70歳以上のマンジャロ使用例|高齢者の用量設定と副作用モニタリング

70歳以上のマンジャロ使用例|高齢者の用量設定と副作用モニタリング

マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、GIPとGLP-1の2つの受容体に同時に働く週1回の注射薬です。70歳以上の方が使用する場合、用量の調整や副作用への備えが若い世代とは異なります。

とくに高齢者では、消化器症状による脱水や筋肉量の低下に細心の注意を払う必要があるでしょう。この記事では、肥満診療に長く携わってきた医師の視点から、70歳以上の方がマンジャロを安全に続けるための用量設定と副作用モニタリングの具体策をお伝えします。

ご本人だけでなく、ご家族や介護に関わる方にもお役立ていただける内容を目指しました。

目次

70歳以上でもマンジャロは使える|年齢だけで諦めなくていい

70歳以上であっても、マンジャロの使用を年齢だけで断念する必要はありません。海外の大規模臨床試験(SURPASS試験シリーズ)では、65歳以上の参加者にも臨床的に意味のあるHbA1c低下と体重減少が確認されています。

マンジャロ(チルゼパチド)が注目される理由は「二刀流」の作用にある

マンジャロは、GLP-1受容体とGIP受容体という2つの受容体に同時に作用する薬剤です。従来のGLP-1受容体作動薬が1つの受容体だけに働くのに対し、マンジャロは2つの経路から血糖コントロールと食欲抑制を同時に促します。

この「二刀流」ともいえる作用により、体重減少幅が大きくなる傾向があります。肥満を合併する2型糖尿病の方にとって、血糖値と体重の両方にアプローチできる点は大きな魅力でしょう。

65歳以上を対象にした臨床データではどんな結果が出ているのか

SURPASS-1からSURPASS-5までの臨床試験をプール解析した報告では、65歳以上かつBMI 30未満の参加者でも、HbA1cが1.97〜2.10%低下したと示されています。体重減少は若年層と比べるとやや控えめでしたが、用量に応じた減少が認められました。

低血糖のリスクについても、インスリンやSU薬を併用していない限り、全体集団と大きな差はなかったと報告されています。つまり、年齢が高いという理由だけで効果が期待できないわけではありません。

65歳以上の臨床試験データまとめ

評価項目65歳以上(BMI30未満)全体集団
HbA1c低下幅-1.97〜-2.10%用量依存的に低下
体重変化用量に比例し減少(やや控えめ)5mg/-7kg〜15mg/-12.9kg
低血糖リスク全体と同程度SU薬非併用で低い

「75歳以上」のデータはまだ少ない|だからこそ慎重な管理が求められる

臨床試験において75歳以上の参加者は全体の約0.5%にとどまり、データ数は十分とはいえません。そのため、75歳以上の方にマンジャロを使う場合は、より慎重な経過観察と個別の判断が大切になります。

欧州医薬品庁(EMA)は、チルゼパチドについて年齢のみによる用量調整は不要としていますが、臨床試験の除外基準には心血管疾患や腎疾患などが含まれていました。実際の高齢者は複数の持病を抱えていることが多いため、試験結果をそのまま当てはめるのは難しい場面もあります。

マンジャロの用量設定は70歳以上でも2.5mgから段階的に増やすのが原則

70歳以上であっても、マンジャロの開始用量と増量の基本的な流れは若い世代と同じく2.5mgからのスタートです。ただし、高齢者では増量のペースや到達用量に個人差が出やすく、「焦らず様子を見る」ことが安全な使い方の鍵になります。

2.5mg→5mg→10mg→15mgの段階的な増量スケジュール

マンジャロは通常、週1回2.5mgから開始し、4週間ごとに段階的に用量を引き上げていきます。5mg、10mg、15mgと3段階で増やせますが、すべての方が15mgまで到達する必要はありません。

とくに70歳以上の方は胃腸の動きがゆっくりになっていることが多く、消化器症状が出やすい傾向があります。主治医は吐き気や食欲低下の程度を見ながら、増量するか現在の用量にとどまるかを慎重に判断します。

高齢者では「5mgで十分」というケースも珍しくない

臨床試験では、5mgの用量でもHbA1cが約2%低下し、体重も有意に減少したと報告されています。70歳以上の方では、無理に高用量を目指すよりも、副作用が少ない用量で安定した効果を得ることが優先されるケースも多いでしょう。

