- 若ハゲかどうかの見極め方
- 20代という若さで薄毛や抜け毛が増える原因
- AGAの場合、対処しないと進行してしまう
- 20代の抜け毛・薄毛は育毛剤・発毛剤を使用するかクリニックで相談する

20代という若さで「ハゲてきた」という事実は、なかなか受け止められないですよね。「気のせいだ」と、深く考えずに流してしまう人も少なくないでしょう。しかし、早めに気づいて対処することで改善することができるんです。
これから訪れる30代40代を理想のヘアスタイルで過ごせるよう、原因と対処法をクリニック院長藤田先生に解説していただきます。
20代若ハゲの見極め方








下記のいずれかに当てはまる場合、薄毛が進行している状態であり、今後さらに抜け毛が多くなっていくかもしれません。
鏡を用意し、チェックしてみましょう。
生え際の後退
生え際の両サイドが後退してきた場合やおでこが全体的に広くなった場合、薄毛が進行している可能性があります。前髪をおろしているヘアスタイルだと生え際の後退に気づきにくいため、前髪をかきあげてチェックしてみましょう。
- 両サイドの生え際が後退して「M」の形になってきた
- おでこが広くなってきた
- 前髪が薄くなってきた
頭頂部の地肌が見える
つむじ部分である頭頂部の地肌が見えてきた場合、若ハゲの傾向があります。鏡で正面から自分を見たときには気づきにくいため、周りの人から指摘されて気づくことも。
- 鏡をあてて頭頂部を見たときに地肌が透けて見える
- 頭頂部を触ったときに以前と比べて髪のボリュームがないと感じる
抜け毛が増えた
髪の毛は1日50~100本ほど抜けるため、少々抜ける程度では問題ありません。しかし、いつもと比べて明らかに抜け毛の量が増えたと感じる場合は要注意です。
朝起きて枕についている抜け毛をチェックしたり、手ぐしで抜ける量をチェックしたりするといいでしょう。
- 抜ける髪の量が以前と比べて増えた
- 髪のボリュームがなくなってきた
髪のハリコシがなくなってきた
ヘアサイクルの乱れが生じることで、薄毛や抜け毛につながります。ヘアサイクルが乱れると髪が十分成長しないことから、髪が細くなったりやわらかくなったりするため、髪質の変化を感じたら要注意です。
- 髪のハリコシがなくなってきた
- 髪全体のボリュームがなくなってきた
- 髪の立ち上がりが悪くなってきた
20代で若ハゲになる原因とは?








薄毛や抜け毛の原因の多くはAGA(男性型脱毛症)だと言われています。それ以外に、精神的なことや生活習慣が原因となる場合もあります。ご自身の原因はどれに当てはまるか、考えてみましょう。
AGA(男性型脱毛症)
男性に見られるハゲの原因のほとんどはAGA(男性型脱毛症)です。年齢が上がるにつれて発症率は高くなりますが、若くても発症すると言われています。AGA(男性型脱毛症)は男性ホルモンが影響する病気であり、遺伝が主な原因とされています。
- 父親や祖父など、血族の中にハゲている人がいる
ストレス
慣れない仕事でストレスを抱えることや、人間関係のストレスがたまってしまうこともあるでしょう。ストレスがたまると自律神経が乱れ血管が収縮し、血行不良に。髪が育つ栄養は血液が運ぶため、血行が悪くなると行き届かなくなり、結果として薄毛や抜け毛につながってしまいます。ストレスを上手に発散できる方法を考えるといいでしょう。
- 仕事やプライベートのことでストレスがたまっている
- 息抜きをできる時間がない
生活習慣の乱れ
健康な髪の毛は、日々の食事や睡眠・運動などに影響されます。
栄養バランスが悪い食事をしていると、髪に必要な栄養が行き届かず、髪が成長できない場合があります。睡眠がとれていなかったり運動をしていなかったりすると、身体の血行が悪くなり、頭皮に十分な栄養が行き届かなくなってしまうでしょう。
また、喫煙もニコチンの血管収縮作用によって髪や頭皮に必要な栄養が届きにくくなってしまうため、要注意です。(※1)
- 外食やジャンクフード、コンビニ食が多い
- 十分な睡眠がとれていない
- 運動不足である
- タバコを吸っている
20代のAGAは放っておくと進行する














