「危険な抜け毛の前兆」は薄毛のサイン。早めの対策が予防のカギ

抜け毛
この記事に書いてある事
  • 危険な抜け毛の前兆とは、薄毛につながる抜け毛症状のこと
  • 危険な抜け毛の前兆かどうかは、抜け毛の状態もチェック
  • 脱毛症の種類を知り、早期の薄毛対策につなげる
  • 自分でできる薄毛対策:生活習慣を見直そう
  • 抜け毛が改善されなければ専門医に相談

AGAでお悩みの方
こんにちは。抜け毛に悩んでいる30代前半の男性です。今回藤田先生にご相談したい悩みは、「危険な抜け毛の前兆」についてです。
院長 藤田
承知しました。どんなお悩みでしょうか?

AGAでお悩みの方
ちょうど2カ月ほど前から、抜け毛が気になり始めたんです。

当初は「ちょっと多いかな」くらいにしか考えていませんでした。
しかし、毎日ごっそりと抜け落ちていく髪の毛を見て、「このままではマズイ」と焦るようになりました。

抜け毛について調べたところ、抜け毛には

  • 薄毛に進行するおそれのあるもの
  • 心配する必要のないもの

があることはわかったのですが、一体どちらに当てはまるのだろうか判断がつきません。

そこで当記事では、危険な抜け毛の前兆について、内科総合クリニック人形町院長の藤田先生に丁寧に解説してもらいます。

この記事の執筆者

内科総合クリニック人形町 院長 藤田 英理(総合内科専門医)

藤田 英理 内科総合クリニック人形町 院長

東京大学医学部保健学科、横浜市立大学医学部を卒業。虎の門病院、稲城市立病院、JCHO東京高輪病院への勤務を経て内科総合クリニック人形町を開院。総合内科専門医。AGA治療や生活習慣病指導も行う。

所属:日本内科学会日本動脈硬化学会日本頭痛学会

医師略歴・プロフィールはこちら

目次

危険な抜け毛の前兆とは「薄毛につながる抜け毛症状」のこと

若ハゲ 要素

AGAでお悩みの方
先生、「危険な抜け毛の前兆」とは何ですか?
院長 藤田
ここでは、「薄毛につながるリスクのある抜け毛によって表れた症状」のことを指します。

院長 藤田

解説いたします

髪に次のような違和感を覚えていないでしょうか。

  • 髪の生え際が以前よりも後退した
  • 頭皮が透けて見える
  • ヘアセットがしづらくなった
  • 部分的または全体的に髪が薄くなった

「危険な抜け毛の前兆」とは、上記のような症状のことです。症状はいくつかありますが、共通しているのは「異常な抜け毛が関係している」という点です。

自然な抜け毛と異常な抜け毛の違いについて解説します。

私たちの髪の毛は成長して一定の時期が来たら抜け落ち、再び生えるというヘアサイクル(「毛周期」のこと)を繰り返しています。

「成長期」「退行期」「休止期」と、一連の流れを経て抜ける髪の毛は「自然な抜け毛」です。

ヘアサイクルは髪の毛1本1本で異なるため、すべての髪の毛が同時に抜け落ちて生え変わることはありません。

つまり、毎日のように寿命を終えた髪の毛が抜けていくわけですが、自然な抜け毛の本数は、1日50~100本ほどです。

一方、何らかの理由で毛周期が乱れて、寿命ではないのに抜けてしまう髪の毛もあります。

それが、「異常な抜け毛」です。

自然な抜け毛は新しい髪の毛が生まれてから抜けますが、異常な抜け毛の場合には、後から新しい健康な髪の毛が生えてくるという保証はありません。

そのため、異常な抜け毛が始まると、髪のボリュームが減り、冒頭でご紹介したような違和感を覚えるようになるのです。

危険な抜け毛の前兆かどうかは、抜け毛の状態もチェック

抜け毛 危険

AGAでお悩みの方
1日100本以上抜けていると思います。ボリュームも減りましたし、危険な抜け毛の前兆と考えていいですよね?
院長 藤田
可能性として考えられます。危険な抜け毛の前兆かどうか見極めるには、抜け毛の状態も一緒にチェックしましょう。

