マンジャロ(チルゼパチド)による治療中、血糖値が下がりすぎていても自分では気づけない「無自覚性低血糖」が起きることがあります。冷や汗や手の震えといった典型的なサインが現れず、突然意識を失うケースも報告されています。
この記事では、無自覚性低血糖がなぜ危険なのか、マンジャロ治療中に見逃しやすい症状や日常生活での予防策を、医学的根拠をもとにわかりやすく解説しています。
「なんとなくだるい」「頭がぼんやりする」――そんな小さな違和感が、実は低血糖のサインかもしれません。自分の体を守るための知識を、ぜひ読み進めてみてください。
無自覚性低血糖とは?マンジャロ治療中に知っておくべき基礎知識
無自覚性低血糖とは、血糖値が危険なレベルまで下がっているにもかかわらず、本人が自覚症状を感じられない状態を指します。通常であれば冷や汗や動悸といった警告サインが体から発せられますが、この警告が機能しなくなると突然の意識障害につながりかねません。
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)はGLP-1とGIPの両方に作用するデュアルアゴニストとして知られ、血糖コントロールと体重管理に効果を発揮する薬剤です。単独使用では低血糖リスクは比較的低いとされていますが、他の糖尿病治療薬との併用時にはリスクが高まる場合があります。
低血糖と「無自覚性」低血糖はどう違うのか
一般的な低血糖では、血糖値が約70mg/dL以下になると交感神経が刺激され、手の震え・冷や汗・動悸・空腹感などの「警告症状」が現れます。体が「血糖が足りないよ」と教えてくれるわけです。
一方、無自覚性低血糖ではこの警告システムがうまく働きません。低血糖を繰り返すうちに体が慣れてしまい、交感神経の反応が鈍くなることが主な原因です。そのため本人は普通に過ごしているつもりでも、脳のエネルギーが不足して判断力の低下や意識消失を起こすことがあります。
マンジャロの血糖降下作用と低血糖が起きる仕組み
マンジャロはGLP-1受容体とGIP受容体の両方を活性化し、食後のインスリン分泌を促進しつつグルカゴン(血糖を上げるホルモン)の分泌を抑えます。この作用は血糖値に依存して働くため、血糖が正常範囲にあるときにはインスリンが過剰に出にくい設計になっています。
ただし、SU薬(スルホニル尿素薬)やインスリン製剤と併用すると、血糖値が正常以下でもインスリンが供給され続けることがあり、低血糖のリスクが上がります。食事量の急激な減少や過度な運動も引き金になるでしょう。
| 項目 | 通常の低血糖 | 無自覚性低血糖 |
|---|---|---|
| 警告症状 | 冷や汗・動悸・震えなどが出る | 自覚症状がほとんどない |
| 本人の気づき | 「おかしい」と感じやすい | 気づかないまま進行する |
| 対処タイミング | 早期に補食できる | 対処が遅れやすい |
| 重症化リスク | 比較的低い | 意識消失や事故の危険が高い |
どんな人が無自覚性低血糖になりやすいのか
糖尿病の治療歴が長く、過去に低血糖を何度も経験している方は特に注意が必要です。低血糖エピソードが繰り返されると、体の防御反応が徐々に鈍くなっていきます。
高齢者や腎機能が低下している方、極端な食事制限をしている方もハイリスク群に含まれます。マンジャロの食欲抑制効果で食事量が減りすぎてしまうケースにも気を配りたいところです。
見逃し注意!マンジャロ治療中に現れる無自覚性低血糖の初期サイン
無自覚性低血糖は「症状がない」ことが問題ですが、完全にゼロではありません。振り返ってみると「あれが低血糖だったのか」と思い当たる微妙な変化が隠れている場合が多いのです。マンジャロで治療中の方が見逃しやすい兆候を具体的にお伝えします。
「なんとなく頭がぼんやりする」は危険信号
血糖値が低下すると、脳へのブドウ糖供給が減るため集中力や判断力が落ちます。会議中にぼーっとしてしまう、文章が頭に入ってこない、計算ミスが増えるといった変化は、疲労やストレスではなく低血糖の初期サインかもしれません。
こうした認知機能の低下は周囲からも気づかれにくく、本人も「調子が悪いだけ」と見過ごしがちです。特に午前中や食事から時間が空いたタイミングで繰り返し起こる場合は、血糖値との関連を疑ってみてください。
夜間の寝汗・悪夢・朝の頭痛は夜間低血糖の証拠
就寝中に低血糖が起きると、寝汗がひどくなったり、悪夢を見たり、朝起きたときにひどい頭痛や倦怠感を覚えることがあります。これらは夜間低血糖の典型的な手がかりです。
