育毛剤ランキング!AGA診療ガイドラインを参考に医師が決定

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こんばんは。内科総合クリニック人形町 院長の藤田英理です。

当記事は、AGA(男性型脱毛症)に発毛促進効果が認められている育毛剤の特集です。公益財団法人日本皮膚科学会(※)が制定した「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版​1​」に準拠してランキング形式で紹介します。

公益財団法人日本皮膚科学会 は、皮膚科医を中心に1900年(明治33年)に創立された公的な団体で、皮膚科専門医の認定や皮膚科疾患(髪の毛は皮膚の一部)に関する各種診療ガイドラインを制定しています。

まず結論から。男性向けの育毛剤ランキングはこう↓なります。

  1. カロヤン プログレ®EX O(第一三共ヘルスケア)
  2. 薬用毛髪力 イノベート®(ライオン)
  3. 薬用アデノゲン®(資生堂)
  4. サクセスバイタルチャージ®(花王)
アデノゲン・イノベート・カロヤン・サクセスバイタルチャージ・育毛剤

販売元は東証一部上場企業なので「聞いたことあるかも」という育毛剤がズラっと並んでいて、逆に、GoogleやYahooの広告枠などに出てくる「最強の育毛剤ランキング最新版!」みたいな記事に出てくる育毛剤は、当記事には登場しません。

理由は単純で、医学的根拠に従って「忖度一切なし」でランキング付けするとこういう結果にならざるを得ないからです。

新型コロナウイルスで、感染症や公衆衛生学の専門家たちが集まって出来た「専門家会議」のことをご存じだと思いますが、「育毛剤専門家会議」なるものがもし仮に出来たとしたら、忖度さえ入らなければ当記事で発表するランキングの順位とほとんど同じものになるはずです。

その「忖度一切なしの育毛剤ランキング」の発表に入りたいのですが、あなたが育毛剤選びで失敗しないですむよう医師として以下の3つことをどうしても先にお伝えしたいので、少々お時間をいただけたらと思います。

  1. 育毛剤ランキング記事の9割以上が広告報酬順になっている
  2. 臨床試験で結果の出ていない成分を信用するべからず
  3. 返金保証付きの育毛剤を選んではいけない

それぞれ順番に説明いたします。

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当記事は「ランキング」という表記を使っております。医療広告ガイドラインの規定により「広告記事」に該当いたしますので予めご承知おきください。

1.育毛剤ランキング記事の9割以上が広告報酬順になっている

実は、世に出回っているほとんどの育毛剤ランキングは必ずと言っていいほど広告報酬順(アフィリエイト報酬順)になっています。

1位:育毛剤A(広告報酬8,000円)
2位:育毛剤B(広告報酬7,000円)
3位:育毛剤C(広告報酬5,000円)

こんな感じですね。育毛剤Cに着目ください(後で再登場します)。
恐らくあなたは、下記のようなキーワードでGoogleやYahooで検索して育毛剤を調べられたのではないでしょうか。

google検索
検索キーワード候補
  • 男性用育毛剤
  • 育毛剤 最強
  • 育毛剤 ランキング
  • 発毛する育毛剤
  • 発毛剤 最新

これらのキーワードは、ネットの世界では「売れるキーワード」とか「今すぐキーワード」、あるいは「ビッグキーワード」と言われていて、このようなキーワードで検索結果の上位に表示され始めると、育毛剤の営業マンや販売代理店から上位表示したランキングサイトの問い合わせフォームなどから連絡が入り、こんなことを言ってきます。

営業マンのアイコン画像営業マン

今までうちの育毛剤Cを一本売っていただくたびに広告報酬を5,000円お支払いしていましたが、うちの育毛剤Cをランキング1位にしていただけるなら広告報酬を2倍の1万円にさせていただきます。

で、このような連絡をもらった育毛剤ランキングサイトの運営者はどうするかという、3位だった育毛剤Cを1位にしてこの↓ようなランキングに作り変えてしまうのです。

1位:育毛剤C(広告報酬10,000円)
2位:育毛剤A(広告報酬8,000円)
3位:育毛剤B(広告報酬7,000円)

