
こんばんは。内科総合クリニック人形町 院長の藤田です。
「医療脱毛は痛くて耐えられないらしい」こんな口コミや噂を聞いたことはありませんか?たしかに、一昔前までは、医療脱毛は痛くて値段も高い、少し抵抗のあるものだったと思います。
しかし今では、痛みを感じにくい医療脱毛が登場してきています。その主な理由は、脱毛機械の進化によるものです。
とはいえ、部位によっては痛みを感じやすかったり、新しい機械でも、痛みを比較的感じやすい機械と痛みを感じにくい機械があり、選び方には注意が必要です。
ここでは、医療脱毛に興味はあるけれど痛いのが心配な方、「できるだけ痛みはない方がいいけど、効果はしっかり実感したい」という方向けに、皮膚科専門医の藤井あさ美先生に医療脱毛の痛みについて伺いました。
さらに痛みを減らすための方法や、痛みを感じにくい脱毛機についても解説してもらいました。クリニック選びにぜひお役立ください。
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医療脱毛で痛みが発生する理由

医療脱毛が痛いのは、レーザーのパワーが強いことや、毛のメラニン色素にしっかり反応しているから、というのが理由でしたね。

そのとおりです。黒い部分にレーザーが反応して、熱が毛根や毛乳頭にまで届くので、そのときに痛みを感じます。
メラニン色素というのは毛や肌の黒い部分に多くあり、このメラニン色素に熱を与えて毛根組織を破壊したり発毛因子にダメージを与えて脱毛します。

毛根までレーザーが届く分、効果は実感しやすくなりますが、機械によってパシッと弾かれるような痛みや、チクチク刺されるような痛みを感じることがあります。
また、肌状況があまり良くなかったり(乾燥や肌荒れ、日焼けしているなど)、生理前や生理中で肌が敏感になっているときは、脱毛施術時に痛みを感じやすくなります。
- 敏感肌の人:肌が刺激に対して敏感になっているため
- 肌が黒い人:地黒肌、色黒肌、日焼け肌の方はメラニン色素が多いため
- 毛深い・剛毛な人:毛量が多いと反応するメラニン色素が多くなるため
- 生理前・中の人:肌が敏感になっているため
レーザー脱毛以外にニードル脱毛(電気脱毛、絶縁針脱毛とも言う)という毛穴に細い針を差し込み微弱な電気を流す方法がありますが、こちらはかなり痛みが強い脱毛方法です。
一本一本毛を処理できるため効果を実感しやすいですが、痛みが苦手な方には向いていません。

【脱毛方法別】脱毛したときの痛みはどのくらい?
脱毛方法で痛みを感じやすいのは、高い出力で照射する・メラニン色素に反応する・皮膚への直接の刺激を受けるといった場合です。
これらを踏まえ、脱毛方法別に痛みの程度を以下にまとめました。色々な脱毛方法がここで出てきますが、それぞれの方法について下記で詳しく解説しているので、ここでは痛みの目安だけさらっと見てみてくださいね。
脱毛方法 | 痛みの強さの目安 |
---|---|
ニードル脱毛 (美容電気脱毛) | |
医療レーザー脱毛 (熱破壊式、ショット式) | |
医療レーザー脱毛 (蓄熱式) | |
サロン脱毛 (IPL脱毛) | |
サロン脱毛 (SHR、THR方式) |
脱毛で痛みを感じるのは、熱が毛に伝わっているから。乾燥や日焼けといった肌状態によって痛みの実感は代わり、脱毛方法や機種によっても異なる。痛みが嫌!という方は脱毛方法をしっかり検討すること。
最新の脱毛機は痛みを感じにくい