睡眠中は当然ながら自分で血糖値を測ることができません。パジャマがぐっしょり濡れるほどの寝汗がある場合や、朝食前の血糖値が予想外に低い場合は、夜間に低血糖が起きていた可能性を主治医に伝えましょう。
気分のムラやイライラも低血糖が原因になる
血糖値の急激な変動は自律神経にも影響を及ぼし、突然イライラする、不安感が強まる、気分が落ち込むといった精神的な症状を引き起こすことがあります。周囲の人に「最近怒りっぽくなったね」と言われたら要注意です。
こうした情緒面の変化は更年期やストレスと混同されやすく、低血糖と結びつけて考える方は多くありません。しかしマンジャロ治療中であれば、感情の波と食事のタイミングに相関がないか振り返ってみることが大切です。
| 見逃されやすい症状 | 低血糖との関連 | 起こりやすい場面 |
|---|---|---|
| 頭がぼんやりする | 脳のブドウ糖不足 | 食後数時間、午前中 |
| 寝汗・悪夢 | 夜間低血糖 | 就寝中〜起床時 |
| イライラ・不安感 | 血糖変動による自律神経への影響 | 空腹時、食事が遅れた時 |
| 言葉がうまく出ない | 脳の神経細胞のエネルギー不足 | 会話中・会議中 |
| 異常な疲労感 | 細胞全体のエネルギー枯渇 | 午後、運動後 |
なぜ気づけない?無自覚性低血糖が起こる原因をマンジャロの作用から読み解く
無自覚性低血糖の原因は単純ではなく、体の防御反応の鈍化と薬の作用が複雑に絡み合っています。マンジャロそのものが直接引き起こすというよりも、治療の組み合わせや生活習慣の変化が重なって発症するケースが大半です。
低血糖を繰り返すと体の警報装置が壊れる
人間の体は低血糖が起きると、まずアドレナリンやノルアドレナリンを放出して「血糖を上げろ」という緊急指令を出します。冷や汗・動悸・手の震えは、まさにこの緊急指令の症状です。
ところが低血糖を何度も経験すると、体がこの状態に「慣れて」しまいます。医学的には「低血糖関連自律神経障害(HAAF)」と呼ばれ、警報の閾値(いきち:反応が起こる境目の値)がどんどん下がっていくのです。結果として、血糖値がかなり低くなるまで体が反応しなくなります。
マンジャロと他の糖尿病薬の併用が引き金になるケース
マンジャロは血糖依存的にインスリン分泌を促すため、単独使用での低血糖リスクは限定的です。問題になるのはSU薬(グリメピリドなど)やインスリン製剤との併用時でしょう。
SU薬は血糖値に関係なくインスリン分泌を刺激する薬です。マンジャロとSU薬を同時に使うと、インスリンが過剰に分泌されるタイミングが生まれやすくなります。処方医がSU薬の減量を指示する場合も多いため、自己判断で用量を変えないことが重要です。
| 併用薬 | 低血糖リスク | 注意点 |
|---|---|---|
| SU薬(グリメピリド等) | 高い | 減量が検討されることが多い |
| インスリン製剤 | 高い | 用量調整が必要になる場合がある |
| メトホルミン | 低い | 単独では低血糖を起こしにくい |
| SGLT2阻害薬 | やや注意 | 脱水と合わさると体調悪化の可能性 |
食欲低下による食事量の減少が落とし穴になる
マンジャロには強い食欲抑制効果があります。治療を始めてから「食べる量が半分以下になった」という声は珍しくありません。体重が減ること自体は治療目標に沿っていますが、炭水化物の摂取量が極端に減ると低血糖のリスクが跳ね上がります。
特に朝食を抜く習慣がある方や、糖質制限ダイエットを同時に行っている方は、血糖の供給源が不足しやすい状態にあります。薬の力で食欲が落ちているときこそ、バランスのよい食事を少量でもきちんと摂ることを心がけましょう。
自律神経の乱れや加齢による感覚の鈍化も関与する
糖尿病の罹患期間が長い方は、自律神経そのものがダメージを受けていることがあります。自律神経障害があると、低血糖時の交感神経反応が弱まり、警告症状が出にくくなるのです。
加齢による感覚の鈍化も見逃せない要因です。高齢になるほど体のサインを察知する力が落ちるため、「なんとなく具合が悪い」という漠然とした違和感しか覚えず、低血糖だとは気づかないまま重症化する危険が高まります。
放置すると命にかかわる|無自覚性低血糖の重篤な合併症
