インフルエンザワクチンとコロナにW感染した場合の検査と治療法

院長 藤田のアイコン画像院長 藤田

こんにちは。内科総合クリニック人形町 院長の藤田(総合内科専門医)です。

2020年度秋冬シーズンのインフルエンザワクチンの予約受付を開始いたしました。最短予約可能日は下記になります。

65才以上の方は2020年10月1日(木)から接種開始
それ以外の方は2020年10月26日(月)から接種開始

コロナ禍の今年度は「四種混合ワクチン」です

インフルエンザウイルスはA・B・C型の3つに分かれます。
※C型はまず感染しませんし感染しても軽症です

A型は激しいのどの痛みや40度前後の高熱が出ることがある「THE インフルエンザ」で、別名「鳥インフルエンザ」あるいは「豚インフルエンザ」と呼ばれることもあり、毎年3000人の死者を出す大変恐ろしいインフルエンザウイルスです。
※B型は38度程度で収まることが多く重症化はあまりしません

インフルエンザウイルスは新型コロナウイルス同様、変異のスピードが速くどのタイプのA型およびB型が日本に上陸してきそうかは総合内科専門医である私にも予想がつかず、厚労省および日本感染症学会の流行予想を信じるしかありません。

なお、今年度厚労省が選んだのは以下の4種類のインフルエンザウイルス株です。

亜型ワクチン製造株
A型H1N1※A/広東-茂南/SWL1536/2019(CNIC-1909)(2019/20シーズンから変更)
A型H3N2A/香港/2671/2019(NIB-121)(2019/20シーズンから変更)
B型山形系統B/プーケット/3073/2013(2019/20シーズンの製造株と同一株)
B型ビクトリア系統B/ビクトリア/705/2018(BVR-11)(2019/20シーズンから変更)
※ A型H1N1pdm09(以下同じ)
引用元:2020/21シーズンのインフルエンザワクチンの供給について(厚労省)

通称「4価ワクチン」あるいは「四種混合ワクチン」などと言いますが、今冬流行しそうな「株」を予想してA型から2株、B型から2株を厚労省が選んでミックスさせたインフルエンザワクチンです。

遅くても10月末にインフルエンザワクチンを接種して下さい

詳しくは下記の記事をお読みいただければと思いますが、インフルエンザワクチンは接種してから効果が出始めるまでに約1か月かかり、かつ、ワクチンの効果持続は「接種後約5か月」です。

インフルエンザの流行は毎年11月下旬から3月中旬で、最も流行するのは12月から2月の3か月間です。

したがって、流行が始まる1か月前である10月下旬までに接種するか、あるいは「最流行期」である12月に間に合わせるために、どんなに遅くても11月中旬までには接種するようにして下さい

65才以上の方は2020年10月1日(木)から接種開始
それ以外の方は2020年10月26日(月)から接種開始

当院はインフルエンザと新型コロナを同時検査します

例年の冬シーズンであればインフルエンだけを警戒していれば良かったのですが、今冬はインフルエンザに加えて新型コロナウイルス「も」警戒しなければなりません。

インフルエンザウイルスに感染するとインフルエンザ感染症、新型コロナウイルスに感染すると新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と言います。

感染症の元締め機関は「一般社団法人日本感染症学会」という所になりますが、その日本感染症学会は以下のことを日本政府に提言しています。

「特徴的な症状(インフルエンザにおける突然の高熱発症、COVID-19 における味覚障害や嗅覚障害など)がない場合、臨床症状のみで両者を鑑別することは困難です。」

引用元:今冬のインフルエンザと COVID-19 に備えて(一般社団法人日本感染症学会提言)

当院も日本感染症学会の提言に従い、インフルエンザ疑いで発熱患者さんが来院した場合、スワブ(長い綿棒)を鼻から入れて咽頭ぬぐい液を一度だけ採取しインフルエンザと新型コロナウイルスを同時検査する体制を整えています

新型コロナウイルスの検査「だけ」なら唾液(だえき)を多めに容器に吐き出してもらって検査機関に送れば陽性陰性の判定はできますが、インフルエンザはスワブ(長い綿棒)により鼻の奥から体液を採取する抗原検査のみでしか陽性陰性判定できません。

怖いのがインフルエンザB型です。B型はA型に比べれば軽症で済むことが多いのですが、日本感染症学会が気になることを言っています。

(新型コロナと)B 型インフルエンザとの合併症例は重症化したという報告もあります

World Health Organization. Influenza update ‒ 372 https://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/latest_update_GIP_surveillance/en/ 2020年7月22日アクセス.

症状が軽い場合、インフルエンザを疑わずにコロナだけを疑って唾液採取によるPCR検査を行い、その結果としてインフルエンザB型を見逃してしまうのは医師として絶対にやってはいけないことです。

したがって、当院ではインフルエンザシーズン中は「原則インフル&コロナのW検査」にしております。

インフルエンザ治療薬は一度の服用で済むイナビルを処方

発熱などの症状がある場合、上述したように当院ではインフルエンザと新型コロナのW検査を実施いたします。
※発熱者専用入口から院内に入り隔離室で診察致します

結果は4パターン考えられ、診察後は以下のようになります。

  • インフルもコロナも陽性⇒イナビルを処方しつつ感染症指定病院へ送患
  • インフル陽性でコロナ陰性⇒イナビルを処方しご帰宅
  • インフル陰性でコロナ陽性⇒処方薬なしで感染症指定病院へ送患
  • インフルもコロナも陰性⇒処方薬なしでご帰宅

「イナビル」とは抗インフルエンザ薬の商品名です。抗インフルエンザ薬として有名なのはタミフルですが、タミフルと違ってイナビルは、一回の服用で済んでしまうため飲み忘れがないのが長所です。

新型コロナウイルスに陽性反応が出た場合は、インフルエンザの結果関係なく感染症指定病院に送患し、レントゲンやCT検査などを行い肺炎の徴候が認められた場合はそのまま入院になると思います。

したがって、インフルエンザシーズン中に発熱などの症状が出て当院に診察に来られる際は、場合によってはそのまま入院になることを想定して着替えなどを持ってきていただいたほうが良いかも知れません。

以上


この記事を書いた人

内科総合クリニック人形町院長 藤田医師
藤田 英理

内科総合クリニック人形町 院長
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
東京大学医学部保健学科および横浜市立大学医学部を卒業
東京大学付属病院や虎の門病院等を経て2019年11月に当院を開業
最寄駅:東京地下鉄 人形町および水天宮前(各徒歩3分)