髪にボリュームがない女性に向けた原因別の薄毛治療と対策

髪にボリュームがない女性に向けた原因別の薄毛治療と対策

「髪にボリュームがない」と悩む女性が増加傾向にあります。

髪のボリュームが失われる原因は一つではありません。加齢や生活習慣、ホルモンバランスの変化など、複数の要因が複雑に絡み合っています。

この記事では、髪にボリュームがなくなる原因を多角的に解説し、ご自身でできる対策から専門クリニックでの治療法まで分かりやすくまとめます。

目次

髪のボリュームダウンはなぜ起こるのか?基本的な原因

髪のボリュームがなくなるという悩みは、多くの女性が経験するものです。

その背景には、髪一本一本が細くなる「菲薄化(ひはくか)」や、髪の密度低下が関係しています。

加齢による変化

年齢を重ねると体にはさまざまな変化が現れます。髪も例外ではありません。

髪の成長を支える毛母細胞の働きが徐々に低下し、新しい髪が作られる周期(ヘアサイクル)が乱れがちになります。

成長期が短くなり、髪が十分に太く長く育つ前に抜け落ちてしまうため、全体的にボリュームが失われたように感じます。

また、頭皮の血行も年齢とともに滞りやすくなり、髪の成長に必要な栄養が届きにくくなるのも一因です。

ホルモンバランスの乱れ

女性の髪の健康は、女性ホルモンである「エストロゲン」と深く関わっています。エストロゲンは髪の成長を促進し、ハリやコシを保つ働きを担います。

しかし、妊娠・出産や更年期、過度なストレスなどによってホルモンバランスが乱れ、エストロゲンが減少すると、相対的に男性ホルモンの影響が強まります。

これによりヘアサイクルが乱れて抜け毛が増えたり、髪が細くなったりして、ボリュームダウンにつながります。

ホルモンバランスが乱れる主な要因

要因概要髪への影響
更年期閉経前後の約10年間で、卵巣機能が低下しエストロゲンが急激に減少する。髪のハリ・コシが低下し、うねりや抜け毛が増加する。
妊娠・出産妊娠中はエストロゲンが増加するが、産後は急激に減少し、一時的に抜け毛が増える(分娩後脱毛症)。産後数ヶ月で抜け毛がピークになるが、多くは自然に回復する。
ストレス過度なストレスは自律神経やホルモン分泌の乱れを引き起こす。血行不良を招き、ヘアサイクルを乱す原因となる。

生活習慣の影響

日々の生活習慣も、髪のボリュームに大きく影響します。特に食生活の乱れは、髪の主成分であるタンパク質や、その合成を助けるビタミン、ミネラルの不足を招きます。

また、睡眠不足は髪の成長を促す成長ホルモンの分泌を妨げ、喫煙は血管を収縮させて頭皮の血行を悪化させます。

これらの積み重ねが健康な髪の育成を阻害し、ボリュームダウンを引き起こすのです。

頭皮環境の悪化

健康な髪は、健康な頭皮という土壌から育ちます。しかし、間違ったヘアケアや皮脂の過剰分泌、乾燥などによって頭皮環境が悪化すると、毛穴が詰まったり炎症が起きたりします。

このような状態では髪の成長が妨げられ、細く弱い髪しか生えてこなくなります。

紫外線によるダメージも頭皮を硬くし、血行不良の原因となるため注意が必要です。

生活習慣から見直すボリュームアップへの第一歩

専門的な治療を考える前に、まずは生活習慣を見直しと改善が大切です。

髪は体の一部であり、健康状態を映す鏡でもあります。健やかな髪を育むためには、体の中からコンディションを整える意識が重要です。

栄養バランスの取れた食事

髪は主に「ケラチン」というタンパク質でできています。そのため、良質なタンパク質を摂取する工夫は非常に重要です。

肉や魚、卵や大豆製品などを積極的に食事に取り入れましょう。

また、タンパク質の合成を助ける亜鉛や、頭皮の血行を促進するビタミンE、頭皮環境を整えるビタミンB群などもバランス良く摂取すると良いです。

髪の成長をサポートする栄養素

栄養素主な働き多く含まれる食品
タンパク質髪の主成分であるケラチンの材料となる。肉、魚、卵、大豆製品、乳製品
亜鉛タンパク質の合成を助け、ヘアサイクルを正常に保つ。牡蠣、レバー、牛肉、チーズ、ナッツ類
ビタミンB群頭皮の新陳代謝を促し、皮脂の分泌をコントロールする。豚肉、レバー、うなぎ、マグロ、納豆

