息もできないほどの痛みが襲ってくる「痛風」。
痛風とは尿酸値が多い高尿酸血症という状態が続くことによって発症する病気です。
そのため尿酸値を下げる市販のサプリメントを使用することによって、痛風の予防効果が期待できます。
そこで今回は
- サプリメントよりも病院で受診すべき方の目安
- 尿酸値を下げるサプリメントの選び方
- 具体的なサプリメント
- 気になる副作用
- 痛風を予防する生活習慣
などを紹介しますので、尿酸値が気になる方はぜひ最後までお読みください。
この記事の執筆者
サプリメントの使用よりもすぐ受診すべき方

まず理解していただきたいのが、サプリメントは痛風を解決してくれる魔法の薬ではないということです。
確かに市販のサプリメントを飲めば多少の尿酸値の改善はできるかもしれません。しかし、痛風が上がっているということは、何かしらの問題があるから尿酸値が上がっているわけです。
痛風というといまだに「プリン体の取りすぎでしょ?」「贅沢な食事をしているからだよ」という偏見がありますが、一概にもそうとも言い切れません。
確かに食事で摂取したプリン体は分解される際に尿酸を作りますが、食事から生成される尿酸は体内で作られる尿酸のわずか2割程度。
そのためプリン体の以外にも遺伝した体質であったり、ストレスであったり、運動習慣であったりと、食事以外の要因で痛風になることは多いのです。
そのため、既に激しい痛みがでている方はサプリメントに頼る前に一度病院で診察を受けることをおすすめします。
逆にサプリメントで痛風を抑えられる可能性があるのは、
- まだ症状が出たことがないがビールや干物が好きな方
- 人間ドックで食生活に気をつけた方が良いと言われた方
- 過去に痛風を発症したがその2年以上再発していないが再発予防をしたい方
尿酸値が気になる方のサプリメントの選び方
尿酸を下げるサプリメントと言ってもその種類は多く、どれを選べばいいか判断するのは難しいですよね。
尿酸値を下げる効果はサプリメントに含まれる成分によるものが大半ですので、
- サプリメントに配合されている成分
- 1日あたりの金額
- 販売メーカー
を見て判断するだけで良いでしょう。
金額や販売メーカーについては具体的な商品を紹介する際に比較していきますので、まず尿酸値を下げるサプリメントの成分について2つ紹介します。
アンセリン
まず一つ目に紹介するのが魚由来の成分「アンセリン」です。
アンセリンは焼津水産化学工業が発見した成分で、男女70人による臨床試験の結果、服用から4週間後以降で尿酸値の下降が確認されています。
アンセリンが尿酸値を下げるメカニズムは、食事から作られる尿酸を防ぎ、さらに体内で生み出される尿酸を減らすという2つの効果が。
具体的にはHPRT(ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ)という酵素が食事から作られる尿酸を減らし、XO(キサンチンオキシダーゼ)という酵素が代謝によって作られる尿酸の量を減らすことが報告されています。
ルテオリン
二つ目に紹介するのが「ルテオリン」という成分。
強力な抗酸化作用を持つフラボノイドの研究の中で見つけられ、2014年にオリザ油化株式会社が発表しました。
ルテオリンにもXO(キサンチンオキシダーゼ)という酵素が含まれ、体内の尿酸値を降下。
臨床試験データは7人の被験者によるテストでは平均7.3mg/dLから摂取4週間で7.0mg/dLになりました。
引用:オリザ油化株式会社社内報告書,菊花抽出物作用におけるルテオリン寄与率について
アンセリンもルテオリンも臨床試験による尿酸値の降下がみられます。

