円形脱毛症の原因と種類を解説、治療法は「円形脱毛症診療ガイドライン」に沿って行われます

円形脱毛症
この記事でわかること
  • 円形脱毛症の原因は、ストレスではなく自己免疫疾患
  • 主な円形脱毛症の種類は4つ
  • 円形脱毛症が疑われたら専門医の診察を受けよう
  • 円形脱毛症の治療は「ガイドラインに従って」が原則

こんにちは。
今回のテーマは、「円形脱毛症の原因と種類」についてです。

円形脱毛症は頭に円状の脱毛斑ができるため、比較的発見しやすい脱毛症です。

そして、当たり前のようにいわれているのが、「円形脱毛症の原因はストレス」ではないでしょうか。ストレスが原因と言い切ってしまうことについては、疑問が残ります。

なぜなら、医学的に証明されていないからです。

それではなぜ、円形脱毛症は起きるのでしょうか。

この記事では、円形脱毛症の原因として有力視されている自己免疫疾患にスポットを当てて解説します。
円形脱毛症の種類と治療方法についてもご紹介しますので、今後の円形脱毛症治療の参考にしてください。

目次

円形脱毛症の原因は、ストレスではなく自己免疫疾患

円形脱毛症 免疫

AGAでお悩みの方
円形脱毛症の原因は、ストレスとは言い切れないって本当ですか?
院長 藤田
医学的に言うと、Yesです。ただし、ストレスは円形脱毛症の発症に無縁というわけではありません。

  • 円形脱毛症の原因はよくわかっていないのが現状
  • ストレスは原因ではなく”きっかけ”
  • 円形脱毛症の発症は自己免疫疾患説が有力

円形脱毛症とは、何らかの理由によって髪の一部分が抜け落ち、頭に円形またはだ円形の脱毛斑ができる脱毛症のことです。

円形脱毛症は性別に関わらず発症し、男女比は1:1。円形脱毛症を発症する確率は、国の人口に対しておよそ1~2%といわれています。おもしろいことに、この割合は日本だけでなくアメリカでもほぼ同じです。

円形脱毛症の原因は、はっきりしていません。

厳密に言うと、円形脱毛症は自己免疫性の疾患によるものという説が有力ですが、なぜ免疫細胞が髪の毛を異物と見なして攻撃するようになるのか、その原因は解明されていないのです。

自己免疫疾患は、自己免疫力が低下した時に起きやすいといわれています。

そして、自己免疫力の低下はストレスによって引き起こされることが多いのです。
このことから、ストレスは円形脱毛症を直接引き起こすというよりも、きっかけに過ぎないと考えるのが賢明でしょう。

ストレスはどうやって免疫力を低下させるか解説します。

私たちの自律神経は交感神経と副交感神経から成り立ち、バランスが保たれています。交感神経が優位に作用する時は、顆粒球(好酸球など)という白血球の一種が増え、活性酸素を使って寄生虫や細菌を退治します。副交感神経が優位に作用する時は、リンパ球(T細胞など)が増え、ウイルスなどが体内に侵入するのを防ぎます。

強いストレスがかかると、自律神経のバランスが崩れます。と同時に顆粒球とリンパ球のバランスも崩れますが、この状態が続くと免疫力が低下すると考えられています。

自己免疫疾患による抜け毛のメカニズム

私たちの体内には免疫機能があり、外部から侵入してくる細菌やウイルスから体を守る役割を果たしています。

異物を攻撃するのは、Tリンパ球と呼ばれる細胞です。そして、Tリンパ球が異常を起こすと、本来なら攻撃する必要のない正常な細胞を攻撃してしまうことがあります。

このことを、「自己免疫反応」と呼びますが、円形脱毛症を発症している時、この自己免疫反応が頭皮に起きているのです。

髪の毛を異物と判断したTリンパ球は、毛根を攻撃し始めます。そうすると、髪の毛は十分に育つことができなくなり、成長の途中で抜けたり切れたりします。これが、円形脱毛症による抜け毛です。

円形脱毛症の治りやすさは進行度と関係あり

円形脱毛進行

AGAでお悩みの方
円形脱毛症は、治らないのでしょうか。
院長 藤田
自然に治ることもあります。しかし、中には進行するケースもあるので注意が必要です。

  • 円形脱毛症になっても毛が生える可能性がある
  • 放っておくと症状が進行することがある
  • 症状が進むと治りにくい

なぜ、円形脱毛症は治癒するのか

円形脱毛症によって毛が抜けたとしても、毛穴(厳密に言えば、毛包を生成する毛包幹細胞)が消滅したというわけではありません。

これが、円形脱毛症になっても治癒する可能性があるといわれている理由です。

例えば、頭に10円ハゲ程度の大きさの脱毛斑が1つできたとしても、ほとんどの場合自然に治ります。
自然治癒が難しかったとしても毛穴は残っていますので、適切な治療を受ければ髪の毛が生えてくる可能性は高くなります。

ただし、放っておくと脱毛斑が増えたり大きくなったりするなど症状が進むことがあり、その場合は治療が難しくなるでしょう。

4つの円形脱毛症の種類

円形脱毛症 うなじ

AGAでお悩みの方
うなじの一部の毛がごそっと抜けているのですが、これも円形脱毛症ですか?
院長 藤田
円形脱毛症による脱毛斑の形は、円形であるとは限りません。円形脱毛症の可能性があります。