「もっと痩せたいから量を増やしてほしい」と思う気持ちは自然ですが、高齢者では体重が急に減りすぎることで筋肉や骨への悪影響が懸念されます。主治医との相談のうえで、自分に合った用量を見つけることが大切です。

腎機能や肝機能の数値によって増量を見送ることがある

高齢者では腎機能や肝機能が年齢とともに低下していることが珍しくありません。マンジャロ自体は腎臓で代謝される薬ではありませんが、嘔吐や下痢による脱水が腎機能をさらに悪化させるリスクがあります。

血液検査でeGFR(推算糸球体濾過量)やクレアチニン値を定期的に確認し、腎機能が低下傾向にあれば増量を見送る判断がなされることもあるでしょう。自己判断で用量を変えることは避け、必ず主治医の指示に従ってください。

  • 開始用量は2.5mg/週で若い世代と共通
  • 増量は4週間ごとが目安だが、高齢者はさらにゆっくり進めることがある
  • 5mgで効果が得られれば、それ以上の増量が不要な場合もある
  • 腎機能の低下が見られるときは増量を保留する判断もある

マンジャロ開始前に医師が確認する高齢者特有のチェック項目

70歳以上の方がマンジャロを始める前には、若い世代以上に多くの項目を確認する必要があります。基礎疾患の有無、現在の処方薬、栄養状態、そして日常の活動レベルまで、総合的な評価が治療の安全性を左右します。

多剤併用(ポリファーマシー)の確認が欠かせない

70歳以上の方は、高血圧、脂質異常症、骨粗しょう症など複数の疾患を同時に治療していることが少なくありません。服用中の薬が5種類以上にのぼる「ポリファーマシー」の状態では、薬同士の飲み合わせに注意が必要です。

マンジャロは胃の排出速度を遅くする作用があるため、一緒に飲んでいる薬の吸収タイミングが変わることがあります。とくに経口の血糖降下薬やワルファリンなどを服用している場合は、効果や副作用の現れ方が変わる可能性を医師と確認しましょう。

血液検査と体組成の測定で「今の体の状態」を数値化しておく

マンジャロ開始前に行う血液検査では、HbA1c、空腹時血糖、腎機能(eGFR)、肝機能(AST・ALT)、脂質プロファイル、甲状腺機能などを一通り調べるのが一般的です。これらの数値がベースラインとなり、治療の効果判定や副作用の早期発見に役立ちます。

加えて、高齢者では体組成(筋肉量と脂肪量のバランス)の把握が重要になります。体重だけを追いかけると、脂肪ではなく筋肉が減っていることに気づけないからです。

マンジャロ開始前の主な検査項目

検査カテゴリ主な項目高齢者での注意点
血糖関連HbA1c、空腹時血糖低血糖リスクの評価
腎機能eGFR、クレアチニン脱水による悪化に注意
肝機能AST、ALT既存の肝疾患の除外
甲状腺TSH甲状腺髄様がんの家族歴確認
体組成筋肉量、体脂肪率サルコペニアの有無を評価

認知機能と自己注射の能力をあらかじめ見極める

マンジャロは週1回の皮下注射で投与します。ペン型の注射器を自分で操作する必要があるため、認知機能や手先の器用さが一定水準に保たれていることが前提条件です。

軽度の認知症がある場合でも、家族や介護者が注射を担当できれば使用が可能なケースがあります。実際に81歳の認知症患者にデイケアの看護師がチルゼパチドを投与し、血糖コントロールが改善したという症例報告も公表されています。

甲状腺髄様がんの家族歴がある方は使用できない

マンジャロを含むGLP-1受容体作動薬には、動物実験で甲状腺C細胞腫瘍のリスク増加が報告されています。甲状腺髄様がん(MTC)の既往がある方や、多発性内分泌腫瘍症2型(MEN2)の家族歴がある方には処方できません。

70歳以上の方は過去の病歴を詳しく覚えていないこともあるため、可能であればご家族にも同席してもらい、情報を正確に伝えることが望ましいでしょう。

70歳以上が気をつけたいマンジャロの副作用と消化器症状への備え

マンジャロの副作用で多いのは吐き気・嘔吐・下痢・便秘といった消化器症状であり、70歳以上ではこれらの症状が脱水や栄養不良に直結しやすいため、早めの対処が欠かせません。

