アデランスの植毛について~増毛との違いと「過去の噂」を検証

アデランスの植毛

結論を先に書きますと、アデランスは植毛(頭皮に人工毛や自毛、他人の髪の毛などを直接植えこむこと)は「今は」やっていません。

アデランスが今現在の主力事業としているのは、ピンポイントシリーズやバイタルEX(バイタルエクス)シリーズなどの「増毛」です。

アデランスの増毛法

とはいえ、「植毛」と「増毛」は漢字だけ見れば似た様な響きですのでイマイチ違いが分からないと思いますので、両者の違いと、過去に本当にあった(らしい)アデランスの植毛について解説していきます。

この記事の執筆者

内科総合クリニック人形町 院長 藤田 英理(総合内科専門医)

藤田 英理 内科総合クリニック人形町 院長

東京大学医学部保健学科、横浜市立大学医学部を卒業。虎の門病院、稲城市立病院、JCHO東京高輪病院への勤務を経て内科総合クリニック人形町を開院。総合内科専門医。AGA治療や生活習慣病指導も行う。

所属:日本内科学会日本動脈硬化学会日本頭痛学会

医師略歴・プロフィールはこちら

目次

人工毛を植毛すると頭皮は拒絶反応を起こします

人工毛を髪の毛(自毛)に結び付けても問題はありませんが、頭皮に植える(頭皮内に人工毛を差し込む)とどうなるかというと、人工毛は人体にとって「異物」に該当するので、異物を追い出すために白血球(Tリンパ球)が人工毛を追い出そうとして人工毛を植えた頭皮(正確には真皮および皮下脂肪織)を攻撃します。

これを免疫反応というのですが、人工毛を頭皮に植毛するとこの免疫反応によって頭皮に炎症が起きて赤くただれてきて、頭皮が膿(うみ)だらけになってしまいます。

恐ろしいことに、今でも人工毛の植毛を行っているクリニックが日本には実在していて(アデランスではないです)、一度人工毛を植毛した体験者の頭皮を見せてもらう機会があったのですが、炎症を通り越して大惨事のレベルです。

アメリカなら即裁判になって何億も請求できると思います。

で、この人工毛の植毛を過去にどうやらアデランスでも行っていた時代があったらしいのです。情報源は、新宿にある某大手植毛クリニックのカウンセラーさんです。

名刺をもらったので名前も分かっていますが、このカウンセラーさんがアデランスから抗議を受けると、この記事を書いている私も巻き添えくらいそうなのでクリニック名とカウンセラーさんの名前は伏せさせていただきます。

でも、そっか。このカウンセラーさんは実際にアデランスで人工毛植毛を受けたわけだから別にいいのか。いつか名前書こっかな。

ただし、そのカウンセラーさんがアデランスで人工毛植毛手術を受けたのは15年以上前のことのようで、今はアデランスでは人工毛植毛はもちろんのこと、自毛植毛もやっていません。

植毛は医療行為なので医師免許が必要

植毛は頭皮をマイクロスリット(メスの一種)で切って、頭皮の中に髪の毛を植え付けるので「医療行為」に該当します。

つまり、医師免許を持った人間しか植毛はやってはダメなわけで、今のアデランスには医者は勤務していませんので植毛は当然やっていません。違法行為(医師法違反)になってしまいますからね。

アデランスで過去にやっていた(らしい)人工毛植毛の手順

人工毛植毛のイメージ
人工毛植毛を今でも行っているクリニックのホームページから引用

ここから先は、新宿にある某大手植毛クリニックのカウンセラーさんが10年以上前にアデランスで人工毛植毛を受けた時の実体験を私に話してくれた内容を要約し、ご紹介します。

  • 医者が植毛したかどうかは記憶にない
  • 植毛した後に免疫力を落とす薬を処方された
  • 植毛を実施して2週間くらいは大丈夫だったか徐々に頭皮が荒れてきた
  • 1か月経過し頭皮が大惨事になり泣きながら人工毛を自分で抜いた

植毛クリニックにとってアデランスはライバル企業です。

ですので、アデランスの悪口を言っているのかなあと思って聞き流していたんですが、「植毛した後に免疫力を落とす薬を処方された」というのを聞いて、少し信じるようになりました。