円形脱毛症は、進行状況別に以下4つのタイプに分けられます。

  1. 小型単発円形脱毛症
  2. 多発性円形脱毛症
  3. 全頭型円形脱毛症
  4. 汎発性(はんぱつせい)脱毛症

各タイプについて、詳しく見てみましょう。

h3:①小型単発円形脱毛症

いわゆる「10円ハゲ」のことを指します。といっても、形やサイズにはばらつきがあります。

いずれにしても脱毛斑は1カ所というのが、小型単発円形脱毛症の特徴です。

h3:②多発性円形脱毛症

脱毛斑が2カ所以上見られるタイプを、多発性円形脱毛症といいます。複数の脱毛斑がそれぞれ独立していることもあれば、脱毛斑同士つながることもあります。

h3:③全頭型円形脱毛症

円形脱毛症が髪全体に広がり、髪の毛がすべて抜け落ちるタイプの円形脱毛症です。

④汎発性脱毛症

③が進行した状態です。頭髪だけでなく眉毛から陰毛まで抜け落ちてしまいます。

ほとんどの円形脱毛症は①で、うち8割は自然治癒または1年以内に治癒するといわれています。

しかし進行性の場合、症状の範囲は広がっていきます。重症かどうかの判断基準は、「脱毛の範囲が25%を超えた時」です。

円形脱毛症は、症状が進行するほど根気強く治療を続ける必要が出てきます。


②の場合、適切な治療をしても完治するまで半年~2年ほどかかります。
③と④にまで進行すると、治療とウィッグを併用しながらの長期戦を覚悟したほうがよいでしょう。

円形脱毛症が疑われたら専門医の診察を受けよう

円形脱毛症 病院

AGAでお悩みの方
円形脱毛症かなと思った時、どのタイミングで病院へ行けばいいですか?
院長 藤田
症状が改善されない、または症状が進行した時が診察を受けるタイミングです。

  • 症状が続いたら皮膚科を受診する
  • 症状が進行した場合も診察を受ける
  • 円形脱毛症かどうかの最終判断は専門医に任せる

円形脱毛症には、「特にこの症状が出たら病院へ!」という決定的なものはありません。
特に軽度の場合は放っておいても治る確率が高いこともあり、タイミングが難しいかもしれません。

脱毛斑が長期間消えなかったり、単発型から多発型へと進行したりした場合は、できるだけ早く専門医による診察を受けましょう。

円形脱毛症の受診先は、皮膚科です。

注意するのは、独断で円形脱毛症かどうかを判断しないということ。
素人判断によって対処法を誤り、状況を悪化させてしまうおそれがあるからです。

例えば、円形脱毛症による抜け毛かどうかは、ダーモスコープ(拡大鏡)で髪の毛を観察して確認するなど、素人では見極めが難しい点が多くあります。
円形脱毛症かどうか、治療が必要かどうかは、専門医の判断に任せましょう。

h2:円形脱毛症の治療は「ガイドラインに従って」が原則

AGAでお悩みの方
円形脱毛症の治療は、どうやって行われるのですか?飲み薬や注射などありますが、どれがいいのかよくわかりません
院長 藤田
円形脱毛症の治療は、基本的にガイドラインを参考に対症療法で進めていきます。

  • 治療方法は症状の進行状況によって異なる
  • 初期・軽症では外用療法が一般的
  • 重症の場合は局所免疫療法が一般的


円形脱毛症の治療は、日本皮膚科学会が作成した「円形脱毛症診療ガイドライン」にそって行われる場合がほとんどです。

日本皮膚科学会のサイトを参考にし、主な治療方法を以下にまとめました。

①外用療法
  • 副腎皮質ホルモン(ステロイド)
  • 塩化カルプロニウム
  • ミノキシジル
②内服療法
  • グリチルリチン
  • セファランチン
  • 副腎皮質ホルモン(ステロイド)
③①・②以外の局所療法
  • ステロイド局所注射
  • 雪状炭酸圧抵療法
  • 紫外線(PUVA)療法
  • 局所免疫療法

症状が軽症の場合

小型単発円形脱毛症など軽度の円形脱毛症に対しては、①から始める場合がほとんどです。

ステロイド(塗り薬)には、抜け毛を促進する炎症を抑える働きがあり、塩化カルプロニウムは血流を増やして発毛を促進します。

ミノキシジルは、休止期に入った毛包を成長期に移行させることによって発毛を促すための治療薬です。

円形脱毛症と見られる抜け毛の症状が3カ月以上続く場合は、②または③を取り入れた治療が行われます。
例えば、3カ月以上症状が続くものの、症状が軽度で脱毛の範囲が狭い場合(単発型・多発型)は、ステロイド局所注射で改善を試みます。

急速に症状が進行する場合は、ステロイドを服用します。

症状が重症の場合

症状が6カ月以上続き、重症と診断された円形脱毛症の治療法は、局所免疫療法という場合がほとんどです。

局所免疫療法は、弱いかぶれを意図的に繰り返し引き起こし、症状を和らげていくという治療法。SADBEなどの塗り薬を患部に塗ると、弱いかぶれが発生しますが、その際薬に反応したTリンパ球は、毛根を攻撃しているTリンパ球の活動を鎮める役割を果たします。

局所免疫療法は1~2週間に1度の割合で行われ、その有効率は60%といわれています。

まとめ

円形脱毛症の原因と種類について、説明しました。その原因は、ストレスとは限らない、とわかっただけでもスッキリしたのではないでしょうか。

本記事のポイントを箇条書きでまとめます。

  • 円形脱毛症の症状は、自己免疫疾患によるものとの説が有力
  • 毛が抜けても毛包が残るため治癒する可能性がある
  • 治療は基本的に対症療法


円形脱毛症は、治癒する可能性の高い症状です。

症状によっては治療期間が数年にわたることもありますが、地道に治療を続けることで毛が生えてくることも珍しくありません。

「円形脱毛症と付き合っていこう」という姿勢を大切に、治療に取り組んでいきましょう。

参考文献

日本皮膚科学会
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa11/q07.html

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