信頼出来る医療情報サイトの見分け方とは?(付録:役に立つ医療情報サイト集)

院長 藤田のアイコン画像院長 藤田

こんにちは。内科総合クリニック人形町 院長の藤田(総合内科専門医)です。

突然ですが、W〇LQ事件をご存じでしょうか?
(〇にはEが入ります。あまり載せたくない単語なので〇に置換しています)

W〇LQとは、DeNAという企業がかつて運営していた、「ココロとカラダの教科書」がキャッチフレーズの医療健康情報サイトです。ネットで「ココロとカラダの教科書」が読めたら素晴らしいですよね(棒読み)。

しかしその実態は、一般のライターに「一文字いくら」の低賃金で記事作成を依頼し、ネットのいろんなサイトから文をコピペしてつなぎ合わせたり、適当に何か追加したりした記事を作らせ(いわゆるキュレーション)、それを専門家のチェックも入れずにそのままアップするという杜撰なものでした。

結果、あまりにも出鱈目な内容が問題となって炎上し、2016年秋以降W〇LQは閉鎖されました。

ところで、ネット上の一般向け医学教科書としては既に大昔から「メルクマニュアル」が存在しています(現在は「MSDマニュアル」に名称変更)。これはメルク(今はMSD)という世界的製薬会社がネットの出現以前から連綿と作り上げてきたものです。この院長コラムには原則として製薬会社のサイトはリンクを貼らない方針ですので、興味のある方はググってみて下さい。

事件から約1年後の2017年12月、Googleは「医療アップデート」という施策を日本のサイトに対して打ち出しました。

これは医療情報サイトの信頼性を評価し、信頼出来るサイトの検索結果順位を上げ、逆に信頼出来ないサイトの順位を下げるというものです。この方針転換はW〇LQ以外にもあった信頼度の低いキュレーションサイトに激震をもたらし、以後かなりそうしたサイトはなりを潜めました。

Googleといえども完璧ではないので、アルゴリズムの齟齬によって良質サイトの順位を下げてしまったり低質なサイトが上に来てしまったりといったことが起きたりしたようですが、随時アルゴリズムのアップデートにより改善が行われています。

2019年現在のGoogleのネット情報の質に対するポリシーは下記PDFで公開されており、その13ページで「Your Money or Your Life略してYMYL(あなたのお金と命)」に関するサイトに対しては特に念入りにチェックすることを明言しています。

How Google Fights Disinformation https://storage.googleapis.com/gweb-uniblog-publish-prod/documents/How_Google_Fights_Disinformation.pdf 

いずれにせよ、ネット上の玉石混交な情報の信頼度はある程度自分で判断する必要があります。信頼度を判断するポイントを押さえておきましょう。

目次

① 誰(どんな組織)が、何のために運営しているサイトか?

省庁・地方自治体・大学などの公的団体や、保険診療を行っている医療機関によるサイトは公共の利益のために運営されており、信頼度が高いです。

また、難病・希少疾患の患者さんやご家族が「この病気のことを知ってもらいたい・同じ病気の人の助けになりたい」との純粋な気持ちで書かれたサイトにも、本人やご家族しか知りえない貴重な体験談が詰まっています。

逆に、サプリメント・健康食品・化粧品の広告サイトは要注意です。

〇〇協会のような任意団体のサイトの信頼性は正直ピンキリです。例えば、あえてリンクは貼りませんが「一般社団法人 内臓トレーニング協会」という団体のサイトでは科学的に何の根拠も無い「腎臓を自分で治す」とうたった本を販売しています。

② いつ書かれたものか?アップデートされているか?

医学は日々進歩しており、教科書でも7,8年前のものは今の常識とはだいぶ内容が違っていることがあります。少なくとも過去5年以内にアップデートされているサイトを選ぶことをお薦めします。

③ 根拠があるか?論理が破綻していないか?

先ほどのW〇LQの例では、明らかに根拠に乏しく論理が破綻している記事が多かったため、読んでて「おかしいな」と感じた人は多かったはずです。日ごろから情報の根拠を確認し、論理的思考を心がけたいものです。

以下の付録では信頼できる医療情報サイトをリストアップし、今後も随時充実させて行きます(当院は都内に開業しますので、都内の方対象のサイトも載せております)。

「こんなサイトがあるんだなあ」と眺めていただいて、健康や医療に関して調べたい時に「そういえばこんなサイトがあったな」と思い出していただけましたら幸いです。

付録:役に立つ医療情報サイト集

東京消防庁 救急相談センター#7119

http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/kyuu-adv/soudan-center-b.htm

救急車を呼ぼうかどうか迷ったら、#7119に電話すれば東京消防庁の救急相談センターへ繋がります(明らかに緊急の時は119にかけましょう)。相談の結果、緊急性が高いと判断されれば救急車が出動します。

