こんばんは。内科総合クリニック人形町 院長の藤田です。
完璧に脱毛するのが難しいと言われる産毛。せっかく脱毛するのなら、産毛まで綺麗に脱毛したいという方も多いと思います。また、脱毛経験者の方で「あとは産毛だけ残っている」「なんとかしたい」というケースも多いです。
産毛効果的な脱毛方法は、ニードル脱毛、その次に医療脱毛、そしてエステのSHR脱毛です。
ここでは、皮膚科専門医の藤井あさ美先生に、産毛まで綺麗に脱毛したい場合はどうすればいいのか、脱毛したけどあとは産毛だけ気になる!という時におすすめの対処法を聞きました。
顔や背中、二の腕の産毛など、こまめにシェービングするのも大変なので、ムダ毛ゼロの状態に近づけたい人はぜひ今回紹介する脱毛方法を選んでください。
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産毛脱毛が難しいと言われる理由
「産毛の脱毛はできない・難しい」と聞いたことがある人もいるかもしれません。
その理由は、産毛にはメラニン色素が少ないからです。メラニン色素=黒い部分を指しますが、この部分が少ないと、レーザーや光の熱エネルギーがうまく毛根部分まで伝わらず、脱毛できなくなってしまいます。
産毛を脱毛するためには、通常の脱毛方法とは少し異なる、3つのアプローチ方法を取る必要があります。
- ニードル脱毛(針脱毛)
- 医療レーザー脱毛(高出力or蓄熱式)
- エステ脱毛(SHR方式)
一つは、メラニン色素関係なく確実に毛根を破壊するニードル脱毛(針脱毛)です。これは医療機関に限られた脱毛方法になります。
二つ目は、高出力でメラニン色素に反応させる方法です。エステ脱毛で扱う機械はパワーが弱く難しいですが、医療レーザー脱毛で高出力で当てると、メラニン色素が少ない産毛にも反応させやすくなります。
また、1本の毛に複数回照射し徐々に熱を与える方式の「蓄熱式脱毛」であれば、産毛にも反応しやすく効率的です。
三つ目は、エステで行えるSHR脱毛です。SHR脱毛は、医療レーザーの蓄熱式と仕組みが似ている脱毛方法です。
大きく分けてこれら3つの脱毛方法なら、産毛の脱毛が目指せます。詳しく下記に解説します。
産毛の脱毛方法
産毛を脱毛するのに良い方法を3つご紹介します。効果の実感や痛みの強さがそれぞれ異なるため、自分に合った方法を見極めましょう。
ニードル脱毛(針脱毛)
一つ目のニードル脱毛は、針脱毛や電気脱毛とも呼ばれる方法で、医療行為に属する脱毛方法です。
日本の厚労省に当たる、アメリカのFDAという機関(アメリカ食品医薬品局)では、永久脱毛として認められている脱毛方法で、産毛へ反応しやすいとされています。
産毛だけでなく、脱毛が難しいと言われる白髪や、色黒肌・地黒肌の人でも脱毛できる方法で、医療レーザー脱毛などで脱毛しきれない毛を脱毛するのに向いています。
初めからニードル脱毛を選んでも良いのですが、ニードル脱毛では一本ずつ処理していくため、時間がかかります。痛みも強いので、すべての毛をニードル脱毛で脱毛するのは現実的ではありません。
医療レーザー脱毛や光脱毛で全体的に脱毛→どうしても脱毛しきれない産毛や白髪のみニードル脱毛、とすると、費用を抑えられ、施術時間も短縮できるかと思います。
また、ニードル脱毛のメリットとして、その場ですぐに毛が抜けるというものもあります。
ニードル脱毛は、産毛を確実に脱毛できる方法。ただし痛みが強いのと、費用・時間がかかるのがデメリット。抜けきらない毛を脱毛する最終手段としてぴったり。
医療レーザー脱毛
ニードル脱毛ほど確実な方法ではありませんが、医療レーザー脱毛でも、産毛の脱毛を目指せます。
ただし、熱破壊式の脱毛なら出力を上げるか、もしくは蓄熱式の脱毛を選ぶと産毛へ反応しやすくなり、効果が実感しやすくなります。
