脂肪肝の画像診断|エコー・CT・FibroScanで見るマンジャロ治療前後の変化

脂肪肝の画像診断|エコー・CT・FibroScanで見るマンジャロ治療前後の変化

脂肪肝は世界の成人の約30%にみられるとされ、日本でも年々増加傾向にあります。健康診断で指摘されながら「痛みがないから」と放置し、いつの間にか肝炎や肝硬変へ進んでいたというケースは珍しくありません。

エコー(超音波)・CT・FibroScan(フィブロスキャン)といった画像検査を使えば、肝臓にどれだけ脂肪がたまり、どの程度硬くなっているかを数値やビジュアルで把握できます。近年はGIP/GLP-1受容体デュアルアゴニストであるマンジャロ(チルゼパチド)の登場により、脂肪肝の改善を画像で追跡できる時代が到来しました。

この記事では、各画像検査の特徴と使い分けから、マンジャロ治療前後に検査値がどのように変化するかまでを、臨床データを交えながら丁寧に解説します。

目次

脂肪肝が進行すると肝硬変になる? 画像検査で「見える化」すべき理由

脂肪肝を早期に発見し、進行度を把握するためには画像検査が大切です。血液検査だけでは脂肪の量や線維化の程度を正確に評価しにくく、画像による客観的なデータがあってはじめて適切な治療方針を立てられます。

脂肪肝とは肝臓の細胞に脂肪が過剰にたまった状態

脂肪肝とは、肝臓の細胞(肝細胞)の5%以上に中性脂肪が蓄積した状態を指します。アルコールが原因のものと、飲酒習慣がなくても発症する非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に大きく分かれます。NAFLDは肥満・糖尿病・脂質異常症と深く結びついており、食生活の欧米化に伴い日本でも患者数が増え続けています。

世界的なメタ解析では、NAFLDの有病率は1990年代の約25%から2016〜2019年には約38%まで上昇したと報告されています。日本人の成人でも、超音波検診で20〜30%程度が脂肪肝と診断されるとする報告があり、決して他人事ではありません。

自覚症状がほとんどないまま肝炎・肝硬変へ進む怖さ

脂肪肝の段階では、だるさや右わき腹の違和感といった軽い症状が出る場合もありますが、多くの方は無症状です。ところが一部の脂肪肝は炎症を伴うNASH(非アルコール性脂肪肝炎、現在はMASHとも呼ばれます)へと移行し、さらに進行すると肝硬変や肝細胞がんのリスクが高まります。

痛みがないからといって安心はできません。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、ダメージが蓄積しても自覚症状が出にくい特徴があります。だからこそ、定期的な画像検査で肝臓の状態を「見える化」しておくことが重要です。

画像検査で脂肪の量と線維化の程度を数値にできる

従来、脂肪肝の重症度を正確に知るには肝臓に針を刺して組織を採取する肝生検が唯一のゴールドスタンダードでした。しかし肝生検は痛みや出血リスクを伴い、繰り返し行うのは患者さんの負担が大きい検査です。

現在はエコー・CT・FibroScan・MRIといった非侵襲的な画像検査が進歩しており、脂肪の蓄積度と線維化の進行度をそれぞれ数値で評価できるようになっています。治療前後で同じ検査を行えば、改善・悪化の経過を客観的にたどれる点も大きなメリットでしょう。

画像検査主な評価対象特徴
エコー(超音波)脂肪の有無・程度被ばくなし、簡便、軽度脂肪肝の見落としに注意
CT脂肪量の定量中〜重度に高精度、放射線被ばくあり
FibroScan脂肪量+肝硬度5分程度で終了、線維化も同時評価

腹部エコーで脂肪肝を見つけるポイントと見落としやすいケース

腹部エコーは脂肪肝のスクリーニングでもっとも広く用いられる検査です。放射線を使わず、妊娠中の方にも実施できるという安全性の高さから、健康診断や人間ドックで第一に選ばれています。

