おはようございます。総合内科専門医の藤田です。
青汁は健康に良いからといっても、毎日飲んでいると流石にちょっと飽きてしまいますよね?そこでおすすめしたいのが、青汁を豆乳と混ぜて飲む方法です。
青汁の青臭さが和らぐだけでなく、青汁に含まれる以外の栄養も「同時に」「手軽に」補うことができるというメリットがあります。
そこで今回は、
- 青汁の豆乳割りで期待できる健康効果
- 青汁×豆乳はダイエット中に良い?
- 青汁×豆乳のおすすめレシピ4選
についてまとめてみました。最後に紹介しているレシピなど、参考にしてみて下さい。
この記事の執筆者
藤田 英理 内科総合クリニック人形町 院長
東京大学医学部保健学科、横浜市立大学医学部を卒業。虎の門病院、稲城市立病院、JCHO東京高輪病院への勤務を経て内科総合クリニック人形町を開院。総合内科専門医。AGA治療や生活習慣病指導も行う。
この記事の監修者
岩美 真由美さん 管理栄養士・健康運動指導士
管理栄養士・健康運動指導士としてフリーランスで活動。特定保健指導では生活習慣病予防を、介護予防事業では高齢者のフレイル予防と、食事と運動の両面から健康づくりのお手伝いをしています。
青汁の豆乳割りで期待できる健康効果
青汁を豆乳で割ると、どんな健康効果がありますか?
主に以下の5つの健康効果が期待できます。
血中コレステロール値を下げる
豆乳には血中コレステロール値を下げる不飽和脂肪酸のリノール酸を多く含んでいます。※1
現在は食生活の欧米化により、動物性脂肪に含まれる飽和脂肪酸を摂りすぎの傾向があります。飽和脂肪酸を摂りすぎると、動脈硬化が進んで脂質異常症になる危険性が考えられます。
そのようなことから、血中コレステロール値が気になる方は、青汁を豆乳で割るとリノール酸が摂れてよいです。ただし、摂りすぎは注意です。リノール酸の摂りすぎは善玉コレステロール値(HDLコレステロール値)を下げてしまいます。
余分なコレステロールを回収する善玉コレステロールまで減らしてしまうので、1日に豆乳を摂る量はコップ1杯ぐらいにとどめていきましょう。
抗酸化作用のあるサポニンを摂れる
サポニンは、大豆のえぐみの成分。ポリフェノールの一種で、抗酸化作用があるため、老化防止に働きます。※2
また、血中コレステロール値、中性脂肪値を下げ、肝機能を修復する働きが期待できます。※1
不足しがちな鉄分が摂れる
鉄分が不足すると、貧血になりやすく、疲れやすくなるほか、頭痛や動悸、息切れの症状が現れてしまいます。※3
鉄分はもともと吸収率が低い栄養素なので、意識的に多く摂りたいですね。
更年期障害の予防・緩和
青汁を豆乳で割ることで、イソフラボンを摂ることができます。
イソフラボンはポリフェノールの一種です。
体内でエストロゲンと似た働きをするため、更年期障害の予防・緩和に役立つといわれています。※4
骨粗しょう症の予防が期待できる
青汁を豆乳と一緒に摂ることで、カルシウムも摂ることができます。骨粗しょう症の主な原因は、骨や歯の主成分であるカルシウム不足です。
女性は男性と比べて体が小さく、出産や授乳、更年期があることから、骨粗しょう症が多くみられます。※1
青汁✕豆乳はダイエットに良い?
豆乳入りの青汁にはダイエット効果があるという声がありますが、こちらについてはどうでしょうか?