質の高い睡眠の確保

睡眠中には、体の細胞を修復して成長を促す「成長ホルモン」が分泌されます。この成長ホルモンは、髪の毛母細胞の分裂を活発にし、髪の成長を助けるために必要です。

入眠後の最初の3時間は成長ホルモンの分泌が最も活発になる「ゴールデンタイム」といわれます。

毎日6〜8時間程度の十分な睡眠時間を確保し、就寝前にスマートフォンやパソコンの画面を見るのを避けるなど、睡眠の質を高める工夫をしましょう。

ストレスとの上手な付き合い方

現代社会においてストレスを完全になくすのは困難ですが、上手に付き合っていくことは可能です。

ストレスは自律神経を乱し、血管を収縮させて頭皮の血行を悪化させます。これが抜け毛や髪の成長阻害につながります。

趣味に没頭する時間を作ったり、軽い運動でリフレッシュしたり、親しい友人と話したりするなど、自分に合ったストレス解消法を見つけていきましょう。

ストレスが髪に与える影響

影響の種類具体的な内容
血行不良自律神経の乱れにより血管が収縮し、頭皮への栄養供給が滞る。
ホルモンバランスの乱れストレスホルモン「コルチゾール」の増加が、女性ホルモンの働きを阻害する。
皮脂の過剰分泌男性ホルモンが優位になり、頭皮の皮脂分泌が増え、毛穴詰まりや炎症の原因となる。

適度な運動の習慣化

ウォーキングやジョギング、ヨガなどの適度な運動は、全身の血行を促進する効果があります。もちろん、頭皮の血行も改善されるため、髪の毛根にある毛母細胞に酸素や栄養が届きやすくなります。

また、運動はストレス解消にもつながり、心身ともに健康な状態を保つ上で役立ちます。

無理のない範囲で、日常生活に運動を取り入れる習慣をつけましょう。

髪と頭皮に優しいヘアケアの基本

毎日のヘアケアが、かえって髪や頭皮にダメージを与えているケースも少なくありません。

ボリュームダウンを防ぎ、健康な髪を育むためには、正しいヘアケア知識を身につけて実践することが重要です。

正しいシャンプーの選び方と洗い方

シャンプーの目的は髪の汚れだけでなく、頭皮の余分な皮脂や汚れを落とすことです。

洗浄力が強すぎるシャンプーは頭皮に必要な皮脂まで奪い、乾燥やかゆみの原因となる場合があります。アミノ酸系など、マイルドな洗浄成分のシャンプーを選ぶのがおすすめです。

洗う際はまずお湯で髪と頭皮を十分に予洗いし、シャンプーをしっかりと泡立ててから、指の腹で頭皮をマッサージするように優しく洗いましょう。

すすぎ残しは頭皮トラブルの原因になるため、時間をかけて丁寧に洗い流してください。

頭皮タイプ別シャンプー選びのポイント

頭皮タイプ特徴おすすめのシャンプー成分
乾燥肌フケやかゆみが出やすい。皮脂が少ない。アミノ酸系、ベタイン系(保湿成分配合)
脂性肌頭皮がベタつきやすい。皮脂が多い。高級アルコール系、石けん系(適度な洗浄力)
敏感肌刺激に弱く、赤みや炎症が起きやすい。アミノ酸系(低刺激、無添加処方)

