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貧血

貧血とは

「貧血」というと「頭の血の気が引いてフラフラしたり、目の前が真っ暗になったりすること(いわゆる脳貧血)

をイメージされる方もおられるかもしれません。

 

医学的には貧血とは血中のヘモグロビン濃度が少なくなった状態を言います。

ヘモグロビンとは

「貧血って赤血球が減った状態の事では無いの?」と思われた方。

 

これは場合によっては正しいですが、

赤血球の役割たる酸素の運搬を担っているのは赤血球の中にあるヘモグロビンというタンパク質なので、

いくら赤血球の数だけ多くても、その中のヘモグロビンが少ないと酸素運搬が上手くいきません。

赤血球数は赤血球の大きさとともに貧血の原因を探る手がかりとして測定しますが、

貧血かどうかの判断はヘモグロビン濃度によります

 

下図のように、赤血球は内部にたくさんのヘモグロビンを含んでいます(正常赤血球はその容積の30%以上のヘモグロビンを含みます)

ヘモグロビンは鉄を含むタンパクであり、赤色を帯びているため血色素とも呼ばれます。

 

ヘモグロビンは酸素と結合すると鮮赤色になり、酸素が外れると暗赤色になります。

 

下の写真のように、動脈血は鮮赤色(①)、静脈血は暗赤色(②)をしています。

健康的なバラ色の頬は血中にヘモグロビンがちゃんとあり、呼吸状態と血流が良いことのあかしです。

反対に、進行した貧血では顔面が蒼白になります(軽度の貧血は見た目では分からないことが多いです)

 

喘息発作などで呼吸が苦しくなると唇が暗赤色になりますが、これはチアノーゼと言って、

酸素が結合していないヘモグロビンが増えて動脈血も上の写真の②の色になってしまった状態で、

体内に酸素が行きわたっていないことを示すので、緊急での医療機関受診が必要です。

 

貧血の種類と原因

鉄欠乏性貧血

貧血の原因の9割以上を占めるのが鉄欠乏です。

採血で赤血球の大きさや体内の鉄動態(血清鉄、TIBC《総鉄結合能》、フェリチン)を調べることで診断します。

鉄が欠乏するとヘモグロビンが作れなくなるため、赤血球は小さくなります。

原因としては鉄分の摂取不足/吸収障害や、慢性的な出血・激しい運動などによる鉄分喪失が挙げられます。

鉄欠乏性貧血の診断がついたら、原因を調べるために以下のようなことを行います。

  • 問診:偏った食事をしていないか、日常的に激しい運動をしていないか、(女性では)月経の出血量が増えてないか・不正出血が無いかなどをお聞きします。
  • 便潜血検査:消化管出血が無いか調べます。
  • 婦人科的検査(女性の場合):婦人科へのご紹介を検討します。 

月経のある女性の場合、特に婦人科疾患が無くても鉄欠乏性貧血になることが珍しくないため、

軽度の鉄欠乏性貧血なら鉄剤を処方して経過を見ることもあります。

この場合も必ず1~3か月後に再度採血し、貧血が改善しない場合はやはり精査が必要になります。

 

こちらの院長ブログ「なぜ鉄分は不足しがちなのでしょうか?その1」もご覧ください。

https://ningyocho-cl.com/column/%e3%81%a9%e3%81%86%e3%81%97%e3%81%a6%e9%89%84%e5%88%86%e3%81%af%e4%b8%8d%e8%b6%b3%e3%81%97%e3%82%84%e3%81%99%e3%81%84%e3%81%ae%e3%81%8b%ef%bc%9f%ef%bc%88%e3%81%9d%e3%81%ae%ef%bc%91%ef%bc%89

 

葉酸欠乏・ビタミンB12欠乏による貧血(巨赤芽球性貧血)

葉酸とビタミンB12はどちらもDNAの合成に必要なビタミンであり、不足すると赤血球の分裂がうまく行かず貧血になります。

DNA分裂障害によって未熟なまま赤血球が大きくなり、巨赤芽球という異常な赤血球が血中で見られるため、巨赤芽球性貧血と呼ばれます。

 

葉酸とは

葉酸はビタミンB群の1種で、野菜・果物・肉・魚などに含まれ、これらを十分に摂取していれば不足することは少ないですが、

以下の場合は葉酸の必要量が増えるため補充が必要になります。

  • 妊婦さんや、授乳中の方(胎児の神経系は妊娠が判明した時点では大体出来上がっているため、これから妊娠する可能性がある女性は葉酸の補充が推奨されています)
  • アルコール多飲の方(葉酸の摂取不足と吸収障害によります)
  • メトトレキセートを投与されている方(8mg/週以上のメトトレキセートを処方する際は、同時に葉酸製剤を処方します)

 

ビタミンB12とは

ビタミンB12はDNA合成時に葉酸の働きを助けるビタミンで、海苔・貝・レバーに豊富に含まれます。

ビタミンB12の吸収には胃で作られる内因子という物質が必要であるため、萎縮性胃炎胃全摘後の方ではビタミンB12の吸収が落ちて不足してしまいます(ビタミンB12は通常体内に蓄えがあるため、胃全摘から1-2年後に貧血になる場合が多いです)。

巨赤芽球性貧血を疑ったら

葉酸・ビタミンB12が不足していないか、採血で調べます。

また、吸収障害の原因となる基礎疾患が無いかを調べます。

原因がはっきりしない場合は、骨髄検査が必要となる可能性を考えて、血液内科のある高度医療機関への紹介を検討します。

 

 慢性疾患(悪性腫瘍、慢性感染症など)に伴う貧血

骨髄疾患による貧血

溶血性貧血

遺伝性の貧血(サラセミア、鎌状赤血球症など)

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