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遺伝子検査で見つける、あなたに合った薄毛治療 – 無駄な時間を省く効率的なAGAケアとは

なぜ、同じAGA治療なのに、効果に大きな個人差が出るのでしょうか?

その答えは、私たち一人ひとりの遺伝子の違いにあります。薄毛の原因となる遺伝子パターンには実に27種類もの組み合わせが存在し、それぞれのパターンによって効果的な治療方法が異なってきます。

つまり、無駄な時間をかけずに最短で発毛を目指すには、あなたに合った治療法を見つけることが大切なのです。

遺伝子検査に基づくAGA治療法では、AGAの発症に関わる3つの重要な遺伝子を詳しく分析することで、あなたの体質に合った方法で治療をスタートすることが可能になりました。

「この薬が効くのか」「この治療法をずっと続けていて本当に大丈夫か」という不安を解消し、確かな道筋を立てることができます。

この記事では、なぜ遺伝子検査が治療のスピードを高めるのか、どのように一人ひとりに合った治療が行われるのかについて詳しくご紹介します。

これまでの治療ではなかなか改善が感じられなかった方、これから効率的に治療を始めたい方は、ぜひご一読ください。

この記事を書いた医師

内科総合クリニック人形町 院長 藤田 英理(総合内科専門医)
Dr. 藤田 英理

内科総合クリニック人形町 院長
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
東京大学医学部保健学科および横浜市立大学医学部を卒業
東京大学付属病院や虎の門病院等を経て2019年11月に当院を開業
最寄駅:東京地下鉄 人形町駅および水天宮前駅(各徒歩3分)

目次

なぜ同じ治療法でも効果に個人差が出るのか

AGAの治療を始めると、同じ治療薬を使っているのに、ある人は効果を実感できる一方で、まったく改善が見られない人もいます。この効果の違いは、実は私たち一人ひとりが持つ遺伝的な特徴に大きく関係しています。

薄毛が進行していく原因は、男性ホルモンの影響や毛母細胞の活性状態、頭皮環境など、複数の要因が複雑に絡み合って起こります。

そして、これらの要因にどの程度影響を受けやすいかは、遺伝子によってすでに決まっているのです。

つまり、AGAの治療では「何を使うか」と同じくらい「誰が使うか」が重要なのです。従来の画一的な治療法では、この個人差に十分に対応できないケースが少なくありませんでした。

27種類存在する薄毛の遺伝子パターン

薄毛の原因は一人ひとり違います。そして、その違いは遺伝子のパターンによって生まれます。

AGA治療において、実際に治療を開始する前に調べるべき3つの重要な遺伝子(PAX1/FOXA2領域、EDAR、SPINK5)には、それぞれ「リスクの高さ」を示す3つのタイプがあります。

AGAリスク検査
毛髪簿弱リスク検査
頭皮トラブルリスク検査

この3つの遺伝子の組み合わせによって、実に27通りもの異なる遺伝子パターンが存在することがわかっています。

例えば、AGAのリスクが高く、毛髪が細めで、頭皮トラブルを起こしやすい方もいれば、AGAのリスクは低いものの毛髪が極端に細く、頭皮の状態は良好という方もいます。さらに、すべての要素でリスクが高めの方や、逆にすべてが標準的な方もいらっしゃいます。

私たち一人ひとりの薄毛リスクは、3つの遺伝子がそれぞれどのタイプなのかによって決まります。そのため、効果的な治療を行うためには、まずご自身の遺伝子パターンを知ることが重要です。

一般的なAGA治療の限界

従来のAGA治療では、多くの場合、患者さんの症状や進行度から画一的に治療法が選ばれてきました。

例えば、AGAと診断されれば一律に特定の濃度のフィナステリドが処方され、ミノキシジルの濃度も決まったものを使用するというケースがほとんどです。

しかし、この方法では十分な効果が得られない方が少なくありません。なぜなら、見た目の症状が同じでも、その原因は人によって大きく異なるからです。

AGA・薄毛の原因は人それぞれ違う

AGAのリスクが高くても頭皮環境が良好な方もいれば、AGAのリスクは低いのに頭皮トラブルが原因で薄毛が進んでいる方もいます。

また、同じ薬剤でも、人によって必要な投与量は変わってきます。

例えば、男性ホルモンの影響を受けやすい遺伝子を持つ方には、より強い抑制効果のある治療薬が必要かもしれません。逆に、過剰な投与は副作用のリスクを高める可能性もあります。

つまり、従来の画一的な治療法では、個々の患者さんが持つ本当の原因に対して、適した治療を行えていない可能性があるのです。現在すでに治療を行っている方で、なかなか効果が見られないのはこれが原因だと考えられます。