無自覚性低血糖を放置したり見逃し続けたりすると、日常生活に深刻な支障をきたすだけでなく、生命にかかわる合併症を招くおそれがあります。マンジャロによる治療効果を安全に得るためにも、リスクを正しく把握しておきましょう。
突然の意識消失は転倒・事故の原因になる
無自覚性低血糖では前兆がないまま意識レベルが低下するため、外出先や運転中に突然倒れるリスクがあります。階段からの転落や交通事故など、取り返しのつかない事態につながりかねません。
特に自動車を運転する方は、運転前の血糖測定が欠かせないといえるでしょう。日本糖尿病学会も、低血糖のリスクがある患者さんに対して運転時の血糖管理を徹底するよう推奨しています。
繰り返す低血糖は認知機能を確実に蝕む
重度の低血糖エピソードを繰り返すと、脳の神経細胞が慢性的なダメージを受けます。記憶力の低下や判断力の鈍化が進み、長期的には認知症のリスクが上昇するという研究報告もあります。
「少しぼんやりするだけだから大丈夫」と軽く見ていると、気づかないうちに脳への負担が蓄積されていきます。とりわけ高齢の方や、治療歴の長い方はこの影響を受けやすいため、早めの対策が必要です。
重症低血糖は心臓にも負担をかける
低血糖が起きると、体はアドレナリンを大量に放出して血糖を回復させようとします。この反応は心拍数の増加や不整脈を引き起こすことがあり、心血管系に既往がある方にとっては大きなリスクです。
海外の大規模臨床試験では、重症低血糖を経験した患者群で心血管イベント(心筋梗塞・脳卒中など)の発生率が有意に高かったと報告されています。低血糖は「血糖が下がるだけ」の問題ではなく、全身に影響を及ぼすものだと認識することが大切です。
| 合併症 | 発生リスク | 影響 |
|---|---|---|
| 意識消失・転倒 | 前兆なく突然起こる | 骨折・頭部外傷・交通事故 |
| 認知機能低下 | 繰り返す低血糖で蓄積 | 記憶力低下・認知症リスク上昇 |
| 心血管イベント | アドレナリン大量放出時 | 不整脈・心筋梗塞・脳卒中 |
| けいれん発作 | 血糖が極端に低下した場合 | 窒息・二次的な外傷 |
自分の体を守る!マンジャロ使用中の無自覚性低血糖を予防する具体策
無自覚性低血糖は怖い症状ですが、正しい知識と日々のちょっとした工夫で予防できる部分が多くあります。マンジャロの治療効果を安心して享受するために、今日から実践できる予防策を具体的に紹介します。
血糖自己測定(SMBG)をルーティンに組み込む
無自覚性低血糖を早期に発見するうえで、血糖自己測定は心強い味方です。自覚症状がなくても数値で客観的に確認できるため、「感覚に頼らない安全網」として機能します。
朝食前・昼食前・就寝前など1日3回を基本とし、体調に違和感があるときには追加で測定しましょう。測定結果はノートやアプリに記録しておくと、受診時に主治医と傾向を共有しやすくなります。
持続血糖モニタリング(CGM)で24時間の血糖変動を「見える化」する
CGM(Continuous Glucose Monitoring)は、皮下に小さなセンサーを装着して24時間リアルタイムで血糖値の変動を追跡できるデバイスです。夜間や気づきにくい時間帯の低血糖も記録されるため、無自覚性低血糖の発見に力を発揮します。
| 測定方法 | 特徴 | 向いている方 |
|---|---|---|
| 血糖自己測定(SMBG) | 指先の穿刺でその瞬間の値を測定 | 定期的なチェックを習慣にしたい方 |
| 持続血糖モニタリング(CGM) | 24時間連続で血糖変動を記録 | 夜間低血糖や変動パターンを把握したい方 |
| フラッシュグルコースモニタリング(FGM) | センサーにかざして読み取る方式 | 手軽にトレンドを確認したい方 |
食事と補食の工夫で血糖の急降下を防ぐ
マンジャロの食欲抑制効果で食事量が減った場合でも、炭水化物を完全にカットすることは避けてください。ご飯やパンなどの糖質は血糖を安定させる燃料であり、極端に減らすと低血糖の引き金になります。
3食を規則正しく摂るのが基本ですが、食事の間隔が空く場合はクラッカーや果物などの補食を挟むのも有効です。特に午後や就寝前の補食は、夜間低血糖の予防に役立ちます。
運動量の調整と主治医への相談を怠らない
適度な運動は血糖コントロールにプラスに働きますが、激しい運動や長時間の有酸素運動は血糖を急激に消費します。運動前の血糖値が100mg/dL未満であれば、先に軽い補食を摂ることを検討してみてください。