院長 藤田

解説いたします

「抜け毛は秋の風物詩」と表現されることもあるように、たとえ自然な抜け毛でも、季節によってその量は変化します。

つまり、「抜け毛の量だけでは、自然に抜けているのかそうでないのか明確に判断できない」ということです。

「ああ、今日もこんなに毛が抜けてしまった」と嘆く前に、抜け毛を観察してみましょう。

自然な抜け毛と異常な抜け毛の特徴は、以下のとおりです。

自然な抜け毛の特徴

  • 毛根が膨らんでいる
  • 毛根が白い
  • 毛根の周りに半透明の塊(毛根鞘〈もうこんしょう〉)がついている

どれも成長しきった健康な毛根や髪の毛に見られる特徴で、自然な抜け毛と考えて良いものです。

異常な抜け毛の特徴

  • 毛が細いまたは短い(長さ10cm以下)
  • 毛根が小さい、またはない
  • 毛根が黒い
  • 毛根が尖っている

これらの毛根や髪の毛は、成長しないまま抜けた可能性が高く、異常な抜け毛に分類されます。

自然な抜け毛と異常な抜け毛両方ある場合

おそらく抜け落ちた毛には、自然に抜けたと見られる髪の毛と、異常な抜け毛と見られる髪の毛の両方あると思います。

その場合、

  • 1日100本以上髪の毛が抜ける
  • 異常な抜け毛の多さが気になる


というのなら、危険な抜け毛の前兆と考えてよいでしょう。

脱毛症の種類を知り、早期の薄毛対策につなげる

脱毛症

AGAでお悩みの方
危険な抜け毛の前兆が何であるかわかったことですし、抜け毛を改善したいです。何をすればいいですか?
院長 藤田
その前に、脱毛症の種類もチェックしましょう。早期の薄毛対策につながりますよ。

院長 藤田

解説いたします

主な脱毛症には、次のようなものがあります。

  • 男性型脱毛症(AGA: Androgenetic Alopecia)
  • 円形脱毛症
  • びまん性脱毛症

AGA

日本では、脱毛症のおよそ3割がAGAといわれています。

AGAには、前頭部と後頭部が薄くなるという特徴があるので、わかりやすいかもしれません。

AGA発症の要因として考えられているのは、

  • 加齢
  • 遺伝
  • ジヒドロテストステロンの増加

などです。

若い人もAGAになるのはなぜ?

ジヒドロテストステロンとは、AGAの発症に関係していることで知られている、男性ホルモンの一種です。

ホルモンが発生するメカニズムについての説明は割愛しますが、若い人でもAGAを発症するのは、年齢に関係なく生成されるジヒドロテストステロンの影響と考えられています。

円形脱毛症

髪の一部が抜けて落ちてしまう脱毛症のことです。「10円ハゲ」を連想するかもしれませんが、必ずしも円形に抜けるというわけではありません。

円形脱毛症には、以下5つのタイプがあります。

  1. 単発型(症状が1カ所現れているタイプ)
  2. 多発型(症状が2カ所以上に現れているタイプ)
  3. 蛇行型(帯状に脱毛するタイプ)
  4. 全頭型(最終的に症状が頭全体に広がるタイプ)
  5. 汎発(はんぱつ)型(症状が眉毛などにも広がるタイプ)

円形脱毛症の原因は、はっきりしていません。

①のように脱毛の範囲が小さければ、自然に治ることもあれば、放っておくと慢性化するケースもありますので注意が必要です。

びまん性脱毛症

抜け毛によって髪の毛全体が薄くなる場合、びまん性脱毛症が疑われます。

びまん性脱毛症には、

  • 髪のボリュームが全体的に少なくなった
  • 頭皮が透けて見える
  • 分け目が広くなった

といった症状が見られます。

女性に多いといわれているびまん性脱毛症ですが、加齢による男性ホルモンの変化も影響するため、男性も発症する場合があります。

その他の原因として

  • 不規則な生活
  • 過度なストレス

などが挙げられます。

素人判断で行動することはやめた方がいいワケ

脱毛症 間違った対策

「この脱毛症に違いない」と、素人判断であれこれ薄毛対策に手を出すことは、得策ではありません。脱毛症の種類は、ご紹介した以外にもありますし、効果的な治療方法は脱毛症によって異なるからです。