出来る限り痛みを感じにくい医療脱毛を受けたいときの、クリニックの選び方・ポイントを教えてください。

蓄熱式の脱毛機や、痛みを和らげる機能がついた脱毛機を使用しているクリニックを選ぶことです。また、麻酔の使用も可能なので、より痛みを感じにくくすることができます。
「医療脱毛は痛い」といった口コミを見て不安になってしまう方はとても多いのですが、クリニックでレーザー照射を受けた方の感想を聞いてみると、実は「意外と痛くないんですね」という方がほとんどです。
実際の痛みは?医療脱毛経験者に聞きました
下記は実際にクリニックでの脱毛経験者に、医療レーザー照射時の痛み・麻酔の使用状況についてアンケートを行った結果です。
アンケートの結果では、麻酔を使用していない方85.7%に対して、照射時に麻酔を使用した方はそれほど多くないことが分かります。
アンケート概要
調査期間:2021年7月19日~2021年7月26日
調査対象:医療脱毛の経験者35名
調査方法:インターネット調査(Lancersタスク方式にてアンケート実施)
痛みに関する実際の声
施術中の痛みを考えると、全身の中でワキへの照射は気楽でいられる部位だと思います。脱毛に挑戦してみたいけれど躊躇するという方は、まずワキの脱毛をお勧めします。(なお、部位ごとの脱毛の選択は不可能というクリニックも多いので、注意が必要です。)
クリニックによっては、麻酔の使用の有無を紹介していない場合もあるので確認が必要です。(施術したクリニックでは麻酔の有無の案内がありませんでした。)
毛が濃く、太い所ほど痛みがありましたが、耐えられる痛みでした。回数を重ねるごとに痛みは軽減しましたが、日々の保湿はしっかりし、毎回肌の状態は良好にして行きました。
麻酔をお願いするほどの痛さではありませんが、光脱毛と比べるとかなり痛みは強いと思います。痛みを軽減するためにも剃り残しをしないこと、自己処理が必要な場合は必ず前日行うこと(2日前とかだと毛が伸びて痛みにつながるので)をお勧めします。
蓄熱式の機械を使用しているところは医療でもそれほど痛くないです!
たまにチクッとする程度で、痛みとはいえないくらいでした。最初にテスト照射をしてくれると思うので、その時に痛み等の確認ができるので安心して大丈夫です。
医療脱毛というと痛いイメージがありますが、最近の医療脱毛はそんなことはありません。それよりも毛が薄くなっていくことの喜びのほうが大きかったです。
最初は少しでも出費を抑えるために麻酔を使用せずにチャレンジしましたがあまりの痛みに耐えきれず二回目以降は麻酔クリームを使用しました。
私の場合は脛やVIOは痛みを感じやすかったですが、他の箇所は我慢できる痛みだったと思います。VIOは希望すれば麻酔クリームを使用できる(購入しないといけないですが)ので大分痛みを軽減できます。
部位によっては痛みが強いところもあるのは想定しておいた方がいいです。特に最初の頃、痛みに慣れてないうちは部分的に麻酔を使用しましたが、最終的にムダ毛が薄くなった頃は使用しなくても少し我慢すれば耐えられるレベルになったので、個人差はありますが痛みに我慢できなかったら遠慮なく担当施術者に伝えた方がベターです。
痛みを感じにくい脱毛機
現在医療脱毛クリニックで使用されている脱毛機には、大きくわけて2種類があります。
脱毛機の種類 | 痛みへの工夫 | どんなレーザーか |
---|---|---|
熱破壊式 | 冷却機能や吸引機能が付いた脱毛機が登場し、痛みを感じにくい工夫がされている。 | バチッとした照射感のある、従来から使用されてきたショット式のレーザーです。 |
蓄熱式 | 数年前より登場した新しいタイプの脱毛機で、痛みを感じにくい方式です。 | 同じところに数回すべらせるように照射し、じわじわと熱を与えていくレーザーです。 |

痛みが苦手な方は、冷却ガス噴射や吸引機能で痛みを感じにくくする工夫がされた脱毛機、または蓄熱式の脱毛機を扱っているクリニックを選びましょう。
蓄熱式について詳しく見る

冷却ガスや吸引機能付きの機種は痛みを感じにくい

ショット式の熱破壊式レーザー脱毛では熱エネルギーを与えるので、照射した瞬間熱さ・痛みを強く感じます。
ただし、熱破壊式レーザーの最新機種には冷却ガスや吸引機能がついているため、その熱の痛みを大幅に紛らわせることができます。
痛みを感じにくい主な熱破壊式脱毛機機と取り扱いクリニック
脱毛機種名 | 機能 | 取り扱いクリニック |
---|---|---|
ジェントルレーズ ※ジェントルレーズプロの旧機種 | 冷却ガス | ・湘南美容クリニック ・渋谷美容外科 ・フェミークリニック |
ジェントルレーズプロ | 冷却ガス | ・レジーナクリニック ・品川美容外科 |
ライトシェアデュエット | 吸引機能 | ・リゼクリニック ・フェミークリニック |

これらの機械は痛みはゼロではないものの、そこまで過剰に痛みを心配する必要はありません。また、クリニックでは麻酔を使えることも大きなメリットです。

より痛みを感じにくい医療脱毛は「蓄熱式」方式
バチッと照射するショット式の熱破壊式に対して、「蓄熱式脱毛機」は、同じところに数回レーザーの照射面をすべらせ、ジワジワと熱を与えていくタイプの機械です。