遺伝子検査で解明する3つの重要指標

AGAの治療効果を左右する重要な遺伝子は、実は3つに絞られることがわかっています。

男性型脱毛(AGA)のなりやすさを決めるPAX1/FOXA2領域、毛髪の太さや性質に関わるEDAR遺伝子、そして頭皮の健康状態に影響を与えるSPINK5遺伝子です。

3つの遺伝子を調べることで、あなたの薄毛の本当の原因が明らかになります。そして、検査結果を基に治療方法を選定することで、最短での発毛を目指します。

例えば、AGAの影響を強く受けやすい方なのか、もともと細い髪質なのか、それとも頭皮トラブルが原因なのか。また、これらの要因が重なっているのかどうかも、遺伝子検査ではっきりとわかります。

当院では、この3つの遺伝子それぞれの特徴を詳しく分析し、パターンを27種類に分け、あなたに適合する治療プランを組み立てていきます。

遺伝子検査に基づくAGA治療プログラムでは、この3つの遺伝子それぞれの特徴を詳しく分析し、パターンを27種類に分け、あなたに適合する治療プランを組み立てていきます。

AGAリスクを決定づけるPAX1/FOXA2領域

男性型脱毛症(AGA)の発症には、男性ホルモンが大きく関わっています。

男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)が毛根に作用することで、徐々に髪が細くなり、最終的に抜け落ちてしまうのです。

このPAX1/FOXA2領域は、まさにこの男性ホルモンの影響をどの程度受けやすいかを決定づける遺伝子です。スマートフォンでいえば、アプリの設定画面のような役割を果たしており、男性ホルモンへの感受性を調整しているのです。

検査①AGAリスクを決定づけるPAX1/FOXA2領域

遺伝子検査では、このPAX1/FOXA2領域の型を「GG型」「GA型」「AA型」の3つに分類します。

遺伝子型AGAリスク特徴推奨される治療
GG型• 男性ホルモンの影響を受けにくい
• 標準的な治療で効果が期待できる
• フィナステリド0.5mg程度の標準投与
• 予防的なアプローチが中心
GA型• やや男性ホルモンの影響を受けやすい
• 徐々に進行する可能性がある
• フィナステリド1mg程度の投与
• 定期的な経過観察が重要
AA型• 男性ホルモンの影響を強く受けやすい
• 早期から積極的な治療が推奨
• デュタステリド0.5mgなどの強めの治療
• より頻繁な経過観察と投薬調整

「GG型」の方は、比較的AGAになりにくい体質です。男性ホルモンの影響を受けづらいため、標準的な治療で十分な効果が期待できます。

一方、「GA型」の方は中程度、「AA型」の方は最もAGAのリスクが高いとされています。特に「AA型」の方の場合、男性ホルモンの影響を強く受けやすい体質のため、より積極的な治療が必要になることがあります。

この遺伝子の型によって、5αリダクターゼ阻害薬(フィナステリドやデュタステリド)の必要性や投与量が変わってきます。例えば、「AA型」の方には、より強い効果を持つデュタステリドが選択されることもあります。

ただし、この遺伝子だけで薄毛のすべてが決まるわけではありません。他の遺伝子との組み合わせや、生活習慣なども大きく影響します。そのため、遺伝子検査では他の要因も含めて総合的に判断した上で治療プランを組み立てていきます。

毛髪の性質を左右するEDAR遺伝子

毛髪の太さや性質は、実は生まれつき決まっています。その鍵を握っているのが、EDAR遺伝子です。この遺伝子は胎児の段階で毛髪の形成に深く関わり、生涯にわたって私たちの毛髪の特徴を決定づけています。

検査②毛髪の性質を左右するEDAR遺伝子

EDAR遺伝子の型は、「CC型」「CT型」「TT型」の3つに分類されます。

遺伝子型毛髪の特徴一般的な分布推奨される治療
CC型• 太くてまっすぐな毛髪
• ハリ・コシがある
• 毛髪の強度が高い
アジア人に多い• 標準的な育毛剤処方
• ミノキシジル5%程度
• 毛髪補強成分は控えめ
CT型• CC型に近い特徴
• やや細めの毛髪
• 中程度の強度
混合的な特徴• やや強めの育毛剤処方
• ミノキシジル5%程度
• 適度な毛髪補強成分
TT型• 細めの毛髪
• ボリュームが出にくい
• 毛髪の強度がやや低い
欧米人に多い• 強めの育毛剤処方
• ミノキシジル高濃度処方検討
• 毛髪補強成分を重視

「CC型」は日本人を含むアジア人に多く見られる型で、太くてまっすぐな髪質になりやすい特徴があります。この型の方は、比較的毛髪の強度が高く、ハリやコシのある髪質を保ちやすい傾向にあります。

