- 50代で多い髪の悩み
- 50代ハゲの主な原因はAGA
- AGAに効果がある発毛剤の選び方
- 発毛剤を使うときに注意したいこと
- クリニックでAGA治療をするメリットとデメリット
50代は、30代や40代の頃と比べると薄毛が進行しているケースも多く、あきらめてしまう人も少なくありません。
しかし時間はかかっても、まだ改善は不可能ではありません。50代の薄毛は正しい育毛剤を選ぶこともポイントとなるため、それも含めてクリニック院長藤田先生に解説していただきます。
この記事の執筆者
藤田 英理 内科総合クリニック人形町 院長
東京大学医学部保健学科、横浜市立大学医学部を卒業。虎の門病院、稲城市立病院、JCHO東京高輪病院への勤務を経て内科総合クリニック人形町を開院。総合内科専門医。AGA治療や生活習慣病指導も行う。
50代の方が抱えるハゲ悩みの症例
50代ハゲの症例①抜け毛が増え、地肌が露出
50代で頭頂部や後頭部の抜け毛が増える方は少なくありません。抜け毛が増えると地肌が露出し、いわゆる「ハゲ」状態になってしまうため、気にされる方は多いです。
鏡で頭頂部などをセルフチェックすることで発覚することもあります。
50代ハゲの症例②髪の毛のハリコシがなくなった
髪の1本1本が細くなり、ハリやコシがない状態になることがあります。髪の立ち上がりが悪くなり、ペタンとして見た目も老けて見えるようになります。
50代ハゲの症例③おでこが広くなった
前頭部や前頭部の左右の生え際が後退することで、おでこが広くなってしまうことがあります。
前髪や周辺部の髪を伸ばしてスタイリングをしておでこを隠そうとしても、あまりに広範囲になると隠せないほどになるケースもあります。
50代ハゲに悩む方が育毛剤を選ぶポイント
まずは50代薄毛の原因を探ろう!AGAかどうか診断
AGAとは、Androgenetic Alopeciaの略で「男性型脱毛症」のことです。50代男性でハゲていて、下記にあてはまる場合、AGAが原因の可能性が高くなりますので、チェックしてみてください。
父親や祖父など血族にハゲている人がいる
AGAの発症は「DHT」が関係しています。
DHTとは、男性ホルモンの「テストステロン」と、発毛のサイクルを調整する「5αリダクターゼ」が結びつくことによって生成されるホルモンのこと。
5αリダクターゼの活性度は遺伝しやすいとされ、AGAは遺伝性とも言われています。
前頭部の生え際が後退している
AGAは、ある程度進行パターンが決まっています。前頭部の生え際が徐々に後退していくのは「U型」のパターンになります。
前頭部の左右の生え際が後退している
前頭部の両サイドの生え際が後退していく場合、「M型」のパターンになります。
頭頂部やつむじ部分が薄くなり、地肌が見えている
「O型」のパターンは、頭頂部から後頭部にかけて、円を描いたように丸く抜け毛が増えていくことが特徴です。
「U型」「M型」「O型」があわさった複合パターンもあります。
うぶ毛のような毛が増えてきた
AGAは、毛を産出する器官である毛包(もうほう)が十分成長しないことから、髪が太く長く成長できずに抜け落ちてしまいます。
毛包自体がなくなるわけではないため、細くやわらかなうぶ毛のような毛髪が増えていくのも特徴です。
抜け毛が増えてきた
シャンプーで前よりも多くの髪が抜けたり、朝起きて枕についている抜け毛が多いと感じたりしたらAGAかもしれません。
AGAに効果がある育毛剤を選ぶ
いかがでしたでしょうか?上位のいずれかに当てはまり、AGAが原因で薄毛と思われた方は、AGAに効果がある育毛剤を選ぶのがベストです。
続いて、育毛剤の種類と期待される効果についてそれぞれ解説していきます。
ヘアサイクルを整える育毛剤
AGAはヘアサイクルの乱れによって薄毛が進行します。
AGAは通常2~6年の期間がある「成長期」が通常より短いサイクルで「退行期」に移ってしまうことから、髪が細く短くなることが特徴です。
退行期のあとは「休止期」となり、髪が抜け落ちます。
このヘアサイクルを整えるような育毛剤を選ぶことがポイントです。
頭皮の血行を良くする育毛剤
髪の毛の成長には栄養が必要です。栄養は血液によって運ばれるため、頭皮の血行を良くすることが育毛や発毛のポイントです。
育毛剤よりも発毛剤の方が◎
育毛剤は「医薬部外品」に分類され、AGAの方には適していません。一方、発毛剤は「第一類医薬品」であり、ヘアサイクルの乱れを正常に戻す働きをしてくれます。
AGA由来のハゲにお悩みの方は、発毛剤を使用した方がいいでしょう。
育毛剤 | 発毛剤 | |
