いざ筋トレ!でもプロテイン飲むと禿げる?そんな噂について医師が本当かどうか解説します。

プロテインはげる
AGAでお悩みの方

先生!やっぱり健康のために運動って大切なんでしょうか?

院長 藤田

そうですね、運動は生活習慣病のメタボの予防にもなりますし、大切なことです。

AGAでお悩みの方

実は今筋トレに興味があって、ジムに行ったりしようかなと思っているんです。

院長 藤田

それはいいことですよ。筋肉をしっかりつけて余分な脂肪を落とすのは、健康にはとても重要です。

AGAでお悩みの方

ただ気になることがあって、、、プロテインを飲むと禿げるっている噂が気になっているんです。せっかくAGAの治療をしているのに筋トレとプロテインがハゲに繋がったらと思うと、、

院長 藤田

時々噂になる件ですね。実はプロテインがハゲにつながるというのは迷信なんですよ。では今回は、プロテインとAGAの関係性について解説いたしますね。

この記事の執筆者

内科総合クリニック人形町 院長 藤田 英理(総合内科専門医)

藤田 英理 内科総合クリニック人形町 院長

東京大学医学部保健学科、横浜市立大学医学部を卒業。虎の門病院、稲城市立病院、JCHO東京高輪病院への勤務を経て内科総合クリニック人形町を開院。総合内科専門医。AGA治療や生活習慣病指導も行う。

所属:日本内科学会日本動脈硬化学会日本頭痛学会

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目次

プロテインを飲むと禿げるのか?

プロテインは脱毛に繋がる。そんな噂話をきいてジムに通ったり自宅で筋トレをするのを躊躇してしまった。そのようなAGA患者さんの声は時々聞こえてきます。

今回は誤解されがちなプロテインとAGAの関係について紐解き、本当にプロテインがAGAに関係ないのか、またなぜプロテインがAGAに繋がっているという噂が流れたのかについて見ていきたいと思います。

まずは噂の真相についてですが、実は「プロテインが脱毛につながる」というのは迷信なのです。筋トレやその時に摂取するプロテインが脱毛につながるという科学的根拠は全くありません。

そもそも髪の毛は何でできている?プロテインとの因果関係について

プロテインAGA髪の毛仕組み

そもそも髪の毛というものが何でできているのかご存知でしょうか。

実は髪の毛はタンパク質からできており、髪の毛の構成成分はケラチンというタンパク質なのです。このケラチンが髪の毛の構造の8割を占めているため、髪の毛を作るのにはタンパク質が必要ということになります。

プロテインはタンパク質です。タンパク質は体を作るために非常に重要な成分なので、筋肉を作るのに役に立ちます。そのほか体の様々な機関を構成する非常に重要な栄養素なのです。

良質なタンパク質の摂取は発毛にはむしろプラスであると考えられます。

生えてきた髪の毛の質にもタンパク質は影響します。髪の毛は3層構造になっています。

一番外側は毛小体といい、一般的にはキューティクルと言われている部分です。その内側に皮質、更に内側に髄質という部位があります。

キューティクルは髪の毛の外側を覆う硬いケラチンの層でこの層の厚さが髪の毛の太さや硬さに関係してきます。

その内部の皮質や髄質も髪の毛の見た目や色に大きく影響しています。質の良い髪の毛のためにはタンパク質摂取が重要なのです。

院長 藤田

プロテインがハゲにつながらないということ、ご理解いただけましたか?

AGAでお悩みの方

安心しました!髪の毛ってタンパク質なんですね。ただもう一つ気になる事が、、、

院長 藤田

なんでしょう?

AGAでお悩みの方

筋トレ自体も脱毛に関係しているという噂を聞いてしまって、、、

院長 藤田

なるほど。AGAには男性ホルモンが関与しているのでそこから出た噂ですね。では、続いてAGAがどういうメカニズムで起こるのか見ていきながら解説していきますね。

筋トレやプロテインは脱毛にどんな関係ある?

プロテインはげる筋トレ

結論から言うと、プロテインと同様に筋トレと脱毛の関係は科学的根拠はありません。

そのため、科学的には筋トレは脱毛と関係ないと言えます。安心して筋トレをしても大丈夫です。

ではなぜ、「筋トレで禿げる」という噂が広まったのでしょうか。実は、AGA(男性脱毛症)に男性ホルモンであるテストステロンが関与していることから、この噂が広まったものと思われます。

では、AGAと男性ホルモンとの関わりは何か、そのメカニズムについてみていきましょう。

男性ホルモンであるテストステロンは5αリダクターゼという酵素の作用でジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。

このジヒドロテストステロンが男性ホルモンの受容体に結合するとTGF-βという脱毛シグナルにより毛の成長がとまり脱毛に関与します。

筋トレでは確かに筋肉量を増やしてテストステロンが増加しますが、このテストステロン自体は人体に必要なもので健康で脱毛などがない人でもしっかり分泌されています。

AGAは遺伝的に5αレダクターゼの活性がどの程度あるのか、また男性ホルモンレセプターの感受性がどれだけ高いのかによって決まることが多く、テストステロンの量が多いことは大きな関係はありません。

脱毛で問題になるのはDHTであり、AGAでない人が筋トレやプロテインでAGAになるということはありません。

また、例えAGAの人であっても、筋トレやプロテインによって増加するテストステロンの量が原因で、目に見えて脱毛が進むというレベルの進行は考えにくいです。

もともとテストステロンというホルモンは常に分泌されているので、筋トレでテストステロン分泌が増加しても変換されてできるDHTの量が目に見えて増えるということはありません。

要するに、原材料がもともとしっかり供給されている工場に、更に原材料を与えても生産ラインの動きに変化はなく、生産量はあまり変わらないのです。

院長 藤田

筋トレが髪の毛に悪い影響があるというわけではない事はご理解いただけましたか?