「CT型」は中間的な特徴を持ち、どちらかというと「CC型」に近い髪質となります。ただし、「CC型」と比べると若干細めの毛髪になる傾向があります。

「TT型」は、ヨーロッパ人やアフリカ人に多く見られる型で、比較的細い毛髪になりやすい特徴があります。この型の方は、毛髪が細く、ボリュームが出にくい傾向にあるため、より手厚いケアが必要となることがあります。

EDAR遺伝子の型は、AGAの治療方針を決める上で非常に重要です。例えば、もともと細い毛髪の傾向がある「TT型」の方の場合、毛髪を太くする成分を積極的に取り入れた育毛剤を選択したり、毛母細胞の活性化を促す治療を重点的に行ったりすることで、より効果的な治療が可能になります。

また、髪質の特徴は使用するミノキシジルの濃度選択にも影響します。毛髪が細めの傾向がある方には、より高濃度のミノキシジルが必要です。

頭皮環境に影響を与えるSPINK5遺伝子

薄毛の原因は、必ずしもAGAや毛髪の性質だけではありません。健やかな髪の成長には、土台となる頭皮の健康状態が重要です。

その頭皮環境を左右する重要な要素が、SPINK5遺伝子です。

検査③頭皮環境に影響を与えるSPINK5遺伝子

SPINK5遺伝子の型は、「GG型」「GA型」「AA型」の3つに分類されます。

遺伝子型頭皮の特徴リスク傾向推奨される治療
GG型• バリア機能が安定
• 外部刺激への耐性が高い
• トラブルが起きにくい
• 標準的な育毛剤処方
• 通常の濃度設定
• 一般的な頭皮ケア
GA型• 比較的安定した状態
• 環境の影響を受けやすい
• 適切なケアが重要
• 保湿成分を適度に配合
• 穏やかな濃度設定
• こまめな頭皮ケア
AA型• 敏感な頭皮
• かゆみ・フケが出やすい
• アレルギー症状の可能性
• 低刺激処方の育毛剤
• 段階的な濃度調整
• 頭皮バリア機能強化成分重視
• 抗炎症成分の活用

「GG型」は、頭皮の健康状態を保ちやすい標準的な型です。この型の方は、頭皮のバリア機能が安定しており、外部刺激から頭皮を守る力が比較的高い傾向にあります。

「GA型」は中間的な特徴を持ち、どちらかというと標準型に近い特徴を示します。ただし、環境や生活習慣の影響を受けやすく、頭皮ケアは重要になってきます。

「AA型」は、頭皮トラブルが起こりやすい型とされています。この型の方は、頭皮が敏感で、かゆみやフケ、炎症などの症状が現れやすい傾向があります。また、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状との関連も指摘されています。

この遺伝子の型を把握することで、より効果的な頭皮ケアが可能になります。

例えば「AA型」の方には、頭皮の保湿やバリア機能を高める成分を重点的に配合した育毛剤が推奨されます。また、過度な刺激を避け、頭皮環境を整える成分を含むサプリメントの併用も検討します。

特に重要なのは、SPINK5遺伝子の型によって育毛剤の刺激強度を調整できることです。頭皮が敏感な方には、より穏やかな処方を選択し、段階的に濃度を上げていくアプローチを取ることで、頭皮への負担を最小限に抑えながら効果を引き出すことができます。

あなたの遺伝子タイプを知ることで変わる治療戦略

これまで見てきたように、薄毛に関わる3つの遺伝子にはそれぞれ異なる型が存在します。そして、この3つの遺伝子型の組み合わせによって治療法は大きく変わってきます。

AGAのリスクが高くても頭皮環境が良好な方と、AGAのリスクは低いものの頭皮トラブルが出やすい方では、まったく異なるアプローチが必要です。また、毛髪が細い傾向にある方の場合は、より丁寧な毛髪ケアが重要になってきます。

遺伝子検査に基づくAGA治療プログラムでは、27通りある遺伝子パターンそれぞれに対して、治療薬の種類や投与量、育毛剤の処方、サプリメントの選択まで、科学的根拠に基づいて検討・調整されます。

ここからは、あなたの遺伝子タイプに合わせて、具体的にどのような治療プランが組み立てられるのかを詳しく見ていきましょう。

遺伝子検査結果から導く、個々に合わせた投薬量

遺伝子検査の結果によって、AGAの治療薬である5αリダクターゼ阻害薬(フィナステリドやデュタステリド)の投与量は変わってきます。これは、遺伝子型によって男性ホルモンの影響の受けやすさが異なるためです。

治療薬には、まずフィナステリドデュタステリドがあります。フィナステリドは0.5mgと1mgの投与量があり、一般的なAGA治療の第一選択薬として、AGAリスクが標準的な方に処方されます。