エコーで確認できる脂肪肝の典型所見「ブライトリバー」

脂肪が蓄積した肝臓にエコーを当てると、正常な肝臓よりも白く輝いて見えます。これを「ブライトリバー(bright liver)」と呼び、隣接する腎臓と比べて肝臓の輝度が明らかに高い場合に脂肪肝と判断します。さらに脂肪が多いと肝臓内部の血管壁がぼやけ、深部がかすんで見えにくくなるのも特徴的な所見です。

脂肪蓄積30%未満の軽度脂肪肝はエコーで見落とされやすい

エコーは簡便で安全ですが、肝細胞への脂肪蓄積が30%未満の軽度な脂肪肝では感度が低下するという限界があります。検査者の技量や装置の性能にも結果が左右されやすく、定量的な評価が難しい点も課題です。

軽度の脂肪肝を正確に捉えたい場合には、次に紹介するCTやFibroScanといった別の検査を組み合わせることが望ましいでしょう。エコーはあくまでスクリーニングの入口と考え、結果に不安があるときは追加検査を主治医に相談してみてください。

エコーを受ける頻度の目安と検査前の注意

脂肪肝を指摘されている方は、半年から1年に1回程度のエコー検査が一般的な目安とされています。検査前は6時間以上の絶食が望ましく、胆のうや消化管のガスの影響を減らして肝臓をクリアに描出できます。

検査自体は15〜20分ほどで終わり、腹部にゼリーを塗ってプローブを当てるだけです。痛みはほぼなく、身体への負担が小さいため気軽に受けていただける検査といえます。

CTで脂肪肝を評価する精度と放射線被ばくのリスク

CT検査は中等度から重度の脂肪肝に対して高い診断精度を発揮します。ただし放射線被ばくがあるため、経過観察で繰り返し使用するよりも、精密な一時点評価に適した検査です。

肝臓と脾臓のCT値を比べて脂肪の量を推定する

CT画像では、各組織のX線吸収量を「CT値(Hounsfield Unit:HU)」という数値で表します。正常な肝臓のCT値は50〜65 HU程度ですが、脂肪が蓄積するとCT値が低下し、脾臓よりも暗く写るようになります。肝臓と脾臓のCT値差が10 HUを超える場合、あるいは肝臓のCT値が40 HU未満の場合に脂肪肝と診断するのが一般的な基準です。

中等度以上の脂肪肝ならCTの特異度はきわめて高い

研究データによれば、造影CT(門脈相)で脂肪肝を評価した場合の特異度は100%に近い値が報告されています。一方で感度は50〜60%にとどまるため、軽度の脂肪肝を見逃すリスクがある点には注意が求められます。

脂肪肝の有無だけでなく、肝臓の形態や腫瘍の有無も同時にチェックできるのがCTの利点です。とはいえ脂肪量を継続的にモニタリングする目的には、被ばくが少ない検査を優先するのが合理的でしょう。

繰り返しの経過観察には被ばくの少ない代替検査を優先する

マンジャロなどの薬物療法で脂肪肝の改善度を追跡したい場合、数か月おきにCTを撮るのは被ばく量の観点から推奨されにくい方法です。そのため治療効果の経過観察には、被ばくのないエコーやFibroScan、あるいはMRI-PDFF(プロトン密度脂肪分率)を用いるケースが増えています。

検査項目感度特異度
エコー(脂肪蓄積30%以上)約93%やや低い
CT(中等度以上の脂肪肝)50〜60%ほぼ100%
FibroScan CAPAUROC 0.70〜0.89ステージ別に変動

FibroScanで肝臓の硬さと脂肪量を同時に測定する方法

FibroScan(フィブロスキャン)は肝臓の硬さ(線維化)と脂肪量を同時に評価できる検査であり、NAFLDの管理において国際ガイドラインでも推奨されています。約5分で検査が完了し、痛みもほぼありません。

