自宅・自分で作れる青汁!簡単おいしい栄養たっぷりレシピ【管理栄養士監修】

院長 藤田

こんにちは。総合内科専門医の藤田です。

わたしたちの食生活において野菜はとても大切です。健康維持のために野菜をたくさん食べるようにしたいところですが、毎日の食事の中で野菜をしっかり摂るにはなかなかの努力が必要ですよね。

だからこそ、野菜不足をサポートしてくれる青汁は人気があるのだと思います。

ただし、青汁は手軽に飲める反面、製造過程で食物繊維やビタミン、ミネラル類が失われていることも事実。これらの栄養素をしっかりと効率よく摂るには、やはり生の野菜を食べるのが一番です。

また、青汁は手軽に飲むことができる反面、味が単調で飲み続けると飽きたりしてしまうのがデメリットです。そこでこのページでは、

  • そもそも野菜をどれ位食べればいいのか?
  • 自宅で作れる簡単おいしい青汁レシピ3つ
  • あと一皿!不足分を補う野菜料理レシピ3つ

についてご紹介します。健康的な日々を送るためのヒントとして、ぜひ参考にしてみて下さい。

この記事の執筆者

内科総合クリニック人形町 院長 藤田 英理(総合内科専門医)

藤田 英理 内科総合クリニック人形町 院長

東京大学医学部保健学科、横浜市立大学医学部を卒業。虎の門病院、稲城市立病院、JCHO東京高輪病院への勤務を経て内科総合クリニック人形町を開院。総合内科専門医。AGA治療や生活習慣病指導も行う。

所属:日本内科学会日本動脈硬化学会日本頭痛学会

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この記事の監修者

管理栄養士・健康運動指導士 岩美真由美さん

岩美 真由美さん 管理栄養士・健康運動指導士

管理栄養士・健康運動指導士としてフリーランスで活動。特定保健指導では生活習慣病予防を、介護予防事業では高齢者のフレイル予防と、食事と運動の両面から健康づくりのお手伝いをしています。

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目次

1日に350gの野菜を摂ることが推奨されています

院長 藤田

先生、そもそもなぜ「野菜を多く食べること」が重要なのでしょうか?

岩見管理栄養士

野菜に含まれる食物繊維やカリウム、抗酸化成分をしっかり摂ることは、心筋梗塞などの循環器系疾患や、ある種のがんにかかる確率が低いという結果が出ているからです。

栄養素の摂取と食品との関係を調べるうち、野菜を多く食べることがよいことがわかってきています。その結果、食物繊維やカリウム、抗酸化成分を適量摂取するためには350g以上の野菜を食べることが必要と推定されています。 ※1

「健康日本21(第二次)」では、生活習慣病などを予防し健康な生活を維持するための目標値の一つに『野菜類を1日350g以上食べましょう。』と掲げられています。※2

野菜不足と言われているけど、どのくらい足りないの?

厚生労働省が実施している令和元年「国民健康・栄養調査」によると、成人の野菜摂取量は平均280.5g。1日の目標の350gに対してあと約70g足りない状況です。※3

院長 藤田

1日350gの野菜とは、具体的にどのくらいの量をいうのでしょうか?

岩見管理栄養士

これは、(野菜を)調理した状態で小鉢4~5皿分に相当します。主食や主菜も食べることを考えると、1日3食の中で毎食1皿以上の野菜料理を食べないと摂れない量ということになります。

院長 藤田

やはりこれはなかなかの量ですね。

市販の青汁は野菜不足を補えるの?

岩見管理栄養士

市販の青汁で野菜不足をある程度補うことはできるのですが、野菜摂取の代替にはなりません。

市販の青汁は、製造過程で青汁の原料を洗浄 → カット→搾汁の工程で、食物繊維やビタミン類、ミネラル類が減ってしまうからです。

市販の青汁だと粉末タイプでも冷凍タイプでも搾汁(さくじゅう)といって、原材料を絞ってその絞り汁の方を製品化するものがほとんど。実は、搾りかすの方に多くの食物繊維やビタミン、ミネラル類が含まれているのです。

そして、野菜を摂ることのメリットはこれらの栄養素を摂取できること以外に、

  • 噛むことで食べ応えを感じ、満腹感を得やすくなり、食べすぎを防ぐことができる
  • 噛むことで脳が活性化する

という健康上・身体上のメリットがあるのです。※4

ですから、基本は野菜料理にして野菜を摂ってほしいところですが、忙しいときは青汁を手作りする方法はいががでしょうか。

手作りの青汁なら生の野菜をミキサーで攪拌し、丸ごと野菜に含まれる栄養素を摂ることができます。

野菜は生で摂ることで、水溶性食物繊維やビタミンC、ビタミンB群などの栄養素の損失を防ぐことができます。野菜に含まれるこれらの栄養素は、長時間の水洗いや加熱調理によって流出してしまうので、生で食べると栄養素の損失を防ぐことができます。

しかし、私たちは野菜の細胞壁を構成しているセルロースを分解する酵素を持っていません。そのため、野菜を細かく刻んだりスムージーなどにして細胞壁を壊すことで、栄養素を吸収しやすくすることができます。※5

