健康診断の結果でコレステロール値の異常を指摘されると、多くの方が不安を感じるでしょう。脂質異常症は自覚症状がほとんどなく、放置すると動脈硬化が静かに進行し、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めます。
この記事では、脂質異常症の診断基準や受診の目安となる数値、病院での検査内容、そして生活習慣の改善から薬物療法まで幅広く解説します。健診結果を手に「どうしたらいいのだろう」と悩んでいる方の疑問に、内科の現場で長く脂質管理に携わってきた視点からお答えします。
コレステロール値が気になったら、まずは正しい情報を知り、適切なタイミングで医療機関を受診することが大切です。
健診で「脂質異常」と指摘されたら、まず何をすべきか
脂質異常の指摘を受けたとき、慌てる必要はありませんが、放っておいてよいわけでもありません。結果の見方を正しく知り、次の行動を早めに決めることが改善への第一歩です。
検査結果に「要再検査」「要精密検査」と書かれていたときの対処
健康診断の結果には「異常なし」「要経過観察」「要再検査」「要精密検査」などの判定が記載されます。もしコレステロール値の欄に「要再検査」や「要精密検査」の文字がある場合は、できれば1か月以内に医療機関を受診してください。
特に「要精密検査」は、より詳しい検査が必要という意味であり、単なる体調のゆらぎでは説明できない数値が出ている状態を示しています。健診機関から届いた結果用紙は、受診の際にそのまま持参すると診察がスムーズに進むでしょう。
LDLコレステロール・HDLコレステロール・中性脂肪の基準値を確認しよう
健診で測定される脂質の代表的な項目はLDLコレステロール(悪玉)、HDLコレステロール(善玉)、中性脂肪(トリグリセライド)の3つです。それぞれの基準値を下の表で確認してみてください。
基準値の範囲はあくまで目安であり、年齢や持病の有無によって医師が判断する適正値は異なります。自分の数値がどの位置にあるのかを客観的に把握することが、受診するかどうかの判断材料になります。
健診で用いられる脂質検査の基準値
| 検査項目 | 基準値 | 異常とされる範囲 |
|---|---|---|
| LDLコレステロール | 60〜119 mg/dL | 140 mg/dL以上 |
| HDLコレステロール | 40 mg/dL以上 | 40 mg/dL未満 |
| 中性脂肪 | 30〜149 mg/dL | 150 mg/dL以上 |
| 総コレステロール | 120〜219 mg/dL | 220 mg/dL以上 |
「再検査」と「精密検査」の違いを正しく知っておこう
再検査は、前回の結果を確認するためにもう一度同じ検査を行うことです。食事の影響や体調による一時的な変動を除外するために実施されます。一方、精密検査はより踏み込んだ検査を指し、動脈硬化の進行度合いや合併症の有無を調べます。
再検査の結果が正常範囲に戻ることも珍しくありませんので、過度に心配する必要はないでしょう。ただし、再検査でも異常値が続くようであれば内科への受診をおすすめします。
異常を放置すると動脈硬化が音もなく進む
脂質の異常値をそのままにすると、血管の内壁にコレステロールが蓄積し、動脈硬化が徐々に進行します。動脈硬化は初期には何の痛みも違和感もありません。しかし、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中という深刻な形で症状があらわれることがあります。
早期に対処すれば生活習慣の見直しだけで改善できるケースも多いため、健診で指摘されたタイミングを見逃さないことが将来の健康を守る鍵になります。
脂質異常症とはどんな病気か|コレステロールが高いだけでは終わらない
脂質異常症は、血液中の脂質バランスが崩れた状態の総称で、かつては「高脂血症」と呼ばれていました。LDLコレステロールが高いだけでなく、HDLコレステロールが低い場合や中性脂肪が高い場合もすべて脂質異常症に含まれます。
脂質異常症に含まれる3つのタイプ
脂質異常症は大きく3つに分類されます。1つ目はLDLコレステロールが高い「高LDLコレステロール血症」、2つ目はHDLコレステロールが低い「低HDLコレステロール血症」、3つ目は中性脂肪が高い「高トリグリセライド血症」です。
