男性型脱毛症対策として、近年「ウーロン茶」が科学的な観点から注目を集めており、含有成分による5αリダクターゼの抑制効果が期待されています。
この効果について、最新の研究結果から明らかになった科学的根拠と、実際の効果的な摂取方法について、専門家の立場から詳しく説明します。
日々の生活に取り入れやすいウーロン茶による薄毛対策についての可能性と、正しい活用法を紹介していきます。
この記事を書いた医師

内科総合クリニック人形町 院長
- 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
- 東京大学医学部保健学科および横浜市立大学医学部を卒業
- 東京大学付属病院や虎の門病院等を経て2019年11月に当院を開業
最寄駅:東京地下鉄 人形町駅および水天宮前駅(各徒歩3分)
5αリダクターゼとは?男性型脱毛症との関係性
5αリダクターゼは男性型脱毛症(AGA)の発症メカニズムにおいて中心的な役割を担う酵素であり、テストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)へと変換する働きを持っています。
体内での5αリダクターゼの役割と働き
5αリダクターゼは人体において、性ホルモンの代謝に重要な役割を果たす酵素として知られています。
| 酵素タイプ | 主な作用部位 |
|---|---|
| 1型 | 皮脂腺、肝臓 |
| 2型 | 前立腺、毛根 |
この酵素は、男性ホルモンの一種であるテストステロンを、より強力な作用を持つジヒドロテストステロン(DHT)へと変換する触媒として機能しています。
体内には複数のタイプの5αリダクターゼが存在しており、それぞれが特定の組織や器官で独自の働きを示すことが医学的研究によって判明しています。
男性の成長過程における二次性徴の発現において、5αリダクターゼは性器の発達や体毛の成長パターンの形成に関与する重要な因子となっています。
生殖器の発達期において、この酵素は前立腺や精巣などの組織で活発に働き、正常な性的発達を支える生理学的メカニズムの一端を担っているのです。
テストステロンからDHTへの変換メカニズム

テストステロンからDHTへの変換過程は、体内で絶えず行われている精緻な生化学反応の一つとして位置づけられています。
| 変換過程 | 必要な補酵素 |
|---|---|
| 還元反応 | NADPH |
| 異性化 | 補酵素A |
5αリダクターゼは、テストステロン分子の特定の部位に作用し、化学構造を変化させることでDHTを生成します。
この変換プロセスにおいて、補酵素NADPHが電子供与体として機能し、反応の進行を促進する役割を持っています。
生成されたDHTは、アンドロゲン受容体との親和性がテストステロンの約5倍高く、より強力な男性ホルモン作用を示すことが特徴です。
薄毛の進行における5αリダクターゼの影響
遺伝的に感受性の高い毛包では、過剰なDHT産生により毛周期の短縮化が引き起こされることが判明しています。
- 毛包の小型化
- 毛髪の細径化
- 成長期の短縮
- 休止期の延長
- 毛根の萎縮
DHT過剰による毛包へのダメージは、時間の経過とともに蓄積され、最終的には毛包の機能不全をもたらす結果となります。
この過程で、毛包を取り巻く微小環境の変化や血流の低下なども相まって、薄毛の進行が加速することが医学的に確認されています。
遺伝的要因と5αリダクターゼの関連性
AGAにおける遺伝的素因は、5αリダクターゼの活性レベルや、アンドロゲン受容体の感受性に影響を及ぼすことが明らかになっています。
家族歴のある患者さんにおいては、遺伝子多型によって5αリダクターゼの活性が通常よりも高くなる傾向が認められています。
この遺伝的背景により、一部の人々では比較的若い年齢からAGAの症状が顕在化することがあり、早期からの対策が必要です。
アンドロゲン受容体遺伝子の変異は、5αリダクターゼによって生成されたDHTへの感受性を高め、結果としてAGAの発症リスクを上昇させる要因となっています。
ウーロン茶による5αリダクターゼ対策効果
発毛や育毛に関心を持つ方々の注目を集めているウーロン茶の5αリダクターゼへの作用について、茶葉に含まれる有効成分が頭皮環境の改善に寄与するという研究結果から、現代の育毛ケアの新たな選択肢として期待が高まっています。
ウーロン茶に含まれる有効成分の特徴