自宅で作れる簡単!おいしい!青汁レシピ3選

ここでは、ミキサーやボトルブレンダーがあればできる”簡単でおいしい青汁レシピ”を3つご紹介します。不足しがちな野菜を手軽に摂ることができる、別名「飲むサラダ」です。生では食べにくい野菜も青汁なら摂りやすくなりますよ。

今回ご紹介する手作り青汁は、以下の内容で考えてみました。

手軽にできておいしいオリジナル青汁の条件
岩見管理栄養士

実際に野菜(葉物)を使って、手軽にできておいしい青汁を試作しました。試行錯誤した結果、個人的に感じた内容をお伝えします。

  • 葉物野菜だけの青汁だと青臭く、味の面で飲みにくいため果物で甘みを加えた方がよい
  • 攪拌(かくはん…かき混ぜること)のときに水分を入れないと材料を粉砕しにくいため、水や豆乳を100~150ml加える方がよい
  • 「野菜あと70g」を解消するため実際に小松菜70gで作ってみたところ、全体量が多くなり日常的に飲むには現実的ではない。『野菜を70g摂るなら料理で摂った方が食べやすいのでは?』と感じた。
  • 葉物野菜70gを加熱してから青汁の材料としてとる方法もあるが、それだと水溶性栄養素が出てしまう

以上のことから、日常的に取り入れることができるオリジナル青汁の条件として、青汁の出来上がり量を250gとすると、

水分・葉物野菜・果物のバランス

の割合が飲みやすくて作りやすいと思います。

院長 藤田

オリジナル青汁はあくまで野菜不足を補う目的として考え、日々の食生活でも野菜を意識的に摂るようにした方が良いですね。

岩見管理栄養士

そうですね。後半では野菜70g分を簡単に摂れるレシピも紹介します。とても簡単に作れるので、料理が苦手な方や普段料理をしない方もぜひチャレンジしてみて欲しいです。

オリジナル青汁におすすめの野菜・果物
オリジナル青汁におすすめの野菜・果物

出来上がりの青汁に対して葉物野菜:果物=1:2だと飲みやすいでしょう。冷蔵庫内で余っている食材を利用すると手軽に取り入れることができますよ。甘みをプラスしたいときは、はちみつや甘酒を入れるとよいでしょう。

小松菜×バナナ×キウイフルーツ×豆乳

小松菜×バナナ×キウイフルーツ×豆乳

小松菜は一年を通して、スーパーで手に入れやすい緑黄色野菜です。アクが少なく、くせもないので、生で食べることができます。β-カロテンやビタミンC、カルシウムを豊富に含んでいます。※5

岩見管理栄養士

食物繊維が豊富な小松菜と、整腸作用のあるペクチンを含むりんごの組み合わせで便秘解消が期待できますよ。

【材料】1人分
  • 小松菜 … 1/4束(50g)
  • りんご … 1/4個(75g)
  • キウイフルーツ … 1/2個(40g)
  • 豆乳 … 150ml
  • レモン汁 … 小さじ1
  • はちみつ … 小さじ1(お好みで増やしてもよい)
【小松菜×バナナ×キウイフルーツ×豆乳】の作り方
  1. 水菜は根元を切り落とし、ざく切りにする。
  2. オレンジとキウイフルーツは、皮を向いて一口大に切る。
  3. 材料をすべてミキサーに入れて、ふたをして攪拌する。器に注いでできあがり!

【ポイント】
・小松菜は水で洗ってざく切りにし、密封袋に入れて冷凍保存できます。空気に触れると酸化や乾燥で味が落ちるので、密封袋に入れたら空気を抜いてから口を閉じるようにします。
・豆乳を牛乳にはちみつを甘酒に代えてもおいしい青汁ができます。

小松菜×ケール×りんご×バナナ

小松菜×ケール×りんご×バナナ

最近では食べやすいケールが出回っています。ケールといえば「苦い」「青臭い」イメージがありますが、カリーノケールは苦みや青臭さが無く、生のままサラダでも食べられます。

岩見管理栄養士

通常のケールよりも葉がフリル状なのが特徴です。もしケールが手に入るようなら小松菜の一部をケールにしてもよいでしょう。

【材料】1人分
  • 小松菜 … 1/5束(40g)
  • カリーノケール … 1枚(10g)
  • りんご … 1/4個(75g)
  • バナナ … 1/2本(40g)
  • 水 … 150ml
  • レモン汁 … 小さじ1
  • はちみつ … 小さじ1(お好みで増やしてもよい)
【小松菜×ケール×りんご×バナナ】の作り方
  1. 小松菜、カリーノケールは根元を切り落とし、ざく切りにする。
  2. りんごとバナナは、皮を向いて一口大に切る。
  3. 材料と水を入れてミキサーに入れ、ふたをして攪拌する。器に注いでできあがり!

