
こんにちは。総合内科専門医の藤田です。
青汁の原料には主に、大麦若葉、ケール、明日葉、桑葉が使用されていますが、このページではケールが原料の青汁に注目してみたいと思います。
ケールは栄養が豊富だけれど苦いイメージがあり、ケールが原料の青汁を買うのをためらってしまう方も多いのではないでしょうか。
当ページでは、ケールが原料の青汁のメリット・デメリット、上手な選び方やケールが原料の飲みやすいおすすめの青汁をまとめました。
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ケールが原料の青汁の効果とメリット

ケール自体の最大の特徴はその栄養価の高さで、「野菜の王様」とも呼ばれるほど栄養価が高いスーパーフード※です。
ケールを原料とした青汁に期待できる健康効果・メリットは以下の4つが主なものになるでしょう。
ケールが原料の青汁のメリット4つ
- お腹の調子を整える
- 骨や歯の健康を維持する
- 生活習慣病の予防や美容効果
- 目の健康を保つ
これらはあくまで「期待できる効果」として挙げていますが、順を追って解説していきます。
※スーパーフードの定義
栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること。あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること。一般的な食品とサプリメントの中間にくるような存在で、料理の食材としての用途と健康食品としての用途をあわせもつ。
引用:スーパーフードとは|Superfoods | 一般社団法人 日本スーパーフード協会
お腹の調子を整える

腸内環境を整える役割がある栄養素の一つとして食物繊維がありますが、ケールが原料の青汁には多く含まれている傾向があります。
便通を整え、便秘予防に欠かせない食物繊維。その有用な作用が注目され「第6の栄養素」とも呼ばれる成分がこの食物繊維です。
食物繊維は胃や小腸で消化されない成分なので、そのまま大腸に届けられます。
腸の働きを刺激し乳酸菌のエサにもなるので、腸内の善玉菌を増やす作用もあります。ですから、食物繊維が多く含まれるケールが原料の青汁にはお腹の調子を整えるメリットが期待できるのです。
骨や歯の健康を維持する

ケールが原料の青汁の栄養成分表示を見ると、カルシウムが含まれている商品が多いのが特徴です。
カルシウムは、不足した状態が続くと骨粗しょう症のリスクになり得ますが、ケール自体、カルシウムの含有量が野菜のなかで比較すると、多くの量が含まれています。※1
食品名(カルシウム含有量上位) | 100gあたりのカルシウム含有量 |
---|---|
モロヘイヤ(生・茎葉) | 260 mg |
ケール(生・可食部) | 220 mg |
おかひじき(生・茎葉) | 150 mg |
えだまめ100g(生) | 58 mg |
キャベツ(生・結球葉) | 43 mg |
ブロッコリー(生・花序) | 38 mg |
カルシウムが豊富な食品としては牛乳が広く知られていますが、ケールはカルシウムの含有量が牛乳の倍になります。(牛乳100gあたりのカルシウム:110mg)
実際に青汁として商品化される際には搾汁(さくじゅう)が行われるので、上記の含有量がそのまま生かされることはなく損失が発生しますが、それでもケールを原料とする青汁は、他の原料よりも効率よくカルシウムを摂取できます。
生活習慣病の予防や美容効果

ケールの青汁商品に多く含まれていることが多いβ-カロテンは、体内でビタミンAに変わる成分です。
活性酸素は、さまざまな細胞を攻撃し、動脈硬化や細胞の老化、がんの発生にも関係があると考えられていますが、β-カロテンには活性酸素の発生を抑えて取り除く作用があります。
また、ケールに含まれる苦み成分のスルフォラファンにも、β-カロテンと同様の抗酸化作用※が確認されています。
※抗酸化作用とは
抗酸化とは、カラダの酸化を抑えることを言います。酸化というのは、釘が茶色く錆びたりリンゴが茶色く変色して腐ったりすることですが、人間のカラダも酸化します。身体が酸化すると老化や血管の老化が進んだり、シミやシワ、肌あれなどの肌トラブルが起こったり、生活習慣病やがんの引き金になったりする可能性があります。
目の健康を保つ

ルテインは、目の水晶体や黄斑部にある成分です。「天然のサングラス」とも呼ばれ、目の細胞にダメージを与える紫外線やブルーライトから目を守る働きがあります。また、β-カロテンの仲間でもあり、強い抗酸化作用も持っています。
繰り返しになりますが、たとえケールの青汁であっても、含まれる成分がすべて凝縮されるということではなく、加工過程で失われてしまう成分もあります。

必ず商品の栄養成分表示の確認をして、積極的に摂りたい栄養素が含まれる商品を選び、あくまで栄養をサポート・補填する目的で使用しましょう。
ケールが原料の青汁のデメリット

