顔や身体の紫外線対策は万全でも、髪と頭皮のケアを見落としている方は多いです。
紫外線は肌だけでなく髪や頭皮にも深刻なダメージを与え、パサつきや切れ毛、さらには薄毛や抜け毛の原因にもなり得ます。
この記事では、女性の薄毛治療を専門とするクリニックの視点から、大切な髪と頭皮を紫外線から守るための「髪用UVスプレー」の正しい選び方と、その効果を最大限に引き出す使用方法を詳しく解説します。
なぜ髪と頭皮に紫外線対策が必要なのか
多くの人が肌への紫外線対策は日常的に行っていますが、髪と頭皮は無防備なままであることが少なくありません。
しかし、髪と頭皮は身体の中で最も太陽に近く、直接紫外線を浴びやすい場所です。この紫外線が、髪の美しさと健康を損なう大きな原因となります。
髪の主成分ケラチンへのダメージ
髪の約80%を構成する主成分は「ケラチン」というタンパク質です。
紫外線のなかでもUVA(紫外線A波)は、髪の内部にまで到達し、このケラチンタンパク質を構成するアミノ酸の結合を破壊します。
これによって髪のしなやかさや強度が失われ、キューティクルが剥がれやすくなります。結果として、枝毛や切れ毛、パサつきといった目に見えるダメージにつながるのです。
紫外線の種類と髪への影響
紫外線の種類 | 特徴 | 髪・頭皮への主な影響 |
---|---|---|
UVA(紫外線A波) | 雲やガラスを透過し、肌の奥深くまで届く | 髪内部のタンパク質を破壊し、ハリ・コシを低下させる |
UVB(紫外線B波) | エネルギーが強く、主に肌の表面で吸収される | 髪表面のキューティクルを傷つけ、頭皮の炎症を引き起こす |
頭皮の日焼けが引き起こすトラブル
頭皮も顔と同じ皮膚であり、紫外線を浴びると日焼けをします。
頭皮が日焼けすると、赤みやヒリヒリとした痛みなどの炎症を起こすだけでなく、乾燥してフケやかゆみの原因にもなります。
さらに重要なのは、頭皮環境の悪化です。日焼けによる炎症や乾燥は髪を育てる毛母細胞の働きを弱め、健康な髪の成長を妨げます。
この状態が続くと、抜け毛の増加や薄毛につながる可能性も否定できません。
カラーリングやパーマ毛への影響
ヘアカラーを楽しんでいる方にとって、紫外線は褪色(色落ち)の大きな原因です。
紫外線は髪のメラニン色素を分解するだけでなく、染料の色素も分解してしまいます。特に、暖色系のカラーは紫外線に弱い傾向があります。
また、パーマをかけている髪は、薬剤によってキューティクルが開きやすい状態です。そこに紫外線が当たると、さらにダメージが進行し、パサつきやウェーブのだれにつながりやすくなります。
髪用UVスプレーの基本的な機能と成分
髪用UVスプレーは、手軽に髪と頭皮を紫外線から守るためのアイテムです。
製品によって様々な特徴がありますが、基本的な機能と配合されている成分を理解することが、自分に合った製品を選ぶための第一歩です。
SPFとPA値の意味と選び方
日焼け止め製品でよく目にする「SPF」と「PA」は、紫外線防御効果を示す指標です。
これは髪用UVスプレーでも同様で、それぞれの意味を理解して、使用シーンに合わせて選ぶことが大切です。
- SPF (Sun Protection Factor)
- PA (Protection Grade of UVA)
SPFは、肌に赤みや炎症を起こさせるUVBを防ぐ効果の持続時間を示します。SPF1で約20分間の効果があるとされ、数値が高いほど効果が長持ちします。
一方、PAは髪の内部にダメージを与えるUVAを防ぐ効果の度合いを示し、「+」の数が多いほど防御効果が高くなります。
シーン別SPF/PA値の目安
使用シーン | SPF目安 | PA目安 |
---|---|---|
日常生活(通勤・買い物など) | 15~30 | ++~+++ |
屋外での軽いレジャー | 30~50 | +++~++++ |
炎天下でのスポーツ、海水浴など | 50+ | ++++ |
紫外線吸収剤と散乱剤の違い
髪用UVスプレーに含まれる紫外線防御成分には、大きく分けて「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類があります。
それぞれにメリットとデメリットがあり、肌質やこだわりに合わせて選ぶと良いでしょう。
紫外線防御成分の比較
種類 | 特徴 | メリット・デメリット |
---|---|---|
