
こんばんは。総合内科専門医の藤田です。
『青汁だけで飲むのに飽きてしまった…。』『青汁を飲み忘れてそのまま残っている…。』「青汁はおいしくないけれど…、健康のために飲んでいる。』そのような方におすすめなのが、スープに入れる方法です。
スープに入れることで青汁特有の青臭さや苦味を和らげてくれます。
そこでここでは、青汁入りおすすめスープのレシピを4つご紹介します。スープのレシピは、感染症の拡大で注目を浴びている「免疫力アップ」が期待できるものをご紹介します。
免疫力を高める生活で、病気を予防し健康に過ごせるようにしましょう!
この記事の執筆者

藤田 英理 内科総合クリニック人形町 院長
東京大学医学部保健学科、横浜市立大学医学部を卒業。虎の門病院、稲城市立病院、JCHO東京高輪病院への勤務を経て内科総合クリニック人形町を開院。総合内科専門医。AGA治療や生活習慣病指導も行う。
この記事の監修者

岩美 真由美さん 管理栄養士・健康運動指導士
管理栄養士・健康運動指導士としてフリーランスで活動。特定保健指導では生活習慣病予防を、介護予防事業では高齢者のフレイル予防と、食事と運動の両面から健康づくりのお手伝いをしています。
免疫力ってどんなチカラ?
免疫は、細菌やウィルスなどの目に見えない病原体から、私たちの体を守る防御システムをいいます。免疫力が高いと全身の健康状態を高く維持することができます。※1
反対に、疲れやストレス、睡眠不足、栄養不足などによって体が弱ると、風邪の原因となるウィルスや細菌に抵抗する免疫機能が低下するといわれています。※2
免疫力を高めるには?

免疫力を高めるにはどんな方法がありますか?

免疫力を高めるには栄養バランスの取れた食事、適度な運動、そして良質な睡眠の3つが重要になります。
バランスのとれた食事

免疫力を高める、そして維持して健康を保つための基本は、いろいろな食材をバランスよくとることです。
ごはんなど穀類の「主食」を基本にして、肉・魚・卵・大豆などの「主菜」のおかずにします。そして、野菜・きのこ・海藻などを「副菜」、「汁物」を組み合わせた和食がよいです。
そのうえで、免疫力を高める栄養素(以降で紹介)を積極的にとるのがカギとなります。※5
適度な運動

免疫細胞は体温が上がると増えることがわかっています。
適度な運動は血液のめぐりがよくなるため、体温と代謝を上げてくれます。
運動習慣のない方は、今より10分多く体を動かすことから始めてみましょう。
軽く汗ばむ程度のウォーキングやラジオ体操、スクワットやもも上げなど取り組みやすい運動がおすすめです。※1※3
質の良い睡眠

睡眠は、日中に溜まった疲労を回復させウイルスに対する抵抗力を高める効果があります。
また、生活リズムが整いやすくなり、ホルモンバランスも保たれやすくなるので、肥満や高血圧、メタボリックシンドロームといった生活習慣病の予防にもつながります。
年齢や個人差もありますが、必要な睡眠時間は6時間~8時間位と考えられています。※4
免疫力を高める食材は

それでは、実際に免疫力を高める食材について教えて下さい。

抗酸化成分、ビタミンC、たんぱく質などの栄養素が含まれている食品、腸内環境を整えてくれる食品がよいでしょう。
抗酸化成分を含む野菜をたっぷりとる

ビタミンA・C・Eなどの抗酸化ビタミンや、各種栄養素を含む野菜には抗酸化作用があります。
免疫細胞の数を増やしたり活性化させたりする働きがあります。1つに偏ることなく多種類の野菜をとることが効果的といわれています。※5
粘膜強化に役立つビタミンCをとる

ビタミンCは、細胞同士の結合を高めてウィルスの侵入を防ぐ働きがあります。
また、体内に入ってきたウィルスを排除する白血球を活性化してくれる働きも。※6ビタミンCは、野菜や果物に多く含まれています。
適量のたんぱく質をとる