吐き気と嘔吐は増量時にピークを迎えやすい

マンジャロの消化器症状は、用量を引き上げるタイミングで出現しやすく、多くは軽度〜中等度にとどまります。若い世代であれば数日で落ち着くことが多いものの、高齢者では回復に時間がかかる場合があります。

吐き気が強いときは無理に食事を摂ろうとせず、少量の水分をこまめに口にすることが大切です。嘔吐が続くようであれば、すぐに主治医に連絡してください。

脱水は高齢者にとって命に関わるリスク|「喉が渇いてから」では遅い

加齢に伴い、のどの渇きを感じるセンサーの感度が鈍くなるため、高齢者は「喉が渇いた」と感じたときにはすでに軽い脱水状態に陥っていることがあります。マンジャロの服用中に嘔吐や下痢が重なると、短時間で脱水が進行するおそれがあるでしょう。

対策として、1日を通じて意識的に水分を摂る習慣をつけることが大切です。尿の色が濃くなっていないか、口の中が乾いていないかを毎日チェックしましょう。

便秘が続くとQOLが大きく下がる|食物繊維と水分の組み合わせが基本

マンジャロは胃の排出を遅らせるため、便秘を引き起こすことがあります。高齢者ではもともと腸の動きが緩やかなので、便秘が長引きやすい傾向にあるかもしれません。

食物繊維を含む食材(野菜、海藻、きのこ類)を意識的に取り入れ、十分な水分と組み合わせることが基本的な対処法です。それでも改善しない場合は、主治医に相談して下剤の処方を検討してもらいましょう。

高齢者で注意したい主な副作用と対処法

副作用発生しやすい時期対処のポイント
吐き気・嘔吐増量後1〜2週間少量頻回の水分補給
下痢投与初期〜増量時電解質を含む飲料で補う
便秘投与中持続食物繊維+水分を増やす
食欲低下投与開始直後栄養密度の高い食事に切り替え
脱水嘔吐・下痢時1日1.5L以上を目標に水分摂取

マンジャロで体重が減るとき、高齢者は筋肉量の低下に要注意

マンジャロによる体重減少のうち、約25%は除脂肪体重(筋肉や骨など脂肪以外の組織)の減少であると報告されています。70歳以上の方では加齢による筋肉量の減少が進んでいるため、「痩せたけれど弱くなった」という事態を防ぐ対策が欠かせません。

サルコペニアとは何か|筋肉が減って日常動作がつらくなる状態

サルコペニアとは、加齢や疾患によって筋肉量と筋力が低下し、歩行や階段の昇降といった日常的な動作に支障が出る状態を指します。肥満を合併したサルコペニアは「サルコペニア肥満」と呼ばれ、高齢者の10〜20%に認められるとされています。

マンジャロを含むGLP-1受容体作動薬での減量中に筋肉量が減るリスクについては、複数の研究者から注意喚起がなされています。体重が減ったからよいと安心するのではなく、筋力が維持されているかどうかも同時に確認する必要があるでしょう。

タンパク質の摂取量を体重1kgあたり1.0〜1.2gに引き上げる

高齢者の筋肉量維持には、十分なタンパク質摂取が必要です。一般的な推奨量は体重1kgあたり0.8gですが、GLP-1受容体作動薬を使って減量中の高齢者には、1.0〜1.2g程度に引き上げることを勧める専門家もいます。

肉や魚、卵、大豆製品、乳製品などを毎食バランスよく組み合わせることで、1日のタンパク質量を確保しやすくなります。食欲が落ちている場合は、プロテインパウダーを汁物に溶かすなどの工夫も有効です。

マンジャロ使用中の高齢者における体組成変化の目安

指標望ましい方向注意が必要な兆候
体重緩やかに減少1か月で5%以上の急激な減少
筋肉量維持または微減握力の明らかな低下
体脂肪率減少変化なし(筋肉だけ減っている)

