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5αリダクターゼを抑制する飲み物の効果と摂取タイミングを解説

5αリダクターゼを抑制する飲み物の効果と摂取タイミングを解説

5αリダクターゼは、男性型脱毛症(AGA)の原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)の生成に深く関与する重要な酵素です。

近年の研究により、日常的に摂取している様々な飲み物に、この5αリダクターゼの働きを抑制する効果があることが明らかになってきました。

本記事では、薄毛予防に効果的な飲み物の種類や最適な摂取タイミング、さらには効果を高めるための生活習慣まで、科学的根拠に基づいて詳しく説明します。


この記事を書いた医師

内科総合クリニック人形町 院長 藤田 英理(総合内科専門医)
Dr. 藤田 英理

内科総合クリニック人形町 院長

  • 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
  • 東京大学医学部保健学科および横浜市立大学医学部を卒業
  • 東京大学付属病院や虎の門病院等を経て2019年11月に当院を開業

最寄駅:東京地下鉄 人形町および水天宮前(各徒歩3分)

目次

5αリダクターゼを抑制する代表的な飲み物

5αリダクターゼの働きを抑制する効果が科学的に確認された飲み物について、作用の仕組みと正しい摂取方法を紹介します。

緑茶に含まれるEGCGの働き

緑茶に含まれるEGCG(エピガロカテキンガレート)は強力な抗酸化作用を持つポリフェノールの一種で、5αリダクターゼの活性を直接抑制する働きを持つことで、テストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)への変換を制御することが、複数の研究によって明らかになっています。

お茶の成分の中でもEGCGは水溶性が高く、飲用時の吸収率が優れているので、特性を活かすために温かい状態での摂取が推奨されています。

緑茶カテキンの中でも、EGCGは5αリダクターゼ阻害作用が強く、1日3-4杯の継続的な摂取により、頭皮環境の改善に寄与することが臨床研究により示されました。

抽出温度カテキン抽出率
80度以上90%以上
60-70度70-80%
40度以下50%以下

ザクロジュースの5αリダクターゼ阻害効果

ザクロジュースに豊富に含まれているエラグ酸やプニカラギン(ポリフェノールの一種)は、5αリダクターゼの働きを抑制するだけでなく、頭皮の血行促進効果も持ち合わせてます。

エラグ酸やプニカラギンは熱に対して安定性が高く、常温保存でも長期間効果を維持できることから、日常的な摂取が容易です。

摂取のタイミングについては、朝食時または運動前後の空腹時の摂取が最も効果的とされており、この時間帯に200ml程度を目安として飲用することで、有効成分の吸収率を最大限に高められます。

赤ワインに含まれるレスベラトロールの効果

ブドウの果皮に多く含まれる抗酸化成分であるレスベラトロールは、5αリダクターゼの活性を抑制する作用を持つと同時に、毛根細胞の活性化にも寄与することが複数の研究により確認されています。

レスベラトロールの吸収率は食事、特に脂質を含む食事と一緒に摂取することで大幅に向上し、夕食時に適量(約120ml)を摂取することで、最も効果的に有効成分を体内に取り入れることが可能です。

また、ノンアルコールワインにもレスベラトロールは含まれているため、同様の効果が期待できることが研究により示されています。

豆乳に含まれる植物性エストロゲンの作用

豆乳に含まれる大豆イソフラボン(ゲニステインとダイゼイン)は植物性エストロゲンで、穏やかに5αリダクターゼの活性を抑制しながら、テストステロンからDHTへの変換を効果的にコントロールできます。

  • 豆乳200ml中のイソフラボン含有量 約25-30mg
  • 1日の推奨摂取量 200-300ml
  • 継続摂取による期待効果 3-6ヶ月程度
  • 効果的な摂取タイミング 朝食時

豆乳の摂取は朝食時が最も効果的で、空腹時に200-300mlを目安として飲用することで、イソフラボンの吸収率を最大限に高められ、3-6ヶ月程度の継続的な摂取により、効果が期待できることが分かってきました。

飲み物名主な有効成分推奨摂取目安
緑茶EGCG3-4杯
ザクロジュースエラグ酸200ml
赤ワインレスベラトロール1杯程度
豆乳イソフラボン200-300ml

効果を引き出す飲み物の摂取タイミングと1日の目安量

5αリダクターゼの活性を抑制する飲み物は、摂取するタイミングによって効果の差が生じます。

空腹時の摂取で高まる吸収率

消化管内に食物がない空腹時は、胃酸の分泌量が増加して消化管の働きが活発になることにより、栄養素や機能性成分の吸収率が通常よりも高いです。

夫婦くじには有効成分を効率的に体内へ取り込むことができ、特に午前中では体内の代謝機能が活発化している時間帯であることから、最も高い吸収効率を期待できます。

空腹時の特徴吸収への影響
胃酸分泌量増加
消化管活性上昇
栄養素吸収促進
代謝効率向上

5αリダクターゼを抑制する成分を含む飲み物を空腹時に摂取すると、有効成分の吸収率は食後に比べて約1.5倍から2倍程度上昇します。

就寝前の適量摂取のメリット

夜間における成長ホルモンの分泌量増加は体内の様々な代謝プロセスに影響を与え、就寝前の飲み物摂取は、夜間の成長ホルモン分泌と同調することで5αリダクターゼの抑制効果を相乗的に高める働きがあることが明らかになっています。