ドライヤーの適切な使い方

髪を濡れたまま放置すると雑菌が繁殖しやすくなり、頭皮環境の悪化やニオイの原因になります。また、髪のキューティクルが開いた状態なので、ダメージを受けやすいです。

シャンプー後はタオルで髪を挟むようにして優しく水分を拭き取り、その後速やかにドライヤーで乾かしましょう。

ドライヤーは髪から20cm以上離し、同じ場所に熱風が当たり続けないように小刻みに動かしながら使うのがポイントです。

8割ほど乾いたら冷風に切り替えて仕上げると、キューティクルが引き締まりツヤが出やすくなります。

  • タオルドライは優しく行う
  • ドライヤーは髪から20cm以上離す
  • 根元から毛先の順に乾かす
  • 最後は冷風で仕上げる

頭皮マッサージの効果と方法

頭皮マッサージは、硬くなった頭皮をほぐして血行を促進する効果的な方法です。

血流が改善されると髪の成長に必要な栄養素が毛根までしっかりと届くようになります。リラックス効果も高いため、ストレス緩和にもつながります。

シャンプー中や、育毛剤をつけた後などに行うのがおすすめです。指の腹を使い、頭皮全体を優しく動かすように、気持ち良いと感じる強さでマッサージしましょう。

ヘアスタイリング剤の注意点

ボリュームアップを目的としたスタイリング剤も多くありますが、使い方には注意が必要です。

ワックスやスプレーなどが頭皮に直接付着し、毛穴を塞いでしまうと、頭皮トラブルの原因になりかねません。

スタイリング剤は髪の毛だけにつけるように意識し、その日のうちにシャンプーでしっかりと洗い流すようにしましょう。

女性特有の薄毛のタイプとボリュームダウンの関係

女性の薄毛は男性とは異なる特徴を持つケースが多く、いくつかのタイプに分類されます。

ご自身の症状がどのタイプに近いかを確認すると、適切な対策を講じる上で役立ちます。

びまん性脱毛症とは

女性の薄毛で最も多いのが「びまん性脱毛症」です。これは、頭部全体で均等に髪の毛が薄くなるのが特徴で、特定の部位だけが禿げるのではなく、全体のボリュームが失われます。

分け目が透けて見えたり、髪のハリやコシがなくなったりして自覚する方が多いです。

加齢やストレス、生活習慣の乱れやホルモンバランスの変化など、さまざまな原因が複合的に関与していると考えられています。

FAGA(女性男性型脱毛症)の特徴

FAGAは「Female Androgenetic Alopecia」の略で、男性のAGA(男性型脱毛症)と同様に、ホルモンの影響で発症する脱毛症です。

女性の場合、男性のように生え際が後退したり頭頂部が禿げたりするケースは稀で、主に頭頂部の分け目周辺から薄くなる傾向があります。

びまん性脱毛症と症状が似ていますが、FAGAは男性ホルモンが主な原因である点が異なります。

びまん性脱毛症とFAGAの比較

項目びまん性脱毛症FAGA(女性男性型脱毛症)
主な原因加齢、ストレス、生活習慣など複合的男性ホルモンの影響、遺伝的要因
薄くなる範囲頭部全体が均一に薄くなる頭頂部の分け目を中心に薄くなる
進行の仕方比較的ゆっくりと進行する進行性で、徐々に範囲が広がる

牽引性脱毛症と分娩後脱毛症

特定の生活習慣やライフイベントによって引き起こされる脱毛症もあります。

「牽引性脱毛症」はポニーテールやきつい編み込みなど、毎日同じ髪型で髪を強く引っ張り続けたために毛根に負担がかかり、生え際や分け目部分の髪が抜けてしまう状態です。

「分娩後脱毛症」は、出産後に女性ホルモンが急激に減少するために起こる一時的な脱毛症です。通常は産後半年から1年ほどで自然に回復しますが、回復が遅れる場合は他の原因も考えられます。

  • ポニーテール
  • お団子ヘア
  • きつい三つ編み
  • エクステンション

髪のボリュームを補うヘアスタイリング術

根本的な改善には時間がかかりますが、日々のスタイリングを少し工夫するだけで、髪のボリューム感を演出し、見た目の印象を大きく変えられます。

根元を立ち上げるドライテクニック

髪のボリュームは根元の立ち上がりが鍵を握ります。ドライヤーで髪を乾かす際に、髪の根元に温風を当てながら、指で髪を少し持ち上げるようにして乾かしてみてください。

髪の流れに逆らうように下から上へ、あるいは左右から中央へ向かって風を当てると、根元がふんわりと立ち上がりやすくなります。

ボリュームアップして見える髪型

髪型を変えるのも効果的な方法です。一般的に、ロングヘアよりもショートやボブのような短めのスタイルのほうが、髪の重さが軽減されてトップにボリュームを出しやすくなります。

また、髪の表面にレイヤー(段)を入れると髪に動きが出て軽やかな印象になり、ボリュームがあるように見せられます。

美容師に相談し、ご自身の髪質や骨格に合ったスタイルを提案してもらうと良いでしょう。

ボリュームアップ効果が期待できるヘアスタイル

ヘアスタイル特徴メリット
レイヤーボブ髪の表面に段差をつけることで、軽さと動きを出す。トップに自然なボリュームを演出しやすい。スタイリングも簡単。
ショートヘア髪全体の重さがなくなり、根元が立ち上がりやすい。若々しく活動的な印象を与え、お手入れが楽。
パーマスタイル髪にカールやウェーブをつけることで、物理的にボリュームを増やす。スタイリングが苦手な方でも、ふんわり感をキープしやすい。