一方、デュタステリド0.5mgは、フィナステリドより強い効果が期待できる薬剤で、AGAリスクが高い方への処方を検討します。

また、育毛効果を促進するミノキシジル製剤については、外用薬と内服薬があります。

外用薬は5%製剤が基本で、頭皮の状態が良好な方に使用します。内服薬は2.5mgと5mgがあり、より強い育毛効果を期待する場合や、毛髪が細めの方への処方を検討します。

遺伝子パターンAGAリスク毛髪状態頭皮状態推奨される投薬パターン
GG/CC/GG太い安定• フィナステリド0.5mg
• ミノキシジル外用5%
• 標準的な育毛剤
AA/CC/GG太い安定• デュタステリド0.5mg
• ミノキシジル外用5%
• AGAケア用育毛剤
GG/TT/GG細い安定• フィナステリド0.5mg
• ミノキシジル内服2.5mg
• 毛髪補強育毛剤
AA/TT/AA細い敏感• デュタステリド0.5mg(慎重に開始)
• ミノキシジル外用(低濃度から開始)
• 低刺激育毛剤

投薬量を調整する際は、開始時の投与量に特に注意を払います。標準的な投与量から開始し、効果や副作用を確認していきますが、頭皮が敏感な方は、より慎重に開始量を設定します。

また、経過観察では毛髪の変化(太さ、密度、成長速度)、頭皮の状態(かゆみ、フケ、炎症)、副作用の有無などを注意深く確認します。開始後1-2ヶ月での初期評価、3-6ヶ月での効果判定を行い、必要に応じて投薬量を調整していきます。

遺伝子検査の結果を総合的に判断し、さらに治療経過も考慮しながら、一人ひとりの体質に合わせた投薬プランを組み立てていきます。また、定期的な経過観察を行いながら、必要に応じて投薬量を調整していくことでより効果的な治療を目指します。

3つの遺伝子リスクの組み合わせパターン

これまで見てきたように、薄毛に関わる遺伝子にはそれぞれ3つの型があります。PAX1/FOXA2領域(GG/GA/AA)、EDAR(CC/CT/TT)、SPINK5(GG/GA/AA)、これら3つの遺伝子の組み合わせによって、27通りの異なる遺伝子パターンが生まれます。

例えば、まずは比較的シンプルな治療プランとなる遺伝子パターンから見ていきましょう。

PAX1/FOXA2領域が「GG型」(AGAリスクが低い)、EDARが「CC型」(毛髪が太め)、SPINK5が「GG型」(頭皮が安定)という方がいます。この場合、薄毛の進行リスクは低く、毛髪も太めで、頭皮環境も良好です。

このようなパターンの方には、フィナステリド0.5mgとミノキシジル外用5%による標準的な治療から開始し、経過を見ながら調整していきます。

パターン遺伝子型特徴詳細治療方法
Type001GG/CC/GG• AGAリスク:低い(男性ホルモンの影響を受けにくい)
• 毛髪:太く丈夫(アジア人標準型)
• 頭皮:安定(トラブルが起きにくい)
• フィナステリド0.5mg
• ミノキシジル外用5%
• 基本的な育毛剤処方
• 予防的なサプリメント
Type014GA/CT/GA• AGAリスク:中程度(やや男性ホルモンの影響を受けやすい)
• 毛髪:やや細め(中間的な特徴)
• 頭皮:やや敏感(環境の影響を受けやすい)
• フィナステリド1mg
• ミノキシジル外用5%+内服検討
• 毛髪補強育毛剤
• 頭皮環境改善サプリメント
Type027AA/TT/AA• AGAリスク:高い(男性ホルモンの影響を強く受ける)
• 毛髪:細い(ボリュームが出にくい)
• 頭皮:敏感(トラブルが起きやすい)
• デュタステリド0.5mg(段階的に)
• ミノキシジル(低濃度から開始)
• 低刺激育毛剤
• 総合的な育毛サプリメント

一方で、より慎重な治療計画が必要なパターンもあります。PAX1/FOXA2領域が「AA型」(AGAリスクが高い)、EDARが「TT型」(毛髪が細め)、SPINK5が「AA型」(頭皮が敏感)という組み合わせの場合です。

この場合、AGAの進行リスクが高く、もともと細い毛髪で、さらに頭皮トラブルも起こりやすいため、特に丁寧な治療プランが必要になります。

具体的には、デュタステリド0.5mgの処方を検討しつつも、頭皮への刺激を考慮して低濃度のミノキシジルから開始し、段階的に濃度を上げていく方法を取ります。

中間的な特徴を持つパターンとしては、PAX1/FOXA2領域が「GA型」、EDARが「CT型」、SPINK5が「GA型」という組み合わせがあります。

この場合、それぞれのリスクは中程度であり、バランスの取れた治療方針が望ましいと考えます。フィナステリド1mgを基本に、毛髪の状態と頭皮の反応を見ながら、ミノキシジルの使用量を調整していきます。

