- 前経営陣は2つの違法行為で逮捕され懲役行きに
- Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトには自作自演の質問で溢れている!?
- アイランドタワー系列の他の2つのクリニックを含めるとシェア8割超
- 技術面で際立ったものはなくFUE専門なので大量の植毛にも向かない
- 当ブログの植毛ランキングで3位と低評価にした理由は口コミの悪さが理由?それとも
- 最新の植毛法であるメスを使うFUTと向き合えるかどうかが今後の鍵に

こんにちは。当院院長の藤田です。内科中心のクリニックですがAGA治療もやってますので、現役医師の立場から解説したいと思います。
自毛植毛市場でシェア6割近くを占め「一強他弱」状態を作り上げたアイランドタワークリニックとは、いったいどういうところなのでしょうか?裏事情にも詳しい当院院長の藤田先生に解説してもらう特集記事です。
本文に入る前に、まず先にアイランドタワークリニックさんに謝りたいと思います。当記事は完璧に公平公正な立場から書いているとは言い切れないし、そのことを自覚しながら書いています。

それでもなお、なぜ少し批判的とも言える内容を多く含んでいるかというと、業界の巨人であり多くの資金に恵まれているアイランドタワークリニックさんであれば、今より多くの悩める薄毛患者を正しく救うことができる、と思っているからです。
現在のようなFUE専門院ではなく、創業時のようにFUT「も」行う植毛クリニックに戻ることを期待しつつ当院院長の藤田先生とともに記事を書き進めていくので、平にご容赦ください。
前経営陣は2つの違法行為で逮捕され懲役行きに

藤田先生、アイランドタワークリニックの例の裁判は結局どうなったんでしょうか?

法人税法違反と民事再生法違反(詐欺再生)で前経営陣2名に実刑判決が出ています。もう結構前の話ですけどね。

解説いたします
業界内では有名な事件なので今更感はありますが、知らない人もいると思うので解説しておきます。
アイランドタワークリニックは一度倒産した企業です。法人事業税を逃れるために広告費を架空計上し、また、倒産後の民事再生中に財産を隠したことが分かってしまい民事再生法違反でも起訴され、実刑判決が出て服役となりました。前経営陣が起こした2015年の事件です。
日本の自毛植毛の歴史は、横浜にあるヨコ美クリニックと東京赤坂にある紀尾井町クリニックから25年前から始まり、アイランドタワークリニックが植毛業界に参入したのは今から15年ほど前になります。
薄毛は病気ではないので、自毛植毛は広義には「美容整形」のジャンルになり、金の亡者が集まりやすい業界です。
その宿命、とでもいうのでしょうか。過去に多くの脱税事件を起こしてきた美容整形クリニックと同様のことが、アイランドタワークリニックでも起きていたという歴史があります。
この記事の執筆者
Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトには自作自演の質問に溢れている!?

Yahoo!知恵袋で「アイランドタワークリニック」で検索すると大量にヒットしますよね。自作自演っぽいのもたくさんあるように見えます。これはどうなのでしょう?

私から見ても自作自演に見える質問が散見されますが、「推定無罪」なので現段階で「グレー」止まりですね。

解説いたします
アイランドタワークリニックの初代院長は、現アスク井上クリニックの井上浩一院長で、現在のアイランドタワークリニックの理事長である井川先生は井上院長とともに国内にFUE植毛を広めた中興の祖です。
植毛にはFUEとFUTという2種類の術式があります。FUEはチューブパンチという専用の医療器具を使って後頭部から毛根をくりぬくやり方で、FUTはメスを使って後頭部から頭皮ごと毛根を剥ぎ取ってバックヤードで毛根単位に切り分ける植毛法です。
※アイランドタワークリニックはFUE専門院です
もう一人、準大手植毛クリニックの親和クリニックの恩田院長も井上先生と井川先生と同時期にアイランドタワークリニックに在籍していて、この3つのクリニックを合わせると植毛の市場シェアはおそらく8割を超えています。
なぜ一見関係なさそうなこのような話をしたかというと、すごく気になることがあるからです。この3つの「アイランドタワー系クリニック」はYahoo!知恵袋などのQ&Aサイトに不自然なほど名前が出てきます。
何が不自然なのかというと、
- 「私はアイランドタワークリニックという所で植毛しましたが満足しています」と聞いてもいないのにクリニックを名指しで高評価していること
- 回答者のアカウント開設日が質問日から間もない日付であること
- 回答者と質問者のアカウントは当該の質問以外に回答も質問もしていないこと
この3点です。
アイランドタワークリニックを貶(おとし)めようとしている第三者の仕業であって、アイランドタワークリニック自らが行っている自作自演でないことを祈りますが、手口が似通っているので、「誰か」が「何かの目的」で外部の業者(恐らく同一業者)に委託して行っていることはほぼ間違いありません。
「推定無罪」なので、証拠がない限りはステマ認定はもちろんいたしません。

