おはようございます。内科総合クリニック人形町 院長の藤田です。
VIO脱毛を検討されている方のお悩みの中には「VIOに黒ずみがあると断られてしまうのか」「VIOは黒ずんでいると痛いのか」など、VIOの黒ずみに関するものがよく見られます。
光や医療レーザーを用いた脱毛は、濃い色の肌には照射することができないと言われたり、濃い色に強く反応する特徴を持っていたりするので、色素沈着で黒ずんだVIOはどうなるの?と気になられる方も多いようです。
ここでは、VIOが黒ずんでいる場合は脱毛を断られてしまうのか、VIOに黒ずみがある場合の脱毛について詳しく解説しています。
また、黒ずみと脱毛時の痛みの関係、デリケートゾーンの黒ずみに関してよくある質問にもお答えしていますので、VIOに黒ずみがあり脱毛に不安を抱えている方はぜひ参考にしてください。
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VIO脱毛は黒ずみがあってもできる?断られる可能性は
VIOラインは他の部位よりも皮膚が薄く、下着や生活習慣による摩擦で色素沈着が起こりやすい部分です。
他人のVIOラインを見る機会などあまり無いため、ついつい「自分だけがこんなに黒いのかもしれない」「恥ずかしい」と感じてしまう方が多いのですが、実際には、ほとんどの方が大なり小なり色素沈着を起こしています。
「VIOの色素沈着は誰にでも起こることであり特別不安を持つ必要はない」という点を前提に読み進めていただければと思います。
ほとんどの場合は脱毛が可能
多くのサロン・クリニックで「VIOラインに黒ずみ(色素沈着)があっても、ほとんどの場合は施術が可能」と案内されています。
あまりに黒い場合ですとすぐに照射は難しい場合もありますが、出力を弱くする、適切なケアをしてから時間を置いて照射するといった選択肢もあり、黒ずんでいるから門前払いということはありません。
どのくらいの黒ずみならOK?
黒ずみがあっても脱毛できると言うけれど、具体的にどれくらいの黒ずみならOKなの!?と不安に思われる方もいらっしゃるかと思います。
個人差はありますが、デリケートゾーンにはどなたにも多少の色素沈着はありますので、基本的にはそのほとんどが許容範囲です。
なぜVIOは黒ずんでしまうの?
お肌の黒ずみ(色素沈着)は、肌のメラニン色素が増えてしまうことで起こるものです。
メラニン色素は肌への刺激や紫外線を浴びることで増加する仕組みになっていますが、もともと日本人の肌にはメラニン色素が多く、色素沈着をしやすい傾向にあるとされています。
レーザーで黒ずみは改善するのか
「脱毛レーザーを使用すれば、VIOの黒ずみも改善する」という説がありますが、脱毛用のレーザーはシミを薄くする目的で作られているわけではないため、VIOに脱毛レーザを照射しても黒ずみは改善できません。
ただし、全く無関係とも言われると、そうも言い切れない部分があります。下記でもう少し詳しく解説します。
脱毛用のレーザーとシミ治療レーザーは別物
脱毛とシミ治療は、どちらも光やレーザー機器を使用するものですが、両者は光の波長の長さ、照射時間が異なります。
脱毛は脱毛に、シミはシミに、それぞれに適した光の波長の長さと照射時間が設定されています。
脱毛レーザーとシミ治療レーザーの違い
脱毛レーザー機器 | シミ治療レーザー機器 | |
---|---|---|
レーザーの種類 | ロングパルスレーザー | ロングパルスレーザー |
光の種類 | アレキサンドライトレーザー ヤグレーザー ダイオードレーザー | アレキサンドライトレーザー ヤグレーザー ルビーレーザー |
照射時間 | 長い | 短い |
ターゲット | 毛に含まれるメラニン色素 | 肌に含まれるメラニン色素 |
上記のとおり、脱毛とシミでは同じ光を使用することもあり、メラニン色素をターゲットとしている部分も同じです。
そのため、何らかの拍子に脱毛レーザーを照射することで、肌の黒ずみやシミが多少改善されるケースももちろん考えられます。
ただしあくまでも副次的な効果のため、期待できる程のものではありません。基本的には別物と考えておきましょう。
VIO脱毛後の自己処理が減った結果、黒ずみが改善される可能性はある
脱毛レーザーで直接的に黒ずみは解消できないものの、VIOを脱毛することで自己処理が必要が無くなる、もしくは頻度が減り肌への負担が軽減され、色素沈着が解消され黒ずみが薄くなることは大いに考えられます。
また、デリケートゾーンの毛が減ったり無くなったりした結果、下着内の蒸れが解消され、肌トラブルが起こりにくくなることも黒ずみが改善される要因となります。
VIO脱毛中、クリームで黒ずみケアはするべき?