3つの遺伝子の組み合わせによって、薄毛のリスク要因や体質的な特徴は大きく異なってきます。そのため、治療プランを立てる際は、これらの遺伝子パターンを総合的に考慮し、さらに生活習慣や環境要因なども加味しながら一人ひとりの状態に合わせた治療アプローチを検討していきます。

どの遺伝子パターンであっても、その特徴に応じた治療法を選択できます。

大切なのは、自分の遺伝子パターンを正確に把握し、その特徴を理解した上で、継続的な治療と経過観察を行っていくことです。

これはよくある格安AGA治療クリニックでは、全く対応できていない部分でもあります。

治療プランの具体例

実際の治療プランについて、いくつかの具体例を見ていきましょう。ここでは代表的な3つのケースを取り上げ、それぞれの遺伝子パターンに基づいた治療内容をご紹介します。

Case 1:標準的な治療パターン

遺伝子型:PAX1/FOXA2「GG型」、EDAR「CC型」、SPINK5「GG型」

  • 治療薬:フィナステリド0.5mg
  • 外用薬:ミノキシジル外用5%
  • 育毛剤:Pesodサプリ 毛髪ケア ※経過観察をしながら、状態に応じて調整を行います。

このケースでは、AGAのリスクが低く(GG型)、毛髪も太めで(CC型)、頭皮環境も安定している(GG型)ため、予防的な観点から標準的な治療内容を選択しています。

フィナステリド0.5mgは、男性ホルモンの影響をコントロールする必要最小限の投与量です。太めの毛髪傾向があるため、ミノキシジルは一般的な外用5%で十分な効果が期待できます。

また、頭皮環境が安定しているため、育毛剤は基本的な毛髪ケアタイプを選択しています。

Case 2:やや積極的な治療パターン

遺伝子型:PAX1/FOXA2「GA型」、EDAR「CT型」、SPINK5「GA型」

  • 治療薬:フィナステリド1mg
  • 外用薬:ミノキシジル外用5%+内服薬2.5mg
  • 育毛剤:Pesod育毛剤 omega

このケースでは、AGAのリスクが中程度(GA型)であるため、フィナステリドを1mgに増量し、より確実な男性ホルモンのコントロールを目指します。

また、毛髪がやや細め(CT型)という特徴があるため、ミノキシジルは外用に加えて内服も併用し、毛髪の成長促進効果を高めています。

頭皮の状態はやや敏感(GA型)ですが、極端な反応は少ないと予想されるため、バランスの取れた総合的な育毛剤(omega)を選択しています。

Case 3:慎重な治療パターン

遺伝子型:PAX1/FOXA2「AA型」、EDAR「TT型」、SPINK5「AA型」

  • 治療薬:デュタステリド0.5mg(低用量から開始)
  • 外用薬:ミノキシジル外用(低濃度から段階的に)
  • 育毛剤:Pesod育毛剤 omega(低刺激タイプ)

このケースは最も慎重な対応が必要です。AGAのリスクが高い(AA型)ため、より強力なデュタステリドを選択していますが、頭皮が敏感(AA型)という特徴があるため、低用量から開始します。

毛髪が細い(TT型)ため、本来なら高濃度のミノキシジル使用が望ましいところですが、頭皮の敏感さを考慮して、低濃度から段階的に濃度を上げていく方針を取ります。

育毛剤は、総合的なケア効果があり、かつ低刺激のomegaタイプを選択し、頭皮への負担を最小限に抑えながら効果を目指します。

治療ステップ開始時1-2ヶ月3-6ヶ月
薬剤投与• 遺伝子型に応じた初期投与量から開始
• 頭皮状態の確認
• 副作用の有無を確認
• 必要に応じて投与量調整
• 治療効果の確認
• 長期的な投与量の決定
育毛剤使用• 遺伝子型に合わせた製剤選択
• 使用方法の確認
• 頭皮反応の確認
• 使用頻度の調整
• 効果の確認
• 製剤の継続または変更検討
経過観察• 初期状態の記録
• 写真撮影
• 頭皮・毛髪の変化確認
• 不快症状の有無
• 総合的な効果判定
• 治療計画の見直し

科学的根拠に基づく治療薬の選択

薄毛治療では様々な治療薬や育毛剤が使用されますが、最短での発毛を目指すためには、27通りの遺伝子パターンに対して、どの薬剤をどのタイミングで、どのように組み合わせるのかが重要になってきます。

遺伝子パターンによって、5αリダクターゼ阻害薬の必要性やミノキシジルの投与量は変わってきます。また、育毛剤やサプリメントの成分も、遺伝子検査の結果によって選び分けていきます。