私のように医療の知識があれば別ですが、医療の知識を大して持ってないイチカウンセラーが免疫の話をするわけがないんです。

前述したように、人工毛は頭皮にとって「異物」なので免疫反応によって頭皮が炎症を起こします。

炎症を起こすと頭皮が荒れまくってしまうので、それをあらかじめ防止するために免疫を落とす薬を処方するというのは、ある意味理にかなっています。

また、

「植毛を実施して2週間くらいは大丈夫だったか徐々に頭皮が荒れてきた」

これ↑も重要な証言です。

異物(人工毛)が頭皮に侵入してもすぐに炎症は起きません。リンパ節を通して異物の侵入情報(信号)を出し、異物をやっつけるためにTリンパ球(白血球)が頭皮に集まってくるのにまさに2週間かかります。

こんな医学的知識をイチカウンセラーが知っているわけがないので、アデランスで人工毛植毛手術を受けたというのは恐らく本当のことなんだと思います。また、

「免疫力を落とす薬を飲むと風邪を引きやすくなりますのでご注意ください。」

とも言われたそうです。ますますリアルです(笑)

もしウソだとしたら、相当勉強して作り込んだウソだなあと逆に感心します。「ライバルをおとしめるためにそこまでやるか!」と。

なお、ウィキペディアに人工毛植毛に関する以下のような記述があります。

人体に異物を挿入する手術であるため、免疫拒絶反応により頭皮が炎症を起こすことがある。
また、副作用が多く報告されたため、現在アメリカでは行われていない。

日本皮膚科学会から発表された男性型脱毛症診療ガイドライン(2010 年版)でも推奨度D(行わないよう勧められる:無効あるいは有害であることを示す良質のエビデンスがある)になっている。

ウィキペディア「脱毛症」より引用

国内だけでなく、国際的にも人工毛の植毛は非推奨、というかモグリのクリニック以外どこも人工毛植毛には手を出しません。

ウィキペディアでは「頭皮が炎症を起こすことがある」とずいぶんと優しい書きっぷりですが、人体の仕組みを考えると白血病患者でもない限り人工毛植毛は頭皮に取返しがつかないような炎症をまず間違いなく引き起こすと思いますよ。

まあいずれにせよ10年以上前の話らしいですし、もはや時効ですから真偽はどうでもいいです。今のアデランスは自毛植毛すらやってませんので。

増毛と植毛はどう違うの?増毛は頭皮が炎症するの?

アデランスの「増毛」は、頭皮にまだ残っているあなたの髪の毛の根元部分に人工毛(工場で人工的に作られた毛)を結び付けていきます。

頭皮に植え込むわけではないので炎症は起きませんし、もし人工毛が頭皮に触れていたとしても炎症は起きません。もし頭皮に触れただけで炎症が起きるなら、帽子をかぶっただけでも頭皮に炎症がおきるってことですから、そんなことありえませんよね。

頭皮には「表皮」と呼ばれる角質層があり、免疫反応は表皮では起きません。免疫反応が起きるのは表皮の下にある真皮(しんぴ)以下に異物が入った場合のみです。

増毛は大変素晴らしい技術で考え出した人は天才だと思います。私は増毛を実際にやってたので実態を知っていますが、頭皮は全然大丈夫でした。炎症が起きたことは一度もないです。

新宿にある某大手植毛クリニックのカウンセラーさんの話(アデランスが人工毛の植毛を過去に行っていたという話)はウソではなさそうですが、少なくとも今現在のアデランスでは人工毛の植毛は絶対にやっていませんし、現在アデランスが行っている増毛法で頭皮が荒れる(炎症を起こす)ことはありませんので、その点はご安心ください。

ただし、ヘアパーフェクトという「貼るウィッグ」は、頭皮をバリカンで剃り込んでウィッグを粘着剤で頭皮に直接貼り付けるので、体質が合わない人は炎症が起きることがあります。

まとめ

誰しもが1つや2つの過ちや忌まわしき過去を抱えているものです。

アデランスだけじゃくアートネイチャーでも似たような話を聞きましたので、人工毛植毛が過去に行われたいたことはどうやら事実っぽいですが、少なくとも今はやってませんし、自毛に人工毛を結び付ける増毛では炎症は起きませんので心配ご無用です。

そんなデマを信じるより、アデランスでもアートネイチャーでも植毛クリニックでもどこでもいいので、薄毛解消のために行動を起こしてください。

みんなあなたの薄い頭皮を見ています。無駄な心配するより、自分の目で確かめてみればすぐに分かりますので、お近くのアデランスの無料増毛体験でフサフサになった自分自身がどれくらい素晴らしいか確認しに行ってみてください。

アデランスの増毛は本当に素晴らしい技術で私も随分とお世話になりましたのでオススメですよ。

以上

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次