ウーロン茶に含まれるカテキン類やテアフラビン、テアルビジンなどのポリフェノール成分は、体内での強力な抗酸化作用に加えて、頭皮環境の改善にも深く関与していることが、明らかになってきています。
中でもEGCG(エピガロカテキンガレート)は、茶葉中に最も多く含まれる機能性成分として注目されており、5αリダクターゼの働きに影響を与えることが、複数の研究機関から報告されてきました。
| 成分名 | 主な特徴 | 作用機序 |
|---|---|---|
| EGCG | 抗酸化作用が強く、5αリダクターゼに作用 | 酵素活性の制御 |
| テアフラビン | 血行促進効果があり、頭皮環境を整える | 微小循環の改善 |
| テアルビジン | 抗炎症作用により、頭皮の健康維持に寄与 | 炎症反応の抑制 |
ウーロン茶に特徴的な発酵過程で生成される成分群は、緑茶や紅茶とは異なる独自の生理活性を示すことが、生化学的な解析によって確認されており、成分が相互に作用することで、より効果的な頭皮環境の改善につながると考えられます。
臨床研究から見る抑制効果の可能性
生化学的および細胞生物学的な実験結果から、ウーロン茶に含まれる特定の成分群が5αリダクターゼの活性を抑制する作用メカニズムを持つことが示されています。
| 評価項目 | 研究結果の概要 | 信頼性レベル |
|---|---|---|
| 酵素阻害活性 | 顕著な抑制効果 | 高 |
| 細胞応答性 | 用量依存的な反応 | 中~高 |
| 安全性評価 | 問題なし | 高 |
他の育毛成分との相乗効果
ウーロン茶に含まれる生理活性成分は、既存の育毛有効成分と組み合わせることで、それぞれの特性を活かしながら、より包括的な育毛ケアを実現できる可能性が示唆されています。
特に血行促進作用を持つ育毛製品との併用では、各有効成分の浸透性が向上し、より効果的な頭皮環境の改善が期待できます。
期待できる副次的な健康効果
ウーロン茶の継続的な摂取は、育毛効果に加えて、全身の健康維持にも良好な影響を与えることが示されており、特に抗酸化作用による細胞レベルでの健康維持や、自律神経系のバランス調整にも貢献することが分かっています。
日々の生活習慣に自然な形で取り入れられる特徴を持つウーロン茶は、身体的な効果に加えて、リラックス効果やストレス軽減といった心理的な側面からも、総合的な健康維持に寄与する飲み物です。
毎日の生活に取り入れる!ウーロン茶の正しい飲み方と注意点
ウーロン茶の効果的な摂取方法とただしい飲用量について詳しく説明します。
飲用のタイミングと1日の摂取量

| 飲用タイミング | 推奨量 |
|---|---|
| 食前 | 200-300ml |
| 食後 | 150-250ml |
| 就寝前 | 100-200ml |
ウーロン茶の摂取タイミングは、体内での吸収効率と密接な関係があり、一日の生活リズムに合わせた飲用計画を立てることで、より効果的な成分の吸収が期待できることが明らかになっています。
食事の30分前に適量のウーロン茶を摂取することで消化酵素の分泌が促進され、栄養素の吸収がスムーズになるという研究結果が示されており、特に脂質の代謝促進効果が注目されています。
午前中の飲用では、体内のホルモンバランスが活発な時間帯であることに加え、カテキン類の吸収率が比較的高いことから、1回あたり300ml程度を目安に摂取することで、より効率的な成分の取り込みを実現できます。
夕方以降の摂取については、カフェインの影響を考慮して就寝3時間前までに控えめな量で飲用し、特に就寝前の過度な摂取は質の良い睡眠を妨げる要因となる点に注意が必要です。
効果を最大限引き出す淹れ方のコツ

茶葉の選定から水温、浸出時間まで、それぞれの細かな要素が相互に影響し合ってウーロン茶の品質を決定づけており、これらの要素をコントロールすることで、有効成分を最大限に引き出すことが可能です。
| 水温 | 浸出時間 |
|---|---|
| 90-95℃ | 30-60秒 |
| 85-90℃ | 60-90秒 |
- 茶葉は酸化を防ぐため密閉容器で保存し、開封後は風味の劣化を防ぐため1ヶ月以内に使用するのが理想的
- 茶葉の量は湯量の2-3%を目安に計量し、過度な渋みの出るのを防ぐ
- 急須は熱伝導率の適度な陶器製を使用し、温度管理を意識する
- 浸出後は茶葉を完全に取り除き、余分な渋みの出るのを防止する
一煎目は90℃前後の湯で30秒程度蒸らすことにより、カテキン類やテアニンといった有効成分を効率的に抽出できることが分かっており、この温度帯での抽出は苦みと旨味のバランスが最も取れやすいです。
二煎目以降は温度を少し下げて85℃程度とし、浸出時間を60-90秒に延ばすことで、一煎目とは異なる成分バランスの味わいを楽しむことができ、より多様な有効成分を摂取することが可能となります。
継続摂取における注意事項
長期的な摂取を考えた際には、単なる飲用量だけでなく体調管理と併せて定期的なモニタリングを行うことが重要であり、胃腸の調子や睡眠質などの変化には注意が必要です。
空腹時の過度な摂取は胃酸の分泌を促進し、胃部不快感を引き起こす原因となるため、適度な量と時間帯を守った飲用を心がけることが、長期的な継続摂取のポイントとなります。
医薬品を服用している方は、ウーロン茶に含まれるポリフェノール類やカフェインなどの成分との相互作用に注意を払う必要があり、服用している薬剤の種類によっては医師への事前相談を行ってください。
過剰摂取のリスクと対策
カフェインの過剰摂取は、不眠や心悸亢進、胃部不快感といった様々な症状を引き起こす可能性があるため、1日の摂取量には十分な注意が必要であり、特に自身のカフェイン感受性を把握することが重要です。
体質や体調によって反応は個人差が大きく、特に妊娠中の方や胃腸が敏感な方、カフェインに敏感な方は、少量から始めて徐々に量を調整していくなど、より慎重な対応が求められます。
利尿作用による水分バランスの乱れを防ぐため、ウーロン茶の飲用と適切な水分補給をバランスよく組み合わせることが大切であり、特に運動時や気温の高い季節には、より意識的な水分管理が必要となります。

参考文献
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