海外の外用薬フォリックスの発毛効果と副作用

フォリックスFR7 ミノキシジル アデノシン
この記事に書いてあること
  • 【まずは基本】フォリックスってどんな薬?
  • 【配合成分】ミノキシジルの発毛促進効果とその作用機序
  • フォリックスの副作用には何がある?濃度にも関係する?
  • フォリックス使用上の注意点
院長 藤田

こんばんは。内科総合クリニック人形町 院長の藤田英理です。

今回は、海外で育毛剤としてとても人気のある「フォリックス」による発毛効果や特徴、その副作用について解説させてください。

フォリックスは頭皮に塗って使う「外用薬」として使うことを想定されており、海外では正式な「医薬品」として承認販売されている商品になります。

ただ、日本では販売されていない「海外製」ということもあって、なかなか情報を集めるのが難しい製品であることも確かです。

そこで当記事では、業界内のつながりなどを駆使して「フォリックスの治療効果」「副作用」「使用上の注意」について裏をとりながら、患者さんに丁寧に解説していきます。

この記事の執筆者

内科総合クリニック人形町 院長 藤田 英理(総合内科専門医)

藤田 英理 内科総合クリニック人形町 院長

東京大学医学部保健学科、横浜市立大学医学部を卒業。虎の門病院、稲城市立病院、JCHO東京高輪病院への勤務を経て内科総合クリニック人形町を開院。総合内科専門医。AGA治療や生活習慣病指導も行う。

所属:日本内科学会日本動脈硬化学会日本頭痛学会

医師略歴・プロフィールはこちら

目次

【まずは基本】フォリックスってどんな薬?

フォリックスFR ミノキシジル外用薬
AGAでお悩みの方

まずはフォリックスがどんな薬で、どのような効果があるのかを教えてください。

院長 藤田

フォリックスは発毛効果を促進させることを目的として効能効果としても「AGA(男性型脱毛症)」に対する発毛・脱毛抑制効果が認められている海外製の外用薬です。外国人の体格に合わせて、多くの配合成分を含んでいる発毛剤になります。

院長 藤田

解説いたします

  • フォリックスはミノキシジルを主成分とした発毛促進薬
  • AGA治療薬として最も推奨度の高い医薬品
  • 配合成分は世界標準の位置づけ

フォリックスは、海外製の発毛促進薬です。フォリックスシリーズの商品にはたくさんの種類が存在しますが、その全てには日本でも承認されている発毛成分である「ミノキシジル」が含まれています。

商品名は「フォリックス FR 10」というように記載されていることが多いですが、この記載されている数字は、ミノキシジルの配合された濃度を示しています。数字が大きいほどミノキシジルの濃度が高い商品、ということですね。

ミノキシジルは、日本皮膚科学会の男性型脱毛症ガイドラインにおいても、AGAに対して治療効果が最も認められている推奨度「A」に分類されている医薬品です。

つまり、AGA治療における発毛効果が最も期待できる薬の一つとされているということです。

ミノキシジルは、国内ではコンタクトレンズなどの販売で有名な「Johnson&Johnson社」が開発した発毛促進薬です。もともとは、高血圧の内服治療薬として1979年からアメリカで使用されていました。

しかし、その治療中の患者さんに副作用として「多毛」が高頻度に認められたことから、もしかしてAGAの治療に効果があるのでは?という観点から改めて外用の発毛薬の成分として開発が進められ、ミノキシジル配合の発毛剤が1988年に医薬品として承認されました。

そして現在では、世界90ヵ国以上もの国で広く使われています。

つまり、フォリックスをはじめとするミノキシジルを配合した外用薬は、AGA治療薬の外用薬としては30年以上の歴史をもった「世界標準の発毛促進薬」として位置づけられているということですね。

【配合成分】ミノキシジルの発毛促進効果とその作用機序

AGAでお悩みの方

フォリックスに含まれているミノキシジル、すごい薬なんですね。
実際の発毛効果と、その薬の効き方はどんな感じなんですか?

院長 藤田

ミノキシジルは現在、AGAに対して最も発毛促進効果が認められている医薬品です。その作用機序については未だ謎に包まれていることも多いですが、少しずつその正体が解明されてきています。

  • フォリックス配合の「ミノキシジル」は9割以上の発毛効果
  • 濃度は高いものほど有効性が高い
  • フォリックスの効果を助ける配合成分も多数
フォリックスミノキシジルの発毛促進効果

ミノキシジルがどのくらい効果があるのかを分かりやすく解説するために、日本語でミノキシジルの臨床試験のデータが公開されている「リアップ」を使って解説します。

ミノキシジルの使用から12週間で4割以上の患者さんが発毛効果を実感しており、 52週終了間では9割以上、つまりほぼ全員の患者さんが発毛効果を実感していることがわかります。

フォリックスデータ

また、これは1%と5%のミノキシジルの配合された商品を比較したデータになります。

見ての通り「ミノキシジルがより濃く配合されている」ほど、効果があることが分かりますね。つまり、ミノキシジルの有効性には濃度依存性の効果があることがわかります。

今回紹介しているフォリックスにもさまざまな濃度の商品がありますが、濃度が濃いものほど発毛効果がより期待できるものと考えることが出来ます。

ただし、濃度については副作用とのバランスも考えなければいけませんので、これについてはこの後もう少し詳しく解説していきます。

また、フォリックスはこのミノキシジルの他に、商品によってビマトプロスト、アデノシン、プロシアニジンB2といった髪の成長をサポートするための成分がそれぞれ同時配合されています。

なかにはなんと、プロぺシアの主成分である「フィナステリド」を含んだ商品もあります。

フィナステリドは、前頭部から頭頂部に存在する髪に対して、ヘアサイクルの成長を強力に短縮してしまうDHT(ジヒドロテストステロン)を抑える作用をもつ成分です。

ミノキシジルの発毛促進効果に加えて、フィナステリドの脱毛抑制効果の相乗作用が期待できるため、フォリックスは発毛促進薬として世界的に人気を博しているというわけですね。

フォリックスの副作用には何がある?濃度にも関係する?