分類 | 医薬部外品 | 医薬品 |
用途 | 頭皮の環境を改善する 抜け毛を予防する | 毛を生やす働きをする 薄毛の治療に用いる |
対象 | 健常な方 | AGAなど壮年性脱毛症の方 |
発毛剤を選ぶポイント
発毛剤はドラッグストアなどでも数多く売られています。ここでは選ぶ際のポイントをお伝えします。
ミノキシジルが含まれているもの
発毛剤は育毛剤とちがい、厚生労働省が発毛効果を認めている「ミノキシジル」という有効成分が含まれています。
副作用リスクが少ないもの
ミノキシジルは血圧降下剤としてつくられたため、血管拡張作用があります。高血圧患者や狭心症をはじめとする循環器系の疾患を抱えている方は使用を控えましょう。
ミノキシジルは含有量5%までは医師の診断が必要なく、ドラッグストアなどで購入できます。しかし、海外の治療薬の中にはミノキシジルの含有量が5%以上のものがあるので気をつけましょう。
発毛剤使用時に気を付けること
使用方法をよく確認する
購入した発毛剤によって使用方法が異なる場合があります。説明書で使用方法をよく読み、それに従って使用するようにしましょう。
頭皮にかゆみや湿疹がある場合は使用を控える
頭皮にトラブルがある間に発毛剤を使用すると悪化させる可能性があるため、使用を控えましょう。
副作用が発症した場合は使用を控える
ミノキシジルが含まれた外用薬は、かゆみやかぶれ、めまい、頭痛、動悸などが副作用として発症する場合があります。症状が出た際は使用を控え、医師に相談してください。
成分 | 副作用 |
ミノキシジル (外用薬) | かゆみ、紅斑、ふけ、かぶれ、めまい、頭痛、動悸 など |
フィナステリド (内服薬) | 性機能障害、肝機能障害、抑うつ など |
デュタステリド (内服薬) | 性機能障害、肝機能障害、抑うつ など |
自己判断での発毛剤使用に不安がある場合はクリニックへ相談
クリニックでの診断方法
AGAかどうかを明確にするためには、専門のクリニックや病院で診断してもらう必要があります。診断方法は次のようなものです。
カウンセリング
カウンセリングを通して診断をします。親族のAGA状況を確認することが多いため、あらかじめ調べておくといいでしょう。
頭皮・毛髪の確認
マイクロスコープを使用したり触診をしたりし、頭皮や毛髪のチェックをします。
血液検査
健康状態やAGA治療薬を安全に使用できる状態かを確かめるため、血液検査を行う場合があります。
これらの診断をした上で、医師と患者で治療方針を決め、実際の治療に入っていくケースが大半です。
クリニックでAGA治療をするメリット・デメリットはあるのか?
専門クリニックや病院でAGA治療をするメリットとデメリットにどんなものがあるのでしょうか?ご紹介します。
メリット①症状に合う治療ができる
クリニックでは症状を確認した上で治療するため、その人にとって最適な治療ができます。医師とコミュニケーションを取りながら悩みを打ち明けることで、不安が解消できたり具体的な解決策を見出せたりするでしょう。
メリット②副作用の相談ができる
発毛剤や育毛剤を使用する際、不安に感じるのが「副作用」の心配です。クリニックでは健康状態を確認してから処方してもらえるので、副作用リスクが抑えられ、仮に副作用が出たとしてもすぐに相談ができる点で安心です。
メリット③発毛剤以外の治療を提案してもらえる
外用薬以外にも内服薬や注射での治療など、クリニックではあらゆる治療手段があります。自分が理想とする状態になるための選択肢が増えることはメリットです。
デメリット①費用がかかる
セルフケアと比べると、費用がかかる場合が多くなります。
AGA治療は、原則として自由診療となるため、クリニックによっても料金設定が異なります。いくらかかるのか不安な場合は、ホームページで料金を確認したり、初診時に聞いたりしてみるといいでしょう。
デメリット②通院というわずらわしさがある
忙しい方や自宅からクリニックまでが遠い方は、通院する時間がデメリットに感じるかもしれませ
デメリット③恥ずかしさがある
薄毛の悩みを相談することが恥ずかしいと感じる方もいます。カツラやヘアセットで隠し通している方もいるようです。しかし、クリニックの医師は多くの患者さんと接しているため、よき理解者となってくれることでしょう。
まとめ
50代で本格的にハゲていたとしても、改善は不可能ではありません。
逆にAGAは対処しないと進行するため、何もしないと60代、70代ではさらにハゲてしまうことも。そうした点でもAGA治療は1日でも早い方が効果的です。