夏は楽しいイベントが多い反面、強い日差しや汗、生活習慣の変化など、髪や頭皮にとっては過酷な季節です。
実際に「夏になると抜け毛が増える気がする」と感じる方も少なくありません。
この記事では、夏に抜け毛が増える原因を解説し、今日から実践できる具体的なヘアケア方法や食事のポイント、さらには専門クリニックへの相談タイミングまでまとめます。
正しい知識で、夏のダメージに負けない健康な髪を育みましょう。
夏の抜け毛はなぜ増えるの?
夏になると、他の季節よりも抜け毛が気になるという声をよく聞きます。これには、夏特有のいくつかの要因が複雑に関係しています。
まずは、なぜ夏に抜け毛が増えやすいのか、その主な原因から見ていきましょう。
夏に抜け毛が増える主な原因
夏の抜け毛が増加する背景には、紫外線、汗や皮脂の増加、生活習慣の乱れなど複数の要因が考えられます。
これらの要因が複合的に作用し、頭皮環境を悪化させて毛髪の成長サイクルに影響を与えるときがあります。
なかでも頭皮の毛穴詰まりや炎症は、健康な髪の育成を妨げる直接的な原因です。
季節性の抜け毛とは
動物の毛が生え変わるように、人間にもある程度の季節性の抜け毛が存在すると言われています。
春から夏にかけては、新しい髪の成長準備期にあたり、秋にかけて古い髪が抜けやすくなる傾向があります。
しかし、明らかに例年より多い、あるいは気になる症状がある場合は単なる季節性とは言えない可能性も考慮する必要があります。
放置するとどうなる?夏の抜け毛のリスク
一時的な抜け毛と油断していると頭皮環境の悪化が慢性化し、薄毛が進行してしまうリスクがあります。
夏のダメージを放置すると毛根が弱り、新しい髪が生えにくくなったり、髪自体が細く弱々しくなったりするケースがあります。
早期の対策が、将来の髪の状態を大きく左右します。
夏の強い紫外線|髪と頭皮への影響
夏の日差しは想像以上に強力で、肌だけでなく髪や頭皮にも大きな影響を与えます。紫外線対策は、夏のヘアケアにおいて非常に重要なポイントです。
紫外線が髪に与えるダメージ
髪の主成分であるタンパク質(ケラチン)は、紫外線によって変性しやすい性質を持っています。
紫外線A波(UVA)は髪の内部にまで到達し、キューティクルを傷つけて乾燥やパサつきを引き起こします。
また、紫外線B波(UVB)は髪表面のタンパク質を破壊し、枝毛や切れ毛、さらには髪の色素を分解して赤茶けた色に変色させる原因にもなります。
紫外線が頭皮に与えるダメージ
頭皮も肌の一部であり、紫外線を浴びると日焼けを起こします。日焼けした頭皮は乾燥してバリア機能が低下するため、かゆみやフケ、炎症を引き起こしやすいです。
さらに、UVAは頭皮の深部(真皮層)にまで達し、コラーゲンやエラスチンといった弾力繊維を破壊して頭皮の老化を促進します。この頭皮の老化は、健康な髪の育成を妨げる要因となります。
紫外線の種類と髪・頭皮への影響度
| 紫外線の種類 | 髪への影響 | 頭皮への影響 |
|---|---|---|
| UVA(紫外線A波) | キューティクルの損傷、乾燥、パサつき | 真皮層へのダメージ、シワやたるみ(老化促進)、乾燥 |
| UVB(紫外線B波) | タンパク質変性、強度低下、色あせ、枝毛、切れ毛 | 炎症(サンバーン)、シミ、乾燥、バリア機能低下 |
日常でできる紫外線対策
外出時には、帽子や日傘を利用して物理的に紫外線を遮断するのが基本です。
最近では、髪や頭皮用のUVカットスプレーも多くの種類がありますので、これらを活用するのも良いでしょう。特に分け目やつむじは紫外線を浴びやすいため、重点的にケアすることが大切です。
また、UVカット効果のあるヘアケア製品(シャンプー、トリートメント、アウトバストリートメント)を選ぶのも効果的な対策の一つです。
汗と皮脂|夏の頭皮環境トラブル
高温多湿な夏は、汗や皮脂の分泌が活発になります。これらが適切にケアされないと、頭皮環境が悪化し、抜け毛の原因となる場合があります。
汗による頭皮の蒸れと影響
汗をかいたまま放置すると、頭皮が蒸れて雑菌が繁殖しやすい環境になります。
汗に含まれる塩分やアンモニアなどの成分も頭皮への刺激となり、かゆみや炎症を引き起こすケースがあります。
特に帽子を長時間着用する場合は、こまめに汗を拭き取ったり、通気性の良い素材を選んだりする工夫が必要です。
