5月28日(水)午前は藤田医師(院長)、5月30日(金)午前は近藤医師(男性・非常勤)となります

抜け毛予防に効果的?キャピキシルの継続使用によるメリットとデメリット

抜け毛予防に効果的?キャピキシルの継続使用によるメリットとデメリット

近年増加傾向にある薄毛に悩む男性たちの間で、新世代の育毛成分として注目を集めているのが「キャピキシル」です。

従来の育毛成分とは一線を画す作用メカニズムを持つキャピキシルは、効果と安全性について様々な研究が進められています。

本記事では、キャピキシルの特徴から継続使用における利点と注意点まで、最新のエビデンスに基づいて徹底解説します。


この記事を書いた医師

内科総合クリニック人形町 院長 藤田 英理(総合内科専門医)
Dr. 藤田 英理

内科総合クリニック人形町 院長

  • 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
  • 東京大学医学部保健学科および横浜市立大学医学部を卒業
  • 東京大学付属病院や虎の門病院等を経て2019年11月に当院を開業

最寄駅:東京地下鉄 人形町および水天宮前(各徒歩3分)

目次

キャピキシルとは?抜け毛予防に効果的な成分の特徴

薄毛や抜け毛に悩む方々の関心を集めているキャピキシルは、バイオテクノロジーの研究成果から生まれた育毛有効成分として注目を浴びています。

キャピキシルの主成分と作用機序

キャピキシルは、毛根の細胞活性を高める赤クローバー由来のBiochanin A(バイオカニンA)とアセチルテトラペプチド-3という二つの主要成分から構成される育毛成分であり、成分が相乗的に働くことで優れた育毛効果を発揮するのが特長です。

成分名称主たる機能
Biochanin ADHT(ジヒドロテストステロン)産生抑制
アセチルテトラペプチド-3毛根細胞の代謝促進

毛髪の成長サイクルにおいて、アセチルテトラペプチド-3は毛根の成長期を延長することで、より健康的で太い毛髪の育成を促進する働きを担っています。

この独自の作用機序により、従来の育毛剤では実現できなかった毛包幹細胞への直接的なアプローチが可能です。

毛根周辺の環境を整えることで、健康的な毛髪のに適した状態を維持し、長期的な育毛効果を支えます。

臨床研究で実証された発毛効果

キャピキシルの効果については、複数の研究機関による厳密な臨床試験を通じて、有効性が検証されており、具体的な数値データとともに報告されています。

評価項目改善率(8ヶ月使用)
毛髪密度15%以上の向上
毛髪径35%以上の増大

臨床試験における被験者からは、下記の改善効果が報告されています。

  • 発毛密度の顕著な増加
  • 毛髪の太さと強度の改善
  • 成長期毛髪の割合上昇
  • 脱落毛量の減少傾向

毛包細胞の活性化による実感可能な効果は、使用開始から4ヶ月程度で多くの使用者に認められ、継続使用によって毛髪のボリューム感や頭皮状態の改善といった多面的な効果が確認されています。

一般的な育毛剤との違いと特徴

キャピキシルは、従来型の育毛剤が主眼としていた血行促進や頭皮環境の改善にとどまらず、毛根細胞そのものへの直接的なアプローチという革新的な作用メカニズムを持ち合わせています。

従来の育毛剤の主成分として知られるミノキシジルと比較した場合、キャピキシルは頭皮への刺激が穏やかであり、より自然な形での育毛促進が期待できる点が特筆すべき特徴です。

頭皮の健康維持と毛髪成長促進という二つの側面からアプローチすることで育毛ケアを実現し、自然由来成分を含む処方設計により、長期的な使用における安全性と継続性も両立させます。