FibroScanが計測する2つの数値「LSM」と「CAP」

FibroScanでは、振動を利用した弾性波の伝搬速度から肝臓の硬さ(Liver Stiffness Measurement:LSM)をキロパスカル(kPa)で測定します。LSMが高いほど肝臓の線維化が進んでいることを示し、7.9 kPa以上でステージF3以上の進行した線維化が疑われます。

同時に計測されるCAP(Controlled Attenuation Parameter)は、超音波の減衰率から肝臓の脂肪蓄積度をdB/mの単位で表します。英国の大規模研究では、CAP値とLSMによる診断精度のAUROCが0.70〜0.89であったと報告されました。

検査は体の表面にプローブを当てるだけで5分程度

FibroScanの検査は、右脇腹の肋骨の間にプローブを押し当てて行います。ベッドに仰向けになり、右腕を頭の後ろに回した状態で10回程度の測定を繰り返し、中央値を結果として採用します。採血も造影剤の注射も要りません。

肥満のある方にはXLプローブで測定精度を補う

BMIが高い方や皮下脂肪が厚い方は、標準のMプローブでは弾性波がうまく届かず、測定失敗率が高まるという課題がありました。こうした患者さんに対してはXLプローブを使用します。XLプローブは超音波の周波数を下げて体内への到達深度を深くしたもので、肥満患者でも安定した測定結果を得やすくなっています。

ただしXLプローブで得られるLSM値はMプローブよりも約1.2〜1.3 kPa低く出る傾向があるため、使用プローブに応じたカットオフ値を参照することが大切です。

  • Mプローブ:皮下脂肪が薄い〜中程度の方に適合
  • XLプローブ:BMI 30以上や皮下脂肪が厚い方向け
  • いずれも痛みなし、検査時間は約5分

マンジャロ(チルゼパチド)が脂肪肝にもたらす効果と臨床試験データ

マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は脂肪肝そのものの改善効果が臨床試験で確認されつつあるGIP/GLP-1受容体デュアルアゴニストです。体重減少とインスリン抵抗性の改善を介して、肝臓への脂肪蓄積を減らすと考えられています。

GIPとGLP-1の2つの受容体に同時に働くデュアルアゴニスト

チルゼパチドは、小腸から分泌されるインクレチンホルモンであるGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)とGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)の両方の受容体を活性化します。従来のGLP-1受容体アゴニスト(例:セマグルチド)が単一の受容体のみを刺激するのに対し、チルゼパチドは二重の経路で血糖コントロール・食欲抑制・脂質代謝改善を同時に進めるのが特徴です。

SURPASS-3 MRIサブスタディで示された肝脂肪の減少

2型糖尿病患者を対象にした第3相試験SURPASS-3のMRIサブスタディでは、52週間の投与後にチルゼパチド群でMRI-PDFF(プロトン密度脂肪分率)による肝脂肪含量が有意に減少しました。インスリンデグルデク群の減少幅が3.38%であったのに対し、チルゼパチド10 mg・15 mg群を合算したデータでは8.09%の減少が報告され、差は約4.7ポイントに及んでいます。

投与群肝脂肪減少幅
チルゼパチド(10 mg+15 mg合算)約8.09%
インスリンデグルデク約3.38%

SYNERGY-NASH試験が示した脂肪肝炎(MASH)改善の可能性

生検で確認されたMASH(旧称NASH)とステージF2またはF3の線維化を有する患者を対象にした第2相試験SYNERGY-NASHでは、チルゼパチド15 mg群の62%がMASHの消退を達成し、プラセボ群の10%を大きく上回りました。5 mg群でも44%、10 mg群でも56%と用量依存的な効果が認められています。

線維化の改善についても、チルゼパチド各用量群の約51〜55%が1ステージ以上の改善を達成しました。ただしこの試験は検出力の限界もあり、大規模かつ長期の第3相試験が現在進行中です。