免疫細胞や皮膚、粘膜の材料となるたんぱく質は、免疫力の土台を支える栄養素です。たんぱく質が不足すると、免疫細胞が減少して抵抗力が落ちやすくなります。
良質のたんぱく質を多く含む、肉類や魚介類、卵、豆腐・大豆製品を毎日欠かさないようにしたいですね。※5
腸内環境を整えてくれる食品をとる

腸内環境を整えてくれる食品も免疫力アップに有効とされています。
腸内で善玉菌を増やすヨーグルトや納豆、キムチなどの発酵食品や、野菜に多く含まれる食物繊維が、腸の免疫細胞を活発にしてくれます。※5

以上に紹介したこれらの栄養成分については、青汁商品によってはバランス良く含まれているんですよ。
青汁をスープに入れるメリットとは?

青汁をスープに入れることのメリットはなにがあるでしょうか?

青汁は毎日飲んでこそ効果が期待できるものなので、まずは習慣化しやすいといえます。また、野菜をたくさん食べられない日に足りない栄養素を補うことができることもおおきなメリットですね。
青汁を飲むことを習慣化できる
青汁を毎日続けて飲めない方は、以下のような理由ではないでしょうか。
- 青汁だけで飲むのに飽きてしまった…。
- 青汁を飲み忘れてそのまま飲まなくなった…。
- 青汁そのものの味が合わなくて残っている…。
上記のような方は、スープなどの料理に入れることで青汁っぽさが緩和されて飲みやすくなります。温かいスープなら青汁を後から入れても溶けやすいため、料理の材料の一つとして取り入れやすいですよ。
野菜をたくさん食べられない日に足りない栄養素を補うことができる
さまざまな食品から栄養素を取り入れるのが理想ですが、バランスの良い食事を毎食用意するのは難しいと思います。
特に野菜は『1日350gとりましょう。』と言われていても、なかなかとれないもの。『野菜不足かな?』と感じたときに、青汁をスープにプラスすることで、足りない栄養素を補うことができます。


青汁をスープに入れるときの注意点

青汁を使ってスープを作るときには以下の点に注意して下さい。
- 1歳以降のお子さんには、お子さん向けの青汁を使用しましょう。
- 妊娠・授乳中の方や、食べ物に制限のある方は、医師に相談しましょう。
- ワルファリンを服用中の方、通院中の方、その他医薬品を処方されている方は、医師や薬剤師に相談しましょう。
- 腎臓の機能が低下している方は、カリウムを多く摂ることで、高カリウム血症になることがあります。
- 高カリウム血症では、不整脈や血圧の低下を引き起こすことがあるため※7、医師や管理栄養士に相談してください。
- 青汁はドリンクとして飲む、料理に取り入れる量を合わせて1日の所要量を超えないようにしましょう。

糖尿病、心臓病、脂質異常症などで食事制限のある方も、医師や管理栄養士に相談してください。
食物アレルギーについて

レシピには、特定のアレルギー体質を持つ場合にアレルギー反応を引き起こすおそれのある食品を含む場合があります。
初めて召し上がる方には注意が必要ですので、様子を見ながら少量から食べるようにしましょう。
[特定原材料]
卵、乳、小麦、えび、かに、そば、落花生
[特定原材料に準ずるもの]
アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、 ごま、カシューナッツ
青汁で考えられるアレルギーについてはこちらでも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
免疫力を高める!青汁入りスープレシピを4つ紹介

