- 若白髪があると禿げない、という噂の真偽
- 白髪ができる理由
- 禿げない人の共通点
- 禿げない人になるための対策
40代になり、同年代の人の薄毛が気になってくる人も多いのではないでしょうか。しかし一方で、50代を迎えても禿げない人もいます。そこで今回は、“禿げない人の共通点”について解説いたします。
薄毛になると見た目印象が大きく変わるため、「禿げたくない」と考える男性は少なくないでしょう。昔から「禿げない人の共通点」についての噂は色々あります。
そのうちのひとつに「若いときから白髪がある人は禿げない」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
白髪があると本当に禿げないのでしょうか?そこで今回は、噂の真偽と禿げない人の共通点や禿げないための対策について、クリニック院長藤田先生に解説していただきます。
禿げない人の共通点に「若白髪」は関係するのか?


- 若いときから白髪がある人は禿げない、は根拠がない
- 白髪が多い原因によっては禿げる可能性がある
若白髪がある人と禿げない人との関係性は根拠なし
禿げない人の共通点として、「若いときから白髪がある人は禿げない」という話は昔からありますが、医学的根拠はありません。
白髪ができる理由と若白髪ができる理由について解説いたします。
白髪ができる理由とは?
髪はメラニン色素によって色づけられています。
しかし、なんらかの理由でメラニン色素が色素細胞から作られなくなることがあります。それによって髪に色がつかず、光に反射することで白く見えるようになる状態を「白髪」と呼びます。
若いときから白髪ができる理由とは?
小学生や中学生などの若いときから白髪ができる理由は、明確にわかっているわけではありませんが、遺伝的要素が関係するのではないかと考えられています。
遺伝によってメラニンを毛母細胞に送り出せなかったり、色素を生成しにくかったりすることから、若白髪は発生します。
色素細胞と抜け毛の関係性はないため、若白髪があるからといって大人になってから禿げないというわけではありません。
白髪が多いと禿げる可能性がある
禿げない人の共通点に白髪の有無は根拠がないとお伝えしました。むしろ、白髪ができる原因によっては、白髪が多くなると禿げる可能性があります。
白髪は、ストレスや睡眠不足などによって発生する場合もあります。ストレスが溜まったり睡眠不足が続いたりすると自律神経のバランスが崩れてしまいます。
自律神経バランスが乱れると、血管が収縮し頭皮に十分な栄養がいかなくなってしまうためです。頭皮に栄養がいかなくなると、白髪になるだけではなく抜け毛や薄毛にもつながることがあります。
禿げない人の共通点とは?禿げない人になるための対策


- 母方の親族にAGAの人がいない
- 規則正しい生活をする
- 頭皮環境を意識する
禿げない人の共通点①母方の親族にAGAの人がいない
男性が禿げる原因の多くがAGA(男性型脱毛症)だと言われています。
AGAとは、男性ホルモンが影響する病気のことで、年齢が上がるにつれて発症率は高くなると言われていますが、10代で発症する方も稀ではありません。
AGAが起こる原因は遺伝で、主に母方の遺伝子が大きく影響していると言われています。
なぜ母方の遺伝子がAGAに影響するのか?
AGAが起こる原因は遺伝、特に母方の家系から影響を受けると考えられているのですが、その理由は「染色体」にあります。
人間は性別により染色体が異なり、男性は「XY」、女性は「XX」という染色体を持っています。男性の場合、X染色体は母親から、Y染色体が父親から受け継がれているのです。
そして、毛髪にも影響する男性ホルモン受容体であるアンドロゲンレセプターは、母親が持つ「X染色体」から受け継がれます。よって、AGAは母方の家系からの影響を受けると考えられているのです。
母親が薄毛ではない場合でも母親の父(自分から見ると祖父)がAGAの場合、隔世遺伝することも考えられます。
禿げない人の共通点②規則正しい生活をしている
薄毛や抜け毛が起こる原因として、睡眠や食事・運動などの生活習慣が影響することがあります。
身体の健康にも良い規則正しい生活をしていれば、自律神経も乱れにくくなり、禿げにくい血行状態や頭皮環境を得られるでしょう。
規則正しい生活1.睡眠時間確保と睡眠環境を整える
睡眠時間は6時間から8時間とることが推奨されていますが、個人差があるため無理に睡眠時間を確保する必要はありません。自然に眠れて、翌日眠くて困ることがない時間を目安にするといいでしょう。
