埋没毛の取り出し方は?長い・くるくる埋没毛の治し方・脱毛との関係

院長 藤田

こんばんは。内科総合クリニック人形町 院長の藤田です。

「皮膚の中に毛が埋まってしまい剃れない」「毛穴付近にくるくるとした黒い塊ができて気になる」これは”埋もれ毛“や”埋没毛(まいぼつもう)“と呼ばれ、体毛の自己処理をする方によく見られる現象です。

埋没毛が起こるには原因があり、その原因を取り除けばある程度予防できます。

ただ、すでに出来てしまっている埋没毛を間違った方法で対処してしまうと、肌トラブルへと発展したり、色素沈着を起こし毛穴が黒っぽくなってしまったりするため注意が必要です。

ここでは、埋没毛が起こる原因できやすい部位埋没毛の治し方や予防方法を詳しく解説しています。埋没毛にお悩みの方は、ぜひご覧ください。

この記事の執筆者

内科総合クリニック人形町 院長 藤田 英理(総合内科専門医)

藤田 英理 内科総合クリニック人形町 院長

東京大学医学部保健学科、横浜市立大学医学部を卒業。虎の門病院、稲城市立病院、JCHO東京高輪病院への勤務を経て内科総合クリニック人形町を開院。総合内科専門医。AGA治療や生活習慣病指導も行う。

所属:日本内科学会日本動脈硬化学会日本頭痛学会

この記事の監修者

皮膚科医 藤井先生

藤井 あさ美 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

医学博士。日本皮膚科学会皮膚科専門医。愛媛大学医学部卒業後、大阪大学医学部皮膚科入局。退役軍人病院(ロサンゼルス)皮膚科、岐阜大学医学部付属病院皮膚科を経て現職(あさ美皮フ科亀戸駅前院長)。

所属:日本レーザー医学会日本皮膚科学会日本乾癬学会日本アレルギー学会

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目次

埋没毛とは

院長 藤田

埋没毛とは、体毛が肌の中で成長し、埋もれている状態を指します。

本来であれば、毛は毛穴の毛乳頭から生えて成長し、肌の外へと顔を出すもの。埋没毛は何らかの理由で、毛が肌の外へと顔を出せず、そのまま肌の中で成長を続けてしまうのです。

埋没毛は、太い毛や縮れ毛の方によく起こると言われています。男性の髭、特にアフリカ系の太い縮れた毛を持つ方達の中では、埋没毛が様々な皮膚疾患を引き起こすケースもよく見られます。

埋没毛は男性の髭だけでなく全身の体毛に見られ、もちろん女性の体毛でも起こりえます。

埋没毛のタイプ

院長 藤田

埋没毛の代表的なタイプは4つあります。

  1. 長い毛が肌の下に生えているタイプ
  2. くるくるした毛が肌の下に生えているタイプ
  3. 毛先以外が肌の下に生えているタイプ
  4. 毛先が再び肌の下に生えてしまったタイプ

①長い毛が肌の下に生えているタイプ

埋没毛のタイプ1「長い毛が肌の下に生えているタイプ」

肌の下で成長を続け長くなってしまったタイプの埋没毛です。毛は長いですが、深い部分に生えていくのではなく、肌の浅い部分を這うような形で生えています。

②くるくるした毛が肌の下に生えているタイプ

埋没毛のタイプ2「くるくるした毛が肌の下に生えているタイプ」

肌の下で毛が成長を続け、くるくると渦を巻いて生えているタイプの埋没毛です。毛が塊になり皮膚が押し上げられ、やや隆起している場合もあります。

③毛先以外が肌の下に生えているタイプ

埋没毛のタイプ3「毛先以外が肌の下に生えているタイプ」

毛先は皮膚の表面に出ているものの、毛先以外は肌に埋まってしまっているタイプの埋没毛です。

④毛先が再び肌の下に生えてしまったタイプ

埋没毛のタイプ4「毛先が再び肌の下に生えてしまったタイプ」

途中までは適切に毛が生えてきているものの、途中で毛が肌の中へ入り込んでしまい、毛先だけが埋まったタイプの埋没毛です。太くて硬くカールした毛によく見られます。

埋没毛の原因

埋没毛とは、「肌から毛が上手く出てこられない」から起こるものです。

埋没毛ができる要因

  • 皮膚が硬くて毛が突き破れない
  • 毛が肌の外へ向かって伸びない

埋没毛は肌に毛が埋もれているために自己処理が難しく、見た目もあまりいいものとは言えません。人によっては、埋没毛がコンプレックスになってしまっている場合もあるでしょう。