まさに「忖度あり育毛剤ランキング」ですよね。肌感覚で恐縮ですが99%近くが広告報酬順(忖度あり育毛剤ランキング)になっていると思います。

何ならご自身で調べてみてください。「忖度あり育毛剤ランキング」を見抜くのはとっても簡単で、

当記事で紹介している一部上場企業の育毛剤が上位に紹介されているかいないか

これだけチェックすればOKです。

だっておかしいですよね。公的機関が制定したAGA診療ガイドラインの中で推奨されている成分を使っていない育毛剤がズラっとランキングの上位を占めるのは、誰がどう考えても不自然です。

2.臨床試験で結果の出ていない成分を信用するべからず

2点目は、「その成分に医学的根拠はあるのですか?」です。

  • キャピシル
  • ノコギリヤシ
  • センブリエキス
  • ミノキシジル誘導体
  • 幹細胞エキス
  • 業界注目の成分
  • 毛根への浸透力が〇〇倍
  • 有効成分数No.1

育毛剤の販売ページを見ると色彩豊かに色々と派手なアピール合戦をしていて、上記のような成分や宣伝文句をご覧になったことがあるのではないでしょうか。

古い映画で恐縮ですが、「ロボコップ」という警察モノの映画があって、こう↓いう名シーンがありました。

Who are you?

私の勉強不足なら謝るしかないですが、上記にあげたような成分に「発毛効果がある」という論文を読んだことも見たこともないです。まさに、

Who are you ?(そんな発毛成分聞いたことないぞ?)

です。

もし発毛効果のエビデンスが存在するのであれば、英語論文でも結構ですのでご紹介下さい。しっかりした論文であれば、私の勉強不足でしたと素直に謝ります。

もしエビデンスが存在しない成分であれば、ちゃんとした臨床試験を行ってデータを論文として公開し、世界中の専門家から厳しい査読を受けて生き残った成分をあえて使わずに、そういった成分に頼る事の意義は甚(はなは)だ疑わしいと言わざるを得ません。

3.返金保証付きの育毛剤を選ばない

最後3点目は、「返金保証」がついている育毛剤は選ばないほうがいいですよ?という注意喚起です。

  • 効果に自信があるので返金保証を付けます!
  • 永久返金保証付きの育毛剤です!

みたいなことを書いてある育毛剤の販売ページを、あなたも一度や二度くらい見かけたことがあるのではないでしょうか。

これは人間の心理に付け込む古典的なマーケティング手法で、自信がないから返金保証を付けるんです。「返金保証つけるなんて商品に自信がある証拠だ!よしこれを買おう!」と思っちゃうじゃないですか。そこを逆手にとっているわけです。

発毛根拠がもし本当にあるなら厚労省に薬事承認の申請をすればいいと思います。返金保証など付けなくても厚労省様がお墨付きをくださいますので。でも、申請しないってことは発毛の根拠がないからなんです。

4.含有成分の推奨度を根拠にランク付け

ここまで、育毛剤選びで失敗しないための3つの留意点についてお話させていただきましたが、少し退屈だったと思いますので、ここから具体論に入っていきたいと思います。

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版(※)において日本皮膚科学会が推奨している外用薬(≒育毛剤)の成分は以下になります。
※2017年版が最新版です

推奨度の分類

推奨度A(行うよう強く勧める)ミノキシジル
推奨度B(行うよう勧める)アデノシン
推奨度C1(行ってもよい)カルプロニウム塩化物t-フラバノンサイトプリンおよびペンタデカン、ケトコナゾール

上記の中で推奨度Aのミノキシジルは育毛剤とは呼ばず「発毛剤」と呼びます。従って、当記事のランキングからは除外しております。

となると、普通に考えれば推奨度Bのアデノシンがランキング1位にならないとおかしいのですが、話はそれほど単純ではありません。実際、当記事内で紹介する4つの育毛剤の中でアデノシンは3位という評価です。

なぜかというと、できるだけ弱い薬から試して欲しいからです。AGA治療における外用薬(頭皮に塗る薬)の王様成分はミノキシジルです。でも、ミノキシジルより弱い薬で生えるならそれに越したことはないわけです。

4-1 ホメオスタシス(生物恒常性)とAGA

一定数同じ薬を飲んだり塗ったりすると身体がその薬に慣れてしまって効果が薄れてしまうことはよく知られています。ネズミ駆除の仕事をしている方なら誰でもご存じかと思いますが、殺鼠剤は毎年変化を加えるじゃないですか。

生きとし生けるものは周囲の環境に慣れる生物恒常性(ホメオスタシス)という機能を持っています。頭皮も同じで、一番効果のあるミノキシジル外用薬を使ってしまうと、頭皮がミノキシジルに慣れてきてしまい発毛効果が徐々に落ちてきます。