一人ひとりの遺伝子パターンに基づいて薬剤を選択することで、過剰な投薬を避けながら、必要な治療効果を引き出すことができます。

ここからは、それぞれの薬剤の特徴と、遺伝子パターンに応じた使い分けについて詳しく見ていきましょう。

遺伝子パターン別の5αリダクターゼ阻害薬の使い分け

5αリダクターゼ阻害薬には、主にフィナステリドとデュタステリドの2種類があります。どちらも男性ホルモンの働きを抑える薬剤ですが、遺伝子パターンによってその使用方法は変わってきます。

PAX1/FOXA2領域の遺伝子型は、この薬剤選択の重要な判断基準となります。

「GG型」の場合は男性ホルモンの影響を受けにくいため、フィナステリド0.5mgという少ない投与量から開始します。

「GA型」では、男性ホルモンの影響をやや受けやすい傾向があるため、フィナステリド1mgを選択。「AA型」では男性ホルモンの影響を強く受けやすいため、より強い効果を持つデュタステリド0.5mgの使用を検討します。

ただし、ここで重要なのはSPINK5遺伝子の型です。頭皮が敏感な「AA型」の方の場合、たとえPAX1/FOXA2領域が「AA型」であっても、いきなり強い薬剤から始めるのではなく、フィナステリドの少量から開始し、経過を見ながら段階的に調整していく方針を取ります。

PAX1/FOXA2SPINK5推奨される使用パターン治療開始時の注意点
GGGG/GAフィナステリド0.5mg• 標準的な開始用量
• 3-6ヶ月での効果確認
GGAAフィナステリド0.5mg• より慎重な開始
• 頭皮の反応を注意深く観察
GAGG/GAフィナステリド1mg• 効果と副作用の確認
• 必要に応じて用量調整
GAAAフィナステリド0.5mg→1mg• 段階的な増量
• 頭皮状態を確認しながら調整
AAGG/GAデュタステリド0.5mg• 効果の高い治療薬を選択
• 定期的な経過観察
AAAAフィナステリド→デュタステリド• 慎重に開始
• 段階的な移行を検討

このように、遺伝子検査の結果を総合的に判断し、さらに治療開始後の反応も見ながら、薬剤の選択や用量を決定していきます。また、治療開始後も定期的に状態を確認し、必要に応じて調整を行います。

ここで大切なのは、急激な変更を避け、一人ひとりの状態に合わせて段階的に進めていくことです。

ミノキシジルの投与量調整の重要性

ミノキシジルは育毛効果が確認されている薬剤ですが、外用薬と内服薬があり、その使用方法は遺伝子パターンによって変わってきます。特にEDAR遺伝子とSPINK5遺伝子の型が、投与量を決める重要な判断材料となります。

EDAR遺伝子は毛髪の太さに関係します。「CC型」の方は毛髪が太めの傾向にあるため、ミノキシジル外用5%から開始します。一方、「TT型」の方は毛髪が細めの傾向があるため、外用薬に加えて内服薬の併用を検討します。

しかし、ここでもSPINK5遺伝子の型が重要な判断要素となります。頭皮が敏感な「AA型」の方の場合、外用薬は低濃度から開始し、頭皮の状態を確認しながら徐々に濃度を上げていきます。

また、内服薬の使用も慎重に検討する必要があります。

EDARSPINK5推奨される使用パターン投与量調整のポイント
CCGG/GA外用5%• 標準的な濃度で開始
• 毛髪の状態に応じて継続
CCAA外用(低濃度から開始)• 頭皮の反応を確認
• 段階的な濃度上昇
CTGG/GA外用5%+内服検討• 外用から開始
• 効果を見て内服追加
CTAA外用(低濃度から開始)• 慎重に開始
• 内服は状態を見て検討
TTGG/GA外用5%+内服• 積極的な内服併用
• 毛髪の変化を観察
TTAA外用(低濃度)+内服検討• 外用は低濃度から
• 内服は少量から開始

また、ミノキシジルの効果は使用開始から3-6ヶ月程度で現れ始めるため、この期間は定期的な経過観察が重要です。効果が不十分な場合は、他の要因も含めて総合的に評価し、必要に応じて投与量や使用方法の調整を行います。

このように、ミノキシジルの使用においても、遺伝子検査の結果を踏まえた慎重な判断が必要です。一人ひとりの状態に合わせて開始用量を決定し、その後の反応を見ながら調整していくことで、より良い治療効果を目指します。