この相談センターの認知度はびっくりするくらい低いです。無駄な救急車出動を減らすためにはもっと認知度を上げる必要があると思います。

東京感染症情報センターHP

http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/

都内の最新の感染症情報が参照できます。特にインフルエンザ・ノロウイルス・ロタウイルス・ヘルパンギーナ・麻疹・風疹などの流行情報は有用です。

国立感染症研究所HP

https://www.niid.go.jp/niid/ja/

感染症全般について、詳細な情報が集積されています。国家レベルで問題となっている感染症についてはトップページで注意喚起されているほか、様々な感染症についての情報を疾患名で検索することも出来ます。

Tenki.jp 花粉飛散情報

https://tenki.jp/pollen/

 気象庁の花粉飛散情報ページです。花粉症をお持ちの方は1月頃からチェックして対策することをお薦めします。

東京都医療機関・薬局案内サービス「ひまわり」

https://www.himawari.metro.tokyo.jp/qq13/qqport/tomintop/

都内医療機関を「キーワード」、「場所と日時」、「診療科目」、「対応できる外国語」、「当番医」などで検索できます。「対応できる外国語で探す」がすべて日本語で書かれているのはご愛嬌。

厚生労働省HP 「食品の安全に関するQ&A」

 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/hokenkinou/qa/index.html

 食中毒や食品添加物に関するQ&Aがリストアップされています。

厚生労働省 検疫所「FORTH」

https://www.forth.go.jp/index.html

海外渡航する方のために、感染症を中心とした地域別情報が提供されています。海外渡航を予定されている方は該当地域についてご一読をお薦めします。

外務省「世界の医療事情」

https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html

在外公館の医務官の方々が情報収集した国別の医療事情が掲載されています。読み物としても面白いです。

医療政策学×医療経済学

https://healthpolicyhealthecon.com/about/

日本で内科医として勤務後ハーバードで医療政策学博士号を取得され、現在はUCLAで医療政策学・医療経済学の准教授をされている津川友介さんのブログです。

医療政策や医療経済というとお堅いイメージを持たれるかもしれませんが、「科学的根拠に基づく食事」についての内容が充実しており、つらつら読むだけで日ごろの食生活に役立つ情報が満載なのでとてもお薦めです。

外科医の視点「患者向け医療情報サイト総まとめ」

https://keiyouwhite.com/guideline-for-patients

SNSやメディアで積極的に情報発信されている「外科医けいゆう」先生のブログトップにあるまとめです。科目別に整理されており、特定の病気について知りたい方にとって使いやすいと思います。

当リストではなるべくこの総まとめとの重複を避けています。

厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

厚労省はこっそり(?)こんなサイトも作ってるんですね、、。

書いてあることはもちろん非常に真っ当ですが、睡眠の重要性が明記されていないのと、あまり「みんなに読んでもらいたい」感じがしないのがちょっと残念だなあと思います。 

Mindsガイドラインライブラリ

https://minds.jcqhc.or.jp/

Mindsとは、公益財団法人日本医療機能評価機構が厚生労働省の委託で作った情報センターです。このライブラリには国内の医療ガイドラインが網羅されています。

病名がはっきりしている方は、こちらでガイドラインを参照されると良いでしょう。

日本心臓財団「心臓病の知識」

https://www.jhf.or.jp/check/opinion/

 心臓の健康・心疾患・心電図や血圧についての情報がかなり網羅されています。

日本皮膚科学会「皮膚科Q&A」

https://www.dermatol.or.jp/qa/

様々な学会が患者さん向けに情報発信していますが、中でもこの皮膚科学会のQ&Aは白眉と思います。

病名から検索するようになっており、それぞれの病名のところに皮膚の写真があるとわかりやすいのではと思いましたが、それでは患者さんが誤った自己診断をしてしまう可能性を考えたのかもしれません。

腎臓ネット

https://www.jinzou.net/JinzouTop/home.html

腎臓病に関する情報サイトです(日本腎臓学会の承認を受けています)。

腎臓病なんでもサイト

https://www.kidneydirections.ne.jp/

NPO法人腎臓サポート協会のサイトです。

番外編

「今にも落ちてきそうな空の下で」

http://blog.livedoor.jp/kmcid929/

感染症内科医で、今は京都大学付属病院で教鞭を取られている山本舜吾さんのブログです。内容はかなり専門的ですが、文章がとても読みやすいので一般の方でも突っ込んだ内容を読みたい方にお薦めです。

個人的には「Centorは激怒した(咽頭炎のガイドライン)http://blog.livedoor.jp/kmcid929/archives/1644263.html」がタイトル含めてお気に入りです。

Wikipedia

皆さんご存知、「インターネット百科事典」です。フロリダに本拠を置く非営利団体、Wikimedia財団が運営しています。

誰でも編集出来るのが特徴ですが、ちゃんと管理者が居て、質の低い記事や根拠に乏しい記事の削除・警告・書き込み禁止などを行っており一定の質が保たれています。医療に関する記事では、教科書よりも上手にまとまっている力作も多くあります。

以上

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