ケールが原料の青汁のデメリット
- ケール特有の青臭さと苦みがある
ケール特有の青臭さと苦みがある
ケールはもともと独特の苦みや青臭さのある野菜です。これは、特に味を調整しない製方法で作られた青汁の場合、そのまま維持されます。
特にケール100%の青汁は苦みや青臭さが強く、飲みづらいと感じる方が多くいるでしょう。
ただし、中にはケール自体の品種改良や青汁商品開発の工夫により、飲みやすく調整されている商品もあります。
毎日飲むといくらかかる?料金相場

青汁は継続して飲むことでより効果を実感しやすい食品ですが、日々のコストは気になるところです。そこで、ケールを原料とする青汁を33商品ほどピックアップし、料金を調査しました。
ケールが原料の青汁の平均価格
平均金額 | |
---|---|
1箱あたりの価格 | 4,101円 |
1日あたりの価格 | 233円 |
30日あたりの価格 | 7,001円 |
ケールを原料とする青汁の料金相場は、1箱あたり3,000円~5,000円という結果になりました。また、各商品の目安量を摂取すると、1日あたり平均233円になります。
毎日、ケール青汁を摂取目安量の最大で飲み続けたときかかる料金は、1カ月あたり約7,000円が平均です。
上手な選び方・選ぶ際のポイント

ケールが原料の青汁商品を選ぶ際には、以下の3つの点をチェックするようにしましょう。
- 原産国・製造国を見る
- 栄養成分表示がある
- 特定保健用食品(トクホ)・機能性表示食品かどうか
原産国・製造国を見る
ケールが原料の青汁商品の中には、中国産のケールを使用している商品もあります。
中国産のケールが全て安全性に問題があるというわけではありませんが、わたしたちに届くニュースなどでは、食品の異物混入や農薬問題、大気汚染問題などを見聞きしてきたので、不安が残ることも事実です。
厚生労働省の調査結果では、過去に中国産のケールから安全基準を上回る残留農薬が確認されたケースもあります。
ただし、中国産のケールを使用しているからといって過度に心配する必要はありません。日本で売られているほとんどの商品は、仮に中国産のケールを使用していたとしても、日本の製造ラインで作られていたり、日本の安全基準を通過しています。

原産国はどの商品にも必ず記載されていますので、気になる方は販売ページで確認しましょう。
栄養成分表示
わたしたち消費者にとって、食品を選ぶ際にもっとも重要になる情報が栄養成分表示です。栄養成分表示は一定の条件を満たしていれば表示の義務がない成分もあるため、商品によっては確認できないものもあります。
商品購入ページやパッケージに魅力的な言葉が書かれていても、実際の成分量が表示されていない青汁が多々見受けられます。
そのような商品は、効果はもちろん、安全性も分からないので使用をおすすめできません。「どのような成分がどれくらい含まれているか」を確認してから購入するようにしましょう。
特定保健用食品(トクホ)・機能性表示食品かどうか
ケールが原料の青汁の中には、その効果について明示できる特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品があります。
両者の違いとしては、特定保健用食品(トクホ)は健康の維持・増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められていて、たとえば「おなかの調子を整える」などの表示をすることが許可されている食品になります。
表示されている効果などについては厳正な審査が行われ、消費者庁長官が許可しています。
対して機能性表示食品は、事業者の責任において科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものです。

機能性表示食品 は特定保健用食品(トクホ)とは異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありませんので、トクホの方がより信頼性が高い商品だと言えるでしょう。
ケールが原料のおすすめ青汁3選
選定基準
- 原材料・製造国が日本のもの
- 栄養成分表示がされているもの
- トクホ・機能性表示食品からも選定

今回選定した青汁は下記の3つです。
- 有機ケール青汁(エスビー食品)
- ケール青汁+食物繊維(株式会社ディーエイチシー)
- ハイパーケール(ヤクルトヘルスフーズ株式会社)
下記のそれぞれの商品の特徴をまとめました。ぜひ選ぶ際の参考にしてください。
有機ケール青汁
(エスビー食品)国産・有機栽培ケール100%の青汁


国産・有機栽培ケール100%の青汁です。ケール由来のGABAを含有していて、血圧が高めの方に適する機能性表示食品です。
ケール青汁+食物繊維
(株式会社ディーエイチシー)食物繊維の難消化性デキストリンがおなかの調子を整える【特定保健用食品】


摂取目安量の1日3袋を飲んだときの食物繊維摂取量7.2gは、セロリに換算すると7本分になります。毎日それだけ大量の野菜を食べつづけるのはとても大変ですが、これなら手軽に補うことができますね。
ハイパーケール
(ヤクルトヘルスフーズ株式会社)グルコラファニンが肌のうるおいを保つ【機能性表示食品】


含まれている栄養素の種類が非常に豊富な機能性表示食品の青汁です。農薬・化学肥料を使用せず栽培した、グルコラファニンを多く含む新品種ケール「ハイパール」を使用しています。
参考文献(References)