VIO脱毛時の黒ずみについては「恥ずかしい」「なるべく痛みを避けたい」「黒ずみがあるといって出力を弱くすると効果が心配」といった気持ちから、なるべく黒ずみを解消した状態で施術を進めていきたい方も多いことと思います。
そこでよく取り上げられるのが「デリケートゾーン専用のクリーム」です。施術中にクリームで黒ずみケアをすべきなのかについてお答えします。
アフターケアや保湿目的で使用すると◎
VIO専用クリームでアフターケアや保湿を行うと、メラニンの生成が抑えられ、乾燥や肌荒れ防止にも。お肌のターンオーバーが促され、肌の状態が健康になることで色素沈着を予防できます。
VIO専用クリームで黒ずみは美白できる?1) 2) 3)
デリケートゾーンの黒ずみ対策クリームの中には、「黒ずみ・美白」といったあたかも黒ずみが漂白されて白くなるような表現をされているものがありますが、こういった商品や広告には慎重にならなければいけません。
というのも、商品に「美白」と表示できるのは厚生労働省から「この成分は美白効果が認められる」をお墨付きを貰った有効成分を配合している商品だけだからです。
美白効果が認められる成分を「有効成分」と呼び、有効成分を配合している商品は医薬部外品と呼ばれます。
- ビタミンC誘導体
- トラネキサム酸
- アルブチン
- コウジ酸 など
また、「美白」という表現も黒ずみを漂白するような意味合いではなく、「メラニンの生成を防ぎ、シミやソバカスを防ぐ」と明確に決められています。
シミやソバカス(色素沈着や黒ずみ)は、メラノサイトが作るメラニンが大量に生成され、停滞している状態です。そこで、メラニンの生成を抑制することでこれ以上、濃くならないようにします。
VIO脱毛中に保湿目的で使用するクリームは、デリケートゾーン専用のものでなくても、アフターケアや保湿を目的とする化粧品でも十分です。
黒ずみを解消したい目的がある方は、美白有効成分が配合されているデリケートゾーン専用の医薬部外品を選んでみましょう。
「黒ずみがあるとVIO脱毛が痛い」ってホント?
光や医療レーザーを用いた脱毛は、メラニン色素に反応する特殊な光を照射し、発生した熱により毛根を弱らせたり、破壊したりして脱毛します。
メラニン色素の量が多いほど大きな熱エネルギーが生じるので、メラニン色素が多い毛や肌に照射すると痛みを感じやすい傾向があります。
ただし、照射する出力を小さくすることで発生する熱エネルギーの大きさを調整することは可能ですし、使用するレーザーの光や機器を使い分けることで痛みをコントロールできます。
クリニックによっては麻酔を使用することもできますので、痛みに弱いという方でも安心して施術に挑める環境が整えられています。
VIO脱毛後に黒ずみが目立つときの対策法
VIO脱毛が進んで毛が減っていくと、毛の下に隠れていた皮膚が目立つことでVIOラインの黒ずみが気になりだす方も少なくありません。
クリニックには皮膚の色素沈着を解消するレーザーもありますが、VIOラインの黒ずみや色素沈着は日頃のケアを少し気を付けるだけでも随分と解消することができます。
ここではVIO脱毛後に黒ずみが目立つときの対策法をご紹介します。
VIO脱毛後の方はもちろん、脱毛を今から始められる方は照射時の痛みや肌トラブルの解消にも有効ですので、ぜひ取り入れてみてください。
下着や衣類の見直し
締め付けると肌が擦れやすくなり、そこに摩擦が加わると刺激が与えられ、色素沈着が起こりやすいです。また、通気性の悪い下着は蒸れやすいため、雑菌が繁殖しやすくなります。
雑菌が多い環境は肌トラブルを招き黒ずみを招く原因となるため、素材にも気を付けるようにしましょう。
自己処理には電動シェーバーを使用する
電動シェーバを使用すると、肌を傷つけることで起こる色素沈着や黒ずみを予防できます。
保湿を心がける
保湿された肌は瑞々しくなり、トーンが明るくなる効果も期待できます。
専用ソープやクリームを使う
VIOラインは肌が薄く、とてもデリケートな場所。刺激の強いソープや化粧品の使用は、刺激となり色素沈着を起こしてしまう可能性があります。
デリケートゾーン専用のソープやクリームは、VIOラインへの刺激が少ない優しい成分でできていたり、美容にうれしい保湿成分が配合されています。
普段デリケートゾーンには何も塗っていない方も多いと思いますが、シェービングの機会がある脱毛時にはぜひ利用してみましょう。
よくある質問Q&A
さいごに、VIOの脱毛後における黒ずみに関して、よくある質問に回答しました。
黒ずみがあるため照射時見られるのが気になります
VIOラインの黒ずみに悩まれている方は、施術時に見られることに抵抗を感じてしまう方も多いかと思います。
ただ、施術する医師やスタッフは今までたくさんの方の施術をしているので、黒ずみがあったとしても気にする方はいませんし、黒ずみが全く無い方のほうが珍しいです。
本当に黒ずみがひどいのですが、VIO脱毛できるのでしょうか。
黒ずみが濃い方の対応としては、下記のような方法があります。
- レーザーの出力を小さくして照射する
- メラニン色素の量に左右されにくいヤグレーザーを搭載した機器を使用する
※ただし、ヤグレーザーは痛みを感じやすい点に注意 - アレキサンドライトレーザーとヤグレーザーを使い分ける
- 蓄熱式脱毛器を使用する
対応方法の選択肢が多いのは、脱毛サロンよりも医療脱毛クリニックです。
黒ずみがひどいと感じていらっしゃる場合には、照射による火傷のリスクが高くなります。肌トラブルを防止する意味でも、まずはクリニックに相談してみましょう。
参考文献
- Shinjita Das , MD, Harvard Medical School(2018)色素沈着 – 14. 皮膚疾患 – MSDマニュアル プロフェッショナル版色素沈着 – 14. 皮膚疾患 – MSDマニュアル プロフェッショナル版
- Shinjita Das , MD, Harvard Medical School(2018)皮膚の色素の概要 – 17. 皮膚の病気 – MSDマニュアル家庭版
- 化粧品・医薬部外品等ホームページ |厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/keshouhin/index.html