GLP-1受容体アゴニスト単剤との比較で期待されるアドバンテージ

GLP-1受容体アゴニストの一つであるセマグルチドも、別の第2相試験でMASH消退率の有意な改善が報告されています。チルゼパチドはGIPを加えた二重作用によりさらに大きな体重減少と代謝改善をもたらす可能性があり、脂肪肝に対する治療選択肢としての注目度が高まっています。

マンジャロ治療前後の脂肪肝画像変化を検査別に比べる

治療による改善を「目で見て・数字で確かめる」ことは、患者さんのモチベーション維持に直結します。検査の種類によって捉えやすい変化が異なるため、目的に応じた検査の使い分けを知っておくと安心です。

エコーではブライトリバーの輝度低下を確認する

マンジャロ投与後に体重が減少し、肝脂肪が減ると、エコーで見た肝臓の輝度が下がり、腎臓とのコントラスト差が縮小していきます。深部の血管壁が鮮明に描出されるようになれば、脂肪量の減少を視覚的に実感できます。

ただしエコーは定量評価が難しいため、「前より改善している」という定性的な判断になりがちです。具体的な数値で比較したいときは、次に紹介するFibroScanやCTを併用する方がよいでしょう。

CT値の回復で肝臓の脂肪量減少を数値化する

治療前に低かった肝臓のCT値が、治療後に脾臓と同等かそれ以上に上昇していれば、脂肪肝の改善を数値で証明できます。たとえばCT値が治療前30 HUだった肝臓が治療後に55 HUまで上がれば、脂肪が大幅に減ったことを意味します。

FibroScanのCAP値とLSM値の推移で治療効果を追跡する

FibroScanはマンジャロの治療効果モニタリングに適した検査の一つです。CAP値が下がれば脂肪が減少し、LSM値が低下すれば線維化の改善傾向を示唆します。被ばくがなく、外来で短時間に測定できるため、3〜6か月おきに繰り返し実施しやすいというメリットがあります。

SYNERGY-NASH試験では、画像やバイオマーカーに加えて肝生検による組織評価も行われました。FibroScanは生検の代替として完全に置き換えられるわけではありませんが、治療経過の傾向を手軽に把握する手段として広く用いられています。

検査追跡しやすい変化繰り返しやすさ
エコーブライトリバーの輝度高い(被ばくなし)
CTCT値の上昇(脂肪減少)低い(被ばくあり)
FibroScanCAP値・LSM値の変動高い(被ばくなし)

MRI-PDFFとの併用が精密な治療効果判定に役立つ

臨床試験レベルで最も正確な肝脂肪の定量法はMRI-PDFFです。SURPASS-3 MRIサブスタディでもこの手法が用いられ、チルゼパチド群の肝脂肪減少が確認されました。保険適用や費用面の課題はあるものの、より精密な評価を希望される場合は主治医にMRI-PDFFの選択肢について相談してみるのもよいかもしれません。

脂肪肝の画像検査を受けるべきタイミングと医療機関の選び方

画像検査はタイミングを逃さず受けることが、脂肪肝の早期発見と治療効果の確認につながります。とくにマンジャロなどの薬物療法を開始する際には、治療前のベースラインデータを取っておくことが重要です。

検査を検討すべきタイミングの目安

健康診断で肝機能異常(ALTやγ-GTPの上昇)を指摘された方や、BMI 25以上の肥満がある方、2型糖尿病・脂質異常症を治療中の方は、一度は腹部エコーによるスクリーニングを受けることが望ましいとされています。エコーで脂肪肝が見つかった場合、FibroScanによる追加評価を受けると線維化の有無まで確認できます。

マンジャロの投与を検討している場合は、治療開始前にFibroScanやMRI-PDFFでベースラインを記録しておくと、3〜6か月後の再検査で改善度を比較できるため有用です。

検査費用と受診先の選び方のポイント

腹部エコーは多くのクリニック・病院で受けられ、検査費用は自己負担3割の場合で数千円程度が一般的です。FibroScanは導入している施設が限られるため、肝臓専門外来や消化器内科を擁する医療機関を選ぶとスムーズに受けられます。