熱破壊式と蓄熱式では熱の伝え方が異なり、蓄熱式の脱毛機は痛いというより「熱い」といった方が近いです。バチッとした照射感ではなく、ジワジワと温められている感覚です。
蓄熱式は熱破壊式と比べると痛みを感じにくく、エステ脱毛とほぼ変わらないほど痛みを感じにくい機種もあります。
エステ脱毛ではパワーが分散して熱が毛根まで伝わらないので、痛みがほとんどないかわりに効果も薄くなってしまうのですが、医療脱毛での蓄熱式脱毛機ならそういった心配もありません。
また、蓄熱式脱毛は熱破壊式では照射が難しい色黒肌の方、敏感肌の方も照射可能なケースがあります。さらに、熱破壊式では脱毛しづらい産毛にも反応しやすいというメリットがあります。
主な蓄熱式脱毛機と取り扱いクリニック
脱毛機種名 | 取り扱いクリニック |
---|---|
メディオスターNexT PRO | ・リゼクリニック ・フレイアクリニック |
ソプラノチタニウム | ・レジーナクリニック ・グロウクリニック |
ソプラノアイスプラチナム | ・レジーナクリニック ・聖心美容クリニック |
クリスタルプロ | ・エミナルクリニック |

最近では、蓄熱式脱毛機を扱うクリニックがどんどん増えてきています。痛みがどうしても苦手という方は蓄熱式脱毛を検討してみましょう。
最新の医療レーザー脱毛機器では、痛みを軽減する工夫がなされている。また、痛みをより感じにくい蓄熱式脱毛機も人気が高まっている。
痛みと効果の実感は関係ある?

あまりに痛みが少ないと、効果が実感できるのか不安、という方もいると思います。

単純に痛いほうが効果が実感しやすいというわけではないのですが、確かに、蓄熱式と熱破壊式は、効果の実感(毛の抜け落ち方)に違いがあります。
蓄熱式脱毛は、ショット式脱毛のように1~2週間で毛がぽろぽろ抜け落ちたりはしません。
従来のショット式脱毛(熱破壊式脱毛)と比較すると、蓄熱式脱毛は毛が抜け落ちるスピードが遅いため、「効果がない」と感じてしまう場合もあります。
蓄熱式の場合は3~4週間で毛が脱落してくるのが一般的で、仕組みが異なるだけで最終的な脱毛効果は同じですが、蓄熱式は定められた熱を正しくきちんと照射する必要があるため、実際に照射する担当者の技術力に効果が左右されます。
規定の照射回数が守られていなかったり、正しい熱が与えられていなければ十分な効果が実感できない可能性がありますので、“信頼できるクリニック選び”が大切です。
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照射時のレーザーの出力(パワー)は我慢できる程度の高い出力で行ったほうが、効果を実感しやすくなります。出力が高いと同時に痛みも増すことは、ぜひ覚えておいてください。
従来のショット式(熱破壊式)脱毛機と蓄熱式では、効果を実感できるまでのスピードが異なる。レーザーの出力が高いと、同時に痛みも感じやすくなる。
痛みを感じやすい部位

医療脱毛の痛みはほとんど心配なくなってきている、ということがよく分かりましたが、ここだけは別、という場所があるそうですね。

そうなんです。VIOと呼ばれるデリケートゾーンは別と考えてください。この部位は正直言って痛いです。
痛みを感じやすい部位の特徴として、皮膚が薄い・毛量が多い・色素沈着がある・骨に近い場所があげられます。
なかでもVIOラインは、特に痛みを感じやすい部位です。
もっとも痛みを感じやすい部位はVIO
Vライン、Iライン、OラインをあわせたVIOが痛みを感じやすいのは、以下が理由です。
- 毛量が多く毛が太い
- 皮膚が薄い
- 黒ずみ(色素沈着)がある
毛量が多いならまだしも、加えて皮膚が薄く、黒ずみがあるとなると、痛みは強くなります。
皮膚が薄いと刺激を感じやすく、レーザーは黒い部分に反応するため、黒ずみがあると痛みを感じやすいのです。クリニックでは痛み軽減のため、黒ずみ改善のクリームを販売していることも。
痛みを感じやすいために、レーザーの出力は一番低いもので照射することが多いですが、毛がしっかりしているので効果の実感は大きい部位でもあります。
痛みは機械によって少し変わりますが、イメージとしては針でチクチク刺される感じや、輪ゴムで強く弾かれた時の痛みに近いです。
こう言ってしまうとVIO脱毛が怖くなるかもしれませんが、一番痛いのは一番最初だけです。その後は回数を重ねるにつれ毛量も減ってくるので、徐々に痛みが減っていきます。