なぜこういった埋没毛が起こってしまうのでしょうか。具体的に埋没毛の原因を見ていきましょう。

埋没毛が起こる原因3つ
  • ムダ毛の自己処理による毛穴の傷つき
  • 肌の乾燥
  • 遺伝や体質

ムダ毛の自己処理による毛穴の傷つき

埋没毛の原因としてはいくつかの要因が挙げられますが、特に日本人の女性に多いのが「ムダ毛の自己処理による毛穴の傷つき」だと言われています。

院長 藤田

特に埋没毛を引き起こしやすいとされているのが、下記のような肌や毛穴にダメージを与えるリスクが高いとされる方法による脱毛です。

  • カミソリ脱毛
  • 毛抜き脱毛
  • ワックス脱毛

こういった脱毛は肌に負担がかかりターンオーバーを乱してしまい、角質層が厚く硬くなり、毛が適切に生えることができなくなります

また、毛穴から無理矢理に毛を抜いてしまうと、毛穴の炎症からカサブタができてしまい、そのカサブタが蓋になって毛が生えられないといったケースも見られます。

肌の乾燥

肌は乾燥すると皮膚から水分が抜けて「硬く」なってしまいます。

院長 藤田

手も潤っているとモチモチやわらかいですが、乾燥するとガサガサと硬くなってしまいますよね。

毛穴付近の肌が乾燥すると、皮膚が硬くなり毛が生えにくくなるだけでなく、乾燥した肌はバリア機能が低下し、ターンオーバーが乱れがちになります。

古い角質が蓄積されやすくなってしまった結果、毛が適切に生えることができなくなるのです。

また、角質層は肌の乾燥を防ぐ効果があるのですが、カミソリ脱毛やワックス脱毛には角質層も一緒に落としてしまう側面があります。

過度に行うと乾燥を招き、結果として埋没毛が増えてしまう場合もあります。

遺伝や体質

埋没毛は太くて縮れた毛に起こりやすいと言われています。

カーリーヘアの方や、もともと埋没毛になりやすい毛質や肌質の方など、体質や遺伝が原因となっているケースも考えられます。

できやすい部位

埋没毛ができやすい部位
  • 男性の髭(硬くて太い毛)
  • ワキ(硬くて太い毛、縮れた毛、頻繁な自己処理)
  • 二の腕(古い角質が溜まりやすい)
  • 陰部(硬くて太い毛、縮れた毛、頻繁な自己処理)
  • 脚(頻繫な自己処理)
  • 膝(古い質が溜まりやすい)
院長 藤田

男性ではヒゲ、女性では頻繫に自己処理をする脚やワキに特に起こりやすいと言われています。

埋没毛ができやすい部位の特徴

  • 硬くて太い毛が生えるところ
  • 縮れた毛が生えるところ
  • 肌がやわらかいところ
  • 頻繁に自己処理を行うところ
  • 毛がいろいろな方向へ生えているところ
  • 古い角質が溜まりやすいところ

埋没毛の取り出し方・治し方

院長 藤田

埋没毛を自力で治す一番の方法は「自然に毛が出てくるまで待つ」という方法です。

毛をひっぱるなど物理的な刺激は与えないようにしますが、なるべく早く出てきてくれるように保湿や健康的な生活を心がけて肌のターンオーバーを促し、肌を健やかに保つようにしましょう。

また、古い角質を除去するためのピーリングスクラブも有効な試みです。

埋没毛は無理に取り出してはいけない

いちばん大切なのは「埋没毛は無理に取り出してはいけない」ことです。

埋没毛を見ると、ピンセットなどでついつい取り出したくなってしまいますが、無理矢理出してしまうと肌や毛穴を傷つけてしまい、毛穴にも大きな負担がかかってしまいます。

毛穴が傷ついてしまうと、炎症を起こしたり、色素沈着になったりする恐れがあります。それこそ、埋没毛よりも目立つ跡が残ってしまうケースもあるのです。

出てこない埋没毛を針でほじくる、切開して取り出す、ピンセットで抜く、爪で押し出すなどはしないようにしましょう。

太くて毛先の尖った毛が肌の中に再び埋まってしまうタイプの埋没毛には、除毛クリームで毛先を丸くする方法がいいという説もありますが、除毛クリームは肌への負担が大きく、かえって埋没毛を増加させてしまう恐れがありますので、おすすめできません。

医療脱毛は埋没毛の根本的な改善を目指せる唯一の方法

埋没毛は自己処理による肌の負担によるところが大きいため、自己処理を卒業する=医療脱毛で永久脱毛をすれば、埋没毛の根本的な改善を目指せます。

医療脱毛は1回だけでは自己処理が不要になるわけではないため、続けて通う必要がありますが、継続して通い自己処理がいらなくなれば次第に埋没毛ができにくくなっていきます

埋没毛を放置するとどうなる?