皮脂の過剰分泌と毛穴詰まり
夏は気温の上昇に伴い、皮脂腺の働きも活発になります。過剰に分泌された皮脂が古い角質や汚れと混ざり合うと、毛穴を塞いでしまいます。
毛穴が詰まると髪の正常な成長が妨げられるだけでなく、炎症(毛嚢炎)を引き起こしたり、ニキビの原因になったりします。
この状態が続くと、抜け毛や薄毛につながる可能性があります。
夏の頭皮トラブルと主な症状
| 主な頭皮トラブル | 代表的な症状 | ケアのポイント |
|---|---|---|
| 脂漏性皮膚炎 | フケ(湿性・乾性)、かゆみ、赤み、湿疹 | 適切な洗髪、皮脂コントロール、抗真菌成分配合シャンプーの使用検討 |
| あせも(汗疹) | 赤い小さなブツブツ、かゆみ、チクチク感 | 通気性の確保、こまめな汗の処理、清潔保持 |
| 毛嚢炎(毛包炎) | 毛穴を中心とした赤いブツブツ、膿、痛み | 清潔保持、刺激を避ける、抗菌薬の使用検討(重症時) |
頭皮の常在菌バランスの乱れ
頭皮にはマラセチア菌などの常在菌が存在し、通常はバランスを保っています。しかし汗や皮脂が過剰になると、これらをエサとする常在菌が異常繁殖し、バランスが崩れる場合があります。
特にマラセチア菌の増殖は、フケやかゆみの原因となる脂漏性皮膚炎を引き起こすことが知られています。
健康な頭皮環境を維持するためには、常在菌のバランスを整える工夫も重要です。
夏特有の生活習慣と抜け毛リスク
夏の暑さを乗り切るための行動が、実は髪にとっては負担になっているケースも見受けられます。
何気ない夏の生活習慣が、抜け毛のリスクを高めているかもしれません。
冷房による体の冷えと血行不良
暑い屋外から冷房の効いた室内へ入ると、急激な温度変化で自律神経が乱れやすくなります。
また、長時間冷房の効いた環境にいると、体が冷えて血行が悪くなるときがあります。
頭皮の血行が悪くなると、髪の成長に必要な栄養素や酸素が毛母細胞に十分に行き渡らなくなり、抜け毛や髪の成長不良を引き起こす原因となります。
冷たい飲食物の摂りすぎと内臓への負担
暑いとつい冷たい飲み物や食べ物を摂りすぎてしまいがちです。しかし、これらは内臓を冷やし、消化機能を低下させる可能性があります。
消化機能が低下すると栄養素の吸収効率が悪くなり、髪に必要な栄養が不足しがちになります。特に胃腸が弱い方は注意が必要です。
夏の生活習慣セルフチェック
- 冷房の効いた部屋に1日5時間以上いることが多い
- 冷たい飲み物やアイスクリームを毎日摂る
- シャワーだけで済ませ、湯船に浸かることが少ない
- 暑さで寝苦しく、睡眠時間が不足しがち
- 屋外で帽子や日傘を使わずに過ごすことが多い
- プールや海水浴後、髪をすぐに洗わないことがある
睡眠不足とホルモンバランスの乱れ
夏の暑さで寝苦しい夜が続くと睡眠不足になりやすいです。睡眠中には髪の成長に重要な成長ホルモンが分泌されますが、睡眠不足はこのホルモンの分泌を妨げます。
また、不規則な生活やストレスはホルモンバランスの乱れにもつながり、抜け毛を助長する可能性があります。
プールや海水浴後のケア不足
プールの水に含まれる塩素や、海水に含まれる塩分は髪のキューティクルを傷め、タンパク質を流出させる原因となります。
塩素や塩分が髪や頭皮に残ったままだと乾燥やゴワつき、さらには変色を引き起こす場合もあります。
レジャーを楽しんだ後はできるだけ早く真水で洗い流し、適切なヘアケアを行うことが大切です。このひと手間が、夏の終わりの髪の状態を大きく左右します。
夏バテと髪の関係|見落としがちな栄養と血行の問題
「夏バテで食欲がない」「なんだか体がだるい」といった症状は、多くの方が経験する夏の悩みではないでしょうか。実はこの夏バテ、髪の健康にも深く関わっています。
夏バテが引き起こす栄養不足
夏バテの代表的な症状の一つが食欲不振です。
そうめんや冷たい麺類など、さっぱりとしたもので済ませてしまう機会が増えるとタンパク質やビタミン、ミネラルといった髪の成長に必要な栄養素が不足しがちになります。
なかでも髪の主成分であるタンパク質が不足すると、髪が細くなったり、ハリやコシが失われたりする原因となります。
胃腸機能の低下と栄養吸収率の悪化
