プロペシア(フィナステリド)のジェネリックは価格と品質面から国内製がベスト。サワイがおすすめだけどファイザーもOK。フィンペシア等の海外製はNG

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プロペシア MSD株式会社
この記事に書いてある事
  • プロペシアの海外製ジェネリックと日本製ジェネリックの違い
  • 個人輸入代行で出回っているジェネリックは発がん性物質混在の過去も
  • 国内製正規ジェネリック10商品の価格比較表
  • AGA専門クリニックで処方される非検査で出所不明のジェネリック薬
  • プロペシアのジェネリック医薬品が一番安く手に入るのはDMMオンラインクリニック

当記事では自院に意図的に患者様を誘導するような文言は一切ございませんが、他院や他商品を紹介しているため医療広告ガイドラインの規定により広告扱いとなっておりますことを予めご了承ください。

AGA(男性型脱毛症)の治療薬として「必須中の必須」である脱毛予防薬プロペシアは、発売から20年が経過し、特許切れに伴うジェネリック医薬品(プロペシアと同成分の後発薬)が次々に発売されています。

純日本製だけで9社、アメリカのファイザー日本法人のものを入れると国内で入手できるプロペシアのジェネリック薬は10種類です。

「どれを選べばいいの?」

という疑問が当然出ると思います。ファイザーや東和製薬などのメジャーな製薬会社が販売元になっているフィナステリド錠であればどれでもOKです。なぜなら成分が全く同じだからです。

【沢井製薬のフィナステリド錠】
沢井製薬のフィナステリド錠
Source:https://gotanda-clinic.jp

ここから先、個人輸入代行で出回っている質の悪い商品も含め、プロペシアのジェネリック事情について解説していきます。

この記事の執筆者

内科総合クリニック人形町 院長 藤田 英理(総合内科専門医)

藤田 英理 内科総合クリニック人形町 院長

東京大学医学部保健学科、横浜市立大学医学部を卒業。虎の門病院、稲城市立病院、JCHO東京高輪病院への勤務を経て内科総合クリニック人形町を開院。総合内科専門医。AGA治療や生活習慣病指導も行う。

所属:日本内科学会日本動脈硬化学会日本頭痛学会

医師略歴・プロフィールはこちら

目次

プロペシアの海外製ジェネリックと日本製ジェネリックの違い

AGA治療歴25年

藤田先生、プロペシアは元々は海外製ですよね。海外のジェネリック医薬品でおすすめのものはあるのでしょうか?

院長 藤田

海外製だと、勧められるのはファイザーのジェネリックだけです。個人輸入代行で入手できるものは「全滅」だと思ってください。

院長 藤田

解説いたします

わざわざメイドインジャパンを避けて海外製のプロペシアジェネリックを試す意味は全くありません。

唯一ファイザー社製のジェネリックは価格も安く品質も日本製と変わらないので、どうしても海外製がよければ、ファイザーのフィナステリド(プロペシアの主成分はフィナステリド)を選んでください。

【ファイザー製のフィナステリド錠】
ファイザー製のフィナステリド錠

海外製ではあっても、流通量は一番多く、AGA専門クリニックにわざわざ行かなくても最寄りの皮膚科に行けば入手できると思います。価格は3,800円から5,500円の間くらいです。

フィンペシアに含まれていた発がん性物質「キノリンイエロー問題」

フィンペシアという非常に有名なプロペシアのジェネリック薬があります。

日本では個人輸入代行店でしか入手できません。まだ日本でAGA専門クリニックがほとんど開業していなかった15年前くらいまでは、薄毛で悩んでいる人のほとんどがフィンペシアにお世話になっていたと思います。

このフィンペシア、キノリンイエローという成分を使用していて、キノリンイエローが実は発がん性物質であったことが処方され始めて10年くらい経過してから判明し、一時期大騒ぎになりました。

実害のほどは分かっていません。それ以来フィンペシアを飲む人は激減し、代わってエフペシアというジェネリックが台頭しましたが、ここ数年でキノリンイエローが入っていないフィンペシアが発売され、再び勢力を盛り返してきました。

