頭の吹き出物ができると、かゆみや痛みを伴うだけでなく、髪の毛の隙間から赤く目立ってしまい、人目が気になってつらいと感じる方も少なくありません。
頭の皮膚にできものがある状態が続くと、抜け毛につながるのではと心配になる場合もあるでしょう。
この記事では、頭の赤いできものや頭の吹き出物の原因から対処法、そして医療機関で行う治療法まで幅広く解説します。根本的な改善を目指す際の指針になれば幸いです。
頭皮の吹き出物とは
頭皮に生じるニキビや赤いできものは、皮脂分泌が活発な頭皮で発症しやすいトラブルです。髪の毛に覆われているため見えにくい反面、ブラッシング時やシャンプー時に痛みを感じて初めて気づくこともあります。
原因は皮脂や汚れの蓄積、毛穴の詰まりなどさまざまです。頭皮環境が乱れると髪の成長にも影響するため、早期に対処することが重要です。
頭皮の吹き出物の基本的な特徴

頭皮にできるニキビや吹き出物は、毛包や皮脂腺が炎症を起こしている状態がほとんどです。頭の吹き出物の特徴としては、下記のような点が挙げられます。
- かゆみや痛みを伴うことが多い
- 赤みが強く、触れると刺激を感じる
- 炎症が進むと膿をもつ場合がある
ニキビと吹き出物の違いはあるのか
皮膚科の観点でいう「ニキビ」は医学用語で「尋常性ざ瘡」と呼ばれ、毛穴に皮脂が詰まり、アクネ菌が増殖して炎症を起こしたものを指します。
一方で「吹き出物」は一般的に大人になってからできるニキビのような症状を指すことが多いです。ただし、頭皮の場合は区別があいまいであるため、本記事では両方を総称して扱います。
毛嚢炎との違い
頭皮の赤いできものがすべてニキビというわけではありません。毛嚢炎は毛穴の奥が細菌によって感染し、化膿することで発生します。
頭皮ではニキビと毛嚢炎が混在しやすいため、見分けがつきにくいこともあるでしょう。悪化すると痛みが激しくなるため、短期間で改善しない場合は医師の診察を検討してください。
病院へ行く目安
数日から1週間ほどケアを行っても痛みや赤みが引かない場合や、膿をもつ、複数個所に広がるなどの症状が見られる場合は、早めにクリニックを受診することが大切です。
市販薬での対応が難しいほど悪化した場合、治療期間も長引く傾向があります。放置すると頭皮環境が乱れ、脱毛のリスクも高まります。
頭皮の吹き出物が生じたときにチェックしたい主な症状
| 症状 | 状態例 | 受診を検討する目安 |
|---|---|---|
| 赤みのみ | 軽度のかゆみや痛み | 1週間ほどセルフケアで改善しない |
| 膿をもつ | 痛みが強く、触るとじんじんする | 2~3日たっても痛みが増す |
| 広範囲に及ぶ | 頭全体にいくつも発生 | 強いかゆみが続き、頭皮がベタつく |
頭皮の吹き出物の原因

頭皮は皮脂腺が多く、外部刺激にもさらされやすい部位です。頭皮の吹き出物の原因はいくつかあり、生活習慣や頭皮ケアの方法に大きく左右されます。
過剰な皮脂分泌
皮脂が過剰に分泌されると、毛穴が詰まりやすくなります。特に脂質の多い食事やホルモンバランスの乱れ、ストレスなどによって皮脂量が増えることが知られています。
頭の吹き出物の原因のひとつとして、食事やホルモンの影響は見逃せません。
不適切なヘアケア
洗浄力が強すぎるシャンプーを使うと頭皮が刺激を受け、乾燥を補おうと皮脂が過剰に分泌される可能性があります。
一方で洗浄力が弱すぎたり、すすぎが不十分だったりすると、汚れやシャンプー剤が毛穴に残って炎症を起こしやすくなります。
頭皮の蒸れや外部刺激
帽子の長時間着用や汗をかいた状態を放置すると頭皮が蒸れ、雑菌が繁殖しやすくなります。湿度が高い環境で長時間過ごすことも頭の赤いできものの発生リスクを高めます。
さらにヘアスタイリング剤のつけ過ぎや整髪料の洗い残しも負担になります。
ストレスや生活習慣の乱れ
睡眠不足や過度なストレスはホルモンバランスを乱し、皮脂分泌を増やしたり、免疫力を低下させたりします。食生活では糖質や脂質が多いメニューばかりとると皮脂の分泌量が増加しやすくなるので注意が必要です。