これらが複数同時に起こっている方も多く、その場合は動脈硬化の進行がさらに速くなります。健診で指摘された項目がどのタイプに当たるのか確認してみましょう。
「悪玉」「善玉」というニックネームの裏にある働き
LDLコレステロールは「悪玉」と呼ばれますが、本来は全身の細胞にコレステロールを届ける運搬役です。しかし血中に増えすぎると血管壁に入り込み、動脈硬化を引き起こす原因となるため悪玉と呼ばれています。
一方、HDLコレステロールは「善玉」と呼ばれ、血管壁にたまった余分なコレステロールを回収して肝臓に運ぶ役割を担っています。そのためHDLが低いと回収力が弱まり、動脈硬化が進みやすくなるのです。
脂質異常症は自覚症状がほとんどない「沈黙の病気」
脂質異常症が厄介なのは、血液中の脂質がどれだけ乱れていても、痛みや体のだるさといった自覚症状が出にくい点にあります。そのため、健診を受けなければ異常に気づかないまま何年も過ごしてしまうことがあり得ます。
実際に、心筋梗塞で救急搬送されて初めて脂質異常症だったと判明するケースも少なくありません。健診でのコレステロール値チェックは、無症状の段階で病気を見つけ出す貴重な機会といえるでしょう。
脂質異常症の3つのタイプと特徴
| タイプ | 診断基準 | 主なリスク |
|---|---|---|
| 高LDLコレステロール血症 | LDL 140 mg/dL以上 | 動脈硬化の直接的な原因 |
| 低HDLコレステロール血症 | HDL 40 mg/dL未満 | コレステロール回収力の低下 |
| 高トリグリセライド血症 | 中性脂肪 150 mg/dL以上 | 膵炎・メタボリック症候群 |
脂質異常症で病院に行く目安|受診をすすめるコレステロール値の基準
「数値がいくつになったら病院に行くべきか」は多くの方が疑問に感じるポイントです。日本動脈硬化学会の診断基準をもとに、受診のタイミングを具体的にお伝えします。
LDLコレステロール値が140 mg/dL以上なら内科の受診を検討しよう
日本動脈硬化学会のガイドラインでは、LDLコレステロール140 mg/dL以上を「高LDLコレステロール血症」と定めています。この数値を超えている場合は、内科を受診して詳しい検査を受けることが望ましいといえます。
また、LDLコレステロールが120〜139 mg/dLの「境界域」であっても、喫煙・高血圧・糖尿病などほかのリスク因子を持っている方は注意が必要です。境界域の段階で生活習慣を見直せば、薬に頼らず改善できる可能性が十分にあります。
中性脂肪やHDLコレステロールで気をつけたい数値
中性脂肪が150 mg/dL以上の場合、あるいはHDLコレステロールが40 mg/dL未満の場合も、脂質異常症の診断基準に該当します。中性脂肪は食事や飲酒の影響を受けやすいため、空腹時に採血して正確な値を測ることが大切です。
中性脂肪が500 mg/dLを超えると急性膵炎のリスクも高まるため、すぐに受診してください。HDLが低い方は運動不足や喫煙が関与していることが多く、生活改善だけで数値が上がるケースも見られます。
受診の目安となるコレステロール・中性脂肪の数値
| 検査項目 | 受診をすすめる目安 | 緊急性が高い数値 |
|---|---|---|
| LDLコレステロール | 140 mg/dL以上 | 180 mg/dL以上 |
| HDLコレステロール | 40 mg/dL未満 | 30 mg/dL未満 |
| 中性脂肪 | 150 mg/dL以上 | 500 mg/dL以上 |
高血圧や糖尿病を合併している方は、より早めの受診が大切
脂質異常症は単独でも動脈硬化を進めますが、高血圧や糖尿病など他の生活習慣病を併せ持っている場合、リスクは相乗的に高まります。たとえばLDLコレステロールが140 mg/dLでも、糖尿病がある方では心血管イベントの発症率が大きく上昇するとされています。
複数のリスク因子を抱えている場合は、脂質の値が境界域であっても医師に相談する価値があります。治療目標となるLDL値はリスクの数によって異なり、ハイリスクの方ほど低い目標が設定されるためです。
家族に心筋梗塞や脳卒中の方がいれば遺伝的なリスクにも目を向けよう