アイランドタワークリニックを潰したい第三者の仕業である可能性ももちろんあるので、もしアイランドタワークリニックの関係者がこの記事を見たならば、Yahoo!知恵袋に連絡して、当該の質問を削除するよう弁護士から申請したほうが賢明だと思います。
放置しておくと患者さんが誤解するし、ステマをやっていないのに勝手にステマ疑惑をかけられることにもなりかねないので、早急に手を打たれたほうが良いでしょう。
技術面で際立ったものはなくFUE専門なので大量の植毛にも向かない

アイランドタワークリニックの執刀医の技術はどうなのでしょう?シェアNo.1なのは技術力のおかげでしょうか?

腕利きの医師がいるから成長してきたわけではなく、どの医師に当たっても70-80点取れるという「安定した品質」を売りに成長してきたクリニックです。

解説いたします
ここであなたに簡単な質問をします。吉野家は、腕利きの料理人を集めることに成功したから日本一の牛丼チェーンになれたのでしょうか?
考えるまでもなく答えは「NO」のはずです。
日本最大の美容整形外科グループである湘南美容クリニックも、自毛植毛を行っています。アイランドタワークリニックと同じく全国に4店舗を構える多店舗展開戦略を取っていますが、腕利きの植毛医は福岡院の長井正寿先生(※)くらいでしょう。
※長井先生に関しては下記記事の後半部分を参照ください

多店舗展開の戦略をとるということは、必然的に「100点満点を捨てる」ということで、名医はせいぜい一人くらいしか育ちません。
アイランドタワークリニックが採用しているFUE法は、形成外科医出身でなくても習得が可能な簡易な外科手術で、開発したのは初代のアイランドタワークリニック院長であり、現アスク井上クリニックの井上浩一先生です。

井上先生の言葉をそのままお借りします。
「アイランドタワークリニックのFUEは僕と井川先生(現アイランドタワークリニック理事長)と恩田先生(現親和クリニック総院長)の3人で日々研究して作り上げたのですが、ダイレクト法というアイランドタワークリニックのFUEは、誰がやっても70点以上は取れるように開発した植毛法なんです。」
FUEは大量の植毛には向きません
アイランドタワークリニックが採用しているFUE法は、世界的に見れば一世代前の技術です。
FUEは、ドナーロス率の高さという致命的な弱点を抱えているのと、後頭部から毛髪をくり抜いた後の傷跡を修復できない術式であるため、大量の植毛には向いていなません。
アイランドタワークリニックで移植して問題ない植毛量の限界値は生涯で2千グラフト(髪の毛換算で約4千本)までです。それを超える量をFUEで植毛すると後頭部がちょっとした惨劇になってしまうので、十分に注意してください。
詳細は下記リンク先の記事が参考になります。

当ブログの植毛ランキングで3位と低評価にした理由は口コミの悪さが理由?それとも

このサイト内の植毛クリニックランキングでアイランドタワークリニックは下位扱いになっています。それはなぜなのでしょうか?他サイトを見ているとほぼどこも1位に推しているようですが。

FUE専門だからです。大量の植毛にアイランドタワークリニックは向いていないし、価格設定も高すぎるので1位にはできないですね。

解説いたします
アイランドタワークリニックは、元々はメスを使うFUT(ドナーストリップ法)で植毛をしていましたが、フランスのオムニグラフトという医療器具を輸入してから、独自に改良型のFUEの研究を始め、ここ5年くらいで実質的にFUE植毛しか行わなくなりました。
前述したように、FUEは少・中量までの植毛にしか適しません。具体的な数字を言うと、アイランドタワークリニックでの植毛の限界数は2,000グラフト(髪の毛換算で約4,000本)までです。
その一方、アイランドタワークリニックよりランキングを上位にした2つのクリニックは、共にFUEとFUT両方とも行える植毛クリニックで、大量植毛に対応できます。
またアイランドタワークリニックと手術費用を比べると、30%から50%くらい安く済むので、ランキングがアイランドタワークリニックより上位になるのは極々自然なことです。

アフィリエイト報酬順に並ぶ不自然な植毛クリニックランキング
おそらくあなたは、この記事を読む前に(あるいは読んだ後に)多くの植毛クリニックおすすめランキングの記事を見てきたと思います。ほとんどでアイランドタワークリニックが1位になっていませんでしたか?
なぜかというと、アイランドタワークリニックを1位にしておくとアフィリエイト報酬(広告収入)がサイト運営者により多く入ってくることが期待できるからです。