  • 腹部エコー:ほとんどの医療機関で対応可能、費用は数千円程度
  • FibroScan:肝臓専門外来を持つ施設、消化器内科が充実した病院
  • MRI-PDFF:大学病院や研究機関で実施されることが多い
受診のきっかけ推奨される検査
健診で肝機能異常を指摘まず腹部エコー
エコーで脂肪肝と診断FibroScanで線維化を評価
マンジャロ治療の開始前FibroScanまたはMRI-PDFF

主治医と二人三脚で治療方針を決めることが改善への近道

どの画像検査を選ぶか、どの頻度で経過をみるかは、患者さん一人ひとりの病態や生活環境によって異なります。マンジャロを含む薬物療法を始めるかどうかも、検査データを根拠にして主治医と話し合いながら決めるのが望ましい進め方です。

脂肪肝は生活習慣の見直しとの組み合わせで改善が見込める疾患です。食事・運動・薬物療法に加え、定期的な画像検査で変化を確認しながら取り組むことが、肝臓の健康を守る確かな道筋といえるでしょう。

よくある質問

脂肪肝のエコー検査はどのくらいの頻度で受けるのが望ましいですか?

脂肪肝を指摘されている方は、半年から1年に1回のペースで腹部エコー検査を受けるのが一般的な目安です。とくに肝機能の数値に異常がある場合や肥満・糖尿病を合併している場合は、主治医と相談のうえ、やや短い間隔で経過を確認するケースもあります。

マンジャロなどの薬物療法を開始した場合は、治療開始前にベースラインを記録し、3〜6か月後に再検査を行って比較するのが効果判定に役立ちます。検査は痛みがなく短時間で終わるため、定期的に受けやすい検査です。

FibroScanの検査は痛みがありますか?

FibroScanは体の表面にプローブを押し当てるだけの検査であり、痛みはほとんどありません。右脇腹の肋骨の間にプローブを当て、軽い振動を感じる程度です。採血も造影剤の注射も要らないため、身体への負担はきわめて小さい検査といえます。

測定は10回程度繰り返し、全体で5分前後で終了します。ただし直前の食事は結果に影響する可能性があるため、2時間以上の絶食が推奨されています。リラックスした状態で検査を受けてください。

マンジャロ(チルゼパチド)の投与で脂肪肝はどの程度改善しますか?

第3相試験SURPASS-3のMRIサブスタディでは、チルゼパチド10〜15 mg群でMRI-PDFFによる肝脂肪が約8%ポイント減少し、インスリンデグルデク群の約3%ポイントを有意に上回りました。また第2相試験SYNERGY-NASHでは、15 mg群の62%がMASH(脂肪肝炎)の消退を達成しています。

ただしこれらはいずれも臨床試験の結果であり、個々の患者さんの改善度は基礎疾患や体重、生活習慣によって異なります。担当医と相談しながら、画像検査で経過を追跡していくことが大切です。

脂肪肝の画像診断でCTとエコーのどちらを先に受けるべきですか?

一般的には、まず腹部エコーでスクリーニングを行い、必要に応じてCTやFibroScanなどの精密検査に進む流れが推奨されています。エコーは放射線被ばくがなく、費用も低く、ほとんどの医療機関で受けられるため、第一選択として適しています。

CTは中等度以上の脂肪肝を高い特異度で検出できる一方、被ばくがあり、軽度の脂肪肝を見逃す可能性もあります。エコーで脂肪肝が疑われた場合に、線維化の程度も含めた精密評価としてFibroScanを追加するのが効率的な順序です。

FibroScanのCAP値はどのくらいの数値から脂肪肝と判定しますか?