血縁者に若くして心筋梗塞や脳卒中を発症した方がいる場合、「家族性高コレステロール血症」という遺伝性の脂質異常症の可能性があります。家族性高コレステロール血症は約200〜500人に1人の割合で存在するとされており、決してまれな病気ではありません。
LDLコレステロールが180 mg/dL以上ある若年者で、家族歴に早発性冠動脈疾患がある場合は、遺伝子検査を含む精密検査を受けることが推奨されています。早期に発見して治療を開始すれば、将来の心血管イベントを大幅に減らせるでしょう。
内科で行われる脂質異常症の検査と診断の流れ
脂質異常症を疑って医療機関を受診すると、採血を中心とした検査が行われます。検査内容を事前に知っておくと、当日の流れがイメージしやすくなるでしょう。
空腹時の採血が求められる理由
脂質検査では、正確な中性脂肪の値を測るために10〜12時間の絶食後に採血を行うことが一般的です。食後は中性脂肪が大きく上昇するため、空腹時でないと本当の脂質レベルが把握できません。
ただし、LDLコレステロールやHDLコレステロールは食事の影響が比較的少ないため、随時採血でもおおよその判断は可能です。医師から「朝食を抜いて来てください」と指示があった場合は、水やお茶は飲んでもかまいません。
日本動脈硬化学会が定める脂質異常症の診断基準
日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」では、LDLコレステロール140 mg/dL以上、HDLコレステロール40 mg/dL未満、中性脂肪(空腹時)150 mg/dL以上のいずれかに該当する場合に脂質異常症と診断します。
さらに、non-HDLコレステロール(総コレステロールからHDLを引いた値)が170 mg/dL以上の場合も脂質異常症に該当します。non-HDLコレステロールはLDL以外の動脈硬化促進因子もまとめて評価できる指標として近年注目されています。
頸動脈エコーや血圧脈波検査で動脈硬化を直接評価する
血液検査だけでなく、動脈硬化がどの程度進んでいるかを画像で確認する検査もあります。頸動脈エコー(超音波検査)は首の血管の壁の厚みやプラーク(脂質のかたまり)の有無を調べる検査で、痛みがなく短時間で受けられます。
血圧脈波検査(PWV/ABI)は、腕と足首の血圧を同時に測定し、血管の硬さや詰まりの程度を数値化するものです。こうした検査は脂質の数値だけでは分からない「血管年齢」を可視化してくれるため、治療方針の決定に役立ちます。
脂質異常症の診断で行われる主な検査
| 検査名 | 目的 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 空腹時採血 | 脂質プロファイルの把握 | 数分 |
| 頸動脈エコー | 血管壁の厚みとプラーク評価 | 約15分 |
| 血圧脈波検査 | 動脈の硬さ・詰まりの測定 | 約10分 |
コレステロールを下げるために今日から見直したい食事と運動
脂質異常症の治療では、まず食事と運動を中心とした生活習慣の改善が基本になります。薬を使う前にできることは多く、正しい方法で取り組めば数値の改善は十分に期待できます。
コレステロール値を下げる食事のコツ
飽和脂肪酸の摂取量を減らすことが、LDLコレステロールを下げるうえで特に効果的です。具体的には、バターや脂身の多い肉を控え、オリーブオイルや魚に含まれる不飽和脂肪酸に置き換えます。
食物繊維も脂質改善に有効です。野菜や海藻、豆類、雑穀などの水溶性食物繊維はコレステロールの吸収を抑える働きがあり、1日あたり25g以上の食物繊維を摂ることが推奨されています。
有酸素運動を週150分以上続けるとHDLコレステロールが上がりやすい
ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動は、HDLコレステロールを増やし中性脂肪を下げる効果があります。1回30分以上の中等度の運動を週5日、あるいは合計で週150分以上行うのが目安とされています。
運動を始めて2〜3か月程度で脂質値の改善が見られることが多いでしょう。ただし、膝や腰に痛みがある方は無理をせず、まずは主治医に相談してから始めてください。
- ウォーキング(1日30分、週5日)
- 軽いジョギングやサイクリング
- 水中ウォーキングや水泳