育毛剤の成分・体質別サプリのカスタマイズによる相乗効果

薄毛の治療では、治療薬による男性ホルモンのコントロールやミノキシジルによる発毛促進が基本となりますが、それだけでは十分とは言えません。

なぜなら、髪の毛が健康的に成長するためには、毛根の状態や頭皮環境、さらには体内からのサポートまで、複数の要素が関係してくるからです。

そこで重要になるのが、育毛剤とサプリメントの組み合わせです。育毛剤は頭皮に直接働きかけ、治療薬では補えない部分をカバーします。

例えば、毛包内の細胞活性化や頭皮環境の改善といった、局所的なケアを担います。一方、サプリメントは体の内側から毛髪の成長に必要な栄養を補給し、全身的なサポートを行います。

遺伝子リスク育毛剤タイプ重点的に配合される成分サプリメントの方向性
AGAリスク高Pesod育毛剤 gamma/epsilon• ジオウエキス
• ビワ葉エキス
• コロソリン酸
• 男性ホルモンバランスサポート
• 毛包細胞活性化
毛髪形成リスクPesod育毛剤 delta/epsilon• マジョラムエキス
• M-034
• 毛母細胞活性成分
• コラーゲン産生サポート
• 毛髪の成長促進
頭皮環境リスクPesod育毛剤 sigma/lambda• リデンシル
• ピディオキシジル
• 頭皮環境改善成分
• 頭皮バリア機能サポート
• 抗酸化成分

PAX1/FOXA2領域のタイプによっては、抗男性ホルモン作用のある成分を育毛剤に配合します。「AA型」の方には、ジオウやビワ葉(コロソリン酸)などの成分を重点的に配合し、治療薬の効果を補助します。

また、サプリメントでも男性ホルモンのバランスをサポートする成分を取り入れます。

EDAR遺伝子の型からは、毛髪の特徴に合わせた成分を選びます。

毛髪が細めの傾向がある「TT型」の方には、17型コラーゲン産生促進作用のあるマジョラムエキスやM-034など、毛包内の細胞を活性化する成分を育毛剤に配合。サプリメントではコラーゲンの産生を促す成分を組み合わせます。

SPINK5遺伝子の結果からは、頭皮環境を整える成分を調整します。「AA型」の方には、リデンシルやピディオキシジルなど、頭皮環境の正常化をサポートする成分を育毛剤に配合します。

サプリメントでは頭皮のバリア機能を高める成分を取り入れ、内側からもケアを行います。

遺伝子検査の結果から導き出された体質的な特徴に基づいて、育毛剤の成分とサプリメントを組み合わせていきます。さらに、使用開始後の反応を見ながら、成分バランスの調整も行います。

こうして治療薬と育毛剤、そしてサプリメントのそれぞれの特徴を活かすことで、お一人おひとりの課題に合わせた育毛ケアが可能となり、最短での効果実感を目指すことができます。

世界の研究が実証。遺伝子検査で変わる発毛治療

遺伝子検査をもとに薄毛の治療を行う。これは、私たちが毎日直接対面する患者さんの頭髪改善を目指して行き着いた答えです。

その理由を示すデータは世界中の研究機関から報告されており、Nature GeneticsやHuman Molecular Geneticsといった権威ある学術誌で、具体的な根拠が示されています。例えば、ある遺伝子を持つ場合にAGAのリスクが7倍に高まることや、特定の遺伝子型が毛髪の太さに直接影響を与えることなどです。

最後に、これらの研究成果をもとに、なぜ遺伝子検査が治療効果を高めるのか、具体的にご説明していきます。

3つの遺伝子から見えてきた薄毛の科学的根拠

まず、PAX1/FOXA2領域について。Nature Geneticsに掲載された研究では、1,125人を対象とした大規模な調査で、この遺伝子のリスク型を持つ人は、持たない人と比べて約7倍もAGAになりやすいことが判明しました(Richards et al., 2008)¹。

さらに、アジア人を対象とした研究では、より強い関連性も報告されています(Lai CH et al., 2013)²。

次に、毛髪の太さに関わるEDAR遺伝子。Human Molecular Geneticsに掲載された研究では、CC型の方が太い毛髪を持つことが確認されました(Fujimoto A et al., 2008)³。

実験では、遺伝子改変マウスを使って、EDARが毛包自体の大きさに影響を与えることも実証されています(Mou C et al., 2008)⁴。

遺伝子主な研究成果掲載誌対象人数・研究手法
PAX1/FOXA2領域• リスク型で約7倍のAGAリスク上昇¹
• アジア人でより強い相関を確認²
Nature Genetics
PLoS One
• 1,125人の大規模調査
• 複数の独立したグループで検証
EDAR• CC型で毛髪が太くなることを確認³
• 毛包自体の大きさへの影響を実証⁴
Human Molecular Genetics
Human Mutation
• 人種間比較による解析
• 遺伝子改変マウスでの実験
SPINK5• AA型で頭皮バリア機能低下⁵
• GG型と比べ約2倍のリスク⁶
Nature Genetics
Clinical Experimental Allergy
• 複数の人種での検証
• 大規模な母集団での調査