また眠っても寝た気がしないなど、眠りが浅い場合は睡眠の質を高められる睡眠環境を整えるといいでしょう。日中に身体を動かしたり、寝る直前のスマホやパソコン・食事・深酒を控えたりすると、上質な睡眠がとりやすくなります。
規則正しい生活2.バランスの良い食事
髪が育つための栄養は食事などから摂取されます。偏った食事をしている場合、髪や頭皮に必要な栄養が不足し、抜け毛や薄毛につながってしまう場合があるため、バランスの良い食事をとりましょう。
髪の約90%を構成しているタンパク質は特に重要なため、肉や魚などを意識して食べるようにしましょう。またビタミンも、髪の発毛や育毛に重要な役割を果たします。
規則正しい生活3.適度な運動をする
運動をすることで血行が良くなり、髪や頭皮にも良い影響を与えることが期待できます。WHO(世界保健機関)は、成人に1週間あたり150分以上の中等度の運動を推奨しています。
中等度の運動とは、早歩きや筋トレ・水中ウォーキングなど、少し息が上がる程度の運動のことです。「運動する時間が取れない」という場合、座っている時間を少し減らすだけでも健康リスクを減らせると言われています。
規則正しい生活4.ストレスを上手に発散する
ストレスは自律神経バランスに影響を及ぼし、血管収縮によって薄毛や抜け毛につながる可能性があります。しかし、現代社会においてストレスを避けながらの生活は難しい場合もあります。
そのため、ストレスを上手に発散する方法を身につけるといいでしょう。太陽を浴びながら身体を動かすことがおすすめです。外出できないのであれば、自宅でストレッチをしたり趣味に没頭したりすることもいいでしょう。歌ったり笑ったりすることも効果があると言われています。
規則正しい生活5.喫煙をしない
喫煙しないことが禿げない人になるわけではありませんが、リスクを少しでも減らす方法として喫煙しないことをおすすめします。
タバコを吸うと頭皮の血行が悪くなる可能性がある他、喫煙はビタミンCを消費すると言われており、(ビタミンCが不足することによる)血行不良が抜け毛の原因として考えられます。
喫煙しない方が、薄毛・抜け毛リスクを減らせます。
禿げない人の共通点③頭皮環境を良い状態にしている
禿げない人の共通点として挙げられるひとつが、頭皮環境の良さです。
毛穴が汚れで詰まっていたり頭皮が炎症していたりすると、薄毛や抜け毛につながる可能性があります。
清潔に保っているつもりでもケアの方法を間違えていると、頭皮環境悪化となってしまうこともあるので注意しましょう。
頭皮環境を良くする方法1.正しいシャンプーをする
髪の摩擦は抜け毛につながります。洗髪時には摩擦を軽減させるようシャンプー前によく髪を濡らしましょう。
よく泡立てたシャンプーを頭皮につけ、指の平で優しくマッサージするように洗います。爪をたててゴシゴシと洗髪すると、頭皮を傷つけて炎症する可能性があります。
シャンプーのすすぎ残しがあると毛穴詰まりや炎症などにつながるため、シャンプーをした倍の時間をかけてすすぐようにしてください。
頭皮環境を良くする方法2.正しいドライヤーをする
ドライヤーを頭皮に近づけて熱を与え続けると頭皮が乾燥し、頭皮環境が悪くなる可能性があります。タオルドライで水分をとってから、ドライヤーを頭皮から離し、強風モードにして一気に乾かしましょう。
「ドライヤーの熱が良くない」と言って自然乾燥することはNGです。頭皮が濡れた状態が続くと雑菌が繁殖する可能性があります。
頭皮環境を良くする方法3.紫外線対策をする
紫外線の刺激を受け続けると、髪の毛の元となる毛母細胞が機能しなくなり、抜け毛が起きたり発毛しなくなったりする場合があります。
これを「光老化」と言います。そのため、頭皮の紫外線対策をきちんとしておくことが大切です。帽子をかぶったりUVケアグッズを使ったりするといいでしょう。
頭皮環境を良くする方法4.脂質が多いものばかりを食べない
ジャンクフードや塩分が多いものばかりを食べていると、皮脂が過剰分泌し、毛穴が詰まってしまう場合があります。
頭皮環境が悪くなり、抜け毛などの原因になってしまうため、脂質が多いものばかりを食べることは控えましょう。
まとめ
今回は「禿げない人の共通点」についてご紹介しました。「これをすれば絶対に禿げない」と言い切れるわけではありませんが、リスク軽減できる可能性はあります。
将来的に禿げたくないと考えている方は、対策として参考にしてみてください。
現在、すでに薄毛や抜け毛が気になっているのであれば、早めの対処をおすすめします。AGAが原因の場合、治療をしないと進行していくため、専門クリニックへ相談に行くといいでしょう。