低血糖の頻度が増えたり、以前とは違う体調の変化を感じたりしたら、ためらわずに主治医へ相談しましょう。マンジャロの用量調整や併用薬の見直しで改善できるケースは少なくありません。
低血糖が起きてしまったらどうする?マンジャロ治療中の緊急対処法
どれだけ予防に気を配っていても、低血糖が起きるリスクをゼロにすることはできません。万が一のときに落ち着いて対処できるよう、正しい手順を頭に入れておくことが、自分と家族を守る備えになります。
意識がある場合はブドウ糖を15〜20g速やかに摂取する
低血糖の症状を感じたり、血糖測定で70mg/dL以下を確認したりしたら、すぐにブドウ糖15〜20gを口に入れてください。ブドウ糖のタブレットやジェルが手元にない場合は、砂糖を含む清涼飲料水(150〜200mL程度)でも代用できます。
飴やチョコレートは脂質を含むため吸収が遅く、緊急時の対応には向いていません。15分後に再度血糖を測定し、回復していなければもう一度同量を摂取しましょう。
意識がない・自分で飲食できないときの対処法は家族が握っている
重症低血糖で意識を失った場合、本人は何もできません。家族や周囲の人がグルカゴン注射(鼻腔用スプレーを含む)を投与するか、すぐに救急車を呼ぶことが命を守る行動です。
意識のない人の口にブドウ糖や飲み物を無理に入れると、窒息や誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん:食べ物や液体が気管に入って起きる肺炎)の原因になります。口からの摂取は絶対に行わないでください。
「自分は低血糖持ちです」と周囲に伝えておく安心感
マンジャロ治療中で低血糖のリスクがある場合は、家族・職場の同僚・親しい友人に事前に伝えておくことをおすすめします。本人の様子がおかしいとき、周囲が「もしかして低血糖かも」と気づけるかどうかで対応スピードが大きく変わります。
糖尿病患者用のIDカードやブレスレットを携帯するのも有効な手段です。外出先で倒れた場合に、救急隊員が迅速に状況を把握できます。
- ブドウ糖タブレットまたはジェルを常にカバンに入れておく
- グルカゴン注射キットの保管場所と使い方を家族と共有する
- 糖尿病IDカードやブレスレットを外出時に携帯する
- 低血糖時の対処手順を冷蔵庫などの目につく場所に貼っておく
マンジャロの無自覚性低血糖を防ぐために通院時に主治医へ確認すべきこと
主治医との定期的なコミュニケーションは、無自覚性低血糖のリスクを下げるうえで非常に大切な要素です。「聞きそびれた」を防ぐため、受診前に質問を整理しておくと限られた診察時間を有効に使えます。
併用薬の見直しが必要かどうかを率直に尋ねる
マンジャロとSU薬やインスリン製剤を併用している方は、低血糖の発生頻度を主治医に正確に報告してください。「最近こんな場面で低血糖が起きました」と具体的に伝えることで、併用薬の用量調整につながる場合があります。
| 受診時の確認事項 | 伝えるべき内容 |
|---|---|
| 低血糖の頻度 | 週に何回くらい、どの時間帯に起きたか |
| 症状の有無 | 自覚症状があったか、なかったか |
| 食事の変化 | 食事量や食事タイミングに変化があったか |
| 血糖測定値 | 記録した血糖値のデータ(ノートやアプリ) |
| 他の薬の追加・変更 | 他科で処方された薬の変更がないか |
マンジャロの用量調整やCGM導入について相談する
低血糖が頻繁に起きるようであれば、マンジャロの投与量の変更やCGMの導入を検討する余地があるかもしれません。主治医は血糖値の推移や合併症の有無を総合的に判断して治療方針を決定するため、自分の希望や不安は遠慮なく伝えましょう。
CGMは無自覚性低血糖の検出に優れたツールですが、使用条件や費用面で疑問を感じる方も多いでしょう。受診時に「自分のケースでCGMは使えますか」と直接聞いてみると、具体的な情報を得られます。
緊急時の行動プランを主治医と一緒に作っておく
低血糖が起きたときの対処手順を、主治医と一緒に文書化しておくと安心です。ブドウ糖の摂取量・グルカゴン注射の使用条件・救急車を呼ぶ基準など、具体的な行動プランがあれば慌てずに済みます。
家族や介護者にもこの行動プランを共有し、実際にグルカゴン注射を練習しておくことを主治医から勧められる場合もあります。備えがあるだけで、日常の不安はかなり軽くなるはずです。
よくある質問
- マンジャロの単独使用でも無自覚性低血糖は起こるのか?