抜け毛予防におけるキャピキシルの継続使用のメリット

キャピキシルの継続使用から得られる効果は、毛髪サイクルの正常化や頭皮環境の改善など、いろいろな面で確認されています。

発毛サイクルの正常化と毛根の強化

キャピキシルによる毛根への作用メカニズムは、毛周期において休止期から成長期への移行を促進するという独自の特性を備えており、毛髪の健全な成長を支える基盤です。

毛根の細胞に直接働きかけることで、毛母細胞の活性化と毛乳頭細胞の機能向上を促し、健康的な毛髪の生育環境を整えます。

毛周期のステージキャピキシルの主な作用
成長期毛母細胞の増殖促進と栄養供給
退行期期間の短縮化と新生毛包の形成
休止期新規成長期への速やかな移行

継続的な使用を通じて、毛根部における血行が促進されるとともに、酸素や栄養分の供給量が増加することで、より強固な毛髪の生育基盤が構築されます。

毛包内の幹細胞に適度な刺激を与えることにより、休眠状態にある毛根の活性化を促すという作用機序が、複数の研究機関による調査で確認されているところです。

このような毛根への包括的なアプローチにより、使用開始から3〜4か月程度で視覚的な改善効果が現れ始めることが、報告されています。

頭皮環境の改善による抜け毛の減少

頭皮環境の改善においては、皮脂分泌の適正化や毛穴の清浄化といった要素が重要な役割を果たしており、これらの要素に対するキャピキシルの作用が注目されています。

キャピキシルには、頭皮表面の過剰な皮脂を抑制しながら、必要な保湿成分は維持する調整機能が備わっており、頭皮環境の構築に貢献しています。

頭皮の小さな炎症を効果的に抑制することで、抜け毛の主要な原因となる毛根周辺の環境悪化を未然に防ぎ、健康的な毛髪の成長を促進します。

また、毛穴周辺の血行を促進する作用により、老廃物の排出が活発化され、清潔で健康的な状態を維持することが可能です。

継続使用による毛髪の太さと密度の向上

キャピキシルの特徴的な作用の一つとして、既存の毛髪の太さを増加させる効果が挙げられ、継続的な使用によって段階的に強化されます。

使用期間期待される主な効果
1〜2か月抜け毛の顕著な減少と頭皮環境の改善
3〜4か月毛髪の太さ増加と弾力性の向上
6か月以上毛髪密度の向上と成長期毛髪の増加

毛髪のケラチンタンパク質の生成を効果的に促進することで、個々の毛髪が徐々に太くなっていくのです。

コスト面から見た従来の育毛剤との比較

キャピキシル配合製品は、他の育毛剤と比較して初期は高額となりますが、長期的な費用対効果の観点からは優位性を持っています。

継続使用による効果の安定性が際立って高く、使用量の調整により、より経済的な運用が実現できることが利点です。

従来の育毛剤では複数の製品を併用する必要があった育毛ケアが、キャピキシル単体での対応で十分な効果を得られるという点で、実質的な費用削減にもつながります。

長期使用で注意すべきキャピキシルのデメリットと副作用

キャピキシルは育毛効果に優れた成分として広く認知されている一方で、使用に際して留意すべき点があります。

初期使用時に起こりうる頭皮の違和感

キャピキシルを使用開始する際には、頭皮に一時的な反応が生じることを理解しておく必要があり、反応は新しい成分に対する肌の適応過程です。

反応の種類通常の持続期間
軽度の痒み1-2週間程度
発赤症状3-7日程度
乾燥感覚2-3週間程度

製品の使用開始時には、頭皮の状態を綿密に観察しながら使用量を段階的に増やしていく方法が、肌への負担を軽減するための有効な手段です。

個人によって頭皮の敏感度には大きな差異があることから、敏感肌の方は段階的な使用量の調整と、症状の経過観察を丁寧に行うことで、使用環境を整えてください。

継続使用による効果の頭打ち

長期的なキャピキシルの使用においては、導入初期に実感された顕著な効果が徐々に安定期へと移行し、毛髪の成長スピードや改善度合いに変化が現れます。

使用段階効果の特徴と変化
導入期(1-4ヶ月)目に見える改善傾向
安定期(5-8ヶ月)緩やかな進展状態
維持期(9ヶ月以降)効果の定常化

効果が安定期に入った時点での対応策は、使用方法の見直しや他の育毛ケアとの組み合わせを検討することで、より総合的な育毛効果を追求します。

効果の現れ方や維持期に移行するタイミングにも個人差が生じることを理解した上で、継続的な使用計画を立てることが重要です。

金銭的な負担と維持の課題

育毛ケアを継続的に実施していく上で、経済的な側面は考慮すべき要素であり、キャピキシル配合製品は一般的な育毛剤と比較して高価格になっています。

毛髪のケアは一時的な対処ではなく、継続的な取り組みが必要であることから、製品使用量の適正化は、効果的な育毛ケアと経済的な負担のバランスを取る上で重要な要素です。

また、育毛ケアは日々の生活習慣の一部として組み込むことで、より効果的な結果につながります。

参考文献

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