エストラジオールとは?なぜ女性の薄毛に効果的なのか解説

エストラジオール

あなたはエストラジオールをご存知ですか?

「女性ホルモンなのは知ってるけど、具体的なことはよくわからない」

「体にどんな影響を与えてるのか気になる!」

といった感じで、名前くらいは知っているくらいの方がほとんどではないでしょうか?

そこで今回は、

  • そもそもエストラジオールとは?
  • エストラジオール配合の育毛剤を利用する意味
  • エストラジオールとエチニルエストラジオールの違い

といった感じで、エストラジオールの基本と育毛剤に配合することでどんな効果があるのか?といった観点でご紹介していきます。

この記事の執筆者

内科総合クリニック人形町 院長 藤田 英理(総合内科専門医)

藤田 英理 内科総合クリニック人形町 院長

東京大学医学部保健学科、横浜市立大学医学部を卒業。虎の門病院、稲城市立病院、JCHO東京高輪病院への勤務を経て内科総合クリニック人形町を開院。総合内科専門医。AGA治療や生活習慣病指導も行う。

所属:日本内科学会日本動脈硬化学会日本頭痛学会

医師略歴・プロフィールはこちら

目次

エストラジオールとは?

『エストラジオール』とは、『エストロゲン』と呼ばれる女性ホルモンを構成する一種です。
エストラジオールはエストロゲンの一種
エストロゲンは3種類の女性ホルモンで構成されており、『エストロン(E1)』『エストロゲン(E2)』『エストリオール(E3)』と呼ばれています。

この3つの女性ホルモンは独立しており、『子孫を残す(赤ちゃんを授かる)』ことを目的として活動する一方、女性らしさの源だとも。

そして、その中で体に最も影響を与えているのが、エストラジオールです。

ちなみに、女性ホルモンは生涯でスプーン1杯程度しか生成されません。にも関わらず、女性らしさを司り、出産という一大イベントの立役者とも取れるポジションにあるため、人生に多大な影響を及ぼす重要なホルモンと言えますね。

女性ホルモン(エストロゲン)の減少が、女性薄毛の原因!?

そんな女性ホルモンであるエストロゲンは加齢と共に減少し、その結果女性特有の薄毛や抜け毛の引き金となります。

加齢と女性ホルモンの関係

そして、その中で最も影響を与えているのが、エストラジオールです。

このような感じで、30代後半を境に女性ホルモンの数は一気に減少。

妊娠・出産適齢期をすぎ閉経を挟むと『子孫を残す』という役割を果たしたことになるため、女性ホルモンは減少してしまいます。

女性ホルモンは子孫を残すということだけでなく、男性にとって魅力的な女性となるためにも活動。胸や唇をふっくらさせたり、肌や髪の毛にハリツヤを出したり。

これも男性からパートナーに選んでもらうためと言われています。

つまり、女性ホルモンが減るとそれに比例して女性らしさが失われてしまうので、女性にとって本当に大事です。 

女性ホルモンと毛髪の関係

そして女性ホルモンは毛髪と密接な関係があり、エストロゲンの数が毛髪の成長に大きく関係していることがわかっています。

少し専門的な話になりますが、毛包内にはエストロゲンを感知するレセプター(受容体)がいて、毛周期に多大な影響を。つまり、エストロゲンの存在が毛の成長を持続させ、成長期にある毛を増やすことがわかっています。

これを裏付ける例は数多く存在しており

  • 妊娠すると毛量が増える(女性ホルモン増加)
  • 出産後には一気に毛量が減る(女性ホルモン減少)
  • ピルをやめると抜け毛が増える(女性ホルモン減少)
  • 閉経後に抜け毛が増える(女性ホルモン減少)

このように、女性ホルモンの増減するタイミングで毛髪になんらかの変化が現れるのです。

ちなみに、マウスを使った実験で女性ホルモンレセプターが欠損したマウスとそうでないマウスを比較したところ、前者のマウスの方が毛周期の退行期が早期に起きることが判明しています。

ホルモンバランスとの関係

また、女性ホルモンと対をなす存在の男性ホルモンも薄毛の原因になることもわかっています。その秘密は、ホルモンバランスです。
ホルモバンランス

男女ともに男性ホルモンと女性ホルモンが存在しており、男性は男性ホルモンが、女性は女性ホルモンがそれぞれ優位に立っています。

体内のホルモンバランスは男性ホルモンと女性ホルモンの大小で決まるため、見た目男性は男性らしく、女性は女性らしいのです。

しかし体内のホルモンバランスが崩れると、身体的な特徴として現れることになります。

女性なのに筋肉質になったり体毛が濃くなったり、男性を彷彿とさせる身体的特徴が目立つことに繋がります。それは身体だけではなく、毛髪にも影響を及ぼすことに。

つまり、体内のエストロゲンが減るとホルモンバランスが乱れ、結果的に男性ホルモンが優位に立ちます。

すると、毛髪のヘアサイクルが乱れ成長期にあった毛髪が育たなくなり、さらに活発に動いていた女性ホルモンも少なくなるため女性らしさも失われ、薄毛になる可能性に繋がるというわけです。

エストラジオール配合の育毛剤で、女性ホルモンをチャージ

そこで、エストラジオールを配合した育毛剤の出番。女性ホルモンを頭皮からチャージすることで、育毛と発毛促進の効果効能があると国が認めています。

また、男性ホルモンが過剰に分泌されると、テレビや広告で見るAGA(男性型脱毛症)と呼ばれる抜け毛が促進する病気を発症してしまう可能性が。

しかし、エストラジオールは男性ホルモンの過剰分泌を抑えてくれると言われているため、発症を抑制してくれると言われています。

これだけの効果があるエストラジオールですが、あまり育毛剤の成分で耳にすることは多くありません。

それもそのはずで、エストラジオールは現在医薬品扱いを受けているため、医薬部外品扱いの育毛剤で利用されているものは非常に少ないです。(元々医薬部外品扱いでしたが、効果が高いため医薬品に変更になりました。)

今からエストラジオールを配合した育毛剤を開発はできないし、医薬品扱いとなるため価格も高騰しています。

エストラジオールとエチニルエストラジオールの違い

実はエストラジオールには『エストラジオール』と『エチニルエストラジオール』の2つがありますが、2つの違いは、天然物か人工物かの違いです。


  • 天然物:エストラジオール
    天然物のエストラジオール。先述の通り、毛髪の健康に関わる大切な女性ホルモン。
  • 人工物:エチニルエストラジオール
    エストラジオールを元に作られた、女性ホルモン剤の一種。更年期障害や生理不順、骨粗しょう症などの治療薬として使用されてきた。

強いて違いをあげるなら、エチニルエストラジオールはあくまでも女性ホルモンに似た動きをするだけで、女性ホルモンそのものではない、ということですね。

しかしどちらも医療現場で実際に使用されてきた医薬品であるため、安全性は非常に高いと言えるでしょう

また育毛・発毛促進以外の目的ではエイジングケアやニキビ予防など、幅広く利用されている成分です。

まとめ

女性らしさを保つために欠かせない女性ホルモンの一種であり、育毛効果も認められているエストラジオール。

加齢とともに減ってしまうのは運命であり、抗うことはできませんが、外部からのアプローチは非常に重要なものになってきます。

しかし、医薬品となってしまった成分のため、現在流通しているのは数品しかありません。

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