【クリニック院長が解説】ヘアサイクル(毛周期)とAGA(男性型脱毛症)の仕組みを解説

ヘアサイクル(毛周期)
この記事に書いてあること
  • ヘアサイクル(毛周期)とは?髪が生えて抜けるまでの仕組み
  • ヘアサイクル(毛周期)とAGA(男性型脱毛症)の関係
  • AGA治療をしないとヘアサイクル(毛周期)はさらに乱れる
  • AGA以外のヘアサイクル(毛周期)が乱れる原因
AGAでお悩みの方
最近抜け毛が増えてきて……もしかしたらAGAじゃないかと恐れています。AGAはヘアサイクル(毛周期)が乱れるから抜け毛が増えるとも聞きましたが本当でしょうか?

AGA(男性型脱毛症)は、「遺伝が主な原因」と言われています。そのため、親族にAGAの人がいて、かつご自身の抜け毛が増えてくると「ついに俺もAGAを発症!?」と考える方もいるようです。

AGAはヘアサイクル(毛周期)の乱れが大きく影響する病気です。一方、ヘアサイクル(毛周期)については、まだ認識している方はそう多くないようです。

そこで今回はヘアサイクル(毛周期)とAGAの仕組みについて、クリニック院長藤田先生に解説していただきます。

目次

ヘアサイクル(毛周期)とは?

20代薄毛

AGAでお悩みの方
ヘアサイクル(毛周期)とは、そもそも何ですか?
院長 藤田
髪はずっと伸び続けるわけではありません。成長後に自然に抜け、また生える、このサイクルのことをヘアサイクル(毛周期)と言います。

院長 藤田

解説いたします

解説のポイント
  • 成長期・退行期・休止期の3段階のサイクルがヘアサイクル(毛周期)
  • ヘアサイクル(毛周期)が乱れると成長期が短くなる

ヘアサイクル(毛周期)の解説

髪は1日100本前後抜けると言われています。これは次の新しい髪が生えてくるヘアサイクル(毛周期)を迎えるための自然な抜け毛です。しかし、ヘアサイクル(毛周期)が乱れると自然な抜け毛以上の毛髪が抜けてしまいます。

ヘアサイクル(毛周期)は3段階

ヘアサイクル(毛周期)は3段階あります。

ヘアサイクル(毛周期)1.成長期

ヘアサイクル(毛周期)の成長期とは、髪が成長する段階の時期です。人間の髪の毛は約10万本あり、その内の約85%が成長期と考えられています。髪の毛の元となる毛母細胞の細胞分裂によって毛球部で毛が作られ、上部へと押し出されることで髪が伸びていきます。

成長期の期間
  • 2~6年

ヘアサイクル(毛周期)2.退行期

ヘアサイクル(毛周期)の退行期とは、次の段階の「休止期」に移行する過程の時期のことです。毛母細胞の細胞分裂が衰え、毛球部が委縮して徐々に小さくなっていきます。

退行期の期間
  • 1~2週間

ヘアサイクル(毛周期)3.休止期

ヘアサイクル(毛周期)の休止期では、毛髪の製造が完全にストップし抜け落ちます。毛乳頭が再び活動を開始し、新しい髪がつくられ、再び「成長期」に突入します。

休止期の期間
  • 3~4か月

ヘアサイクル(毛周期)が乱れた場合

上に記載した「期間」は通常時のヘアサイクル(毛周期)の場合ですが、乱れるとどうなるか解説します。

ヘアサイクル(毛周期)が乱れると、成長期が短くなる

通常2~6年ある成長期が、ヘアサイクル(毛周期)が乱れると短くなっていきます。AGA(男性型脱毛症)の場合、成長期が数か月~1年ほどで、さらに対処をしないと徐々に短くなっていきます。成長しない髪が増えることから一本一本が細くなり、髪のハリコシがない状態になったり抜け毛が増えたりします。