データの信頼性から言えばアンセリンが配合されているサプリメントをおすすめします。
サプリメントの副作用
「尿酸値が下がるサプリメントってどんな副作用があるの?」と気になるという人も多いと思いますが、実は市販のサプリメントに副作用はありません。
サプリメントは機能性食品というあくまで食品ですので、誰でも副作用を気にせず飲むことができますので、安心して服用してください。
尿酸値が気になる方向けのおすすめサプリ
それでは具体的に4つのサプリメントをランキング形式でご紹介。
コンビニ・薬局で買えるものもあればAmazonなどのネットで購入できるものもあります。
また、あなたにアンセリンが合うかルテオリンが合うかはわからないので、有効成分の配合料と金額が主な判断基準になってしまうことをご理解ください。
1位 DHC「アンセリン 30日分」
DHCが販売しているアンセリン配合のサプリメント。
他のサプリメントのように「尿酸値を下げる」と謳っているわけではありませんが、アンセリンの成分が含まれていますので、尿酸値を下げる効果が期待できます。
アンセリンの配合量も60mgとトップクラス。商品パッケージには600mg入っているように見えますが、フィッシュペプチドに含まれるアンセリンは10%なので配合料は60mgという計算になります。
DHCは販売店舗が非常に多いので、薬局以外でもコンビニに置いてあるケースも。
簡単に購入できますし、割引されて1000円台で販売されていることも少なくありません。割安でおすすめのサプリメントです。
利用者の口コミ
年2回の健康診断で高尿酸症と指摘されてましたが、今回アンセリンを服用して尿酸値が正常値になりましたf(^_^)今後も飲み続け、次回の健康診断でも報告します
旦那様が原因不明の膝関節痛に襲われて、歩くこともままならない状態でした。やっとの思いでお医者様へ行くと「痛風ですね。」の一言。痛風で膝も痛くなるのだと、夫婦で大笑いでした。私がサプリをチェックしている時に見かけたアンセリンを、早速購入。飲み始めて1週間で痛みも治まり、普通に歩けるようになりました。今では必需品となっています。
尿酸値が7でたまに指の関節が鈍痛になったりします。まだ薬は飲みたくはないのでアンセリンを愛用してます。
すぐには効きませんが4日位服用すると不快感な感じはなくなります。
治ると飲み忘れたりとしていますが、確実に効いてます。お酒は止められないので必需品ですね。
引用元:DHC https://www.dhc.co.jp/goods/commentview.jsp?goods_code=4222
2位小林製薬「小林尿酸ヘルプ」
内容量:60粒(30日分)
単品通常価格:2,310円(税込)
有効成分:ルテオリン(10mg)
小林製薬が販売するサプリメント、尿酸ヘルプ。
ルテオリンを配合した尿酸値を下げてくれます。価格も2000円台とお安く、Amazonやドラックストアではもう少し割引されていることもあるので、継続しやすい価格なのが嬉しいポイントです。
利用者の口コミ
発売後まだ1年ほどで、利用者の口コミはネットにありませんでしたが、成分とメーカーの実績、価格から判断し2位としました。
3位大正製薬「尿酸値が高めの方のタブレット」
内容量:90粒(約30日分)
価格:3,780円(税込)
定期初回価格:980円
有効成分:アンセリン(50mg)
「尿酸値が高めの方のタブレット」とタイトルが非常にわかりやすいこのサプリメント。販売しているのはビオフェルミンやパブロンなどを取り扱う大正製薬。
3,780円と特別安いわけではありませんが、定期なら初回は980円です。
口コミ
個人差はもちろんあると思いますが、アンセリンはある程度の効果は感じるものです。尿酸値が気になり本格的な薬まではまだ手を出したくない方には良いサプリだと思います。
このようなサプリは価格だけでなく大正製薬という安心感があるのもポイントです。
痛風になった方に頼まれて購入しました。8.2→5.5まで下がりました。再燃しないように飲み続けたいとはなしておりました。継続は、大事ですね!
引用元:Yahooショッピング https://shopping.yahoo.co.jp/products/z4h4p9s44f
4位はつらつ堂「尿酸キクA錠」
内容量:30粒(30日分)
単品通常価格:3,456円(送料500円)
定期初回価格:500円(送料無料)
有効成分:ルテオリン(10mg)
尿酸キクA錠は、はつらつ堂が販売するサプリメントで、ネットで最も購入されているサプリメントです。含まれる有効成分はルテオリン。利用は1日1錠なので簡単に継続することができます。
定期購入であれば初回は500円で始められるのは嬉しいポイントですが、通常価格はさほど安くない点にはご注意ください。
口コミ
もうすぐ1ヶ月ほどになるかな、
足の親指の痛みが大分楽になりました。
まだ、続けて見ようと思います。
引用元:Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B09RHCCN8J/
サプリメントの正しい飲み方
サプリメントには1日の摂取量しか記載されていませんので、いつ飲めばいいかわからないという質問をいただくことがあります。
サプリメントは医薬品ではないため、朝でも夜でも、食前でも食後でも、食事と全く関係ないミングでも問題ありません。お好きなタイミングで服用してください。
推奨する服用期間
サプリメントは薬とは違い、あくまで体調を整えるもの。そのため薬のように効果がすぐに出ることはありません。

最低でも1ヶ月、できれば3ヶ月は継続してください。
「効果が出るまでそんなに待てない」という方はそもそもサプリメントでどうにかすることが難しいので、サプリメントによる改善ではなく病院で治療を行いましょう。
そもそも尿酸とは?
そもそも尿酸とはエネルギーが体内で分解・消費された時に生まれる老廃物。いわば燃えカスやゴミのようなものです。
体内で生成されるのは大きくわけて2パターン。
- 食事から供給されるプリン体が分解され尿酸になるパターン
- 運動や新陳代謝でエネルギーを消費した際に核酸から尿酸が生まれるパターン
痛風はプリン体がおおいものを食べる人がかかる病気というイメージがありますが、食事から生まれる尿酸は体内にある尿酸のたった1~2割。
もちろん、だからと言ってプリン体の多いものばかり食べるのは良くありませんが、それよりも体質や遺伝によって痛風を発症することがほとんどです。
尿酸には良い点もある
では尿酸が少なければ少ない方が良いのかというと、そうでもなく尿酸にも体に良い効果があることがわかってきました。
実は尿酸には強い抗酸化作用があり、活性酸素を消去することによって体の老化を防いでくれます。
そのため尿酸は化粧品などに含まれることも多いのですが、体内に含まれる尿酸は痛風を引き起こすので注意が必要です。
尿酸値が高くなる原因
尿酸が増える理由は3種類に分類できます。
- 体内で生成される量が多い生産過剰型
- 排泄する量が減ってしまう排泄低下型
- 生成量が多く、排泄する量が少ない混合型
体内で尿酸が増える理由には
- プリン体の多い食事
- 大食い(プリン体の量に限らず)
- アルコールの摂取
- 激しい運動
- 強いストレス
などがあり、尿酸の排泄量を減らす理由には
- 肥満・メタボリックシンドローム
- 水分不足
- アルコールの摂取
などが考えられます。
もちろんこれら以外にも、体質というどうしようもないこともありますが、まずはこれらの生活習慣を改めることから始めてください。
尿酸値が上がるとどうなる?