分け目を変えるだけの簡単テクニック

いつも同じ位置で髪を分けていると、その部分の髪が寝てしまい、地肌が目立ちやすくなります。

分け目を数センチずらすだけでも髪の根元が立ち上がり、ボリュームが出たように見えます。

定期的に分け目の位置を変えると牽引性脱毛症の予防にもつながるため、ぜひ習慣にしてみてください。ジグザグに分け目をとるのもおすすめです。

クリニックでの専門的な薄毛治療

セルフケアを続けても改善が見られないときや、より積極的に改善を目指したい場合は、専門クリニックへの相談を検討しましょう。

医療機関では、医学的根拠に基づいた診断と、個々の症状に合わせた治療を受けられます。

専門医によるカウンセリングの重要性

まずは専門医によるカウンセリングと診察を受けることが重要です。問診や視診、場合によっては血液検査などを行い、薄毛の原因を正確に特定します。

自己判断で誤ったケアを続けるよりも、専門家のアドバイスを受けるほうが改善への近道となります。

治療法や費用、期間など、不安に思う点は何でも相談し、納得した上で治療に進むことが大切です。

内服薬・外用薬による治療

女性の薄毛治療では、主に内服薬と外用薬が用いられます。

内服薬としては、髪の成長に必要な栄養素を補給するサプリメントや、血行を促進する薬などが処方されます。FAGAの場合は、男性ホルモンの働きを抑制する「スピロノラクトン」などが用いられる場合もあります。

外用薬としては、発毛効果が認められている「ミノキシジル」が代表的です。ミノキシジルは毛母細胞を活性化させ、ヘアサイクルを正常化させて発毛を促します。

注入治療(メソセラピーなど)

より直接的な方法として注入治療があります。これは、髪の成長に有効な成分(成長因子、ビタミン、ミノキシジルなど)を、注射や特殊な機器を用いて頭皮に直接注入する方法で、「メソセラピー」とも呼ばれます。

有効成分を毛根にダイレクトに届けられるため、内服薬や外用薬と組み合わせると、より効果を実感しやすいです。

主なクリニック治療法の概要

治療法内容期待できる効果
内服薬スピロノラクトン、サプリメントなどを服用する。抜け毛の抑制、髪の栄養補給。
外用薬ミノキシジルなどを頭皮に塗布する。発毛促進、ヘアサイクルの正常化。
注入治療成長因子などを頭皮に直接注入する。毛根の活性化、発毛促進効果の向上。

治療を始める前の心構え

薄毛治療は、すぐに結果が出るものではありません。

髪にはヘアサイクルがあるため、効果を実感するまでには少なくとも3ヶ月から6ヶ月程度の期間が必要です。焦らず、根気強く治療を続ける姿勢が大切です。

また、治療は自由診療となるため、費用も考慮に入れる必要があります。カウンセリングの際に、総額でどのくらいかかるのか、しっかりと確認しておきましょう。

よくある質問

さいごに、女性の薄毛治療に関して多く寄せられる質問とその回答をまとめました。

治療はどのくらいの期間で効果が出ますか?

効果の現れ方には個人差がありますが、多くの場合、治療開始から3ヶ月から6ヶ月ほどで抜け毛の減少や髪質の変化といった初期効果を感じ始めます。

発毛を実感し、見た目のボリュームアップにつながるまでには、半年から1年以上の継続的な治療が必要になるのが一般的です。ヘアサイクルを正常に戻し、新しい髪が成長するには時間が必要です。

治療に痛みはありますか?

頭皮に直接有効成分を注入するメソセラピーなどの治療では、注射針によるチクッとした痛みを感じる場合があります。

クリニックによっては、痛みを軽減するために冷却装置や極細の針を使用したり、麻酔クリームを用いたりするなどの配慮をしています。

痛みが不安な場合は、カウンセリング時に遠慮なく相談してください。

費用はどのくらいかかりますか?

女性の薄毛治療は健康保険が適用されない自由診療となるため、費用は全額自己負担です。費用は治療内容によって大きく異なり、月々数万円からが目安となります。

例えば、内服薬や外用薬のみであれば比較的費用を抑えられますが、注入治療などを組み合わせると高額になる傾向があります。

多くのクリニックでは、治療内容ごとの料金プランや、月額制のプランを用意しています。初回のカウンセリングで、ご自身の症状と予算に合った治療計画を相談しましょう。

市販の育毛剤との違いは何ですか?

市販の育毛剤の多くは医薬部外品に分類され、その目的は「抜け毛の予防」や「育毛(今ある髪を健康に育てる)」です。

一方、クリニックで処方される「ミノキシジル」などの治療薬は医薬品であり、「発毛(新しい髪を生やす)」効果が国から承認されています。

また、クリニックでは医師が診察した上で、一人ひとりの原因や症状に合わせた薬を処方します。根本的な改善を目指すのであれば、専門医の診断のもとで治療を受けるほうがおすすめです。

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