- ヨガやストレッチとの組み合わせ
禁煙と節酒がコレステロール改善に与える効果
喫煙はHDLコレステロールを下げ、血管を傷つけることで動脈硬化を加速させます。禁煙を達成するとHDLが平均で5〜10%程度上昇するとの報告もあり、脂質改善にとって禁煙は非常に効果的です。
飲酒に関しては、適度な量であれば中性脂肪に大きな影響はないとされていますが、飲みすぎると中性脂肪が著しく上昇します。ビールなら中瓶1本、日本酒なら1合程度を目安に抑えるとよいでしょう。
体重を3%減らすだけでも脂質の数値は変わる
肥満は脂質異常症の大きなリスク因子です。現在の体重から3〜5%減量するだけで、LDLコレステロールや中性脂肪が有意に低下するというデータがあります。80kgの方であれば、2.4〜4kgの減量で効果が見え始める計算です。
極端な食事制限はリバウンドを招きやすいため、1か月に1〜2kgのペースでゆっくり落とすことを目標にしましょう。食事の見直しと運動を組み合わせれば、体重と脂質の両方を効率よく改善できます。
薬物療法が必要になるケース|スタチンの効果と選択肢
生活習慣の改善を3〜6か月続けても目標値に届かない場合、あるいは心血管リスクが高い方には薬物療法が検討されます。脂質異常症の治療薬にはさまざまな種類があり、それぞれ作用や特徴が異なります。
生活習慣の見直しだけでは下がらないときの薬という選択
脂質異常症の治療では、食事や運動の改善が土台になりますが、遺伝的にコレステロール値が高い方や、すでに動脈硬化が進んでいる方は、生活習慣の改善だけでは不十分なことがあります。
薬を使うかどうかは、LDLコレステロールの数値だけで決まるわけではありません。年齢・性別・喫煙歴・血圧・糖尿病の有無など複数のリスク因子を総合して、10年間の心血管イベント発症リスクを評価したうえで医師が判断します。
スタチン系薬剤はLDLコレステロールを効率よく低下させる
脂質異常症の治療薬として世界中で広く使われているのがスタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)です。スタチンは肝臓でのコレステロール合成を抑えることでLDLコレステロールを20〜50%程度低下させ、心血管イベントのリスクを約20%減少させることが大規模な臨床試験で証明されています。
副作用として筋肉痛や肝機能の軽度上昇が報告されていますが、多くの方は問題なく服用を続けられます。筋肉に違和感を覚えた場合は自己判断で中断せず、主治医に相談してください。薬の種類や用量の調整で対処できることがほとんどです。
エゼチミブやPCSK9阻害薬など非スタチン系の選択肢も広がっている
スタチンだけでは目標値に到達しない場合や、スタチンの副作用で服用が難しい場合には、エゼチミブ(小腸コレステロール吸収阻害薬)を併用するのが一般的です。エゼチミブはスタチンとの併用でLDLコレステロールをさらに15〜20%程度下げることができます。
近年ではPCSK9阻害薬(エボロクマブ、アリロクマブなど)という注射薬も登場し、LDLコレステロールを約60%低下させる強力な効果が確認されています。家族性高コレステロール血症や既存の心血管疾患を持つ方など、より積極的な脂質管理が求められる患者さんに使用されています。
脂質異常症に使われる主な治療薬
| 薬の種類 | LDL低下幅の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| スタチン | 20〜50% | 第一選択薬として広く使用 |
| エゼチミブ | 15〜20%(併用時) | スタチンと相性がよい |
| PCSK9阻害薬 | 約60% | 注射薬、高リスク患者向け |
脂質異常症の治療は何科を受診すればよいか|内科選びのポイント
脂質異常症の治療は一般内科で対応できるケースがほとんどですが、状況によっては専門外来への紹介が必要になることもあります。スムーズな治療開始のために、受診前に押さえておきたいポイントを紹介します。
かかりつけ医と循環器内科・脂質専門外来のどちらに行くべきか
コレステロール値の異常を指摘された段階であれば、まずはお近くの内科・かかりつけ医を受診するのが適切です。脂質異常症の初期評価と生活指導はどの内科でも行えます。