フォリックス副作用
AGAでお悩みの方

先生、さっき言っていたフォリックスの副作用はどういったものがあるんでしょうか?
濃度とか使い方も関係するって聞いたことがあるんですが・・・

院長 藤田

その通りですね。データからも濃度が高いほど効果があることは間違いないですが、副作用とのバランスも重要になってきます。それでは、詳しく解説していきます。

  • 副作用のほとんどは「頭皮のかぶれ」
  • 使用初期には「一時的な脱毛」があることは注意
  • 5%までならほとんど副作用はないとされている

ミノキシジルの副作用としては、かゆみ、赤み、ふけ、毛包炎、接触皮膚炎、顔面の多毛などがあるといわれています。

つまり「頭皮のかぶれ」がほとんどです。

顔面の多毛については、使用中に誤って顔を触ってしまってそのまま放置してしまったことが原因とも考えられます。これについては、顔にも毛が生えてしまうほど強力な発毛効果があるとも考えることができますね。

また、使用開始の初期には一時的な脱毛が見られることには注意です。

使用初期には、一定の期間はいつもよりやや脱毛が多くみられるため、よりAGAが進行してしまったのではと勘違いして使用をやめてしまう方が多くいらっしゃいます。

これは、ヘアサイクルが改善するために必要な「休止期脱毛」と呼ばれる症状です。

こうした脱毛があると理解したうえで安心して使用を継続してもらうことが大切です。休止期脱毛は1~3か月ほど続くといわれています。

また、日本国内で販売されているミノキシジル含有の発毛剤が、なぜ全て最大で5%なのでしょう。これは、厚生労働省からの規制があるためです。

育毛剤タイプのミノキシジルは、副作用として頭皮のかぶれが起きることがありますが、メーカー側の臨床試験で「5%までならかぶれはほとんど起きない」ということデータが示されています。

厚生労働省は効果よりも何より「安全性」を最も重視する日本人ならではの考えを踏襲している公的機関ですので、副作用がほぼ現れない濃度までしか認可を出していないのです。

海外ではより効果を求めるために、忍容可能な副作用はある程度のレベルまで許容している場合があります。

そのため、より有効性が認められている5%以上のミノキシジルが配合されているフォリックスが販売されているわけですね。

個人的には、有効性と副作用のバランスを考えたミノキシジルの適正濃度は「6~8%」だと考えています。

フォリックス使用上の注意点

AGAでお悩みの方

よくわかりました。私も使ってみたいという気持ちになってきました。
フォリックスを使用するうえで、注意すべきことはありますか?

院長 藤田

基本的な注意点は他のAGA治療薬と同じものが多いです。また、当然ですが用法用量を守ることが大切です。

  • 女性は基本「触れることも禁止」
  • 通常は1日2回の使用が推奨
  • 使いすぎは厳禁

フォリックスに含まれるミノキシジルは、妊娠中やその可能性のある女性は触れることも禁忌とされています。また、商品によっては全ての女性に使用してはいけない「フィナステリド」が配合されているものもあります。

こうした経緯も踏まえると、フォリックスは基本的に女性に触れさせないことが無難だと思います。

フォリックスの用法用量は、1日2回の使用が一般的で最も効果があると言われています。使い忘れることなく、継続して使うことが理想的です。

ただし、効果を早く実感したいからと言って、用法用量以上に使用することは絶対にいけません。

副作用が強く出てしまうことで、結果的に使用を中断せざるを得なくなってしまうことがあるからです。

医薬品は臨床試験に沿って、有効性と副作用のバランスが最も良い量と頻度が設定されています。必ず用法用量は守るようにしましょう。

まとめ

最後に、簡単に当記事を箇条書きでまとめておきます。

  • フォリックスは発毛・脱毛抑制効果が認められている
  • 濃度が濃いものほど発毛効果がより期待できる
  • 濃度5%までなら副作用はほとんど起きない
  • 女性は女性用フォリックスを使用すること

フォリックスは、発毛・脱毛抑制効果が認められている海外製の外用薬です。濃度が濃いものほど発毛効果がより期待できますが、副作用として頭皮のかぶれを起こすこともあります。

とはいえ、濃度5%未満であれば副作用の心配はありません。しかし、フォリックスの中には妊娠中の女性に対しての使用が禁忌とされいるミノキシジル成分が含まれている恐れがあります。

女性は必ず「女性用フォリックス」を使用するよう、使用前に表記を確認しましょう。

この記事を読むことで、少しでもあなたのへのフォリックス使用への不安や悩みを減らすことが出来ればうれしいです。

参考文献
  • 大正製薬 リアップ臨床試験データhttps://brand.taisho.co.jp/contents/riup/detail_219.html
  • 日本皮膚科学会ガイドライン 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
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