暑さによる自律神経の乱れや、冷たいものの摂りすぎは胃腸の働きを弱めます。胃腸機能が低下すると、せっかく摂取した栄養素も十分に吸収されず、体外に排出されてしまうときがあります。
この結果、髪に届くはずの栄養が不足して健康な髪の育成が妨げられるのです。
「しっかり食べているつもりなのに、髪に元気がない」と感じる方は、栄養の吸収率が低下している可能性も考えられます。
夏バテによる髪への具体的な影響
| 夏バテの主な症状 | 髪への影響 | その理由 |
|---|---|---|
| 食欲不振・偏った食事 | 髪の栄養不足、細毛化、成長遅延 | 髪の主成分(タンパク質)やビタミン・ミネラルの摂取量低下 |
| 胃腸機能の低下 | 栄養吸収率の低下による間接的な栄養不足 | 摂取した栄養が効率よく体内に取り込まれない |
| 全身倦怠感・だるさ | 頭皮への血行不良、代謝低下 | 体の活動レベル低下に伴い、末端への血流が滞りやすい |
| 自律神経の乱れ | 血行不良、ホルモンバランスの乱れ | 血管の収縮・拡張コントロールやホルモン分泌の司令塔が不調になる |
自律神経の乱れと血行への影響
夏バテは自律神経の乱れを引き起こしやすい状態です。
自律神経は血管の収縮や拡張をコントロールし、全身の血流を調整しています。このバランスが崩れると、特に末端である頭皮への血行が悪化しやすくなります。
血行が悪くなると毛母細胞に十分な栄養と酸素が供給されず、髪の成長が妨げられ、抜け毛が増える一因となります。
夏バテ対策が髪を守る
夏バテを防ぐ工夫は、巡り巡って髪の健康を守ることにもつながるのです。
バランスの取れた食事を心がけ、体を冷やしすぎないように注意し、質の高い睡眠を確保するなど、基本的な夏バテ対策が、実は効果的な抜け毛対策にもなります。
食欲がない時でもタンパク質やビタミンB群、亜鉛など、髪に良いとされる栄養素を意識して少量でも摂取する心がけが大切です。
夏の効果的なヘアケア方法
夏の過酷な環境から髪と頭皮を守るためには、日々のヘアケアが非常に重要です。
正しい方法を実践すると、ダメージを最小限に抑えて健康な状態を保てます。
正しいシャンプーの選び方と洗い方
夏は汗や皮脂で汚れやすいため洗浄力の高いシャンプーを選びがちですが、洗浄力が強すぎると必要な皮脂まで奪い、頭皮の乾燥やバリア機能の低下を招く場合があります。
自分の頭皮タイプに合った、適度な洗浄力で保湿成分も配合されたシャンプーを選びましょう。
洗髪時はまずお湯で髪と頭皮を十分に予洗いし、シャンプーは手のひらでよく泡立ててから、指の腹でマッサージするように優しく洗います。
すすぎ残しは頭皮トラブルの原因になるため、時間をかけて丁寧に洗い流してください。
頭皮タイプ別シャンプー選びの目安
| 頭皮タイプ | おすすめの洗浄成分 | 注目したい配合成分 |
|---|---|---|
| 乾燥しやすい | アミノ酸系、ベタイン系 | セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなどの保湿成分 |
| ベタつきやすい | 石けん系(適度なもの)、高級アルコール系(使用頻度に注意) | ハーブエキス(皮脂抑制)、クレイ成分(吸着) |
| 敏感・デリケート | アミノ酸系(低刺激)、両性イオン系 | グリチルリチン酸2Kなどの抗炎症成分、無香料・無着色 |
頭皮マッサージで血行促進
頭皮マッサージは硬くなった頭皮を柔らかくし、血行を促進する効果が期待できます。シャンプー時や、お風呂上がりで体が温まっている時に行うのがおすすめです。
指の腹を使い、頭皮全体を優しく揉みほぐすようにマッサージします。爪を立てたり、強くこすりすぎたりしないように注意しましょう。
血行が良くなると毛根に栄養が行き渡りやすくなり、健康な髪の育成をサポートします。
自宅でできる簡単頭皮マッサージ
- 両手の指の腹で、生え際から頭頂部に向かって円を描くように揉む。
- 側頭部(耳の上あたり)を指の腹で掴むように持ち上げ、ゆっくり回す。
- 後頭部(首の付け根あたり)から頭頂部に向かって、指圧するように押す。
ドライヤーの適切な使い方
濡れた髪はキューティクルが開いており、非常にデリケートな状態です。自然乾燥は雑菌の繁殖や頭皮の冷えにつながるため、シャンプー後は速やかにドライヤーで乾かしましょう。