【キノリンイエローフリーのフィンペシア】
フィンペシア

個人輸入代行で安く入手できるAGA治療薬はフィンペシアに限らずしょっちゅうこういう問題が起きます。

特に東南アジアで製造されるジェネリック医薬品は、ほぼ無検査で市場に出回ってくるため、何が混在しているか分かったものではありません。

日本と東南アジアとでは薬の認可に対する厳しさに雲泥の差があり、いくら価格が安くても命には代えられないので、個人輸入代行には絶対に手を出さないでほしいです。

最近だと、フィナロイドというジェネリック医薬品が大手個人輸入代行で「推し薬」として売上を伸ばしていますが、数年後に「実は●●が入っていた」ということが平気で起きえるので、手は出さないでください。

【フィナロイド】
フィナロイド

フィナロイドの主成分であるフィナステリドは、「沈黙の臓器」と言われ、五臓六腑の中でも最重要に位置する肝臓で代謝される成分です。副作用が一度出てしまったら取り返しがつかないことになってしまいます。

肝臓の数値管理がセルフコントロールできるような医学に詳しい人以外は、医師から処方してもらい、医師に責任を委(ゆだ)ねるようにしてください。

国内製正規ジェネリック10商品の価格比較表

AGA治療歴25年

国内の皮膚科やAGAクリニックなどで入手できるプロペシアジェネリックを教えてください。

院長 藤田

今のところ10社から販売されていて、実際にクリニックや皮膚科に流通しているのは4商品だと思います。

院長 藤田

解説いたします

プロペシア(主成分フィナステリド)のジェネリック医薬品は、医師の処方箋が必要なので皮膚科クリニックかAGA専門クリニックでしか入手できません。

最初にジェネリック医薬品を発売したのはアメリカのファイザー製薬の日本法人で、その次がサワイ製薬、そこから五月雨式(さみだれしき)に各社から販売されました。

以下に、国内で出回っているプロペシアのジェネリック医薬品を全て(10商品)ご紹介します。

なおジェネリック医薬品は薬価が決まっていないので、実際に処方されている価格(28-30錠)を参考として記載し、安い順に並べてみました。
※表の最後に正規薬であるプロペシアも参考として掲載しています

スクロールできます
医薬品名販売元価格
ファイザー製フィナステリドファイザー3,800~5,500円
28錠
沢井製薬フィナステリド沢井製薬3,800~5,500円
28錠
フィナステリド 東和製薬株式会社 トーワ東和製薬4,300~5,800円
30錠
フィナステリド クラシエ薬品株式会社 大興製薬株式会社クラシエ薬品4,500~6,000円
28錠
フィナステリド 武田テバファーマ株式会社 武田薬品工業株式会社武田薬品工業4,500~6,000円
28錠
フィナステリド SN シオノケミカル株式会社 あすか製薬株式会社 武田薬品工業株式会社あすか製薬4,500~6,000円
28錠
フィナステリド FCI 富士学工業株式会社富士学工業5,000~6,000円
28錠
フィナステリド TCK 辰巳化学株式会社 岩城製薬株式会社岩城製薬5,000~6,000円
28錠
フィナステリド TCK 本草製薬株式会社 辰巳化学株式会社辰巳化学5,000~6,000円
28錠
フィナステリド 小林化工株式会社 SKIファーマ株式会社SKIファーマ5,000~6,000円
30錠
プロペシア参考:正規薬
プロペシア
MSD株式会社
6,000~8,000円
28錠

ファイザーと沢井製薬が安いのは、流通量が一番多いからです。ファイザーが一番最初に、その次に沢井製薬がジェネリック医薬品を販売しました。

AGA専門クリニックで実際に処方されるのも、ファイザーか沢井製薬だと思います。稀に東和製薬やクラシエ製のフィナステリド錠を置いているクリニックもありますが、ファイザーと沢井より少し高いでしょう。

会社の規模も、ダントツで大きいのがファイザーで、その次が沢井製薬です。安い上に品質面でも安心できるので、この2つのどちらかを選べば間違いありません。

個人的には、国内最大手のジェネリック医薬品製造会社である沢井製薬のフィナステリド錠を推しておきます。

AGA専門クリニックで処方される非検査で出所不明のジェネリック薬

AGA治療歴25年

AGA専門クリニックでもプロペシアのジェネリック医薬品が処方されていると思います。ファイザーや沢井製薬のものを置いているのでしょうか?