頭皮の吹き出物が発生しやすい要因の一覧
| 原因 | 具体的な内容 | 主な影響 |
|---|---|---|
| 過剰な皮脂分泌 | 脂質や糖質の過多、ホルモンバランスの乱れ | 毛穴が詰まりやすくなる |
| ヘアケアの問題 | 洗浄力の強すぎるシャンプー、すすぎ不足 | 乾燥や汚れの残留で炎症リスク上昇 |
| 蒸れや外部刺激 | 帽子の長時間使用、スタイリング剤の洗い残し | 雑菌繁殖や刺激によるトラブル |
| 生活習慣の乱れ | 睡眠不足、栄養バランスの崩れ、ストレス | 免疫力低下、皮脂増加 |
頭皮の吹き出物が与える影響
頭皮の吹き出物が長引くと、単に見た目や痛みの問題だけでなく、抜け毛や髪のボリュームダウンにつながる可能性があります。
また精神的ストレスも増えるため、日常生活の質が落ちることもあるでしょう。
抜け毛や薄毛への影響
頭皮の吹き出物が毛根付近に炎症を起こすと、髪の成長に悪影響が出ることがあります。炎症が続くと毛根にダメージが加わり、薄毛を助長するケースもあるため、軽視できません。
精神的ストレスの増加
頭の皮膚にできものがあると、シャンプーやブローのたびに痛みや違和感を感じる方もいます。これが積み重なるとストレスが蓄積し、さらにホルモンバランスを乱す悪循環に陥ることもあります。
生活の質の低下
頭皮のかゆみや痛みが続くと睡眠が妨げられ、日中の集中力が落ちることがあります。頭皮状態の不調が続くと仕事や学業に支障が出るだけでなく、人前で髪をかき上げるのも憚られるなどの心理的負担も増えます。
頭皮トラブルが原因で生じる可能性のある影響
| 影響の種類 | 具体的内容 | 補足説明 |
|---|---|---|
| 抜け毛の増加 | 炎症が毛根を弱らせる | 長期間の炎症放置は薄毛リスクを高める |
| ストレス増加 | 痛みや見た目への不安 | ストレスで皮脂分泌がさらに増加 |
| 集中力低下 | かゆみや痛みに気を取られる | 睡眠不足が重なるとさらに悪化 |
早期対策の重要性
症状が軽いうちに適切なケアや治療を行うことで、頭皮環境を整えやすくなります。早期に対処すれば吹き出物による抜け毛やさらに深刻な炎症を防ぐことが期待できます。
自宅でできるケアと注意点

頭皮の吹き出物がある程度軽度であれば、日常的なケアの見直しによって改善が見込める場合があります。シャンプーや生活習慣を見直し、頭皮の清潔と保湿を意識すると炎症が収まりやすくなるでしょう。
シャンプー選びと洗髪方法
洗浄力が高すぎるシャンプーは頭皮を乾燥させ、皮脂を過剰に分泌させるリスクがあります。かといって、洗浄力が極端に弱いタイプだと汚れが落ちきらず、毛穴詰まりの原因になります。
自分の頭皮の状態に合ったシャンプーを選び、指の腹でやさしく揉むように洗うことが大切です。洗髪後はしっかりとすすぎ、髪や頭皮にシャンプー成分を残さないように気をつけましょう。
ドライヤーの使い方
濡れた状態の髪を長時間放置すると、頭皮が蒸れて雑菌が繁殖しやすくなります。シャンプー後はすぐにドライヤーで髪と頭皮を乾かすことが大切です。
ただし、高温で一気に乾かすと頭皮に負担がかかるため、髪から一定の距離を保ち、適度な温度と風量で乾かしてください。
生活習慣の見直し
食事では野菜やたんぱく質をバランスよく摂取することが重要です。糖質や脂質の多い食事を控え、適度な運動や十分な睡眠を確保することでホルモンバランスを整えましょう。
ストレスを減らす工夫も頭皮の吹き出物ケアに役立ちます。
セルフケアの注意点
自己判断で市販薬を使う際には、患部の状態をよく観察してください。赤みや膿を持つ状態が続く場合は、早期に医療機関を受診することが大切です。
繰り返し悪化しやすい場合は根本的な原因を診断してもらいましょう。
自宅ケアを行う際に意識したいポイント
- シャンプー前にブラッシングして髪の絡みや汚れを浮かせる
- シャンプーはよく泡立ててから頭皮を洗う