紫外線吸収剤 | 紫外線を吸収し、熱などのエネルギーに変換して放出する | 白浮きしにくく透明。まれに肌への刺激となることがある。 |
紫外線散乱剤 | 紫外線を物理的に反射・散乱させて肌への侵入を防ぐ | 肌への負担が少ない。製品によっては白浮きしやすい。 |
保湿・補修成分の役割
優れた髪用UVスプレーには、紫外線防御成分だけでなく、髪や頭皮をケアする成分も配合されています。
紫外線によって乾燥しがちな髪に潤いを与える保湿成分や、ダメージを補修する成分が含まれている製品を選ぶと、UVケアと同時にヘアケアも行えます。
ヒアルロン酸やコラーゲン、セラミドなどの保湿成分、ケラチンやアミノ酸などの補修成分が代表的です。
自分に合う髪用UVスプレーの選び方
市場には多種多様な髪用UVスプレーがあり、どれを選べば良いか迷う方も多いでしょう。
ここでは、ご自身の髪質や生活スタイルに合わせて、適した一本を見つけるためのポイントを解説します。
髪質や悩みに合わせた選び方
髪の状態は人それぞれです。自分の髪質や抱える悩みに合った成分が配合されているかを確認することが、満足のいく製品選びにつながります。
髪の悩み別 おすすめの追加成分
髪の悩み | 注目したい成分の例 | 期待できる効果 |
---|---|---|
パサつき・乾燥 | ヒアルロン酸、コラーゲン、植物性オイル | 髪に潤いを与え、しっとりまとまりやすくする |
ダメージ・切れ毛 | 加水分解ケラチン、アミノ酸、パンテノール | 髪の内部を補修し、ハリやコシを与える |
カラーの褪色 | ビタミンC誘導体、チャ葉エキス | 褪色の原因となる活性酸素の発生を抑える |
香りや使用感で選ぶポイント
毎日使うものだからこそ、香りや使用感も重要な選択基準です。
好みの香りの製品を選べば、フレグランス代わりにもなり、気分も上がります。無香料タイプは、他のヘアケア製品の香りを邪魔しない点がメリットです。
また、使用感も製品によって異なります。
- サラサラタイプ
- しっとりタイプ
- ツヤ出しタイプ
髪が細くペタッとしやすい方はサラサラタイプ、広がりやすい方はしっとりタイプなど、仕上がりの好みで選ぶと良いでしょう。
ウォータープルーフタイプの利点と注意点
汗をかきやすい季節や、海やプールなどのレジャーシーンでは、ウォータープルーフタイプのUVスプレーが活躍します。水や汗に強く、紫外線カット効果が長持ちするのが最大の利点です。
ただし、その分、髪や頭皮に付着する力も強いため、一日の終わりにはシャンプーで丁寧に洗い流すことが重要です。
洗浄力のマイルドなシャンプーでは落としきれない場合もあるため、製品の表示を確認し、必要であればクレンジングオイルなどを活用しましょう。
薄毛が気になる女性のためのUVスプレー活用術
薄毛や抜け毛にお悩みの方にとって、紫外線対策は特に重要ですが、同時に「スプレーが頭皮の負担にならないか」「髪がペタッとしてボリュームダウンしないか」といった独自の心配事があるかと思います。
ここでは、薄毛を気にする女性が安心してUVスプレーを活用するための、一歩進んだ選び方と使い方を提案します。
頭皮への負担を考慮した成分選び
頭皮は健康な髪を育む土壌です。特に敏感になっている場合は、刺激となりうる成分を避ける配慮が必要です。
紫外線散乱剤(ノンケミカル)を使用した製品や、アルコール、パラベン、合成香料、合成着色料などが無添加の製品を選ぶと頭皮への負担を軽減できます。
頭皮に優しい成分の例
- グリチルリチン酸2K
- アラントイン
- ツボクサエキス(CICA)
これらの抗炎症成分や鎮静効果のある植物エキスが配合されている製品は、紫外線による頭皮の炎症を抑える助けになります。
分け目・つむじ周辺への重点的な使い方
分け目やつむじ、生え際は、地肌が露出しやすく、紫外線の影響を最も受けやすい部分です。
髪全体にスプレーした後、これらの特に気になる部分には、少し近づけて再度スプレーすると効果的です。
ただし、一箇所に集中して長く噴射すると液だれやべたつきの原因になるため、シュッと短く吹きかけるのがコツです。
この一手間が頭皮を日焼けから守り、将来の髪を守ることにつながります。
スプレー後のヘアスタイリングの工夫
「UVスプレーを使うと髪がペタッとしてしまう」という悩みは、特に髪のボリュームを気にされる方からよく聞かれます。