-
マンジャロ(チルゼパチド)は血糖値に依存してインスリン分泌を促す薬です。そのため、単独使用では低血糖そのものが起きにくい設計になっています。
ただし、極端な食事制限や過度な運動、体調不良による食事量の減少が重なった場合には、まれに低血糖が生じることがあります。症状に気づきにくい無自覚性低血糖に発展するケースはさらに限定的ですが、リスクがゼロとはいえません。
少しでも体調に違和感があれば血糖値を測定し、主治医に相談することを心がけてください。
- マンジャロ治療中に無自覚性低血糖が疑われたらまず何をすべきか?
-
まずは手元にブドウ糖があればすぐに15〜20g摂取してください。ブドウ糖がない場合は砂糖入りの清涼飲料水150〜200mLで代用できます。
摂取後15分ほどで血糖値を再測定し、70mg/dL以上に回復しているか確認しましょう。回復していなければ同量を再度摂取し、改善しない場合は医療機関に連絡してください。
日頃からブドウ糖タブレットを携帯し、低血糖エピソードの日時・状況をメモしておくと受診時に役立ちます。
- マンジャロとSU薬を併用しているときの無自覚性低血糖のリスクはどの程度か?
-
マンジャロとSU薬(スルホニル尿素薬)の併用は、低血糖リスクを明らかに高めるとされています。SU薬は血糖値に関係なくインスリン分泌を刺激するため、マンジャロの作用と重なるとインスリンが過剰に働く時間帯が生まれやすくなるからです。
この状況で低血糖を繰り返すと、体の警告システムが鈍くなり無自覚性低血糖へ移行するおそれがあります。処方医がSU薬の減量や中止を検討するケースもあるため、自己判断で用量を変えず必ず主治医の指示を仰いでください。
- マンジャロ治療中の夜間低血糖を防ぐにはどんな工夫が有効か?
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夜間低血糖を防ぐためには、就寝前に血糖値を測定し、100mg/dLを下回っている場合は少量の補食を摂ることが効果的です。クラッカーにチーズを添えるなど、炭水化物とタンパク質を組み合わせた補食がゆるやかに血糖を維持します。
夕食の量が極端に少ない場合も夜間低血糖のリスクが高まります。マンジャロの食欲抑制効果で食事量が減っている方は、量は少なくても栄養バランスを意識した夕食を摂るよう心がけてください。
寝汗や悪夢、朝の頭痛が続く場合は夜間低血糖が疑われるため、CGMの導入を主治医に相談してみるとよいでしょう。
- マンジャロ使用中に無自覚性低血糖を繰り返す場合、治療方針は変わるのか?
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無自覚性低血糖を繰り返す場合、主治医は治療方針の見直しを検討します。具体的にはマンジャロの投与量の調整、併用しているSU薬やインスリン製剤の減量・変更、そして血糖管理目標の緩和などが選択肢に上がるでしょう。
低血糖を2〜3週間にわたり厳格に避けることで、鈍くなっていた体の警告反応が回復する場合もあります。CGMを活用して低血糖を早期に捕捉しながら、慎重に治療計画を立て直すことが回復への道筋になります。
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