そうなると、もう先がないわけです。AGAはどんな名医が治療しようとも治ることはありません。みな一生付き合っていかないといけないのです。

となると、発毛促進効果が医学的に証明されている成分の中で、できるだけ弱い成分から試していき、それで発毛させるのがベストなわけです。いずれ頭皮は慣れていき発毛促進効果は薄れていきますが、弱い薬から治療をスタートさせれば「次」があります。

従って、治療初心者がいきなりミノキシジルやアデノシンを使うことを当院では推奨していません。目先のことを考えればミノキシジルを推すのが一番かも知れませんし患者さんは一時的には喜んでくださるかも知れません。

でも、喜んでいられるのは最初の数年だけで、後に続く長い長いAGA生活の一瞬でしかありません。そのような無責任な治療を薦めるわけにはいきませんので、発毛の根拠がある成分の中で弱い順から使っていくことを当院では推奨しているのです。

発毛促進効果が高ければ高いほど価格は上がっていきます。つまり、長く続くAGAライフを考えた上ではお財布に優しいという意味でも、成分の薄い育毛剤から使うほうがお得ですよね。

5.男性用育毛剤ランキング2021年最新版

しっかりと根拠を示したいがためとは言え、前置きが長くてすいませんでした。日本皮膚科学会のガイドライン​1​に準拠した男性向け育毛剤ランキングを発表させていただきます。

紹介する育毛剤は4つになりますで、最高位が1位で最下位が4位です。

4位:サクセスバイタルチャージ®

サクセスバイタルチャージ

商品名:サクセス バイタルチャージ®
主成分:t-フラバノン
販売元:花王株式会社
容 量:200ml(1か月分)
定 価:2,355円(税込)

育毛剤ランキング4位は花王の主力商品「サクセスシリーズ」の育毛剤バイタルチャージ®です。

AGA診療ガイドライン​1​にサクセスバイタルチャージ®の主成分であるt-フラバノンはちゃんと記載されていますので、発毛促進効果が公式に認められていて、なおかつ異常なほど安いのでなかなか魅力的な育毛剤です。

サクセスバイタルチャージが向いている人は、抜け毛が気になり始めた大学生とか25歳未満の若い世代向けだと思います。他の育毛剤はそこそこの値段がするので、「少し抜け毛が気になるかも」という方はランキング中の最安値であるこのサクセスバイタルチャージがおすすめです。

3位:薬用アデノゲン®

資生堂薬用アデノゲン

商品名:薬用アデノゲン®
主成分:アデノシン
販売元:株式会社資生堂
容 量:150 ml(1か月分)
定 価:7,150円(税込)

紹介する4商品の中でAGA診療ガイドライン2017年版​1​における推奨度が、一番高い「推奨度B」の薬用アデノゲン®が育毛剤ランキング第3位です。

以下、ガイドライン​1​からエビデンスに関する記述を抜粋します。

男性型脱毛症(AGA)に対しての効果

0.75%アデノシン配合ローションと5%ミノキシジルローションを用いた、94名の男性被験者を対象とした観察期間6カ月間のランダム化比較試験において、病変部の太毛率は両剤群で有意差なく、0.75%アデノシン配合ローションは男性型脱毛症の治療薬として市販されている5%ミノキシジルローションと同等の有用性があることが示唆された​2​

以上から、ガイドラインではアデノシンに関してはこのようにまとめております。

アデノシンの発毛効果に関しては、男性に対する有効性を示す十分な根拠があるため、外用療法を行うよう勧める(推奨度B)

薬用アデノゲン®の主成分であるアデノシンは、男性型脱毛症に対してガイドラインの中での推奨度はB、つまり、発毛促進効果は当記事で紹介する他の育毛剤よりもワンランク上の位置づけです。

なのになぜ最上位(1位)でないかというと、すでに説明したとおり、発毛根拠がある成分の中で出来るだけ効果が弱いものから使ってほしいからです。

トランプで、いきなりエースやキング、クイーンを出すのではなく、序盤戦は8とか9あたりでコツコツと勝ちを積み重ねおかないと出すカードがなくなってしまいますよね。それと考え方は同じです。

なお、エースがミノキシジル(リアップの主成分)だとしたら薬用アデノゲンはキング(K)くらいに相当します。次に紹介する薬用イノベートがクイーン(Q)で、ランキング第一のカロヤンはジャック(J)あたりだと思います。