【ポイント】
・水の代わりに豆乳や牛乳に入れると、たんぱく質も摂ることができます。

水菜×オレンジ×キウイフルーツ

水菜×オレンジ×キウイフルーツ

水菜は京野菜のひとつです。水と土だけで作られていたことから「水菜」と呼ばれるようになりました。

冬場が旬の緑黄色野菜ですが、ハウス栽培もされるようになり、一年を通して手に入るようになりました。繊維質が少なく、特有のシャキシャキ感が楽しめることから、サラダなど生食用の野菜としても人気があります。

岩見管理栄養士

水菜はクセがない野菜のため手作り青汁に向いています。わざわざ買うというよりも余った水菜を青汁の材料として使うと、無駄なく使い切れますよ。

【材料】1人分
  • 水菜 … 30g
  • オレンジ … 1/2個(75g)
  • キウイフルーツ … 小1個(80g)
  • 水 … 100ml
  • はちみつ … 小さじ1(お好みで増やしてもよい)
【水菜×オレンジ×キウイフルーツ】の作り方
  1. 水菜は根元を切り落とし、ざく切りにする。
  2. オレンジとキウイフルーツは、皮を向いて一口大に切る。
  3. 材料と水を入れてミキサーに入れ、ふたをして攪拌する。器に注いでできあがり!

【ポイント】
・水菜をキャベツやサラダほうれん草に代えてもよいでしょう。

野菜ひと皿分(70g)を使った簡単レシピ3選

野菜70gというのは、大きめのプチトマト4個分、もやしなら1/3袋分に相当します。野菜料理だと小鉢1皿分が70gくらいです。電子レンジで加熱してお浸しに、具だくさんの汁物にするなどするとたくさん食べることができます。

また『野菜不足かな?』と思ったときは、プチトマトやカット野菜、おそうざいを利用するなどして一品プラスするのもおすすめです。

ここでは、簡単にできる野菜料理を3つほどご紹介します。

きゅうりと青じその塩もみ

きゅうりと青じその塩もみ
岩見管理栄養士

加熱しなくても作れる野菜料理です。野菜をさっぱり食べたいときにおすすめです。青じその風味でおいしく食べられますよ。

【材料】1人分
  • きゅうり … 1本(70~100g)
  • 青じそ … 2枚
  • 塩 … 小さじ1/5
【きゅうりと青じその塩もみ】の作り方
  1. きゅうりは薄い輪切り、青じそはせん切りにする。
  2. ボウルに1の材料を入れ、塩をまぶして約10分おく。しんなりしたら水気をしぼる。

ほうれん草とにんじんのナムル

ほうれん草とにんじんのナムル
岩見管理栄養士

ごま油とにんにくの風味で茹で野菜をたっぷり食べられます。ほうれん草以外にもやしや小松菜でもアレンジできますよ。

【材料】1人分
  • ほうれん草 … 70g
  • にんじん … 1/3本(30g)
  • ごま油 … 小さじ1
  • 塩 … 小さじ1/5
  • にんにく(すりおろし) … 少々(チューブ入りでもOK)
  • しょうゆ … 小さじ1/2
  • 白いりごま … 少々
【ほうれん草とにんじんのナムル】の作り方
  1. ほうれん草は3cm長さに切る。にんじんはせん切りにする。
  2. 鍋に湯を沸かし、塩少々(分量外)を加えて、1の材料を入れて茹でる。冷水にとり、水気を絞る。
  3. ボウルに2の材料と調味料を加え、混ぜ合わせる。器に盛り、いりごまをふる。

キャベツの塩昆布和え

キャベツの塩昆布和え
岩見管理栄養士

キャベツは電子レンジで加熱すると、カサが減ってたくさん食べられます。作り置きしておくと『野菜がちょっと足りないな?』というときに食べることができますよ。

【材料】1人分
  • キャベツ … 1~2枚(80g)
  • 塩昆布 … 1g
  • ごま油 … 少々
  • 七味唐辛子 … 少々
【キャベツの塩昆布和え】の作り方
  1. キャベツは食べやすい大きさに切り、深めの耐熱皿に入れる。水を少し加えて軽くラップをし、電子レンジで2~3分加熱する。
  2. キャベツがやわらかくなったら、熱いうちに塩昆布とごま油で和える。お好みで七味唐辛子をかける。
オリジナル青汁・簡単野菜料理を取り入れるときの注意点

アレルギーについて

オリジナル青汁レシピには、特定のアレルギー体質を持つ場合に、アレルギー反応を引き起こすおそれのある食品を含む場合があります。

[特定原材料] 卵、乳、小麦、えび、かに、そば、落花生
[特定原材料に準ずるもの] アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、 ごま、カシューナッツ

上記の食品でアレルギー反応を引き起こす方は、医師に相談してから取り入れるようにしてください。

カリウム制限のある方へ

腎臓の機能が低下している方は、カリウムを多く摂ることで、高カリウム血症になることがあります。高カリウム血症では、不整脈や血圧の低下を引き起こすことがあるため 、医師や管理栄養士に相談してください。※1

糖尿病、心臓病、脂質異常症などで食事制限のある方

医師や管理栄養士に相談してください。

その他

消化機能が未熟な赤ちゃんには与えないようにしましょう。

参考文献(References)

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