誤った判断による薄毛対策は、効果が期待できませんし、症状を悪化させてしまうことも考えられます。脱毛症かどうかの最終的な判断は、専門医に任せるのが無難です。

自分でできる薄毛対策:生活習慣を見直そう

脱毛症 対策

AGAでお悩みの方
自分でできる薄毛対策ってあるのでしょうか?
院長 藤田
はい。それは、髪の毛にやさしい生活を送ることです。

院長 藤田

解説いたします

抜け毛の原因はいくつかありますが、偏食や睡眠不足など、不規則な生活が影響していることも少なくありません。

心当たりがあるなら、髪に良い生活習慣に変えましょう。

すぐに見直してほしい生活習慣は、以下の3つです。

  • 食生活:偏食していないかどうか
  • 睡眠:睡眠時間は十分かどうか
  • 洗髪:髪の毛に負担をかけるシャンプーを使っていないかどうか

食生活:偏食していないかどうか

髪の成長に栄養は欠かせません。裏を返せば、髪の成長に必要な栄養が不足すると、毛根が弱くなり髪の毛は十分に成長しないということです。

健康な髪のために摂取したい主な栄養素は以下のとおり。

  • タンパク質(豚肉、卵など):髪の主成分であるケラチンの材料
  • 亜鉛(牡蠣、レバーなど):髪の成長に関係している栄養素
  • イソフラボン(大豆製品):テストステロンと結びついてジヒドロテストステロンを生成する、5aリダクターゼの活動を抑えるはたらきのある栄養素
  • ビタミンB群(野菜など):細胞分裂や血行促進に必要な栄養素

髪の成長に必要な栄養素を中心に、栄養バランスの良い食事を毎食とるのが理想です。

睡眠:睡眠時間は十分かどうか

髪の成長を促す成長ホルモンが多く分泌されるのは、睡眠中です。睡眠時間が短いという場合は、成長ホルモンが十分に分泌されないことが考えられます。

睡眠時間は「毎日6時間確保」を目標にしましょう。
難しい場合は

  • 毎日のスケジュールを見直す
  • やることの優先順位を決める
  • 特に必要のないことはやらない
  • 寝る前に脳を刺激すること(メールのチェックなど)はやらない

など、工夫することが大切です。

洗髪:髪の毛に負担をかけるシャンプーを使っていないかどうか

市販されているシャンプーは洗浄力の強いものが多く、髪に負担をかけがちです。

抜け毛が気になり始めたら、

  • アミノ酸系シャンプー
  • スカルプシャンプー

に変えることをおすすめします。

シャンプーだけでなく、髪の洗い方も抜け毛に影響しますので、注意しましょう。

抜け毛を考慮したシャンプー方法をご紹介します。

  1. ぬるま湯で髪全体を濡らす
  2. シャンプーを手にとって泡立てる
  3. ②を髪全体につけて、頭皮と髪の毛をやさしく洗う
  4. ぬるま湯でシャンプーをよくすすぐ
  5. やさしくタオルドライする

シャワーの水圧が強いと、髪の毛や頭皮にダメージを与えやすくなります。水圧を弱めるか、洗面器などを使って髪の毛をすすぐとよいでしょう。

抜け毛が改善されなければ専門医に相談

若ハゲ 診断基準

AGAでお悩みの方
先生、生活習慣には気をつけているのですが、やはり毎日のように大量に毛が抜けると絶望的な気持ちになります。
院長 藤田
その場合は、一人で頑張らないで専門医の診察を受けましょう。治療次第では、症状を改善することも可能ですよ。

院長 藤田

解説いたします

抜け毛の症状が改善されずセルフケアに限界を感じたら、できるだけ早く専門医に相談しましょう。

早期治療により、症状が改善される可能性が高くなるからです。

例えば、AGAは遺伝など生活習慣の乱れ以外の原因でも発症します。しかし、飲み薬や塗り薬を服用することによって、症状が改善されることが期待できるのです。

専門医の治療を受ける場合、クリニック選びは慎重にしましょう。

脱毛症の治療実績が豊富なヘアクリニックに越したことはありませんが、患者ファーストかどうかも、大事な判断材料です。

まとめ

危険な抜け毛の前兆や異常な抜け毛の特徴、そして抜け毛を改善する方法などについてご紹介しました。

本記事のポイントを以下にまとめました。

  • 危険な抜け毛の前兆は、異常な抜け毛が起きているサイン
  • 危険な抜け毛の前兆を知るには髪の量と状態をチェック
  • 早期の薄毛対策が、症状の改善につながる

生活習慣を見直すことで髪の健康を取り戻し、症状が改善されれば問題ありませんが、難しい場合は専門医の力を借りることをおすすめします。

危険な抜け毛の前兆を見逃さず、薄毛対策を始めるきっかけにするという考え方は大切です。薄毛対策に前向きに取り組み、症状の改善を目指しましょう。

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