この問題を解決するためには、スプレーの使い方とスタイリングに工夫が必要です。
髪の根元から少し離れた、髪の中間から毛先を中心につけるように意識します。根元に直接つけすぎないようにすると、ボリュームダウンを防げます。
また、スプレー後に手ぐしで髪を根元からふんわりと立ち上げるように馴染ませたり、ドライヤーの冷風を軽くあてたりするのも良い方法です。
UVケアと並行したい頭皮の保湿ケア
紫外線対策と同様に、頭皮の保湿も健やかな髪を育む上で欠かせません。紫外線は頭皮を乾燥させ、バリア機能を低下させます。
UVスプレーで防御しつつ、夜のケアでは頭皮用のローションや美容液を使って、失われた潤いを補給しましょう。
保湿された健康な頭皮は、紫外線ダメージからの回復力も高まります。
髪用UVスプレーの効果を最大化する正しい使い方
せっかく髪用UVスプレーを使うなら、その効果を最大限に引き出したいものです。
正しい使い方をマスターして、紫外線から髪と頭皮をしっかりと守りましょう。
使用前の準備と適切な距離
使用前には、缶をよく振りましょう。これにより、紫外線防御成分や美容成分が均一に混ざり、ムラなく塗布できます。
スプレーする際は、髪から15~20cmほど離すのが基本です。距離が近すぎると一箇所に集中して付着し、べたつきや白浮きの原因になります。
逆に遠すぎるとスプレーが風で飛び散ってしまい、十分な量が髪に届きません。
髪全体にムラなくスプレーする方法
髪の表面だけでなく、内側にもスプレーすることが大切です。髪をいくつかのブロックに分け、それぞれにスプレーしていくとムラなく塗布できます。
まず髪の表面全体に円を描くようにスプレーし、次に髪を持ち上げて内側にもスプレーします。
最後に、忘れがちな襟足や生え際にも忘れずにスプレーしましょう。
効果を持続させるための塗り直しのタイミング
髪用UVスプレーは、一度つければ一日中効果が持続するわけではありません。
汗をかいたり、髪を触ったり、ブラッシングしたりすると、スプレーは少しずつ落ちてしまいます。
効果を維持するためには、2~3時間おきに塗り直すのが理想です。
シーン別 塗り直しタイミングの目安
シーン | 塗り直しの頻度 | ポイント |
---|---|---|
オフィスワークなど屋内中心 | 昼休みや外出前 | 朝の塗布に加え、昼に一度塗り直すと安心 |
屋外での活動 | 2~3時間ごと | 汗をかいたら、タオルで軽く押さえてからスプレーする |
海やプール | 水から上がるたび | タオルドライ後、こまめに塗り直すことが重要 |
髪用UVスプレー使用時の注意点とアフターケア
髪用UVスプレーは便利なアイテムですが、使用時にはいくつかの注意点があります。
また、一日の終わりには適切なアフターケアを行い、髪と頭皮を健やかな状態に保つことが大切です。
スプレーが目や口に入った場合の対処法
スプレーを使用する際は、目や口に入らないように注意が必要です。
顔の近くで使用する場合は、手で顔を覆うか、一度手のひらにスプレーしてから髪になじませる方法もあります。
万が一、目に入ってしまった場合は、こすらずにすぐに水かぬるま湯で十分に洗い流してください。それでも違和感が残る場合は、眼科医に相談しましょう。
一日の終わりにはしっかり洗い流す重要性
UVスプレーの成分が髪や頭皮に残ったままだと、毛穴の詰まりや頭皮トラブルの原因になる場合があります。
特にウォータープルーフタイプやシリコンが多く配合された製品は、通常のシャンプーだけでは落ちにくいものがあります。
一日の終わりには、予洗いをしっかり行い、シャンプーをよく泡立ててから頭皮をマッサージするように丁寧に洗いましょう。
落ちにくいと感じる場合は、スタイリング剤も落とせるクレンジング力の高いシャンプーを選んだり、シャンプー前にヘア用のクレンジングオイルを使ったりするのも効果的です。
紫外線ダメージを受けた日のスペシャルヘアケア
うっかり紫外線をたくさん浴びてしまった日は、いつもより丁寧なアフターケアを心がけましょう。
髪のパサつきやごわつきを感じる場合は、保湿効果や補修効果の高いトリートメントやヘアマスクで集中ケアを行います。
頭皮に赤みやほてりを感じる場合は、冷たいタオルで冷やしたり、抗炎症成分や保湿成分が含まれた頭皮用ローションで鎮静させたりする工夫が大切です。
紫外線ダメージを受けた日のヘアケア成分
ケアの目的 | 有効な成分の例 | 役割 |