週2〜3回のレジスタンス運動(筋トレ)を取り入れたい

筋肉量を守るために効果的なのが、レジスタンス運動(筋力トレーニング)です。70歳以上であっても、椅子からの立ち上がり運動やチューブを使った軽い筋トレを週2〜3回行うだけで、筋力の低下を遅らせる効果が期待できます。

運動の強度や頻度は、膝や腰の痛み、心肺機能などに応じて主治医や理学療法士と相談しながら決めてください。無理のない範囲で続けることが、長期的な筋力維持につながります。

定期的な握力測定と歩行速度の確認でサルコペニアを早期発見する

サルコペニアの早期発見には、握力と歩行速度の測定が簡便かつ有用です。握力が男性で28kg未満、女性で18kg未満の場合はサルコペニアの疑いがあるとされています。

歩行速度は、4メートルの距離を歩くのに5秒以上(0.8m/秒未満)かかるようであれば注意が必要です。マンジャロの使用中は月1回程度、これらの簡易テストを行い、筋力や身体機能の変化を追跡することをおすすめします。

マンジャロを安全に続けるために70歳以上が守りたい定期検査の内容

マンジャロを長期にわたって使用する場合、定期的な血液検査と身体測定によるモニタリングが安全管理の土台になります。高齢者では検査の間隔をやや短めに設定し、異変を早くキャッチすることが望ましいでしょう。

血液検査は3か月ごとが目安|HbA1cだけでなく腎機能も毎回確認する

マンジャロ使用中は、少なくとも3か月に1回の血液検査が推奨されます。HbA1cの推移に加え、腎機能(eGFR、クレアチニン)、肝機能(AST、ALT)、電解質バランスなどを総合的に確認しましょう。

とくに消化器症状が長引いて水分摂取が十分でない期間があった場合は、次の定期検査を待たずに早めの採血を受けることを検討してください。

体重と体組成の記録をつけて「減り方」のパターンを把握する

体重だけでなく、ウエスト周囲径や体組成(可能であればDXA法やインピーダンス法で測定した筋肉量)も定期的に記録しておくと、減量の質を客観的に評価できます。

体重が順調に減っていても、筋肉量が同時に大きく減少していれば、タンパク質の摂取量や運動内容の見直しが必要です。記録を主治医やかかりつけ薬剤師と共有することで、治療方針の微調整がスムーズに進みます。

日常生活で気をつけたい食事と水分摂取の工夫

マンジャロの食欲抑制効果が強く出ると、食事量が極端に減ってしまうことがあります。70歳以上の方の場合、1日の摂取カロリーが1000kcalを大きく下回る状態が続くと、栄養失調のリスクが高まるため注意が必要です。

少量でも栄養価の高い食事を心がけ、食べられるときにしっかり食べるという意識を持ちましょう。水分は1日1.5リットル以上を目安に、食事のときだけでなく、起床時や入浴前後にもコップ1杯の水を飲む習慣をつけると安心です。

  • 起床時にコップ1杯の水を飲む
  • 入浴前後にも水分を補給する
  • 食事では汁物を1品加える
  • 外出時にはペットボトルを携帯する

家族や介護者が覚えておきたいマンジャロ注射の手順と保管方法

70歳以上の方がマンジャロを使うとき、注射の手順や薬の保管をご家族や介護者がサポートする場面は少なくありません。正しい手順と保管方法を理解しておくことで、安全かつ確実に治療を続けられます。

ペン型注射器の基本的な使い方と注射部位のローテーション

マンジャロはプレフィルドペン(あらかじめ薬液が充填された注射器)で提供されます。注射部位は腹部、大腿部、上腕部の3か所から選べますが、毎回同じ場所に打つと皮下脂肪が硬くなる(脂肪萎縮)ことがあるため、注射部位を順番に変えてください。

マンジャロの注射手順と保管の要点

項目ポイント注意事項
保管温度未使用品は2〜8℃(冷蔵庫)凍結禁止、直射日光を避ける
室温放置開封後は30℃以下で最大21日間使用期限を過ぎたら廃棄
注射部位腹部・大腿部・上腕部毎回2cm以上ずらす
注射のタイミング週1回、曜日を固定食事の有無は問わない

認知症や視力低下がある場合、家族が注射を代行するための注意点

認知症が進んでいる方や、視力の低下で注射器の目盛りが見えにくい方の場合、ご家族や訪問看護師が代わりに注射を行うことが現実的な選択肢です。代行するときは、注射前にペン内の薬液が濁っていないか、針が曲がっていないかを目視で確認してください。