2位:薬用毛髪力 イノベート®

薬用毛髪力 イノベート

商品名:薬用毛髪力 イノベート®
主成分:サイトプリン・ペンタデカン
販売元:ライオン株式会社
容 量:200ml(1か月分)
定 価:3,122円(税込)

ランキング第2位は、ライオンの「薬用毛髪力 イノベート®」です。すっごい申し訳ないのですが、この商品のことは深く勉強していません。

一流メーカーであるライオンさんが出されている商品ではありますが、7年前くらいに松岡修造さんがCMをやっていたのは覚えているだけで、最近この商品のCMを見たことがありません。よって、メーカーイチ推しの商品ではないのかも知れません。

主成分であるサイトプリンおよびペンタデカンはAGA診療ガイドライン​1​に記載されている、つまり、日本皮膚科学会がお墨付きをしているちゃんとした成分ですので、その点は信用しても良いと思います。

なぜ1位じゃなかったかというと、「製造元が製薬会社ではないから」に尽きます。

1位:カロヤン プログレ®EX O

カロヤン プログレ®EX O

商品名:カロヤン プログレ®EX O
主成分:カルプロニウム塩化物
販売元:第一三共ヘルスケア株式会社
容 量:120ml(1か月分)
定 価:4,400円(税込)

当院がおすすめする市販育毛剤ランキングの第一位はカロヤン プログレ®EX Oです。理由は以下のとおりです。

  • 第3類医薬品であり他の育毛剤より格上であること
  • AGA診療ガイドラインで推奨されている成分を使用
  • 最も歴史の古い育毛剤の一つであること
  • 製造元が大手製薬会社であること

ここまで3つの育毛剤(サクセスバイタルチャージ・アデノゲン・イノベート)を紹介してきましたが、いずれも医薬部外品です。それに対し、カロヤン プログレ®EX Oは、薬品の扱いとしてワンランク上といえる「第3類医薬品」です。

要するに、4商品の中で「医薬品」と呼んでいいのはカロヤン プログレ®EX Oだけなのです。よってランキング1位にして何ら不自然ではないと思います。

主成分であるカルプロニウム塩化物は、日本皮膚科学会が認めている発毛促進成分です。アデノゲンなどに比べれば値段も手ごろです。

それと、カロヤンってずっと昔からありますよね。調べてみたところ1973年に発売開始された育毛剤なので「アラフィフ」ですね。ロングセラー中のロングセラーです。

抜け毛が増えて「AGAかも」と思ったなら、まずはカロヤン プログレ®EX Oから治療を始めるのがベストではないかというのが当院での公式見解です。

6.まとめ

2位の薬用アデノゲン®(資生堂)は大変良い育毛剤だと思います。

しかし、価格が高すぎるのと、記事内で何度か言及したように、AGA治療は10年20年と続きますので公的機関の診療ガイドラインで発毛効果を認められた成分の中で効果が弱いものから試してほしいです。

従って、まずは1位のカロヤン プログレ®EX O、次点で2位の薬用毛髪力 イノベート®を半年使ってみて、発毛効果がなかった時にアデノゲンを使ってみてください。

なお、理想は、カロヤンである程度発毛して3年くらい青春を謳歌し、少しづつ効き目が弱まってきたらアデノゲンを使って回復させて3年ほど踏ん張り、アデノゲンで効果が出なくなってきたなら大正製薬リアップなどの発毛剤(ミノキシジル外用薬)を使用してみてください。

以上


この記事を書いた人

内科総合クリニック人形町院長 藤田医師
藤田 英理

内科総合クリニック人形町 院長
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
東京大学医学部保健学科および横浜市立大学医学部を卒業
東京大学付属病院や虎の門病院等を経て2019年11月に当院を開業
最寄駅:東京地下鉄 人形町および水天宮前(各徒歩3分)

参考文献

  1. 1.
    日本皮膚科学会男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン作成委員会. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン. 2017年版. Accessed May 28, 2020. https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
  2. 2.
    Faghihi G, Iraji F, Rajaee H, Nilforoushzadeh M, Askari G. Comparison of the efficacy of topical minoxidil 5% and adenosine 0.75% solutions on male androgenetic alopecia and measuring patient satisfaction rate. Acta Dermatovenerol Croat. 2013;21(3):155-159. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24183218
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