痛みや炎症を伴わない埋没毛であれば、放置しても問題ありません。

埋没毛を無理に取り出すと毛嚢炎に繋がる恐れがありますので、無理な自己処理は行わないようにしましょう。

炎症や腫れ・しこりが見られる場合は皮膚科を受診する

痛みや炎症のない埋没毛に関してはそのままでも問題ないものの、炎症や腫れ・しこりが見られる場合には、埋没毛が原因で肌トラブルを引き起こしている可能性があります。

院長 藤田

放置すると炎症の治りが悪くなるほか、色素沈着の可能性もあるため、早めの皮膚科受診をおすすめします。

こんな症状がある際には要注意

埋没毛の周囲がかゆい炎症が起こりかけている、またはすでに起こっている可能性があります。かゆくても患部を掻いたり刺激したりしないようにしましょう。自己処理などの自己処理は一旦中止し、肌が落ち着くまで様子を伺います。
埋没毛の部位が痛い、腫れがある埋没毛が原因で毛穴が炎症を起こしている可能性があります。痛みは軽いものから、激しく傷むものまで幅広いですが、ニキビのような腫れやしこりがある場合や、痛みが強くなるようであれば毛嚢炎を起こしている可能性がありますので、皮膚科を受診し適切な処置を受けましょう。

埋没毛が原因で起こりうる皮膚疾患

須毛部仮性毛包炎(しゅもうぶかせいもうほうえん)埋没毛によって起こる軽い炎症。感染症にかかっているわけではないため、偽毛包炎とも呼ばれます。軽度のかゆみや痛みがあるのが特徴。この時点では深刻になる必要はありません。毛が伸びて肌から出ていくと症状はやわらいでいきます。
毛嚢炎(もうのうえん)毛包炎とも呼ばれます。毛穴にウイルスや菌が侵入し感染症を起こしている状態。毛嚢炎は悪化すると、しこりや激しい痛み、圧痛、熱感を伴うようになります。このような状態になると、発熱や体調不良を伴うこともあるため、早めに皮膚科を受診してください。

埋没毛を予防するには

埋没毛は、できてしまってからは処理が難しいため、出来る前の予防がおすすめです。

予防方法は埋没毛を解消へと導く効果も見込めますので、すでに埋没毛ができてしまっている方も、ぜひ取り入れてみてください。

保湿

保湿

保湿して肌がやわらかくなると、毛が肌の上に生えてきやすくなります。また、保湿は肌のバリア機能を高め、適切なターンオーバーを促すため角質層が厚くなるのを予防する効果も期待できます。

肌が健康であれば自己処理の際に肌を傷つけにくくなりますし、保湿はあらゆる方面から埋没毛の予防に繋がるため、乾燥しやすいお風呂上りには化粧水や保湿クリームを塗る習慣をつけましょう。

角質ケア

スクラブ

古い角質を溜めたままにしておくと、埋没毛ができやすくなってしまいます

古い角質は肌のターンオーバーにより自然に剥がれ落ちるようにはなっているものの、ピーリングやスクラブ剤を使用すると、その働きをこちらから促せます。

角質層の厚みが気になる部位やお肌がゴワつく時などに行うと効果的ですが、過度な角質ケアは必要な角質層まで削り取ってしまい、かえって肌のバリア機能が低下してしまう恐れがあります。

角質ケア用品に記載されている使用方法や頻度を守って行うようにしましょう。

電気シェーバーによる自己処理

電気シェーバー

カミソリ、毛抜き、ワックス剤による自己処理は埋没毛を引き起こす恐れがありますが、電気シェーバーでのシェービングは刃が肌に直接当たらず肌に負担がかかりにくいため、埋没毛を予防できます

電気シェーバーによる脱毛を行う際は頻度に気を付け、お手入れ後には保湿を行うようにしましょう。

医療脱毛による永久脱毛

医療脱毛

埋没毛の根本的な解決方法は生えてくる毛を無くしてしまうこと…つまり、永久脱毛をしてしまうのが最も確実な方法となります。

サロン脱毛でも埋没毛の解消は見込めますが、一時的な抑毛・減毛を目的としているため永久脱毛はできず、根本的な解決には至りません。

また、埋没毛になってしまうような太い毛を細くするには時間がかかるため、長期的に見れば医療脱毛よりも金額がかかってしまう可能性が高くなります。

対して医療脱毛は、毛根を破壊し永久脱毛が目指せるため、埋没毛を根本から予防できます。

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