院長 藤田

いえ、置いていない所のほうが多くて、利幅が大きくなる出所不明のフィナステリドを「オリジナル治療薬」として処方しているところがほとんどです。

院長 藤田

解説いたします

いわゆるAGA専門クリニックと呼ばれている医院では、その医院オリジナルのフィナステリド錠は処方しても、厚労省の認可を取っている本物のジェネリック医薬品を処方するところは稀(まれ)です。

「本物?ニセモノのジェネリック医薬品があるの?」

という疑問にまず答えておきます。ジェネリック医薬品と正式に呼んでいいのは、厚労省の認可をきっちりととった商品だけです。すでに紹介したファイザーや沢井製薬などの10商品が「本物」のジェネリック医薬品に相当します。

それに対し、本物ではない(かといって偽物とも呼べない)ジェネリック的なる医薬品が、AGA専門クリニックで「オリジナル治療薬」として処方されるフィナステリド錠です。

【オリジナルフィナステリド錠】
オリジナルフィナステリド錠

院内調剤&院内処方

厚労省で認可がおりている国内製のジェネリック医薬品は、「仕入れ値と売値は同等」というルールがあります。例えばファイザーのフィナステリド錠だと仕入れ値が4,500円なら売値も4,500円です。

さらに細かく言うと、調整幅2%までの許容範囲が認められているので、実態としては2%の利益を載せて販売し、なんとなく黙認されています。

これだとクリニックは儲からないですよね。そこで「オリジナル治療薬」というマジックが登場するのです。

プロペシアの主成分フィナステリドは、メキシコ湾周辺の低地でとれるノコギリヤシのエキスを化学合成したもの。フィナステリドは専門に取り扱っている卸業者がいて、厚労省の認可を取る前の「イチ成分」としてなら仕入れ値は激安です。

【ノコギリヤシ】
ノコギリヤシ

この激安のフィナステリドをゴニョゴニョ(言えません)して錠剤にしたものが、AGA専門クリニックの公式サイトなどに記載されている「オリジナル治療薬」の正体です。

【某AGAクリニックの公式サイトから抜粋】
オリジナル治療薬

成分はフィナステリドなので、脱毛抑制効果はもちろんあります。ここに嘘や偽りはないのでご安心ください。意図的にニセモノを販売すれば医師法および医療法のダブル違反で医師免許はく奪になります。そんなリスクはさすがに誰も犯さないでしょう。

では絶対安心安全かというと、そうとも言えません。なぜなら、AGAクリニックで院内調剤しているフィナステリド錠は、誰も成分鑑定していないうえに効果があるかどうかのテストもしていないからです。

厚労省から課される厳しい検査やテストをパスした正規のジェネリック医薬品と、AGAクリニックで院内調剤されるオリジナルのフィナステリド錠とでは、品質の差が出て当然で、脱毛予防効果が出なくても文句も言えません。

プロペシアや正規ジェネリック医薬品はいくら売っても利益がほとんど出ない

正規薬のプロペシアや、厚労省から認可を正式にとっているジェネリック医薬品は、税金を投入しているので、卸業者から買い叩くことは基本的にできません。

つまり正規薬のプロペシアや厚労省の認可を取っている本物のジェネリック医薬品は、売っても売っても利益が出ないのです。

儲けが少なくて頭を抱える女性医師

その場合どうするかというと、ジェネリック医薬品は仕入れずに正規薬のプロペシアだけを「見せ物」として少量だけ仕入れておいて、

「正規薬であるプロペシアは8,000円ですが、当院オリジナルのフィナステリド錠は5,000円です。成分は全く同じなので効果も同じですよ。」

と患者さんに囁(ささや)くのです。

患者に薬の説明をする医師

ファイザーなどの正規ジェネリック医薬品は4,000円前後で、オリジナル医薬品と比較対象してしまうと患者は正規ジェネリック医薬品に飛びつくので、AGA専門クリニックにはわざと置いてないです。

これを患者サイドが聞くと「3,000円も安いなら」とオリジナル治療薬に飛びつきますよね。フィナステリドの成分だけなら2,000円もあれば十分に仕入れられ、院内調剤の手間賃を加算してもオリジナル治療薬が売れれば1回の処方で2,000円くらいの利益を出すことが出来ます。