- 洗髪後はなるべく早くドライヤーで乾かす
- ドライヤーの風は頭皮に近づけすぎない
- 枕カバーやタオルは常に清潔なものを使う
自宅ケアで取り入れたい改善要素と期待できる効果
| 改善要素 | 主な内容 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| 洗髪方法 | 優しく、しっかりすすぐ | 頭皮への刺激軽減、毛穴詰まり予防 |
| ドライヤーの活用 | 速やかに適度な温度で乾かす | 雑菌の繁殖抑制、蒸れ防止 |
| 食事の見直し | 野菜・たんぱく質のバランスを重視 | 皮脂分泌の正常化、免疫力維持 |
| ストレスケア | 適度な運動や趣味の時間確保 | ホルモンバランスの安定 |
クリニックで行う治療法

頭の吹き出物が長期化している、または広範囲に広がっている場合は、医療機関での治療が必要です。医師の診断に基づいた薬剤や処置が行われるため、根本的な改善が期待できます。
外用薬や内服薬
炎症が強い場合は抗生物質の外用薬や内服薬が使われることがあります。炎症を抑えながら、細菌の増殖を防ぐことで頭皮環境を整えます。ビタミン剤や漢方薬が補助的に処方される場合もあります。
ケミカルピーリングやレーザー治療
毛穴の詰まりを改善するために、頭皮に対するピーリングやレーザーを用いた治療を行うことがあります。ピーリングは古い角質を除去し、毛穴の通りを良好に保つ効果が期待できます。
レーザー治療は、炎症部分をピンポイントで治療して炎症を和らげるアプローチです。
スカルプケアや頭皮マッサージ
医療機関や専門のサロンでは、頭皮の状態に合わせたスカルプケアを受けることができます。毛穴の汚れを落としながら血行を促進し、頭皮の新陳代謝を高めることを目指します。
頭の吹き出物が気になる方には、医師や専門スタッフに相談しながら頭皮マッサージを行うのも一案です。
クリニックでの治療期間と費用
症状の軽重によって必要な治療期間は異なります。軽度の場合は数週間程度で改善が見られることがありますが、重症化していると数か月以上継続的なケアが求められるケースもあります。
費用は保険適用か自由診療かによって大きく異なりますので、治療前にクリニックでよく確認してください。
代表的なクリニックでの治療方法と概要
| 治療方法 | アプローチ | 特徴 |
|---|---|---|
| 外用薬・内服薬 | 抗生物質やビタミン剤 | 炎症を抑え、皮脂分泌をコントロール |
| ケミカルピーリング | 頭皮の角質ケア | 毛穴詰まり改善やターンオーバー促進 |
| レーザー治療 | 炎症部分を集中的に照射 | 炎症軽減や殺菌効果 |
| スカルプケア | 専門スタッフが頭皮を洗浄・マッサージ | 血行促進や皮脂除去 |
AGAとの関連性
男性型脱毛症(AGA)と頭皮の吹き出物は別の症状ですが、頭皮環境を乱すという点で共通する部分もあります。頭の吹き出物が多発すると頭皮が炎症を起こし、AGAの症状を悪化させる可能性も考えられます。
頭皮環境と毛周期
髪の成長サイクルである毛周期(成長期、退行期、休止期)は頭皮環境に大きく左右されます。皮膚が炎症を起こしていると成長期が短縮されることがあり、十分に成長する前に抜けてしまうリスクが高まります。
炎症による脱毛促進
頭皮の吹き出物が重度になると、炎症が毛根や周囲の組織にダメージを与えます。毛根が弱ると、AGAの進行速度が速まる可能性があります。
つまり、ただでさえヘアサイクルが乱れているAGA患者の場合、吹き出物がさらなる脱毛を助長する場合があります。
AGA治療と並行した頭皮ケアの重要性
AGA治療を受けている方は、育毛剤や内服薬などでヘアサイクルの改善を目指しているケースが多いでしょう。ただし、頭の吹き出物を放置していると十分な効果を得にくい可能性があります。
AGA治療と並行して頭皮ケアを行い、皮脂や汚れのコントロールを徹底することが大切です。
AGA治療に用いられる治療薬一覧
| 治療薬 | 主な効果 | 特徴 |