残念ながら、青汁の豆乳割りを飲んだからやせるわけではありません。
ただし、
- 今まで飲んでいた清涼飲料水を青汁×豆乳に置き換える
- 脂肪分の多いスイーツを青汁×豆乳に置き換えて、カロリーダウンをする
などして、摂取エネルギー量を減らすことに加え、適度な運動を行うことをすれば、ダイエット効果が期待できます。
牛乳の代わりに豆乳を飲む方も多いと思いますので、以下に牛乳と豆乳の栄養価を比較してみました。
栄養素など | 牛乳200ml | 豆乳200ml |
---|---|---|
エネルギー | 134 kcal | 92 kcal |
たんぱく質 | 6.6 g | 7.2 g |
脂質 | 7.6 g | 4.0 g |
カルシウム | 220 mg | 30 mg |
鉄 | 0.04 mg | 2.4 mg |
ビタミンA | 76 ㎍ | (0) |
ビタミンB1 | 0.08 mg | 0.06 mg |
ビタミンB2 | 0.30 mg | 0.04 mg |
ビタミンC | 2 mg | Tr |
食物戦誌 | (0) | 0.4 g |
牛乳と比べて、豆乳はエネルギーが低く、たんぱく質はやや多い、脂質は約半分というのがわかりますね。ダイエットをするなら、筋肉量は減らさずに脂質やエネルギーは抑えたいところです。
なるほど、ダイエット中は豆乳を上手に味方につけると良さそうですね。
青汁✕豆乳のおすすめレシピ 4選
青汁の豆乳割りレシピを4つご紹介します。このレシピで使用した青汁は「1食分のケール青汁/株式会社ファンケル」を使って作りました。また、エネルギー量は日本食品標準成分表2015年版(七訂)※5を用いて計算しています。
- 1歳以降のお子さんには、お子さん向けの青汁を使用しましょう。
- 妊娠・授乳中の方や、食べ物に制限のある方は医師に相談しましょう。
- ワルファリンを服用中の方、通院中の方、その他医薬品を処方されている方は、医師や薬剤師に相談しましょう。
- 腎臓の機能が低下している方は、カリウムを多く摂ることで高カリウム血症になることがあります。
- 粉末青汁はパッケージに記載のある量を守るようにしましょう。
※ 高カリウム血症では不整脈や血圧の低下を引き起こすことがあるため※6、医師や管理栄養士に相談してください。
【おすすめレシピ1】青汁×豆乳のグリーンバナナスムージー
青汁特有の味が気にならなくなり、豆乳・果物・野菜も一度に摂れるおいしいドリンクです。スムージーは牛乳を豆乳に代えるとカロリーダウンできますよ。
果物の入ったスムージーを飲むタイミングは、朝や昼がおすすめです。果物に含まれる果糖はエネルギーになりやすい反面、摂りすぎると太る原因に。活動量の少ない夜よりも、朝に飲んでエネルギーをチャージするとよいですね。
- キウイフルーツ(緑種) … 1/2個
- バナナ … 1/2本
- 小松菜 … 20g
- 粉末青汁 … 1本
- 豆乳(無調整) … 150ml
- はちみつ … 大さじ1/2
- レモン汁 … 小さじ1
所要時間:10分
- キウイフルーツは、皮をむいて角切り、バナナは皮をむき、輪切りにする。
- 小松菜はざく切りにする。
- ミキサーに①②の材料と、粉末青汁、豆乳、はちみつ、レモン汁を入れ、攪拌する。
【こんな人におすすめ】
- 腸内環境を整えたい
- 免疫機能の向上
- むくみ解消
- 朝食の一品に
- おやつの代わりとして
キウイフルーツにはビタミンCが豊富に含まれています。果肉が黄色のゴールデンキウイの方が、黄緑色のグリーンキウイよりも甘みが強くビタミンCは2倍含まれています。また、ビタミンE、カリウム、食物繊維も多く含まれています。