- 熱破壊式⇒従来からある、バチッとした実感の脱毛機。
- 蓄熱式⇒取り扱いクリニックが年々増えている、毛包に熱を溜め込んで脱毛する機械。
脱毛機の種類はクリニックによって異なります。産毛の脱毛までを目指す場合、脱毛機まで見てクリニックを選ぶようにしたいです。
熱破壊式は、メラニン色素に反応させて強い熱をワンショットで与え毛根組織を破壊する方法ですが、出力が足りないと産毛へは熱エネルギーが伝わりづらく、脱毛しにくくなります。
ですから、熱破壊式の場合は、高出力でレーザーを当てることが産毛脱毛の条件となります。
一方で、蓄熱式では、1本の毛に対して複数回照射を重ね、徐々に毛包内の温度を上げ、バルジ領域内の毛包幹細胞や毛乳頭を攻撃します。よって、メラニン色素の少ない産毛のような毛でも反応しやすくなっています。
熱破壊式も蓄熱式も同じ医療レーザー脱毛とはいえ、両者は仕組みが異なります。
いずれの脱毛方法にしても、まずはクリニックのカウンセリングで「産毛まできちんと脱毛したい」と伝え、回答を確認しましょう。
熱破壊式の機械を扱っているところなら、「出力を上げて対応すること」を、蓄熱式の機械を扱っていれば産毛にも反応しやすいことを説明してくれるはず。
ただ、出力の調整などはクリニックによるところも大きいので、事前にきちんと確認すると安心です。
医療レーザー脱毛で産毛を脱毛したいなら、高出力で照射するか、蓄熱式の脱毛方法を選ぶと◎。産毛を完璧に脱毛しきるのは難しいが、広範囲を短時間・低価格で脱毛できるのが魅力的。
エステ脱毛(SHR脱毛)
最後に、エステ脱毛です。エステサロンで行う脱毛はパワーが弱いので、早く効果を実感したい方にはあまりおすすめできません。
ただ、産毛に関してはSHR脱毛という方法を取っているエステサロンは効果が期待できると言えます。
SHR脱毛は、先ほど説明した医療レーザー脱毛の蓄熱式と仕組みが似ていて、 毛包に熱を溜め込んでジワジワとダメージを与えていく方法です。
産毛まで脱毛したい人で、痛みが苦手といった理由からエステサロンを考えている人は、SHR脱毛方式を取っているエステサロンを選ぶようにしましょう。
ただし、やはり医療行為であるニードル脱毛やレーザー脱毛の方が効果が期待できますし、脱毛完了までの期間を考えると、クリニックでの脱毛の方が割安に済むことも。
エステサロンはキャンペーンなどが多く安い印象ですが、最近ではクリニックでの脱毛も安くなってきているので、「エステだから安い」とは言えなくなってきています。
脱毛完了までのことも考えて、ご自身に合ったところを選ぶようにしましょう。
エステサロンで脱毛するなら、SHR方式を選ぶようにしましょう。ニードル脱毛や医療レーザー脱毛に比べて効果は実感しにくくなりますが、痛みを感じにくいので痛みが苦手な方向きの方法です。
おすすめはまずは医療レーザー脱毛、その後ニードル脱毛へ
産毛には医療レーザー脱毛をおすすめする理由は、支払総額で考えた時に安価で済むから、そして短時間で広範囲を脱毛できるからです。
産毛を確実に脱毛しようと思ったら、ニードル脱毛が確実ですが、強い痛みが伴うため、怖く感じる方が多いと思います。
また、レーザー脱毛に比べて料金も高くなりがちです。
そのため、まずは効果が実感しやすく、ニードル脱毛よりも痛みを感じにくい医療レーザー脱毛で全体的に脱毛し、何回か繰り返した後でそれでも残っている産毛を脱毛するため、ニードル脱毛を取り入れるという方法をおすすめします。
どうしてもニードル脱毛に抵抗がある方ももちろんいると思いますので、その場合は医療レーザーでの照射を、産毛が気になる部分だけ繰り返していくことになります。
医療レーザーを繰り返す場合は都度払いのクリニックも選択肢に
全体的に脱毛したあと、残った産毛を脱毛したい場合、そのまま全身脱毛を繰り返すよりも都度払いで満足いくまで通うほうが安くすむことが多いです。