そして頭皮環境を左右するSPINK5遺伝子。世界的な医学誌Nature Geneticsの研究で、AA型の方は頭皮のバリア機能が低下しやすく、トラブルが起こりやすいことが報告されました(Walley AJ et al., 2001)⁵。

その後の研究では、AA型の方がGG型と比べて約2倍のリスクがあることも明らかになっています(Kabesch M et al., 2004)⁶。

これら3つの遺伝子は、互いに独立して働きながら、それぞれ異なる形で薄毛に影響を与えています。その組み合わせによって、一人ひとり異なる体質や薄毛のなりやすさが決まってくるのです。

引用文献

  1. Richards JB, et al. Male-pattern baldness susceptibility locus at 20p11. Nat Genet. 2008;40(11):1282-1284
  2. Lai CH, et al. Androgenic alopecia is associated with less dietary soy, lower blood vanadium and rs1160312 polymorphism in Taiwanese communities. PLoS One. 2013;8(12):e79789
  3. Fujimoto A, et al. A scan for genetic determinants of human hair morphology: EDAR is associated with Asian hair thickness. Hum Mol Genet. 2008;17(6):835-43
  4. Mou C, et al. Enhanced ectodysplasin-A receptor (EDAR) signaling alters multiple fiber characteristics to produce the East Asian hair form. Hum Mutat. 2008;29(12):1405-11
  5. Walley AJ, et al. Gene polymorphism in Netherton and common atopic disease. Nat Genet. 2001;29(2):175-8
  6. Kabesch M, et al. Association between polymorphisms in serine protease inhibitor, kazal type 5 and asthma phenotypes in a large German population sample. Clin Exp Allergy. 2004;34(3):340-5

なぜ遺伝子検査が治療に役立つのか

このように、世界の研究から薄毛と遺伝子の関係がはっきりしていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。では、この発見は実際の治療にどう役立つのでしょうか。

これまでの治療では、薄毛の見た目や進行具合から治療法を決めていました。しかし、実際には男性ホルモンの影響なのか、毛髪の細さが原因なのか、それとも頭皮の状態に問題があるのか。同じような薄毛でも、その原因は人それぞれ違います。

遺伝子検査を行うことで、その方の本当の薄毛の原因がわかります。そのため、無理な投薬を避け、必要な治療に絞って進めることができるため、無駄な時間を省き最短で発毛を目指すことができるのです。

遺伝子タイプ別の経過の目安

治療効果は、それぞれの遺伝子タイプによって異なる経過をたどります。

男性ホルモンの影響を受けやすい方は、治療薬による改善を実感しやすい傾向にあります。一方で、毛髪が細めの方は、より時間をかけて毛髪の太さを改善していく必要があります。また、頭皮が敏感な方は、まず頭皮環境を整えることから始めます。

遺伝子パターン初期の変化改善が見込める時期継続的なケアのポイント
AGAリスク高抜け毛の減少3-4ヶ月で変化を実感• 定期的な通院による投薬調整
• 生活習慣の改善
毛髪形成リスク毛髪の質の変化4-6ヶ月で徐々に改善• 毛髪の太さの定期測定
• 栄養バランスの管理
頭皮環境リスク頭皮状態の安定2-3ヶ月で頭皮改善• 頭皮の状態確認
• シャンプーや洗髪方法の見直し

ただし、これはあくまでも目安です。大切なのは、ご自身の遺伝子タイプに合わせた治療を、焦らず着実に続けていくことです。

一人ひとりに合った治療を始めるために

これまで見てきたように、薄毛の原因は人それぞれ違います。そして、その違いは遺伝子レベルではっきりと示されています。

遺伝子検査を行うことで、あなたの薄毛の本当の原因がわかります。それは、より効果的な治療への第一歩となるはずです。

実際の遺伝子検査から治療実施までの流れ

オンライン受付を行っているため、遠方でも遺伝子検査に基づくAGA治療を受けていただけます。

検査をもとに薄毛遺伝子検査結果レポートを作成

検査結果に基づき治療内容を決定
ステップ内容
1LINE登録
2問診・お申し込み
3診察予約
4診察(オンライン)
5遺伝子検査キットの送付
6患者さまから検体を返送
7遺伝子の解析
8処方薬、遺伝子検査レポート、医薬品説明書の送付
(1か月分12,800円)

薄毛遺伝子検査のお申し込みは、以下のLINE登録(無料)よりお願いします。お申込み後、当院提携先の医師とスマートフォンやPCを使った簡単な問診があります。

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遠方でも遺伝子検査に基づいたAGA治療が受けられます

治療前の遺伝子検査は無料です。遺伝子検査用の検査キットを郵送し、検査結果に応じてAGA治療薬を郵送で処方いたします。

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