CAP値は一般的に238 dB/m以上で脂肪肝の存在が疑われ、数値が高くなるほど脂肪蓄積が多いことを示します。おおまかな目安として、248 dB/m以上で軽度、268 dB/m以上で中等度、280 dB/m以上で高度の脂肪蓄積が示唆されるとする報告があります。

ただしカットオフ値は研究や使用するプローブ(MまたはXL)によってやや異なります。数値の解釈は画一的に行うのではなく、担当医が患者さんの体格や臨床所見と照らし合わせて総合的に判断します。

References

Loomba, R., Hartman, M. L., Lawitz, E. J., Vuppalanchi, R., Boursier, J., Bugianesi, E., Yoneda, M., Behling, C., Cummings, O. W., Tang, Y., Brouwers, B., Robins, D. A., Nikooie, A., Bunck, M. C., Haupt, A., & Sanyal, A. J. (2024). Tirzepatide for metabolic dysfunction-associated steatohepatitis with liver fibrosis. New England Journal of Medicine, 391(4), 299–310. https://doi.org/10.1056/NEJMoa2401943

Gastaldelli, A., Cusi, K., Fernández Landó, L., Bray, R., Brouwers, B., & Rodríguez, Á. (2022). Effect of tirzepatide versus insulin degludec on liver fat content and abdominal adipose tissue in people with type 2 diabetes (SURPASS-3 MRI): A substudy of the randomised, open-label, parallel-group, phase 3 SURPASS-3 trial. The Lancet Diabetes & Endocrinology, 10(6), 393–406. https://doi.org/10.1016/S2213-8587(22)00070-5

Graffy, P. M., & Pickhardt, P. J. (2018). Liver fat imaging—a clinical overview of ultrasound, CT, and MR imaging. British Journal of Radiology, 91(1089), 20170959. https://doi.org/10.1259/bjr.20170959

Zhang, X., Wong, G. L., & Wong, V. W. (2020). Application of transient elastography in nonalcoholic fatty liver disease. Clinical and Molecular Hepatology, 26(2), 128–141. https://doi.org/10.3350/cmh.2019.0001n

Eddowes, P. J., Sasso, M., Allison, M., Tsochatzis, E., Anstee, Q. M., Sheridan, D., Guha, I. N., Cobbold, J. F., Deeks, J. J., Paradis, V., Bedossa, P., & Newsome, P. N. (2019). Accuracy of FibroScan controlled attenuation parameter and liver stiffness measurement in assessing steatosis and fibrosis in patients with nonalcoholic fatty liver disease. Gastroenterology, 156(6), 1717–1730. https://doi.org/10.1053/j.gastro.2019.01.042

Younossi, Z. M., Golabi, P., Paik, J. M., Henry, A., Van Dongen, C., & Henry, L. (2023). The global epidemiology of nonalcoholic fatty liver disease (NAFLD) and nonalcoholic steatohepatitis (NASH): A systematic review. Hepatology, 77(4), 1335–1347. https://doi.org/10.1097/HEP.0000000000000004

Chalasani, N., Younossi, Z., Lavine, J. E., Charlton, M., Cusi, K., Rinella, M., Harrison, S. A., Brunt, E. M., & Sanyal, A. J. (2018). The diagnosis and management of nonalcoholic fatty liver disease: Practice guidance from the American Association for the Study of Liver Diseases. Hepatology, 67(1), 328–357. https://doi.org/10.1002/hep.29367

Newsome, P. N., Buchholtz, K., Cusi, K., Linder, M., Okanoue, T., Ratziu, V., Sanyal, A. J., Sejling, A.-S., & Harrison, S. A. (2021). A placebo-controlled trial of subcutaneous semaglutide in nonalcoholic steatohepatitis. New England Journal of Medicine, 384(12), 1113–1124. https://doi.org/10.1056/NEJMoa2028395

Younossi, Z. M., Koenig, A. B., Abdelatif, D., Fazel, Y., Henry, L., & Wymer, M. (2016). Global epidemiology of nonalcoholic fatty liver disease—Meta-analytic assessment of prevalence, incidence, and outcomes. Hepatology, 64(1), 73–84. https://doi.org/10.1002/hep.28431

脂肪肝(MAFLD)とマンジャロによる脂質管理に戻る

マンジャロと脂質異常症TOP

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次