ヘアサイクル(毛周期)とAGAの関係

AGADHT

AGAでお悩みの方
ヘアサイクル(毛周期)が乱れることで抜け毛が増えることは分かりました。では、なぜAGAになってしまうとヘアサイクル(毛周期)まで乱れるのでしょうか?
院長 藤田
それは、男性ホルモンの一種、DHTが大きく影響すると考えられています。

院長 藤田

解説いたします

解説のポイントン
  • AGA が起こる原因はDHTが影響している
  • AGA は男性ホルモンによる病気のため治療をしないと進行する

AGA が起こる原因

AGAが発症し、ヘアサイクル(毛周期)が乱れることで抜け毛や薄毛へとつながります。AGAは体内にあるDHT(ジヒドロテストステロン)という悪玉の男性ホルモンが原因となって起こるとされています。

DHTとは?

DHTは男性ホルモンの一種で、胎児期には男性の外性器(陰茎・陰嚢)の発達の役割を果たし、思春期には体毛の発生や声変わりなどの二次性徴に影響を与え、成人以降はAGAや皮脂分泌、前立腺肥大の発症に影響を与えます。

AGAとDHTの関係

男性ホルモンの一種テストステロンが「5αリダクターゼ」の働きにより、さらに活性の高いDHTに変換されます。DHTは、髪の毛の司令塔である毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体(レセプター)に結合。これによって「脱毛因子(TGF-β)」を増やしてしまうのです。

「5αリダクターゼ」が活性化する理由

AGA発症の起因となる「5αリダクターゼ」が活性化する原因は、遺伝が大きく影響すると考えられています。

「脱毛因子(TGF-β)」とは?

「脱毛因子(TGF-β)」は、毛乳頭や毛母細胞に対して、髪の毛が抜けるように指令を出します。脱毛指令を受けると、本来であれば伸び続けるはずだった成長期の毛髪が退行期・休止期にシフトしてしまいます。
(※ DHTだけがAGA発症の原因となるわけではありません。)

AGAは治療をしないと進行する

AGAは治療をしないと治りません。何も対処をせずにいると、成長期が徐々に短くなっていき、薄毛や抜け毛が進行していってしまいます。

その他、ヘアサイクル(毛周期)が乱れる原因と対策

ヘアサイクルストレス

AGAでお悩みの方
DHTが増えることでAGAを発症し、ヘアサイクル(毛周期)が乱れることは理解できました。では、ヘアサイクル(毛周期)が乱れる原因はAGAしかないのでしょうか?
院長 藤田
実はAGA以外にもありますよ。生活習慣やヘアケアが原因となって、ヘアサイクル(毛周期)が乱れるケースもあるのです。

院長 藤田

解説いたします

解説のポイント
  • AGA以外にもヘアサイクル(毛周期)が乱れるケースがある
  • 生活習慣やヘアケアを見直すことでヘアサイクル(毛周期)改善を目指す

ヘアサイクル(毛周期)が乱れる原因①ストレス

過度なストレスがかかると、自律神経が乱れ、結果的にヘアサイクル(毛周期)の乱れにつながります。自律神経には緊張状態をつくる交感神経と、リラックス状態をつくる副交感神経があり、この2種類のバランスを保つことで健康的な状態を維持しています。

しかしストレスがかかると交感神経が働き続け、リラックスできない状態が続きます。これによって血行不良になり、頭皮の血行も悪くなり、ヘアサイクルにも影響を及ぼすのです。

ストレス発散方法1.腹式呼吸をする

外に出て腹式呼吸をしてみましょう。まずは「息を吐く」ことを意識します。ゆっくりと口から息を吐いたら、鼻からスーッと息を吸い込みます。これを、5~10分繰り返すと心が落ち着くため、ソワソワしたりイライラしたりしたときは心がけてみてください。

ストレス発散方法2.音楽を聴く

厚生労働省は心のセルフケアとして、音楽を聴くことを推奨しています。アップテンポの音楽はエネルギーや活力を与え、スローな音楽は不安や緊張を和らげます。また、歌うこと自体もストレス発散になるため、声に出して歌ってみることもいいでしょう。