---|---|---|
髪の保湿・補修 | セラミド、シアバター、加水分解シルク | 失われた水分・油分を補い、キューティクルを整える |
頭皮の鎮静 | アロエベラエキス、カミツレ花エキス | 炎症やほてりを抑え、頭皮を健やかな状態に戻す |
UVスプレー以外の髪の紫外線対策
髪用UVスプレーは非常に有効な対策ですが、他の方法と組み合わせると、より万全な紫外線対策が可能です。
帽子や日傘の活用法
物理的に紫外線を遮断する帽子や日傘は、最もシンプルで効果的な方法です。
帽子はUVカット加工が施されたものや、つばの広いデザインを選ぶと、髪だけでなく顔や首筋も紫外線から守れます。
日傘も同様に、UVカット率の高いものや、遮光性の高いものを選びましょう。
色の濃い日傘は熱を吸収しやすいですが、内側が黒や紺色になっているものは、地面からの照り返しを吸収してくれる効果が期待できます。
帽子選びのポイント
- UVカット率が表示されているもの
- つばが7cm以上のもの
- 通気性の良い素材のもの
髪の分け目を定期的に変える工夫
いつも同じ場所で髪を分けていると、その部分の頭皮が集中して紫外線を浴びてしまいます。これが分け目部分の頭皮ダメージや、その部分の髪が薄くなる原因の一つにもなり得ます。
定期的に分け目を変えるだけで、紫外線が当たる場所を分散させられます。
ジグザグに分け目をとるなど、ヘアアレンジを楽しみながら対策するのも良いでしょう。
紫外線対策に役立つ栄養素
体の内側からのケアも、紫外線に負けない強い髪と頭皮を作るためには重要です。
抗酸化作用のある栄養素を積極的に摂取すると、紫外線によって発生する活性酸素によるダメージを軽減する助けになります。
紫外線対策に役立つ栄養素と食品例
栄養素 | 主な働き | 多く含まれる食品 |
---|---|---|
ビタミンC | 抗酸化作用、コラーゲンの生成を助ける | パプリカ、ブロッコリー、キウイフルーツ、柑橘類 |
ビタミンE | 強い抗酸化作用、血行促進 | ナッツ類、アボカド、かぼちゃ、植物油 |
β-カロテン | 体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を保護 | 緑黄色野菜(にんじん、ほうれん草など) |
よくある質問(Q&A)
髪用UVスプレーに関して、患者さんからよくいただく質問とその回答をまとめました。
- 顔用の日焼け止めを髪に使っても良いですか?
-
緊急時などに一時的に使用することは可能ですが、日常的な使用はおすすめしません。
顔用の日焼け止め、特にクリームや乳液タイプは髪に使用すると重くべたついてしまい、スタイリングを損なう原因になります。
また、成分も髪用とは異なるため、髪がきしんだり、洗い流しにくかったりする場合があります。やはり、髪には髪専用に開発されたUVスプレーを使用するのが最善です。
- 髪用UVスプレーは毎日使うべきですか?
-
紫外線は季節や天候に関わらず一年中降り注いでいます。特にUVAは雲も透過するため、曇りの日でも油断はできません。
健やかな髪と頭皮を維持するためには、外出する際は毎日使用することを習慣にすると良いでしょう。特に、春から夏にかけては紫外線量が多いため、念入りなケアが必要です。
- スプレーを使うと髪がべたつきます。対策はありますか?
-
べたつきの原因は、主にスプレーのつけすぎや、髪との距離が近すぎることです。髪から15~20cm離し、全体にまんべんなく、かつ薄くスプレーするように心がけてください。
また、製品によって使用感が異なるため、より軽い使用感の「サラサラタイプ」や「オイルフリー」の製品を選んでみるのも一つの方法です。
スプレー後に目の粗いコームで軽くとかすと、均一になじんでべたつきを抑えられます。
- 子供の髪にも使えますか?
-
子供の皮膚は大人よりもデリケートなため、大人用の製品をそのまま使用するのは避けた方が良いでしょう。
製品によっては「お子様にも使えます」と明記されているものや、低刺激処方(アルコールフリー、無香料、無着色など)の製品があります。
そういった子供への使用を想定した製品を選ぶか、使用前には必ず腕の内側などでパッチテストを行い、肌に異常が出ないのを確認してから使用してください。
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