AGAでお悩みの方

男性ホルモンとの関係があったんですね。それで筋トレが悪影響という話になっていったんですね。

院長 藤田

確かにメカニズムを見ていくと「もしかして」と思いますよね。

AGAでお悩みの方

筋トレするにあたって注意点などはありますか?

院長 藤田

筋トレやプロテイン自体に悪影響はないので、基本的には問題はないのですがいくつか気をつけたい事がありますね。

AGAでお悩みの方

ぜひ教えてください!

プロテインを使った体作りの時の注意点

プロテインはげる体力作り

若い男性の脱毛については「遺伝の要素が強い」ということは明確な根拠(エビデンス)があり、テストステロンをDHTに変換する酵素の活性などが関与していることがわかっています。

これとは別に環境因子が関与されていると考えられています。どんな環境因子が関与しているかは明確なエビデンスはないのですが、いくつか脱毛に関連がありそうだと考えられているものがあります。それでは、みていきましょう。

脱毛に関連している可能性の高い因子として、頭皮への血行不良、ストレスでの自律神経の異常、高血圧、肥満などがあります。

筋トレを適度にやるとこれらに対してはプラスに影響すると考えられますので、適度に筋トレをする分には全く問題がないと言えるでしょう。

しかしながら、プロテインを使うなどする過度の筋トレでは体に大きな負荷がかかり、ストレスや血行不良などを引き起こす可能性もあります。

また、ウェイトダウンを目的とした筋トレなどを行う場合、食事制限などを同時に行うことが多いです。

そこであまりにも食事量を落としてしまったり、バランスが悪い食事をしてしまったりしていると、頭皮の血行不良や髪の毛への栄養の不足などが関連して、脱毛や、髪質の悪化などをきたす可能性があります。

毛髪も体を構成する器官の一部ですので、体の健康状態を反映します。筋トレやプロテインに限らず、運動習慣や食生活、睡眠やストレスといった様々な生活環境が脱毛や髪質に大きな影響をあたえているのです。

院長 藤田

健康な髪の毛のためには体全体が健康にならないといけないということですね。

AGAでお悩みの方

よくわかりました。やっぱり何事も適度にやっていく必要があるんですね。

院長 藤田

AGAは遺伝や環境因子が関わっていて「これだ!」という原因がわからないのもあって、人に言えずに悩んだり、色々な迷信が生まれたりしています。

AGAでお悩みの方

そうですよね、いろんなサプリや健康法が出ていて何を信じて良いやら。

院長 藤田

ひとりで悩むのなら私たち医師に相談することを検討してほしいですね。実はAGAには診断・治療方法を定めたガイドラインも出ていて、治療法もある程度確率されているんですよ。

AGAでお悩みの方

ぜひ詳しく教えてください。

AGA治療内容について

プロテインはげるAGA治療

脱毛に関してはいろいろな民間療法やサプリメントが登場しています。もちろんそれら全てを否定できるというものではありませんが、多くに人に治療や投薬を施して結果を確認した論文などがないと根拠のある治療とは言えないのもまた事実です。

実はAGAはきちんとした診療ガイドライン(診断をどのようにするか、どんな治療を行うかを医学的に検証し、推奨されるものが記載されたもの)があり、医学的な治療がある程度確率されているのです。日本皮膚科学会が出しているので信用できるものです。

AGAの治療は内服薬であるフィナステリド、デュタステリドを用いることが多いです。

これはテストステロンをDHTに変換する酵素である5αレダクターゼを不活化させる作用を持ちます。他に外用薬(塗り薬)であるミノキシジルを併用します。

ミノキシジルは毛包に直接作用して細胞増殖やタンパク質の合成を促進することで発毛作用を示します。

ほかにも植毛術やレーザー治療など状況に応じてさまざまな治療が行われています。

薄毛について悩んでいる人は1人で悩むのではなく、エビデンスのある治療を行なっている医師に相談することで悩みを解決することができる可能性があります。ぜひ相談しましょう。

AGA治療は保険適応になる?

残念ながらほとんどのケースではAGA治療は保険適応になりません。日本の医療保険の適応は治療をしなければ体調が悪化する、または生命活動に関係するような疾患に適応されます。

AGAは体の不調や生命への危険があると言えるものではないために、保険適応とはならず自由診療となります。ですので、信頼できる医師から十分な説明を受けられるようなクリニックを探して治療を受けることをお勧めします。

まとめ

今回は脱毛とプロテインの関係について解説していきました。「プロテインや筋トレはハゲにつながる」という噂は科学的根拠がなく迷信です。

若年男性の薄毛の原因であるAGAに男性ホルモンであるテストステロンが関連していることから広まった噂と推察されます。

AGAにかぎらず、世の中には健康問題に関する様々な噂が広まっています。

噂に流されることなく、信頼できる医師に「実際のところどうなのか?」と医学的な根拠を聞きつつ行動することが重要です。 AGAにお悩みの方は、ぜひ医師に相談しましょう。

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