ただし、高温の風を長時間当てすぎると、髪や頭皮の乾燥を招きます。ドライヤーは髪から15~20cm程度離し、同じ場所に集中して熱風が当たらないように、こまめに動かしながら乾かすのがポイントです。
8割程度乾いたら冷風に切り替えて仕上げるとキューティクルが引き締まり、ツヤが出やすくなります。
外出時の髪と頭皮の保護
前述の紫外線対策に加え、物理的な保護も重要です。帽子をかぶる際は、通気性の良い素材を選び、長時間着用する場合は時々脱いで蒸れを逃がしましょう。
髪用の日焼け止めスプレーは、髪だけでなく頭皮にも使用できるものを選ぶと、分け目などの保護に役立ちます。
また、汗をかいたらこまめに拭き取るのも、頭皮を清潔に保つために大切です。
夏におすすめの食事と栄養バランス
健康な髪を育むためには外側からのケアだけでなく、内側からの栄養補給も欠かせません。
特に夏は食欲が落ちやすく、栄養バランスが偏りがちなので意識的な摂取が重要です。
髪の成長に必要な栄養素
髪は主にケラチンというタンパク質からできています。そのため、良質なタンパク質の摂取は基本中の基本となります。
その他、タンパク質の合成を助ける亜鉛、頭皮の新陳代謝を促すビタミンA、血行を促進するビタミンE、頭皮環境を整えるビタミンB群、コラーゲンの生成に関わるビタミンCなども健康な髪の維持には必要な栄養素です。
髪の健康を支える主な栄養素と食材
| 栄養素 | 主な働き | 多く含む食材例 |
|---|---|---|
| タンパク質 | 髪の主成分を構成 | 肉類、魚介類、卵、大豆製品、乳製品 |
| 亜鉛 | タンパク質の合成、細胞分裂促進 | 牡蠣、レバー、牛肉(赤身)、ナッツ類 |
| ビタミンB群 | 頭皮の代謝促進、皮脂バランス調整 | 豚肉、レバー、マグロ、カツオ、緑黄色野菜 |
夏に積極的に摂りたい食材
夏バテ予防や疲労回復に役立つ食材は、髪の健康にも良い影響を与えることが多いです。
例えば、ビタミンB1が豊富な豚肉やうなぎ、抗酸化作用のあるリコピンを含むトマト、βカロテンが豊富なカボチャやニンジンなどの緑黄色野菜、クエン酸を含む梅干しやレモンなどがおすすめです。
また、夏野菜であるキュウリやナス、ゴーヤなどは体を冷やす効果もあるため、バランス良く取り入れましょう。
夏におすすめの食材リスト
- トマト(リコピン、ビタミンC)
- キュウリ(カリウム、水分補給)
- ゴーヤ(ビタミンC、モモルデシン)
- 豚肉(ビタミンB1)
- うなぎ(ビタミンA, B群, E, D, DHA, EPA)
- 枝豆(タンパク質、ビタミンB1、鉄分)
バランスの取れた食事の重要性
特定の栄養素だけを大量に摂取するのではなく、様々な食材をバランス良く食べる工夫が大切です。
主食・主菜・副菜を揃えることを意識し、多様な食品から栄養を摂るように心がけてください。
食欲がない時は、プロテインや栄養補助食品を上手に活用するのも一つの方法です。
このバランスの取れた食事が、体の内側から髪を強くします。
水分補給のポイント
夏は汗で多くの水分が失われるため、こまめな水分補給が不可欠です。水分不足は血流を悪化させ、頭皮への栄養供給を滞らせる可能性があります。
ただし、糖分の多いジュースや清涼飲料水の飲みすぎは、血糖値の急上昇やビタミンB群の消費につながるため注意が必要です。
水や麦茶、経口補水液などを中心に、少量ずつ頻繁に摂取するように心がけましょう。
適切な水分補給の目安
| タイミング | 摂取量の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 起床時 | コップ1杯 | 睡眠中に失われた水分を補給 |
| 運動前後・入浴前後 | コップ1~2杯 | 汗で失われる水分を補給 |
| 日中(食事時以外) | 1~1.5Lを数回に分けて | 喉が渇く前にこまめに摂取 |
専門クリニックに相談するタイミング
セルフケアを続けていても抜け毛が改善しない、あるいは急に抜け毛が増えて不安を感じる場合は、専門のクリニックへの相談を検討しましょう。
早期の対応が、より良い結果につながるケースが多いです。
セルフケアで改善しない場合