免疫力を高めるおすすめの青汁入りスープを4品紹介します。どれも身近な食材で作れますので是非お試しください。
青汁入り鶏肉と根菜のミルクスープ


風邪などの感染症予防に摂りたいのは、たんぱく質とビタミン類です。鶏肉に含まれるたんぱく質は体を作る材料となり、体を温める効果と体力をつける効果もあります。
にんじんとれんこんに多く含まれるビタミンCは、粘膜や皮膚を健康に保ち、風邪への抵抗力を高めてくれます。※2
- 鶏もも肉(皮なし)… 1/2枚(100g)
- 玉ねぎ … 1/4個(50g)
- にんじん … 1/3本(40g)
- れんこん … 小1節(150g)
- 粉末青汁 … 2本(8g)
- サラダ油 … 小さじ1
- 水 … 200ml
- 牛乳 … 200ml
- 塩こしょう … 適宜
- 鶏肉は余分な脂肪を除き、1cm厚さのそぎ切りにする。
- 玉ねぎは薄切り、にんじんは半月切り、れんこんも半月切りにする。
- 鍋に油を熱し、玉ねぎ、にんじん、れんこんを弱火で2~3分炒める。全体に油がまわったら、鶏肉を加え、中火でさっと炒めて水を加える。
- 煮立ったらアクを取り除き、ふたをして弱火で5~6分煮る。
- れんこんが柔らかくなったら、粉末青汁、塩コショウを加え、牛乳を加えてひと煮する。
【作り方のポイント】
- うま味成分の含まれるアクは、取りすぎないようにしましょう。
- 牛乳は加熱しすぎると、たんぱく質が凝固するので、仕上げに加えるようにしましょう。
- 鶏もも肉を低脂肪の鶏ささみに変えると、胃腸にやさしいメニューに。
青汁入りほうれん草と豆腐のかきたま汁


豆腐は消化吸収に優れたたんぱく質源です。ほうれん草にはβ-カロテン、ビタミンCが豊富に含まれています。
ほうれん草は夏場よりも冬場のものの方が、栄養価が高いですよ。片栗粉でとろみをつけることで、スープが冷めにくく、体を温めてくれます。
- ほうれん草 … 1/2束(100g)
- 絹ごし豆腐 … 1/2丁(150g)
- 生しいたけ …2枚(30g)
- 卵 … 1個(50g)
- だし汁 … 400ml
- 粉末青汁 … 1本(4g)
- 酒 … 大さじ1(15g)
- 塩 … 小さじ1/2(2g)
- こしょう … 少々
- 片栗粉 … 大さじ1/2(7g)
- 水 … 大さじ1
- 豆腐はキッチンペーパーにのせて水けを軽く切る。ほうれん草は1~2cm長さに切ってさっと茹で、水けを切る。しいたけは石づきを除き、粗みじん切りにする。
- 鍋にだし汁を入れ、しいたけと酒、塩、こしょうを加える。豆腐を4~6つにくずして加え、再び煮立ったら粉末青汁を加える。水溶き片栗粉でとろみをつける。
- 卵を溶きほぐしてまわし入れ、静かに混ぜる。仕上げにほうれん草を加えてひと煮する。
青汁入り鶏肉と野菜たっぷりの和風カレースープ


鶏肉でたんぱく質も摂れるため、このスープとご飯やパンを合わせれば、バランスの良い食事になります。 野菜を245g(一日に摂りたい野菜の約2/3)摂ることができますよ。
- 鶏もも肉(皮なし) … 1/2枚(150g)
- キャベツ … 150g
- 玉ねぎ … 1/2個(100g)
- にんじん … 1/2本(60g)
- 粉末青汁 … 2本(8g)
- カレー粉 … 大さじ1
- おろしにんにく … 小さじ1/4(1g)
- おろししょうが … 小さじ1/4(1g)
- 水 … 600ml
- 和風だしの素 … 小さじ1
- しょうゆ … 小さじ1/2
- 塩 … 小さじ1/2
- こしょう … 少々
- バター … 5g
添え野菜
- じゃが芋 … 小1/2個(100g)
- かぼちゃ … 60g
- なす … 1/4本(20g)
- サラダ油 … 小さじ1(3g)
- 鶏肉は一口大に切る。キャベツはざく切りにする。にんじんは5mm幅の半月切り、玉ねぎは薄切りにする。
- 添え野菜のじゃが芋は5mm幅の半月切り、かぼちゃは皮付きのままスライスする。深めの耐熱皿に入れ、水を少し入れてラップをする。電子レンジで600w2分30秒ほど加熱しておく。
- なすは縦半分に切ってから5cm長さに切る。フライパンに薄く油をしき、②のじゃが芋、かぼちゃと一緒に火が通るまで焼く。皿にあげておく。(最後にスープの上にのせる)
- 鍋にバターを熱し、①の玉ねぎを入れて炒める。玉ねぎがしんなりしたら、鶏肉も加えてさらに炒める。
- 鶏肉に焼き色がついたら、①のにんじん、カレー粉、おろしにんにく、おろししょうがを加えてさっと炒める。水、和風だしの素、しょうゆ、塩こしょうを加えて煮る。
- 全体に火が通ったら、①のキャベツを加えてひと煮立ちさせる。仕上げに粉末青汁を加える。
- スープ皿に盛り付けたら、③のなす、じゃが芋、かぼちゃを盛り付けて出来上がり!
青汁入りグリーンスープ