心配な方は痛みが少ない脱毛機を選び、さらに麻酔クリームなどを使えば、痛みはかなり軽減できるでしょう。
顔やワキも痛みを感じやすい
VIO以外はまったく痛くないかというとそうではなく、皮膚が薄いところは痛みを感じやすい部位です。
例えば顔や、太もも裏からお尻にかけては、他の部位に比べると痛みを感じやすいです。背中やお腹、胸、お尻、脚、腕はそこまで痛みの実感はない傾向があります。
また、ワキは毛質が太くしっかりしている方や黒ずみがある方は痛みを感じやすい傾向があります。

VIOほどではなく、輪ゴムでパチンと弾かれたような痛みですが、範囲がそこまで広くないので、痛いけど麻酔を使うほどではなく耐えられるという方が多いように思います。
男性の場合はメンズ脱毛で人気のヒゲ脱毛は痛みを感じやすい部位です。男性は一本一本毛が太く、しっかりと生えていて毛量も多いので、顔の中でも鼻下や口の周り、もみあげなども痛みを感じやすくなります。
【部位別】痛みを感じやすい部位まとめ
脱毛部位 | 痛みの強さ |
---|---|
Vライン | |
Iライン | |
Oライン | |
ワキ | |
鼻下・口周り |
「全身脱毛したいけど痛みに耐えられるか心配だ」という方は、いきなり全身脱毛を契約せずに、ワキだけ、腕や脚だけなど、徐々に始めて痛みを確認し、慣れていくというのもひとつの選択肢です。

テスト照射で痛みを確認できるクリニックもあるので、カウンセリングで相談してみましょう!
痛みをより感じにくくするための方法

機械や部位によって痛みが異なることがわかりました。他に、より痛みを減らすポイントはありますか?

痛みを感じやすい方は麻酔を使用すること、保湿ケアをしっかり行い乾燥を避けること、日焼けしないよう注意することが上げられます。
麻酔を使用してもらう
まず一つは、照射時に麻酔を使う方法です。塗るタイプのクリーム麻酔を用意しているクリニックが多いですが、まれに貼るタイプの麻酔や笑気麻酔(眠らず気持ちを落ち着かせる、リラックスさせる)があることも。
医療脱毛で麻酔を使用する方は多くはありませんし、痛みが若干和らぐ程度の効果ですが、VIO脱毛は使った方が痛みを感じにくくなるため、痛みが苦手な方は安心できます。

麻酔は1回あたり1,000円前後程度で、有料のことがほとんどなので、施術予定のクリニックで確認してください。
- レジーナクリニック
- フレイアクリニック
- グロウクリニック

保湿して乾燥を避ける
普段からボディクリームやボディオイルで保湿ケアを行い、乾燥を避けることも、痛みの軽減に効果的です。
乾燥していると肌が敏感になり、痛みを感じやすくなります。特に冬は肌が乾燥しやすいので、脱毛中は特に保湿ケアに力を入れるようにしてください。

乾燥は脱毛の天敵です。効果実感も得づらくなってしまいますから、脱毛中は保湿ケアを徹底しましょう!
日焼けを避ける、UVケアをする

脱毛中に日焼けが厳禁と言われるのは、日焼けすると黒い色素が多くなり、熱が肌にも伝わって痛みが強くなるからです。
クリニックによっては、飲む日焼け止めや美白ケア用品を販売しているところもあり、予算や必要に応じてこのような商品も利用すると、痛み軽減に繋がります。
さらに、痛み以外の面でも、日焼け肌ではレーザーの出力が上げられなくなるため効果も実感しづらくなり、非常にもったいないことになります。そもそも、日焼けがあまりにひどい部位は照射自体できないことも。
もちろん普段使っている日焼け止めでも十分効果的ですので、脱毛中は欠かさず肌ケアをして、できるだけ痛みを感じにくい肌状態で施術を受けましょう。

そのほか、生理前後を避ける、照射パワーの調整をしてもらう、という方法も有効です。
まとめ
- 冷却機能や吸引機能で痛みを軽減できる機械が普及している
- 最新の機械でも特に痛みが少ないのは「蓄熱式脱毛」
- VIOや皮膚の薄いところ以外は痛みを感じにくい
- 麻酔・保湿・UVケアの3つで痛みを軽減できる