これまで紹介したような紫外線対策、頭皮ケア、食生活の見直しなどを2~3ヶ月程度続けても抜け毛の量に変化が見られない、あるいは頭皮の状態が良くならないときは、一度専門医の診察を受けるのがおすすめです。
自分では気づかない原因が隠れている可能性もあります。
急激な抜け毛の増加を感じた時
ある日突然、シャンプー時やブラッシング時の抜け毛が明らかに増えた、枕に付着する髪の毛が多くなったなど、急激な変化を感じた場合は注意が必要です。
円形脱毛症や他の疾患が原因である可能性も考えられるため、自己判断せずに専門医に相談しましょう。この迅速な判断が、症状の悪化を防ぐ鍵となります。
クリニック受診を検討する目安
| 症状・状態 | 受診を考えるべき目安 | 考えられること |
|---|---|---|
| 1日の抜け毛が150本以上続く | 1ヶ月以上改善しない | びまん性脱毛症、FAGAなど |
| 特定の箇所だけ薄くなった | 短期間で進行している | 円形脱毛症、牽引性脱毛症など |
| 頭皮のかゆみ、赤み、フケがひどい | 市販薬で改善しない、悪化する | 脂漏性皮膚炎、接触性皮膚炎など |
頭皮に異常(かゆみ、湿疹など)がある場合
抜け毛だけでなく、頭皮に強いかゆみやフケ、赤みや湿疹、痛みなどの症状がある場合も専門医の診察が必要です。
これらの症状は脂漏性皮膚炎や接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎など、何らかの皮膚疾患のサインである可能性があります。
適切な診断と治療を受けると、頭皮環境を改善して抜け毛の進行を食い止められます。
早期発見・早期治療のメリット
薄毛や抜け毛の悩みは、進行する前に治療を開始するほど、改善の可能性が高まります。
原因を特定して適切な治療やケアを早期に始めることで、治療期間の短縮や費用の軽減にもつながります。
少しでも気になることがあれば、一人で悩まずに、まずは専門クリニックのカウンセリングを受けてみましょう。
専門家のアドバイスは、あなたの不安を和らげ、具体的な解決策を見つける手助けとなるでしょう。
よくある質問
さいごに、夏に抜け毛がひどいと悩む女性からよく聞かれる質問をまとめます。
- 夏だけ抜け毛対策をすれば良いですか?
-
夏は特に抜け毛が増えやすい季節ですが、髪の健康は一年を通じたケアが基本です。夏に受けたダメージが秋以降に影響するケースもありますし、冬は乾燥など別の問題も出てきます。
季節ごとの特徴を理解し、年間を通じて頭皮環境を整える習慣が大切です。
ただし、夏特有の紫外線や汗対策は、この時期に集中的に行うと効果的です。
- 日焼け止めスプレーは髪にも使えますか?効果はどのくらい持続しますか?
-
髪専用または髪・頭皮兼用の日焼け止めスプレーを使用してください。顔や体用のものを髪に使うと、ベタつきや髪質の変化を招く場合があります。
効果の持続時間は製品によって異なりますが、一般的には2~3時間程度が目安です。汗をかいたり、水に濡れたりしたときは、こまめにスプレーし直すと良いです。
製品ごとの使用方法をよく確認し、適切に使いましょう。
- 海水やプールの水はすぐに洗い流すべきですか?
-
できるだけ速やかに洗い流すことが重要です。
海水に含まれる塩分や、プールの水に含まれる塩素は、髪のキューティクルを傷つけ、タンパク質を溶かし出してしまう原因になります。放置すると髪がゴワゴワになったり、乾燥が進んだりします。
すぐにシャワーを浴びられないときでも、まずは真水でよくすすぐだけでもダメージを軽減できます。
その後、できるだけ早くシャンプーで丁寧に洗い、トリートメントでケアしてください。
- 食事以外で気をつけることはありますか?
-
バランスの取れた食事に加えて、質の高い睡眠や適度な運動、ストレスを溜めない生活習慣が髪の健康には大切です。
特に睡眠中は成長ホルモンが分泌され、髪の成長や修復に重要な役割を果たします。夏は寝苦しい日もありますが、快適な睡眠環境を整える工夫をしましょう。
また、適度な運動は血行を促進し、ストレス解消にもつながります。ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で取り入れてみてください。
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