|---|---|---|
| フィナステリド系 | DHTの抑制 | 内服することで抜け毛を抑制 |
| デュタステリド系 | 5α還元酵素を幅広く阻害 | AGA進行速度の抑制効果を期待 |
| ミノキシジル外用薬 | 血流促進 | 頭皮に直接塗布し毛根の栄養をサポート |
| ミノキシジル内服薬 | 血管拡張 | 全身から頭皮へ血流を行き渡らせる |
予防と再発防止のポイント
頭の吹き出物の原因を理解し、適切な対処を行っていても、日常の些細な行動や生活習慣で再発する場合があります。定期的なケアや生活習慣の見直しで再発リスクを下げましょう。
正しいシャンプーと保湿
シャンプーの選び方や洗い方を見直すことは効果的です。加えて、頭皮用の保湿ローションを活用するなど、頭皮が乾燥しすぎないようにする工夫が必要です。
脂性肌の方でも、洗いすぎは逆効果になることがあります。
清潔な寝具やタオルの使用
寝具やタオルは直接頭皮と接触するため、雑菌が繁殖している環境だと吹き出物が悪化するケースがあります。定期的に洗濯・交換して清潔を保つと再発のリスクを軽減できます。
食習慣とストレス管理
ビタミンやミネラルが豊富な食事を心がけ、皮脂分泌をコントロールしやすい体内環境をつくることが頭皮のケアにおいて大切です。
また、ストレスはホルモンバランスを乱す要因になるため、適度な休息やリラクゼーションを取り入れてみてください。
再発防止のために取り入れたい習慣
- 定期的な頭皮チェックを行う
- シャンプー後はしっかり乾かす習慣をつける
- 栄養バランスのとれた食事を意識する
- 十分な睡眠時間を確保してホルモンバランスを整える
再発を防ぐために注目したい生活習慣の例
| 生活習慣 | ポイント | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 頭皮チェック | フケや赤みを早期発見 | 早期対策で吹き出物の増加を防ぐ |
| シャンプー後の速やかな乾燥 | 蒸れや雑菌繁殖を避ける | 炎症やニオイの予防 |
| バランスの良い食事 | ビタミン・ミネラル・たんぱく質を意識 | 皮脂分泌の安定、髪の成長サポート |
| リラックス習慣 | ストレス緩和 | ホルモンバランスの維持 |

FAQ
頭皮の吹き出物については、多くの方が日々のケアや治療法に関して疑問を感じています。よくある質問をまとめましたので、参考にしてください。
- 頭皮に吹き出物があるときに使うシャンプーはどう選べばいいですか?
-
刺激が少なく、保湿成分が配合されているシャンプーが向いています。
乾燥肌なのに洗浄力の強いものを使うと皮脂が余計に分泌され、脂性肌なのに洗浄力が弱すぎると汚れが落ち切らないなど、頭皮タイプとシャンプーのミスマッチが問題を引き起こしやすいため、頭皮の状態に合わせた製品を選んでください。
- 頭の吹き出物を隠すために帽子をかぶっても大丈夫でしょうか?
-
短時間なら問題ありませんが、長時間の着用は頭皮が蒸れて雑菌が繁殖しやすくなります。
通気性の良い帽子を選び、こまめに外して頭皮を清潔に保つと安心です。汗をかいたらすぐにタオルで拭くなどの対策も心がけましょう。
- シャンプー前のブラッシングは必要ですか?
-
髪表面のホコリやフケを浮かせる効果があり、シャンプー時の泡立ちを良くしてくれます。頭皮を傷つけないようにやさしくブラッシングすれば、毛穴の汚れが落ちやすくなるメリットもあります。
- 頭皮の吹き出物を予防するためにサプリメントは有効ですか?
-
ビタミンB群やビタミンC、亜鉛など、肌や髪の健康をサポートする成分を補給するのは一案です。
ただし、サプリだけで根本的に解決することは難しいため、あくまでも食事や睡眠など生活習慣の補助として捉えてください。症状が長引く場合は医師の診察を受けることをおすすめします。
以上
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