AGAの進行パターンは大きく分けて3つあります。
いずれのパターンにしても、最終的には側頭部と後頭部の髪のみが残る姿になってしまいます。
頭頂部から進行するパターン
頭頂部から後頭部にかけて、円を描いたようにまるく抜け毛が増えていくパターンです。アルファベットの「O」のような形をしていることから「O型」と呼ばれることもあります。
両サイドの生え際から進行するパターン
前頭部の両サイドの生え際が後退していくパターンです。アルファベットの「M」のような形をしていることから「M型」と呼ばれることもあります。
前頭部から進行するパターン
前頭部の生え際が徐々に後退してくパターンです。アルファベットの「U」のような形をしていることから「U型」と呼ばれることもあります。
複合パターンも
「M型だと思っていたら頭頂部の抜け毛も増えてきた」など、AGAの進行途中に複合するケースもあります。この場合、前頭部の後退のみを意識するのではなく、時折頭頂部もチェックした方がいいでしょう。
AGAは最終的に側頭部と後頭部の髪のみが残る
AGAに対して何の対処もしないと、最終的には側頭部と後頭部の髪のみが残る姿になってしまいます。できる限り早めに対処した方がいいでしょう。
20代若ハゲの対処法








20代で薄毛や抜け毛で悩んでいる場合、方法はいくつかあります。市販の育毛剤や発毛剤を使用する方法とクリニックで治療をする方法です。
市販の育毛剤を使用する
育毛剤とは、頭皮の栄養を補給して頭皮環境を改善し、健康的な毛髪を促すものです。育毛剤はドラッグストアなどで入手できるため、手軽に行える対処法と言えるでしょう。
市販の発毛剤を使用する
発毛剤と育毛剤はちがうため、混合しないように気をつけましょう。育毛剤は今生えている髪の毛を元気に育てることに対して、発毛剤は髪の毛が生えることを促します。
市販を自己判断で購入する場合、育毛剤か発毛剤か見極めよう
育毛剤は効能がさらに緩和される「医薬部外品・化粧品」に分類されます。「それほど薄毛が気になるわけではないが、予防として使いたい」「抜け毛は多くないが、髪がボリュームダウンしてきたことが気になる」という場合には、育毛剤がいいでしょう。
すでに抜け毛が進行している場合は、発毛剤の方がおすすめです。



- 成分表示欄に「医薬部外品」と書かれていれば育毛剤
- 成分表示欄に「第一類医薬品」と書かれていれば発毛剤
- 髪のハリコシが欲しい場合は育毛剤を使用
- 発毛を促したいのであれば発毛剤を使用
育毛剤 | 発毛剤 | |
分類 | 医薬部外品 | 医薬品 |
用途 | ・頭皮の環境を改善する ・抜け毛を予防する | ・毛を生やす働きをする ・薄毛の治療に用いる |
対象 | 健常な方 | AGAなど壮年性脱毛症の方 |
発毛剤には「ミノキシジル」が含まれている
発毛剤には、厚生労働省が発毛効果を認めている「ミノキシジル」という有効成分が含まれています。ミノキシジルが頭皮の中にある細胞を活性化させ、ヘアサイクルの乱れを正常に戻す働きをするのです。
AGAはヘアサイクルが乱れることで薄毛や抜け毛になるため、AGAによって若ハゲにお悩みの方は、発毛剤を使用した方がいいでしょう。
クリニックへ相談に行く
20代の若ハゲを改善したい場合、市販品の育毛剤や発毛剤を活用する以外に、クリニックに相談へ行くこともおすすめです。
クリニックは、カウンセリングや診断などを通して、その人に合った治療法を提案します。ミノキシジルなどの薬を用いた治療がスタンダードですが、サプリメントの処方や最新の治療法である注入治療、育毛メソセラピーなどが行われることもあります。
まとめ
20代という若さでハゲてしまった場合、その原因はストレスや生活習慣の乱れ・喫煙の可能性もあります。日々の生活を見直すことで改善できるケースもあるでしょう。そこまで薄毛が進行していないのであれば、市販の育毛剤で効果が出ることもあります。
しかし、AGAが原因による抜け毛や薄毛であれば放っておくと進行してしまうため、要注意です。早めに専門的な治療を行うことで30代、40代になっても理想的なヘアスタイルを維持できるでしょう。



この記事を書いた医師


内科総合クリニック人形町 院長
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
東京大学医学部保健学科および横浜市立大学医学部を卒業
東京大学付属病院や虎の門病院等を経て2019年11月に当院を開業
最寄駅:東京地下鉄 人形町駅および水天宮前駅(各徒歩3分)