特に、FUEという植毛法はアスク井上クリニックの井上院長がおっしゃったように腕の差が出にくい術式です。
それなのに他のFUE専門クリニックを押しのけて、一番手術費用が高いアイランドタワークリニックが多くの薄毛専門サイトで1位に推されていることに対して違和感を持たないことのほうが違和感があります。
当該のサイト運営者が複数のクリニックで植毛を実際に受け、その経験から「アイランドタワークリニックが1位」というなら筋は通っていますが、そうではありません。
FUEのドナーロス率の問題や、FUE専門クリニックのクレームの多くが「生えない」というクレームではなく、移植元の傷跡に対するものであるという裏事情を何も知らないサイト運営者がランキング付けするなど、荒唐無稽な話です。
植毛のことを深く知らない人が運営するサイトの多くでアイランドタワークリニックが1位なのは、ただの偶然なのか必然なのか。改めて述べるまでもないでしょう。
気になる口コミ評価は「良い」と「悪い」が真っ二つ
アイランドタワークリニックの口コミ評価をネットでいろいろ調べてみたところ、評価は真っ二つでした。
2ちゃんねる系の掲示板やYahoo!知恵袋などのQ&Aサイトはステマ(自作自演)が多いので参考になりませんが、総評すると、スタッフやカウンセラー、看護師は丁寧で信頼が置けるが、医師は横柄な人が多い、というようなことが書かれています。
最新の植毛法であるメスを使うFUTと向き合えるかどうかが今後の鍵に

アイランドタワークリニックがもしFUTに取り組んだらどうなりますか?おすすめランキングはどう変わりますか?

ランキングうんぬんは別問題で、薄毛で悩む多くの患者を良い方向に導けるようになると思うので、まさに「進撃の巨人(植毛業界でほぼ無敵)」になれると思いますよ。

解説いたします
ネガティブなことを含めて独断と偏見でアイランドタワークリニックの解説をしてきましたが、この記事のネガティブな評価をアイランドタワークリニックがひっくり返すのは、簡単です。
- 患者に術式の選択肢を与える(≒FUTに再び取り組む)
ただこの1点のみを行うだけです。
アイランドタワークリニックに行くとFUEしか選択できないし、言葉巧みにFUT(ドナーストリップ法)の欠点を遠回しに指摘し、ダイレクト法(FUE)の優位性を説いてくると思います。
優位性を説くこと自体は決して悪いことではありませんが、アイランドタワークリニックは実質的にFUE専門院であり、術式の特性からドナーロス率の高さという致命的な弱点を抱えてしまっている以上、患者に対し、
- FUTという植毛法が他院に存在していること
- 「FUEは傷跡が目立ちにくい」という非正確な説明はしないこと
- FUEは小・中量向きの植毛法であることをちゃんと説明すること
この3点は、インフォームド・コンセント内で説明の義務がある項目だと思います。
インフォームド・コンセントとは?
治療を受ける前に病気のことや治療の方法について、医師等から十分説明を行い、その後、患者さんがその内容をよく理解し納得したうえで、患者さん自身の意思で治験を受けることに同意する、この一連の過程をインフォームド・コンセントと言います。
引用元:公益財団法人日本医師会
まとめ
少しフォローさせていただきますが、アイランドタワークリニックは悪徳クリニックではありません。
どこにでもある普通の美容整形クリニックで、スタッフやカウンセラーさん、看護師さんは大変親切であることは私も良く知っています。良い先生がいることも分かっています。

また、圧倒的な症例数から来る安心感もありるので小・中量までの植毛であれば、アイランドタワークリニックを第三者に勧めても全く問題ありません。
FUE専門院である現在でさえ市場シェアが6割に迫る勢いなので、もう一つの植毛法であるFUTに再び取り組めば、患者にとっては選択肢が増えるだけでなく経済的にも助かります(FUTのほうが料金もかなり安い)。
これらの患者側のメリットによりさらなる支持を得て、今以上にシェアを伸ばすことができると思います。アイランドタワークリニックさん、是非FUTへの取り組みを前向きに検討してください。よろしくお願いいたします。

おすすめ植毛クリニックは?比較するとどこが良い?に冷徹回答 。植毛量によって選ぶべき術式やランキングは大きく変わる
自毛植毛クリニックのランキング記事です。「大手だから〇〇クリニックが1位」ではなく、医学的根拠や植毛費用から見たコストパフォーマンス、看護師の質、AGAの進行状態までをも総合的に熟慮した上で各医院を徹底比較しています。
以上