「営業妨害だ」と訴えられるのも面倒なのでもう一度書きますが、AGA専門クリニックで処方される厚労省の認可を受けていないフィナステリド錠に脱毛予防効果がないと言っているわけではありません。

そうではなくて、「どこの検査もパスしていない」というだけです。

医薬品検査

「“だけ”じゃねえだろ!そんな説明されたら怖いだろ!」というツッコミを受けそうですが、繰り返しますが、逮捕されるリスクを犯してまで効かない薬なんて絶対に処方しませんので、大手AGAクリニックで処方されているフィナステリドは品質面での問題はないと言い切っておきます

プロペシアのジェネリック医薬品が良心的な価格で手に入るのはココ

いつもながら「こんなことまで話してしまって大丈夫かなあ?」と心配になったりしますが、少なくともあなたにとっては有益な情報だったのではないでしょうか。

この記事でのアドバイスは、個人輸入代行で入手できる出所不明のジェネリック薬は避けて、きちんと厚労省の認可がおりている正規のジェネリック医薬品か、あるいは大手クリニックが処方しているフィナステリドを飲むようにしましょうということです。

そして最後に、信頼できるジェネリック医薬品はどこだと良心的な値段で手に入るのかという疑問が残るのではないでしょうか。

「当院です!」とお伝えしたいところですが、正規のジェネリック医薬品だとイースト駅前クリニック、正規ではないものの、品質的には特に問題ないジェネリック医薬品なら大手AGAクリニックであるDMMオンラインクリニックあたりだと思います。

DMMオンラインクリニック

イースト駅前クリニックと DMMオンラインクリニック のどちらが良いかは、「どっちでも問題ない」が現役AGA臨床医である私の個人的感想で、どっちでも問題ないなら、より価格が安い DMMオンラインクリニック で良いのかなと思います。

なぜなら、本当に「正規」を求めるなら「正規薬中の正規薬」であるプロペシアを飲むべきだからです。

プロペシア

店舗は東京都新宿にあります

車が走っているのは青梅街道(靖国通り)です。

奥に見えている大きな建物(住友不動産西新宿ビル)の28階になりますが、よほどのことがなければ店舗に行くことはないのかなと思います。オンライン診療メインのクリニックですので。

DMMオンラインクリニック
DMMオンラインクリニック

ビルの入り口はこんな感じでとっても綺麗です。有名なオフィスビルです。なお、店舗は大阪にもあります。

DMMオンラインクリニック

背中を押しておきます

迷ってしまって治療の開始が遅れるのはもったいないので、価格面以外のDMMオンラインクリニック の強みについて他薦しておきます。

おすすめポイント!
  1. 発毛剤ミノキシジル(飲み薬)も驚くほど良心的な値段
  2. 大手クリニックグループなので薬の品質に信頼が置ける
  3. 遠隔診療なので待合室でコロナに感染することがない
  4. 適正濃度の薬を誠実に処方してくれる
  5. オプションメニューがないので押し売りされない

DMMオンラインクリニックより良心的な値段でプロペシアのジェネリックを販売しているところを私は知りません。個人輸入代行よりDMMオンラインクリニックのほうが安いくらいです。

価格比較してみますね。有名どころのAGAクリニックを下記の表に並べてみましたがいかがでしょうか。

スクロールできます
DMMオンラインAGAオンラインCLINIC FOR湘南美容銀クリ
ミノキシジル3,784円4,500円5,148円10,030円11,000円
※価格は変動しますがおおむね上記になります

この表に記載したクリニックはどこも大手なので、薄毛治療の腕の差も薬の品質面も「差はない」と思って下さい。従って、最後は価格で比較して決めれば良いと思いますが、ご覧のとおりDMMオンラインクリニック一択ですよね。湘南さんより1,000円近く安いです。

オンライン診療メインのクリニックなので、全国どこに居ても国内最安クラスの治療を受けることができますから、迷うことなくDMMオンラインクリニックで良いのかなと思います。あ、でも当院(東京 人形町)の近くにお住まいの方は当院もお忘れなく!

DMMオンラインクリニック公式サイト

以上

参考文献

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EADDY, Michael. Finasteride versus dutasteride: a real-world economic evaluation. Am J Manag Care, 2007, 13: S23-S27.

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