ただし、LDLコレステロールが180 mg/dL以上と非常に高い場合や家族性高コレステロール血症が疑われる場合、あるいは心筋梗塞や脳卒中の既往がある場合は、循環器内科や脂質異常症の専門外来を受診するほうが安心です。
- まずはお近くの一般内科・かかりつけ医へ
- LDLが180以上や家族歴がある場合は循環器内科へ
- 治療が長引く場合は通いやすい距離の医療機関を選ぶ
初診時に持っていくと診察がスムーズに進むもの
初めて受診する際は、健診結果の用紙と保険証はもちろん、現在服用中の薬があればお薬手帳も持参してください。他院での血液検査の結果があればそれも一緒に見せると、重複検査を避けられます。
また、家族の病歴(心筋梗塞・脳卒中・糖尿病など)をあらかじめメモしておくと問診がスムーズです。「いつ頃からコレステロール値が高いのか」「過去に薬を飲んだことがあるか」といった情報も診断に役立ちます。
治療が始まったら定期的な通院と血液検査で経過を確認する
脂質異常症の治療は短期間では終わりません。薬を開始した場合は1〜3か月後に採血を行い、LDLコレステロール値が目標に近づいているかを確認します。生活習慣の改善のみで経過を見ている場合も、3〜6か月ごとの定期検査が必要です。
数値が安定すれば通院頻度は半年に1回程度に減らせるケースもあります。大切なのは、自己判断で通院をやめないことです。脂質異常症は生涯にわたって管理していく病気であり、定期的なモニタリングが動脈硬化の進行を食い止める鍵となります。
よくある質問
- 脂質異常症はどのくらいのコレステロール値から治療が必要になりますか?
-
脂質異常症の治療が必要かどうかは、コレステロール値だけでなく、他のリスク因子も含めて総合的に判断します。一般的にLDLコレステロールが140 mg/dL以上で脂質異常症と診断され、治療の対象になります。
ただし、糖尿病や高血圧などの合併症がある方は、LDLが120 mg/dL程度でも積極的な治療を検討する場合があります。まずは医師にご自身のリスク全体を評価してもらい、治療方針を決めることをおすすめします。
- 脂質異常症の薬は一度飲み始めたらやめられないのですか?
-
脂質異常症の薬を自己判断で中断するのは避けてください。薬をやめるとLDLコレステロール値は元に戻ってしまうことがほとんどです。
一方で、食事や運動の改善によって数値が大幅に良くなり、医師の判断で減薬や休薬ができるケースもあります。薬の継続が必要かどうかは定期的な血液検査の結果をもとに主治医と相談して決めるのが安全です。
- 脂質異常症の食事療法ではどんな食品を控えるべきですか?
-
脂質異常症の食事療法では、飽和脂肪酸を多く含む食品を控えることが基本です。具体的には、バター、ラード、脂身の多い肉、生クリーム、揚げ物などの摂取を減らしてください。
代わりに、青魚に豊富なEPA・DHAやオリーブオイルなどの不飽和脂肪酸を積極的に取り入れましょう。卵については1日1個程度であれば多くの方に問題ないとされていますが、個別の状況によって異なるため主治医に確認してみてください。
- 脂質異常症は若い人でも発症することがありますか?
-
脂質異常症は中高年に多い印象がありますが、20代や30代の若い方でも発症します。特に家族性高コレステロール血症は遺伝性の疾患であり、幼少期から高いLDLコレステロール値を示すことがあります。
また、食生活の乱れや運動不足が続くと、若い世代でも脂質バランスが崩れるリスクが高まります。年齢に関係なく、健診でコレステロール値の異常を指摘された場合は早めに医師に相談しましょう。
- 脂質異常症のスタチン治療にはどのような副作用がありますか?
-
スタチンの副作用として報告されるもので多いのは、筋肉痛やこわばり、だるさなどの筋肉に関する症状です。こうした症状は服用者のうち約5〜10%に見られますが、大半は軽度にとどまります。
まれに横紋筋融解症という重篤な筋障害が起こる可能性もあるため、強い筋肉痛や褐色の尿が出た場合はすぐに受診してください。副作用が出た場合は薬の変更や用量の調整で対処できますので、服用中に異変を感じたら早めに主治医へ相談することが大切です。
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