尿酸が増え、血中の尿酸が7.0mg/dLを超える高尿酸血症という状態が続くと痛風が起こります。
これは血中に増えすぎた尿酸が結晶化することが原因です。
結晶化した尿酸は尿酸塩と呼びますが、この尿酸塩が蓄積されているだけでは痛み(痛風発作)は起こりません。痛風発作が起こるのは、蓄積された尿酸塩が剥がれ落ちたタイミング。
この剥がれ落ちた尿酸塩を体内の白血球が異物と認識し攻撃する際に強い痛みを引き起こします。この痛みがいわゆる痛風と呼ばれるものです。
痛風を放置すると
痛風の痛みは息ができないほどと言われるほど強烈な痛みですが、24時間をピークに7日ほどで痛みが引いていきます。
しかし、これは痛風が治ったわけではありません。
体内の尿酸値が7.0mg/dLを超えている限りまた尿酸塩が蓄積し、次の痛風発作を引き起こします。
このように痛風を繰り返すと次第に慢性化し、発作のペースが早くなり痛みの患部が瘤のように腫れ、糖尿病・高血圧・脳卒中という合併症を引き起こすことも。
痛風発作が起こった場合は、安静にしながらできるだけすぐに病院に行きましょう。
尿酸値を下げるための生活習慣・食事

尿酸値を下げるためには食事、運動、生活習慣を改善することも効果的です。
食事に気をつける
食事で摂取する尿酸は全体の2割程度ですが、大量に摂取していいというわけではありません。プリン体は内臓や卵巣、精巣に多く含まれます。その他にも魚の干物ナッツ類にも気をつけましょう。
また、尿が酸性に傾くと、尿に溶ける尿酸が少なくなるため、尿をアルカリ化するために野菜や海藻を積極的に摂取しましょう。
お酒を控える
「ビールの飲み過ぎだから痛風になる」というイメージをお持ちの方は多いと思いますし、近年ではプリン体0のビールも出ています。
ではこのようにプリン体0のお酒だったら痛風には関係ないのかというとそうではありません。お酒は尿酸の排泄を低下させ尿酸値をあげます。
そのため1日のお酒は2杯まで、週3日休肝日を設けるなどして、適切な量でお酒を楽しみましょう。
水分をたくさん取る
体内の尿酸値を下げる簡単な方法として、水分をたくさん取るという方法が。
これは体内の水分量を上げることによって「尿酸濃度を下げる効果」と尿の量を多くすることによって「尿酸の排泄を増やす効果」が期待できます。
ただし、糖分を含むものを取ると尿が酸性に傾いてしまうため、水やお茶を摂取するようにしてください。
軽い有酸素運動を継続する
運動は体に良いものですが、痛風予防においては激しい運動は効果的ではありません。
激しい運動は体内のエネルギーを急激に使うため、尿酸値を瞬間的に高めてしまうためです。
ですので、運動を行うときはウォーキングなど軽い有酸素運動がおすすめです。
まとめ
今回は尿酸値を下げるサプリメントを4つ紹介させていただきました。
「これさえ飲めば痛風は怖くありません」と言いたいところですが、サプリメントに病気を治す効果なく、あくまで予防として飲むものです。
サプリメントをこれから飲もうと思っている方は、継続することによって効果を期待できるものですから、数日で判断せず少なくとも1ヶ月は継続して服用してください。
参考文献
焼津水産化学工業 アンセリンの尿酸値降下作用
https://www.yskf.jp/anserine/uric_acid_2.html
尿酸降下薬とアンセリン併用の有用性
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gnam/35/1/35_51/_pdf
オリザ油化株式会社社内報告書,菊花抽出物作用におけるルテオリン寄 与率について
https://www.oryza.co.jp/cms/wp-content/uploads/2017/10/8ea98d60e8f75b2ed6748cf8b2d79540.pdf
ルテオリンの心血管系保護作用についての研究
http://gakui.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/data/h23/128245/128245-abst.pdf