キウイフルーツには、たんぱく質分解酵素のアクチニジンも含まれており、肉を柔らかくする働きがあるんですよ。お肉と一緒に食べると消化を助けてくれるので、胃もたれの予防になります。※1
【おすすめレシピ2】青汁×豆乳ラテ
大豆に水分を加えてすりつぶし、煮てこしたものが豆乳です。豆乳ににがり(凝固剤)を加えて固めると豆腐になります。
- 粉末青汁 … 1本
- お湯 … 100ml
- 豆乳(無調整) … 50ml
- はちみつ … お好みで
所要時間:1分
- 粉末青汁を湯で溶かす。
- 豆乳を電子レンジで約1分温める(約60℃)
- ②をミルクフォーマ―で倍の量になるまで泡立てる。※
- ①の上に注ぐ。お好みではちみつを加えても。
【こんな人におすすめ】
- 腸内環境を整えたい
- コレステロール値が気になる
- 朝食の一品に
- おやつの代わりとして
【おすすめレシピ3】青汁×豆乳のコーンスープ
コーンスープを豆乳で作ると、あっさりとした仕上がりになります。材料を混ぜるだけでできるので、忙しい朝の一品にもおすすめですよ。
- 豆乳(無調整) … 200ml
- クリームコーン缶 … 1缶(180g)
- 水 … 100ml
- コンソメスープの素 … 1/2個
- 粒コーン … 適量
- 粉末青汁 … 2本
- 塩コショウ … 少々
所要時間:10分
- 鍋に水とコンソメスープの素を入れ、煮立てる。
- ①にコーンクリーム缶を入れ、混ぜ合わせる。さらに豆乳と粉末青汁を入れて混ぜる。
- 塩コショウで味をととのえる。
【こんな人におすすめ】
- 便秘改善をしたい
- 視力低下が気になる
- 朝食の一品に
- 骨粗しょう症の予防
とうもろこしの粒の皮には、不溶性食物繊維がたっぷり含まれているため、腸の働きを高めて便秘の改善が期待できます。
また、カロテノイドの一種であるゼアキサンチンという成分も含み、加齢による視力低下の改善に効果があるといわれています。
とうもろこしを選ぶときは、ひげの色をチェックしましょう。ひげが茶色や黒っぽいものが完熟の証拠です。また、ひげは1本ずつ実とつながっています。ひげが多いものほど、粒の数も多いので、とうもろこしを選ぶときはひげを要チェックです!※1
【おすすめレシピ4】青汁×豆乳の小豆かん
青汁の青臭さが気にならない、一見抹茶が入っているの?と思わせるスイーツです。なめらかな食感なので、夏場の食欲が落ちたときにも食べやすく、栄養補給にもなりますよ。
- 茹で小豆缶 … 1/2缶(100g)
- 豆乳(無調整) … 300ml
- 粉寒天 … 4g
- 粉末青汁 … 2本
所要時間:10分(冷やし固める時間は除く)
- 豆乳と粉寒天を鍋に入れ、沸騰してから約2分かき混ぜて煮溶かす。
- ①に茹で小豆と粉末青汁を加えて少し煮る。
- ぬらした型に流しいれて冷やし固める。
【こんな人におすすめ】
- 腸内環境を整えたい
- むくみ解消
- ダイエット中のおやつとして
- 食欲のないときに
小豆は和菓子でおなじみの食材です。小豆の皮にはサポニン、アントシアニンが含まれています。サポニンやアントシアニンには、抗酸化作用があります。また、小豆はカリウムも多く含むため、体内の余分なナトリウムを排泄される作用があり、むくみや高血圧予防の効果が期待できます。※1
参考文献(References)
- 1「一生役立つきちんとわかる栄養学」飯田薫子・寺本あい監修|西東社
- 2「あたらしい栄養学」吉田企世子・松田早苗監修|高橋書店
- 3「栄養素の通になる第4版」上西和弘著|女子栄養大学出版部
- 4「最新版知っておきたい栄養学」白鳥早奈英監修|株式会社学研プラス
- 5 日本食品標準成分表2015年版(七訂)|文部科学省
- 6「栄養素の通になる第4版」上西和弘著|女子栄養大学出版部