就寝前摂取体内変化
ホルモンバランス調整
新陳代謝活性化
組織修復促進
酵素活性最適化

就寝2時間前から30分前までの時間帯が最も効果的な摂取タイミングで、この時間帯に摂取することで朝まで十分な時間をかけて有効成分が作用します。

深夜帯の摂取は睡眠の質を低下させる原因となり得るため避けるべきであり、加えて就寝直前の多量の水分摂取は夜間の頻尿につながることから、正しい量を守ることが重要です。

朝一番の摂取による代謝促進効果

起床直後の体内では夜間の絶食状態から活動モードへの切り替えが行われており、代謝が最も活性化しやすい状態にあることから、朝一番の摂取により1日の代謝リズムを整え、5αリダクターゼの抑制効果を持続的に維持できます。

  • 朝一番の水分補給による代謝活性化と体内時計の調整効果
  • ホルモンバランスの最適化と酵素活性の向上
  • 栄養素吸収率の上昇と代謝効率の改善
  • 自律神経系の活性化とストレス軽減
  • 体温調節機能の向上と血行促進

体温が上昇し始める朝の時間帯に適温の飲み物を摂取することにより、より効率的な成分吸収が促進され、同時に体内時計のリセットにも効果的に働きかけます。

過剰摂取を防ぐ1日の推奨量

機能性飲料の過剰摂取は期待する効果を得られないばかりか体調不良を引き起こす原因となることがあり、5αリダクターゼを抑制する飲み物であっても正しい量を守ることが効果を最大限に引き出すポイントです。

1日の摂取目安量は個人の体格や生活習慣によって若干の差異が生じますが、朝・昼・夕の3回に分けて摂取することをお勧めしており、この習慣を継続することで安定した効果を期待できます。

飲み物による5αリダクターゼ抑制効果を高める生活習慣

5αリダクターゼの抑制効果を最大限に引き出すためには、良質な睡眠、ストレス管理、適度な運動を組み合わせることが大切です。

規則正しい睡眠習慣の重要性

睡眠サイクルとホルモンバランスには密接な関係があり、成長ホルモンの分泌量は深い睡眠時間と質に大きく左右されることが、多くの研究により明らかになっています。

睡眠の段階主な生理作用
深睡眠期成長ホルモン分泌
レム睡眠期記憶の定着・整理
浅睡眠期身体の休息

質の高い睡眠を確保するためには、就寝時刻と起床時刻を一定に保ち、体内時計のリズムを整えることが睡眠の質を向上させる鍵で、5αリダクターゼの活性を自然に抑制することにつながります。

深い睡眠を得るためには、就寝前のブルーライト への露出を制限し、寝室の温度を18-22度に保ち、適度な運動を日中に行うことで、睡眠の質を著しく改善することが可能です。

  • 就寝2時間前からの電子機器使用を控える
  • 寝室の温度を18-22度に設定
  • 就寝時刻を一定に保つ
  • 朝日を浴びて体内時計をリセット
  • 夕食は就寝3時間前までに済ませる

ストレス管理によるホルモンバランスの維持

慢性的なストレスは、コルチゾールというストレスホルモンの分泌を増加させ、5αリダクターゼの活性を促進することで、DHT(ジヒドロテストステロン)の産生を加速させます。

ストレス管理法期待される効果
深呼吸副交感神経の活性化
瞑想コルチゾール低下
ヨガ自律神経の安定化

ストレス管理の方法として、定期的な運動やリラクゼーション技法の実践、十分な休息時間の確保などが有効で、日常生活に組み込むことで、ホルモンバランスの安定化を図れます。

心身の緊張を和らげるためには、1日10分程度の瞑想や深呼吸練習を取り入れることで副交感神経が優位になり、ストレスホルモンの分泌を抑制できます。

適度な運動習慣との組み合わせ

適度な運動は血液循環を促進し、頭皮への栄養供給を改善するだけでなく、テストステロンの分泌バランスを整えることで、5αリダクターゼの過剰な活性化を防ぐ効果があります。

有酸素運動と無酸素運動をバランスよく組み合わせることで、ホルモンバランスの適正化と血行促進の相乗効果が得られ、飲み物による5αリダクターゼ抑制効果をさらに高めるられます。

運動強度は中程度(心拍数の60-70%)を目標とし、週に3-4回、1回30-45分程度の継続的な実施が理想的です。

参考文献

Sadgrove NJ. The new paradigm for androgenetic alopecia and plant-based folk remedies: 5α-reductase inhibition, reversal of secondary microinflammation and improving insulin resistance. Journal of ethnopharmacology. 2018 Dec 5;227:206-36.

Asnaashari S, Javadzadeh Y. Herbal Medicines For Treatment of Androgenic Alopecia. Alternative Therapies in Health & Medicine. 2020 Jul 1;26(4).

Chislett B, Chen D, Perera ML, Chung E, Bolton D, Qu LG. 5-alpha reductase inhibitors use in prostatic disease and beyond. Translational Andrology and Urology. 2023 Mar 3;12(3):487.

Zhang B, Zhang RW, Yin XQ, Lao ZZ, Zhang Z, Wu QG, Yu LW, Lai XP, Wan YH, Li G. Inhibitory activities of some traditional Chinese herbs against testosterone 5α-reductase and effects of Cacumen platycladi on hair re-growth in testosterone-treated mice. Journal of Ethnopharmacology. 2016 Jan 11;177:1-9.

Akbarnejad, F., 2023. The Role of Green Tea (Camellia sinensis) in the Management of Androgenetic Alopecia (AGA): A Review.

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