青汁を加えたら見た目が緑色になるため、はじめから緑色の野菜を集めてスープにしました。緑色の野菜はβ-カロテン、ビタミンA、Cを多く含み、免疫力を高めてくれますよ。
- むきえび … 100g
- 玉ねぎ … 1/2個(100g)
- 冷凍グリーンアスパラ … 3本(30g)
- キャベツ … 150g
- ブロッコリー … 1/4房(50g)
- ブロッコリーの茎 … 1房分
- スナップエンドウ … 5個(25g)
- 粉末青汁 … 2本(8g)
- 水 … 400ml
- 中華スープの素 … 小さじ1
- しょうゆ … 小さじ1(5g)
- 塩こしょう … 少々
- ごま油 … 少々
- 酢、ラー油 … 適宜
- むきえびはぶつ切り、グリーンアスパラは1cm幅に切る。キャベツは2cm角切りに切る。玉ねぎは1cm角切りにする。
- ブロッコリーは小房に分ける。茎は皮をむいて1cm角に切る。スナップエンドウは筋を取り、半分に切る。ブロッコリーとスナップエンドウは塩ゆでしておく。
- 鍋に水、中華スープの素を入れて火にかけ、煮立ったらえびとグリーンアスパラ、キャベツ、玉ねぎを加えて煮る。
- 野菜に火が通ったら、塩こしょう、しょうゆ、ごま油少々で味つけする。仕上げに粉末青汁、ブロッコリー、スナップエンドウを加えて出来上がり!
※食べるときに酢やラー油をたらすと、スープの味が引き締まります。
【緑黄色野菜ってどんな野菜?】
野菜には色で区別した「緑黄色野菜」と「淡色野菜(その他の野菜)」があります。違いは、主にβ-カロテンの含有量です。
緑黄色野菜は、ほうれん草・にんじん・かぼちゃなど、β-カロテンを可食部100g中に600マイクログラム(600㎍)以上含む野菜の総称です。
厚生労働省の食事摂取基準では、健康のために1日350g以上の野菜を食べること、そのうち120g以上を緑黄色野菜で摂ることがすすめられています。
緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンには、体内の活性酸素を減らす抗酸化作用があります。
緑黄色野菜にはカロテン類だけではなく、ビタミンCも豊富に含まれているため、免疫力アップの味方に。ほかにビタミンK・葉酸・ミネラルなども多く含んでいます。

1日に摂る野菜の約1/3は緑黄色野菜になるようにしましょう。※2※10
参考文献(References)
- 1 所沢市ホームページ「免疫力を高める生活をしましょう!」
- 2 「一生役立つきちんとわかる栄養学」飯田薫子・寺本あい監修 西東社 36.37.150.151ページ
- 3 厚生労働省e-ヘルスネット「アクティブガイド」
- 4 厚生労働省e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
- 5 「栄養と料理2014年1月号」女子栄養大学出版部 22~23ページ
- 6 「最新版知っておきたい栄養学」白鳥早奈英監修 株式会社学研プラス 225ページ
- 7 「栄養素の通になる第4版」上西和弘著 女子栄養大学出版部 171・172ページ
- 8 国立健康・栄養研究所ホームページ「青汁の健康効果って?体に不安があるときは」
- 9 消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」
- 10 厚生労働省e-ヘルスネット「緑黄色野菜」