大手の脱毛クリニックでは、1回だけの脱毛や部位脱毛は高額なことがほとんどなので、下記のような都度払いのクリニックを利用することでトータル支払金額を安く抑えられます。
湘南美容クリニック 熱破壊式 | Lパーツ 1回 17,730円 |
TCB 蓄熱式 | Lパーツ 1回 21,400円 |
あおばクリニック 熱破壊式 | 体幹部(胸+腹+背中+お尻) 1回 19,800円 |
ただし産毛が濃く・多く残っている場合は追加が1~2回照射では足りず、セットプランの方が良いケースもあります。
残っているうぶ毛の量、クリニックの脱毛機の種類・出力により必要な回数は変わります。高出力の熱破壊式がやはりおすすめです。
産毛脱毛のメリット・デメリット
最後に、産毛脱毛のメリットとデメリットについて解説します。
産毛がなくなってつるつるになるのは良いことですが、産毛の脱毛が完了するまでの過程でデメリットを実感する方もいると思います。
一番のメリットは肌が綺麗になり毛穴が小さくなること
産毛を脱毛する一番のメリットは、まず見た目が綺麗になることです。
肌触りももちろん良くなり、さらに産毛がなくなることで毛穴が小さくなって引き締まり、きめ細やかな肌になっていきます。
特に顔の産毛は、ご自身で剃っている方ならわかると思いますが、剃ったあと非常につるつるしていて、見た目もパッと明るくなると思います。
産毛ははっきりと見えない薄くて細い毛ですが、産毛がなくなるだけで化粧の乗りが良くなったり、肌のトーンアップにもなるのです。
普段存在感のない産毛も、なくなってみると意外と影響していたんだなと気がつくはずなので、顔脱毛もぜひ一度チャレンジしてみてください。
デメリットは時間がかかること、痛みを伴う場合があること
産毛脱毛は見た目や肌触りに関してはメリットしかないと言えますが、脱毛完了までに時間がかかることと、痛みを伴う場合があることが主なデメリットです。
産毛まで一本残らず脱毛するには、時間と手間がかかります。
医療レーザー脱毛なら通常よりも回数が必要になりますし、ニードル脱毛の場合痛みが強く、また一本ずつ施術するためレーザー脱毛や光脱毛に比べて時間がかかります。
産毛の脱毛は硬毛化・増毛化の可能性も
産毛脱毛で心配なこととして、硬毛化や増毛化があります。顔の産毛や二の腕の産毛は、硬毛化・増毛化しやすい部位として知られています。
硬毛化は、文字通り毛が硬く太くなってしまう状態で、脱毛するためにレーザーなどを当てたのに、逆に毛根組織が活性化してしまうことがあります。
増毛化も同じような原理で、毛量が逆に増えてしまう状態です。
硬毛化や増毛化は原理がはっきりしておらず、防ぐ方法もないので、もしなってしまったら、レーザーの種類を変えたり出力を上げたりなどして対処する必要があります。
産毛部分に起きやすい症状で、脱毛する前から心配になってしまう人もいるかもしれません。
クリニックやサロン側で事前に対処方法を考えてくれているところも多いので、心配な方はそういったところを選びましょう。
複数種類のレーザー機器を扱っているところや、硬毛化・増毛化した場合に回数を追加してくれるところを選ぶと安心です。
目的に合わせて脱毛方法を選択しよう
最後に、産毛を脱毛したい時に押さえておくべきポイントをまとめます。
- 産毛の脱毛が難しいのは、メラニン色素が少ないから
- 産毛を脱毛するにはニードル脱毛が確実
- 痛みが少なく効果が高いのは医療レーザー脱毛
- 蓄熱式脱毛やSHR脱毛ならメラニン色素関係なく脱毛可能
- 硬毛化・増毛化のリスクあり、心配なら事前にクリニック・サロンに確認
上記のポイントを押さえつつ、産毛脱毛が可能なクリニックやサロンを検討してください。
産毛の脱毛について、少しでも理解が深まれば幸いです。