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のどの痛み・違和感の意外な原因(感染症以外)

[2019.08.26]

前エントリーでは、のどの痛み・違和感の原因となる感染症についてまとめました。

このエントリーではのどの痛み・違和感の原因になる感染症以外の原因を取り上げます。

意外なものがのどの症状の原因になります。

 のどの痛み・違和感の原因になる感染症以外の病気

咽喉頭酸逆流症

胃食道逆流症(または逆流性食道炎)は非常にポピュラーな病気ですが、

胃酸が食道を通ってさらにのどまで達すると、のどの違和感の原因になります。

人によっては「のどの奥が酸っぱい感じがする」ともおっしゃいます。

胃酸が逆流する原因には

  1. 食べ過ぎ・飲みすぎ・早食い
  2. ストレスやアルコール・カフェイン摂取による胃酸過多
  3. 肥満喫煙などによる慢性の咳などによる腹圧上昇(他に妊娠、腹水も)
  4. 食後すぐ横になる生活
  5. 食道下部の筋肉の緩み(特に高齢者)

などがあり、働き盛り世代では1.~4.が複合していることが多いです。

 治療は、まずは早食いをやめる・アルコールやカフェイン摂取はほどほどにする・食後すぐ横にならないなど生活習慣の改善と、肥満の解消ですが、

 速やかに症状を抑えるにはプロトンポンプ阻害薬(タケプロン、オメプラール、パリエット、ネキシウム)・H2ブロッカー(ガスター、ザンタックなど)といった胃酸を抑制するお薬を処方します。

後鼻漏

後鼻漏とは、文字通り鼻水が鼻の奥の粘膜に落ちて来る状態で、のどの違和感・不快感を生じます。英語ではpost-nasal dripなのでそのまんまですね。

花粉症などによるアレルギー性鼻炎や、慢性副鼻腔炎に伴う場合が多いです。

咳の原因にもなり、「熱もだるさも無いのにのどが風邪っぽい」という場合、後鼻漏であることがよくあります。

「post-nasal drip」の画像検索結果

原因になっている鼻炎や副鼻腔炎に対する治療を行い、鼻水が改善すれば徐々によくなります。

口呼吸

口呼吸は体に悪いということを聞いたことがおありでしょうか?

これは全くその通りで、人間は鼻呼吸によって呼吸器の健康を守っていると言っても過言ではありません。

空気中には目に見えないホコリ・病原体・花粉などアレルゲンが浮遊しており、

また温度・湿度も通常人間の体内より低い状態です。

鼻呼吸をすることで、吸気が鼻(と副鼻腔)を通る時にホコリなどの異物は繊毛に絡めとられ、また温度や湿度も体内に合わせて調節されますが、

口呼吸をすると、汚れを含んだ冷たく乾燥した空気がそのままのどを通ることになり、のどの粘膜が荒れたり、のどの感染症を起こしやすくなります。

口呼吸の弊害は、実はこれだけではありません。下記サイトに様々な弊害が詳説されていますので、是非ご一読下さい。日本病巣疾患研究会「口呼吸について」 https://jfir.jp/mouth-breathing/

異物

のどに魚の骨などが刺さると、当然痛いです。

ご本人がそれと分かっていて、耳鼻科を受診される場合が多いと思います。

下手に除去しようとして異物がのどの奥の粘膜や食道を突き破ってしまうと大変なことになるので、

早めに耳鼻科または胃カメラのある医療機関へ行かれることをおすすめします。

私も幼稚園生の時、魚の骨がのどに刺さり、白いご飯を飲み込むことで取る民間療法を試しましたが結局取れず。泣き叫びながら耳鼻科に連れて行かれました。このご飯を飲み込む方法は現在は推奨されていません。

筋緊張性発声障害

これは、声を出すときに声帯に力が入り過ぎていることで起こります。

身体に異常がなくても起きる「機能性発声障害」一つです。

風邪は治ったのに声がよくならないスピーチでおかしな声になるといった症状の時に疑われます。

診断には喉頭ファイバー(細く柔らかいカメラを鼻から挿入します)を行う必要があるため、耳鼻科へご紹介となります。

亜急性甲状腺炎

首ののど仏の少し下あたりに、甲状腺という薄っぺらい臓器があります。

甲状腺は普段、甲状腺ホルモンを適切に調節しながら分泌しています。

亜急性甲状腺炎は、風邪のような症状の後2-3週間してこの甲状腺が腫れて痛む病気です。

患者さんは「甲状腺が痛い」とは言わず「首・のどが痛い」と言うので、

甲状腺の腫れを見逃してしまうと診断がつかない場合があります。

原因はわかっていませんが、ウイルスが甲状腺に入って炎症を起こすのではないかと考えられています。

甲状腺の腫れは右か左どちらかに偏っており、時に反対側へ移動するのが特徴です。

また、甲状腺の炎症によって甲状腺ホルモンが血中に漏れ出るため、

動悸・息切れ・多汗・疲れやすさ・手の震えといった症状が出ることがあります。

これらの症状を甲状腺中毒症状といい、バセドウ病でも見られますが、バセドウ病とは異なり

亜急性甲状腺炎は一過性の病気であり、3-6週間で炎症は治まって症状も落ち着きます。

甲状腺の病気については後日別エントリーで取り上げますが、一度の採血で甲状腺ホルモンが高かったからと言ってバセドウ病と決めつけてはいけません。自己抗体などを調べつつ経過を見る必要があります。

悪性腫瘍

頻度としては少ないですが、のどの痛みが長引き、いろいろ調べても分からない場合は

悪性腫瘍の可能性も考えて専門機関での精査を検討します。

咽喉頭異常感症

皆さんの周りに、下のような方は居ないでしょうか?

  • だいぶ前からのどのいがらっぽい感じが続いている。
  • 胃カメラ・喉頭ファイバー・CTなど散々検査を受けたけれども異常無いと言われた。
  • 胃液の逆流疑いと言われて胃薬を処方されても良くならない。
  • 口呼吸でもなく、鼻炎や慢性副鼻腔炎も無い。

こうした患者さんは、実は少なくありません。

うつ症状や不安発作などの可能性も考えながら改めて病歴を取り、

いずれでも無さそうな場合は咽喉頭異常感症の可能性を考えます。

咽喉頭異常感症は女性に多く、不安・緊張・ストレスが関与していると考えられています(かつてはヒステリー球とも言いました)

風邪と同様に確定診断する方法は無く、除外診断です(他の病気を除外することで診断します)。

半夏厚朴湯という漢方が効くことが多く、試す価値があります。

薬への反応を見つつ、不安・緊張・ストレスが明らかに有れば、それらに対する対処法をゆっくり考えましょう。

 

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