男性型脱毛症が進行するのでしょうか?
-
テストステロンの値が高い人が必ずしも男性型脱毛症を進行させるわけではありません。毛包を萎縮させる主な原因はジヒドロテストステロン(DHT)であり、テストステロンそのものが直接毛根に強いダメージを与えるわけではないです。
ただし、テストステロンが高い環境だとDHTへの変換も増える可能性があるため、AGAが心配な方は専門医に相談すると安心です。
- テストステロンを増やすための筋トレで逆に脱毛が進むことはありますか?
-
筋トレ自体が脱毛を進めるとは言い切れません。ただし、過度な筋トレや無理な減量がストレスとなり、コルチゾールが増加してホルモンバランスが乱れる場合があります。
適度な強度と十分な休養を確保し、栄養バランスを考慮すれば、筋トレは健康的なホルモンバランスを保つうえでも意義がある方法です。
- ストレスを受けるとテストステロンを減らす原因になるのはなぜですか?
-
強いストレスを感じると脳がコルチゾールというホルモンを多く分泌します。
コルチゾールはストレスへの対抗手段として必要なホルモンですが、過剰に分泌されるとテストステロンの合成を抑制する方向に働くことがあります。
結果的に体内の男性ホルモン濃度が低下し、疲労感や意欲低下を招くことも少なくありません。
- サプリメントや漢方だけでテストステロンの増加やAGA改善を期待してもいいですか?
-
サプリメントや漢方はあくまでも補助的な位置づけと考えるほうが良いです。
栄養バランスを整えたり体質を補ったりする目的で取り入れるのは有効な場合もありますが、男性型脱毛症や低テストステロン症を根本から改善するには、医師の診断や適切な治療を併用することが望ましいです。
自己判断でサプリメントを過剰摂取すると副作用のリスクが高まる場合もあるため注意が必要です。
以上
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