皮膚をつまんで注射する動作に慣れるまでは、主治医やクリニックの看護師に実演してもらうと安心です。注射後のペンは専用の廃棄容器に入れ、家庭ごみには出さないよう注意しましょう。

打ち忘れたときの正しい対処法を確認しておく

マンジャロは週1回の投与ですが、うっかり打ち忘れてしまうこともあるでしょう。次の投与予定日まで4日(96時間)以上あれば、気づいた時点で注射し、その後はもとの曜日に戻すのが一般的な対処法です。

一方、次の投与予定日まで4日を切っている場合は、忘れた分をスキップして次回の予定日に通常どおり注射してください。2回分を1度に打つことは絶対に避けてください。カレンダーやスマートフォンのリマインダー機能を活用し、打ち忘れを防ぐ仕組みを作っておくと安心です。

異常を感じたら「次の受診まで待たない」が鉄則

激しい腹痛、止まらない嘔吐、強いめまい、急激な体重減少など、ふだんと明らかに違う症状が出た場合は、次の定期受診まで待たず、すぐに医療機関に連絡してください。

とくに急性膵炎を示唆する上腹部の激痛や背部への放散痛があれば、緊急の対応が必要です。ご家族もこうした「危険サイン」を事前に知っておくことで、いざというとき迅速に動けるようになります。

よくある質問

マンジャロは70歳以上でも副作用なく使い続けられますか?

マンジャロは70歳以上の方でも使用できますが、副作用がまったく出ないとは限りません。臨床試験では、65歳以上の参加者でも若い世代と同様に吐き気や下痢などの消化器症状が報告されています。

高齢者では症状が脱水や栄養不良につながりやすいため、こまめな水分補給と早めの受診が大切です。副作用が出た場合でも、用量を調整したり、投与間隔を見直したりすることで継続できるケースは多いでしょう。

マンジャロの用量は高齢者だと低めに設定されますか?

マンジャロの添付文書では、年齢のみを理由とした用量調整は定められていません。70歳以上の方も若い世代と同じ2.5mgから開始し、段階的に増やしていく流れになります。

ただし、実際の臨床現場では消化器症状の出方や体重の減り具合を見ながら、増量のスピードを遅くしたり、5mgのまま維持したりする判断がなされることが珍しくありません。主治医と相談しながら、ご自身に合った用量を見つけていきましょう。

マンジャロの使用中に高齢者の筋肉量が減るリスクはどの程度ですか?

マンジャロを含むGLP-1受容体作動薬で減量した場合、体重減少分のおよそ25%が脂肪以外の組織(主に筋肉)の減少にあたるとされています。この割合はカロリー制限によるダイエットと大きく変わりません。

しかし、もともと筋肉量が少ない高齢者では、同じ割合の減少でもサルコペニア(筋肉減少症)に近づくリスクが高まります。十分なタンパク質摂取と週2〜3回の筋力トレーニングを並行して行うことが、筋肉量を守るために大切です。

マンジャロを打ち忘れたとき、70歳以上はどう対処すればよいですか?

打ち忘れに気づいたタイミングによって対処が変わります。次の投与予定日まで4日(96時間)以上ある場合は、気づいた時点で注射し、その後はもとの曜日に戻して問題ありません。

4日を切っている場合は、忘れた分をスキップして次回の予定日に通常どおり注射してください。絶対に2回分を一度に注射しないでください。打ち忘れが頻繁に起こる場合は、ご家族がリマインダーを設定するなどの工夫をおすすめします。

マンジャロと他の糖尿病薬を高齢者が併用しても安全ですか?

マンジャロは他の糖尿病治療薬と併用できるケースが多いですが、組み合わせによっては低血糖のリスクが高まる場合があります。とくにインスリンやSU薬(スルホニル尿素薬)との併用では、低血糖の発生率が上がるとの報告があるため注意が必要です。

70歳以上の方は低血糖の症状(冷や汗、手の震え、動悸など)に気づきにくいことがあるため、併用する場合はインスリンやSU薬の減量が検討されます。自己判断で薬の量を調整せず、必ず主治医の指示を仰いでください。

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