ヘアサイクル(毛周期)が乱れる原因②睡眠不足や運動不足

睡眠不足が続くこともストレス同様、自律神経の乱れにつながります。睡眠時間が短いだけではなく、眠りが浅い、眠った気がしない、など眠りの質が悪い場合も自律神経が乱れる原因になることがあります。

また運動不足によって全身の血行が悪くなると頭皮の血行不良につながり、ヘアサイクル(毛周期)に悪影響を与えます。

睡眠不足や運動不足解消法1.日常の中で運動を取り入れる

ウォーキングやトレーニングができればベストですが、まとまった時間の運動ではなくても、休憩時間に歩いたり車ではなく自転車を使ったりすることで運動時間を確保できます。運動時間がまったく取れない場合、座って行う作業を立って行うなど、日常の中で少しでも身体を動かすことを意識するといいでしょう。

睡眠不足や運動不足解消法2.睡眠環境を整える

睡眠不足を自覚している場合、睡眠時間を確保したり質の良い睡眠をとれたりするよう見直すことが重要です。寝室に明かりや音がないように整えたり、就寝前に食事・飲酒・スマホ・パソコンを控えたりすると上質な睡眠がとりやすくなります。

ヘアサイクル(毛周期)が乱れる原因③喫煙

体内のDHT量は喫煙によって増えることがわかっています。その数値は、喫煙者は非喫煙者に比べて高くなると言われています。タバコを吸う人はヘアサイクル(毛周期)が乱れるAGA発症リスクが高くなるようです。

禁煙方法1.禁煙宣言をする

ご家族や友人などに「〇日から禁煙する」と禁煙日を明確にし、宣言するのもひとつの方法です。口に出すことで禁煙意識が高まると同時に周囲からの協力も得やすくなります。

禁煙方法2.禁煙外来へ行く

医療機関の禁煙外来に行くことで、医師や看護師・薬剤師のサポートのもと、薬を使って禁煙することができます。自力の禁煙と比べるとスムーズな禁煙が期待できます。一定の条件を満たす場合、健康保険を使うことも可能です。

ヘアサイクル(毛周期)が乱れる原因④間違ったヘアケア

間違ったヘアケアは頭皮の血行を悪くし、ヘアサイクル(毛周期)の乱れにつながることがあります。頭皮環境を良い状態に保つよう意識しましょう。

頭皮環境を良くする方法1.シャンプーを見直す

洗浄力が強いシャンプーを使うと頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまい、頭皮環境の悪化を招くことがあります。頭皮に優しいアミノ酸系シャンプーか、スカルプケアシャンプーの使用がおすすめです。

頭皮環境を良くする方法2.頭皮マッサージをする

シャンプー中や洗髪後に頭皮マッサージをすることで、頭皮の血行が良くなり頭皮環境改善が期待できます。両手指を広げ、指の腹で気持ちいいと感じる強さでゆっくりマッサージをしましょう。

まとめ

ヘアサイクル(毛周期)の乱れとAGA(男性型脱毛症)の仕組みについて解説しました。AGA以外にも、生活習慣やヘアケアによってはヘアサイクル(毛周期)が乱れるケースはあります。日々の生活を振り返り、改善できることがあれば対策をしましょう。

院長 藤田
AGAは治療をしないと、ヘアサイクル(毛周期)がさらに乱れ、薄毛や抜け毛の進行が早くなることがあります。AGAによってヘアサイクル(毛周期)が乱れているという可能性がある場合はお早めにクリニックに相談してみてください。

この記事を書いた人

内科総合クリニック人形町 院長 藤田 英理(総合内科専門医)
Dr. 藤田 英理

内科総合クリニック人形町 院長
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
東京大学医学部保健学科および横浜市立大学医学部を卒業
東京大学付属病院や虎の門病院等を経て2019年11月に当院を開業
最寄駅:東京地下鉄 人形町および水天宮前(各徒歩3分)

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